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 オフ本についてのお詫びとサンプル
こんにちは。
GWも気が付けばいつの間にか終わっており、
通常が戻ってきました。
まぁ、GWとは言っても、なんて何もしませんでしたが・・・。
なので有り難いことに5月病にもなっておりません。


さてさて。
通販では沢山のお申し込み、誠にありがとうございます。
正直、こちらのブログも開店休業中が続いており
申し込みも15冊位もあれば有り難いなぁ~と思ってました。
なのに、思ったよりもあった為、急遽イベント分を減らすことになってしまってました。
そんな感じでイベントではお手に出来なかった方もいらっしゃったようで
本当に申し訳ございませんでした。
それがまず一つ目のお詫びなのですが・・・・・。

更にもう一つお詫びがありまして
こうして記事の更新をしております。

それが・・・・今現在、通販のみのオフ本があるのですが、
発刊を当初5月14日にしてましたが少し不都合が生じまして
発刊が25日になります・・・・。
本当に申し訳ございません。
あさ様御本と一緒にご注文頂きました方には
大変お待たせしてしまうことになってしまい、
ご迷惑をおかけいたします。

発刊後は素早いお届けに努めますので、何卒ご了承くださいませ。
宜しくお願いいたします。


そして、今回のオフ本についてのサンプルもありませんでいたので、
少し上げておきます。
ご興味がございましたら、どうぞ。


月昇り、空満ちる

【タイトル】 月昇り、空満ちる
【本文】 旧ブログからの再録4編 書き下し2編 全年齢対象 
      「満月の夜に」 「決心~月に誓う」
      「月明かりの道標」 「月に酔う」
      「月は、夜桜を抱く」 「すべて、月はみていた」  4編




【月は、夜桜を抱く】

春の夜……心地良い風が吹き、草木を揺らす。それは、すでに満開を迎えた桜の木さえも例外無く―――。ユラユラと優しく
揺れ、時折小さな薄桃色の花弁をフワリと地に落としていく。
 窓辺から見えるその桜は、夜空に鎮座する大きな満月から降り注ぐ光を浴びて闇夜に浮かび上がり、結構遠目なのにそれはまさに夢幻とでも言う様で。

「こんなに月光に映える夜桜なんて、滅多に見られない物だから、陛下と二人きりで散策など出来れば良いのだけれど……」

窓の外を眺めながら、夕鈴はポツリと吐き出した。
侍女達は誰もがこの謙虚で控え目な妃を慕っており、どんな時もお妃様の言を聞き漏らさぬ様にしている為に、囁かれた独り言も聞き逃しはしなかったのだ。聞こえて来た微笑ましい小さな願望について、お付きの侍女達は小さな声で話し合いを始めた。

「どうすれば、お妃様の願いを叶える事が出来るのかしら?」
「どなたか、李順様に申し入れては如何でしょうか?」
「なら、嘆願書を作成してお持ちしてみようかしら」
 
皆『私達の大切なお妃様の為に何とかならないか?』を真剣に考え、提案を次々と出していた。
 自分が無意識に紡ぎだした言葉に呼応して、侍女達に因る秘め事が行われ様としているなんて思いも寄らず、夕鈴はただ窓外をぼんやりと眺めていた。
  そのぼんやりとした夕鈴の佇まいは、侍女達の目には何処か
物寂しそうに見えて侍女達に焦りが襲ってくる。

「早く、何とかしないといけませんわ」
「御覧になって!お妃様の穏やかな瞳が、いつになく曇っていらっしゃるわ」

一体、どれだけ夕鈴の事を観察していると言うのか?―――。
優秀な侍女達は、自分達の仕事をしつつも視線は夕鈴に釘付けになっている。
 そうこうしている内に、侍女達の中の何人かで李順宛ての嘆願書が出来上がっていた。
 しかし、そこで問題になる事はただ一つ…誰が持ち込むのか?
『皆、我こそが!』と意気込んでいて、中々決まらないのだ。
侍女達は夕鈴に気付かれない様に、李順の所に行く人選を囁き合っていた。

「あの皆さん…もう夜も更けて来ましたので、私はそろそろ寝所へ参ります」
 
夕鈴は、殊更にゆったりと彼女達に微笑みながら声を掛けた。それは、自分が彼女達の仕事の邪魔をしているかも知れないから、寝所へ引っ込んでしまった方が良いだろうと思っての事だった。

「早く、誰でもいいから」
「そうですわ、お妃様が寝所へ行かれる事になれば、陛下と散策なんて事はお出来になられませんわ」
「そうはおっしゃっても、やはり李順様に嘆願書をお持ちになるのは、ある程度の方でないといけませんわ」

 さっきからコソコソと話している侍女達の様子に、気付かない夕鈴では無い。何を話しているのかは全く分からないのだが、ここは兎に角早く彼女達を解放してあげるのが、きっと得策であると夕鈴は焦っていた。

―――今日は皆さん、どうされたのかしら?私がいつまでも
こうしてここで桜を眺めているから、やっぱりお仕事が捗らないとか?そうだとすると、本当に迷惑な事この上ないわね。

「皆さんも、どうぞ早く休まれて下さいね」

 ニッコリと笑いながら、夕鈴は心の中でこぶしを胸の前で力強く握り締めていた。こう言えば、大丈夫だろう……侍女達もきっと下がりやすくなった筈で。

「あっ、はい……お妃様」

 そう返事した侍女の様子は、心無し肩をガックリと落として
いる様に見える。
 ―――私、何か間違ってしまったのかしら?
 夕鈴は、少し不安になる。でももう寝所に行くと言った以上、
侍女の様子が気になったとしても、このままここに留まる訳には
いかない。後ろ髪を引かれる思いをしながら、夕鈴は寝所へと
向かった。

「お妃様がお休みになられたら、元も子もなくなりますわ」
「この際誰でも良いから、李順様にこの嘆願書をお持ちしないと」
「なら、私がお持ち致しましょう」

 夕鈴の行動から焦りを感じた侍女達は、立候補してきた少し年長の侍女に嘆願書を託した。嘆願書を託された侍女は、宝物を抱くかの様にしっかりと胸に抱き、そそくさと部屋から出て
行った。
 その侍女が出て行くと、誰が何をするのか示し合わせた訳でも無いのに夕鈴の衣装、髪飾りを分担して準備していく。
 先程の嘆願書を持って行くのに喧々囂々していたとは思えない程の手際の良さである。
 皆が、『私達の自慢のお妃様の為に!』と一致団結している行動
の故である。
 
「さぁ、準備は万端だわ。お妃様には、おでまし頂かなければ」

 寝所へ下がった夕鈴を呼び戻すべく、一人の侍女が様子を伺う為に戸口で遠慮気味に声を掛けた。

「お妃様、もうお休みになられていますでしょうか?」
「えっ?あっ、はい。まだ起きています」
「出来ましたら、おでまし頂きたいのですが」

 一体何の用事なのかしら?
夕鈴は、不思議に思っていた。普段、自分が寝所へ下がったら侍女達が呼び戻す事など無いからで…でも、わざわざ来てくれているのだから、彼女の申し出を断る理由も見つからない

「はい、分かりました。少しお待ち下さいね」

 夕鈴はゆったりとした声で返事をすると、寝台から立ち上がり
扉へ向かって歩き出した。
 扉を開けて覗いてみると、何やら居間のほうが騒がしい事に
気がついた。

「あら、皆さんどうなさ………」

 言い終わる前に呼びに来た侍女に促され、夕鈴は居間の中央まで誘われていた。

「あの、お妃様……真夜中まではまだまだありますし、少し散策なさってはいかがでしょうか?庭園の桜もきっと今宵の月に映えて綺麗でしょうから」
「まぁ、確かにそうですね。では、少し散策する事にします」

 夕鈴の言葉に侍女達はワクワク感を隠し切れずに、そそくさとお妃様を飾り立てるべく、夕鈴の周りを何人もで囲む。

「あの、ちょっ、と……何をなさるのですか?」

 侍女達の大胆な行動に恐れをなした夕鈴は、自身の身体を両腕で抱き締め、瞳を大きく見開いた。





【すべて、月が見ていた】

―――一、月齢14 満月がもたらす、最初の事象。

 上空に鎮座する、まん丸の月。それは望月と呼ばれ、欠けたる事無く吉兆とされることが多い。
 
しかし、真にそうなのだろうか――?

今宵の望月は、いつになく大きく……空全体を征服するかの様で。
何か事が起きてもおかしくない様に感じるのは気のせいであるとは言い難い。

「今宵の月は、いやに大きいな」
「そうですね……天文官からの報告では、今宵の月は特別なモノだそうですよ」
「ほぅ、特別とは?」
「なんでも、数十年に一度のモノで近点満月のなかでも一際大きな月なのだそうです」
「何か影響があったりはしないのか?」
「ええ、特には無いと聞いていますが」
「ならば良いが………」

 黎翔は一言呟くと鑑賞していた望月から目を離し、卓上の書簡に目を戻す。
折角の珍しい月なのだから、夕鈴とゆっくりと月見と洒落込みたくあった。しかし、卓上の書簡がその楽しみを良しとしなかったのだ。

「夕鈴はどうしているのだろうか?」
「お妃様ですか?報告に依りますと、侍女達と月見の宴を
ささやかに開催しているそうですよ」
「それでは、私も……」
「ダメに決まっているでしょう」

 李順の眼鏡の奥の鋭い視線に、黎翔はウッとその後の言葉を飲み込んだ。
 全く以ってこの優秀な側近は、融通が利かない事この上ない。

「ちょっとくらい良いじゃないか」
「ちょっと?今、『ちょっと』と仰いましたか?…陛下がちょっとなどで済む訳が無いでしょう?大方朝までお戻りにならないに決まっていますよ」
「こんな綺麗な月夜を、愛しい妃と共に愛でてこそだとは思わないのか?」
「はぁ……私は、全く!一つも!思いませんよ。さぁ、サクサクとその書簡達を片づけて下さい」
 
これ以上の会話は無駄だとでも言う様に李順は、視線を書簡の中の羅列された文字へと移す。

「明るい月光に照らされた夕鈴の容姿は、さぞかし艶やかなのだろうな………」

 ブツブツと独り言を呟きながら、黎翔は書簡に対峙する。

そう……黎翔の言う通り確かにこの夜の月は綺麗で、辺りを煌々と照らす月光がユラユラと揺らめいており、薄い絹織物で作られた夕鈴の衣を淡く光輝かせていた。
例えるならば、『天女』とでも言えるだろうか。侍女たちの目には、夕鈴の姿がその様に映っていたのだった。

「本当にお妃様はお綺麗で………自然に溜息が零れてしまいますわ」
「やはり、お妃様は陛下の妃に相応しいお方ですわ」

 皆、口々に夕鈴を称えその誉め言葉に夕鈴は頬を薄桃色に染めていた。

「でもお妃様が天女であらせられれば、今宵のような大きな月は天からの何かの啓示であり、迎えのお使者でも降りて来そうでございますね」
「まぁ、私が天女ですか?それは買い被りと言うものですわ。月にいらっしゃる本当の天女様がお気を悪くなさるかも知れませんから、それ位にして下さいね」
「はい」

 夕鈴は侍女達にニッコリと微笑む。その微笑みも侍女達を魅了するものだった。
 それは侍女達だけでなく………。

 月光は、映す―――――全てを。
 望月は、摩訶不思議を引き寄せる――誰も想像しなかった事象を。

                 *

―――二、月齢15 十六夜(いざよい)月が秘めた、事象の兆し。

「昨晩の月は本当に綺麗だったですね」
「はい、お妃様。私は初めてあの様に大きな月を見ましたわ」
「確かに昨晩の月は、特別な月だったそうですものね」
「あの様に月明かりが眩しいのものとは、思いませんでした」
「そうですね、昨晩は蝋燭の明かりがとても頼りなく思えた事はございませんわ」
「そうですね。私もあの様に月が大きくなると月明かりだけでも良い事が分かりましたわ」

 朝から、夕鈴と侍女達は昨晩の月について感想を述べていた。昨晩は黎翔も後宮に戻らなかったので、存分に侍女達と月見の宴を行うことが出来た。まぁ、宴と言っても普段とあまり変わらず、お茶とお菓子をつまんで女同士で話に花を咲かせていただけであったのだが………。
 しかし侍女達にとっては、お妃様とご一緒にお茶が出来る事は大変名誉な事であり恐縮してしまうのである。はっきり言ってあまりあり得ない事だ。しかし夕鈴自身、自分が妃としては地位も低く出自が一般庶民である事を重々承知しているので、侍女達には普段から気さくに接しているし、自分とお茶を共にして欲しいと頼み込む様な風変わりな妃であった。 
 そんな夕鈴の腰の低さが侍女達にはとても好ましく、誰もが夕鈴に心寄せていたのだった。

―――あら?今日の衣装は、少し大きく感じるのだけれど…。
 
夕鈴は、衣装に袖を通しながら首を傾げた。肩口がどうも大きく感じてしまうのである。そこまで撫肩で無い夕鈴は肩から衣装が刷り落ちる事など無いのである。侍女達も夕鈴の着替えを手伝いながら、確かにその様に感じると少し考え込んでいた。
昔の妃達であれば、衣装など一度袖を通したものはもう袖を通す事は一切無く侍女達に下賜されていたのもだが、夕鈴は質素倹約に努めており、その衣装は先だっても着ていたものだった。それからそんなに経っておらず急激に体形が変わるとも思えなくて、着替えを手伝っている侍女達も不信に思ったのだ。

「お妃様、少しお痩せになられたのでは?」
「そうかしら?」
「ええ、お衣装が少し合わない様なので。どこかお身体にご不調など感じられませんか」
「いえ、特には感じませんが………」
「さようでございますか…それでしたら、宜しいのですが」

 恐らく一時的なものであるのだろうと納得して、夕鈴も侍女達もそれ以上は追及する事は無かった。しかし漠然とした疑問は残り、それは喉の奥に刺さった小骨の様にその後もしっくりと来る事が無く悶々としたものを抱え込んだのだった。
 その晩の月は、十六夜。まだ月の欠けた姿をハッキリと視認する事は叶わず、真ん丸の月は優しく地上を照らす。そんな月を、夕鈴は窓辺に佇みボンヤリと見詰める。そこから何かを感じる事は無く、ただただ綺麗な月が鎮座していた。
 だからこそ、誰にも気付かれず事象は進む―――。

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分類題名 : お知らせ  *  分類主題 : 小説・文学  *  分類 : オフ活動関係
自動通知機能 : -  *  伝言 : 3  *  記事編集  *  2018年05月09日(Wed) 18時02分
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2018年05月09日(Wed) 23時00分       編集
幻想民族様

こんばんは。

お返事を~~。
はい、大丈夫ですよ。
メールしてますので
ご確認くださいませ
2018年05月09日(Wed) 23時34分       編集
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このコメントは管理者の承認待ちです
2018年05月14日(Mon) 22時30分       編集






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