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【極めて非日常的な出来事・9】

【設定】 

現パロ設定  ・ 恋人未満

【注意事項】

こちらの作品は【アリスの口づけ】とは、
全く違う設定の現パロとなっております。

二人が出会い、そして繋がり結びゆく展開を
お楽しみいただけましたら幸いです。




店に入ると、そんなに混んでない時間帯らしくアチコチに席は空いていた。
私は、キョロキョロと見渡して、窓際の陽当りの良い席を見つけた。

「あの・・・・社長さん、あそこの席がいいと思うんですけど」
「夕鈴、僕の事は黎翔って呼んでって言っているよね」
「・・・・・・・そう、でしたね。
れ、れ、黎翔さん、あの席は如何ですか?」
「そうだね」

社長さんはそう言うと、さらりと私を席へとさりげなくエスコートした。
でも私は椅子に座る事が出来ずにいると、社長さんが注文を聞いてきた。

「夕鈴は何がいい?」
「・・・・え~~と、甘いのがいいので。
そうですね、キャラメルが入っているのがいいです」
「僕はブラックにしておくよ」
「では、私が行ってきますね」

私は、そそくさとカウンターに向かおうとした。
しかし、それは社長さんの手が寸でで私の腰を浚って止められた。

「夕鈴、そんなことはしなくていいんだよ。
そう言うのは、男性の役目なんだからね」
「いやっ、そう言う訳にはいかないですっっ!
私、バイトだし・・・・だから社長さんの役に立たないと」
「あのさ・・・夕鈴は、僕が女性にそんな事をさせる甲斐性の無い男だと思っているの?
そう言うのは、僕は好きじゃないよ。
夕鈴は、ここで大人しく待ってくれていればいいんだから、僕に任せて」
「・・・・・・・・は、はい」

社長さんに押し切られてしまった。
私は仕方なく椅子に腰かけると、注文カウンターに向かう社長さんの後ろ姿をボォ~と見送った。

でもホントにいいのだろうか?と私は不安になる。
だってこんな風に扱われたことなんてなくて。
女の子として大切にしてもらって。
何だかバチが当たりそうな気になってくる。

今まで男の人と付き合ったことなんて無くて、
どうすることが可愛い女の子としての振る舞いなのかなんて知らない。
誰も教えてくれたりしなかったし、
そんな事を考える事も無かった。

だって、バイトばっかりで普通の女子高生らしい事なんて、
あんまりしてこなかったから。
たまに明玉とショッピングに行くくらいで。
こんなの・・・・・どうしたらいいのか分かんなくて、正直困る。

「はい、お待たせ!」

ハッと我に返った時には、社長さんが両手でコーヒーカップを持って私の前に立っていた。
どうやら、私は自分の考え事に必死で何処かにトリップしてたみたい。

「あっ、スミマセン!有り難うございます!!」

ガタッと音を立てて立ち上がると、私は米つきバッタの様にペコペコを頭を下げた。

「そんなに恐縮がらなくていいよ」

社長さんは、口元を柔らかく緩めて笑ってくれた。
私はそれに安堵して、フッと小さく息を吐き出した。
そして恥ずかしさに、自分の頬が熱くなるのを感じた。
多分、真っ赤になっていると思う。

「ほら、飲もうよ」
「はい」

コーヒーカップを受け取ると、ストローに口をつけてコクリと一口飲み込んだ。

「美味しいです!!」
「そう、それは良かった。
実は、僕はこの店初めてで・・・・注文するのも少し戸惑った」
「やっぱり・・・・」
「えっ、やっぱりって?」
「だって、社長・・・いや、黎翔さんこの店に入って来た時、
いやに辺りを見回しているなぁ~って思ったんです」
「バレてたんだ」
「はい」

社長さんが照れ隠しに、微笑んだ。
その表情に、ドキッと私の心臓が跳ねた。

何。
これ。
何か、可愛いなんて思っちゃった。
・・・・・・・この気持ちって。

私はその先の答えを知りたくなくて、
甘いキャラメル味のコーヒーをゴクゴクと飲んだ。

「ねぇ、夕鈴。
今日のパーティーの件だけど」
「えっ??は、はい!!!」

またしても、私はトリップしていたようで、
社長さんの低くて心地良い声で引き戻された。

「多分、君と同学年くらいの女の子が来ていると思うんだ。
その子に会ったら、気を付けてね」
「気を付けるって、何をですか?」
「うん、僕の傍から離れないで欲しいんだ。
実は・・・その子が僕の婚約候補者の筆頭で、その子に向けて特に牽制したいんだ。
僕にはもう恋人がいて、近いうちに婚約するつもりなんだと・・・ね。
結構有力な家の娘さんでね・・・・・その子の父親が、色々と煩いんだ」
「私と同じ年で・・・・・親御さんが結婚を勧めているんですか?」

私は、ビックリした。
まだ女子高生なのに、親主導で色々押し付けられてるなんて。
遊びたい盛りだよ、高校生なんて。
まぁ、私は遊ぶよりもバイト優先だけどさ。

「分かりました!私、頑張ります!!
壊したパソコンの弁償代くらいはキチンと婚約者になります」
「フフッ、良い心がけだね」

社長さんは私の頭に手を乗せて、いい子いい子と撫でてくれた。
それが心地よくて、私は俯くと社長さんに気付かれずにそっと微笑んだ。
実はそれを社長さんにバッチリと見られていて、
社長さんも笑ってくれていたなんて私は知らずにいた。


続く。







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COMMENT

もしや一番乗り?嬉しいなー

最近、昔のこと思い出して悶々とすることがあります。
黎翔さんは現代でも変わらず強引だ…と思ったら、また突然思い出して、もう~~~!!現代の設定では他人ごとに思えず、たまりません。
ある程度の強引さって、必要だと思う!
少なくとも、それも判らないくらい若かった私には、必要だった…絶対人生変わってた…

なんのこっちゃな話ですね。
ちょっと吐き出して落ち着きたかったんです。付き合わせてすみません(汗

みや様


こんばんは~コメント有り難うございます

は~~い!一番乗りですよ~
有り難うございま~す。


そうですね~
へーかは現パロでも、少々強引なお方です。
そこがカッコイイところなんですけれど。


そのお気持ち、わかります!!
女性でも強引な時も必要です。
自分の気持ちに正直になる事。
たまには大胆になる事。

そう言う事も必要な事って、場面場面では必要ですね~~
少しだけ勇気を出せば、人生がコロッと変わる事ってあると思います。

私もそうだったなぁ~~と。
若き日を思い出しました。
勇気を出す事。
駄目でもいいじゃん!
失敗してもいいじゃん!!

そう言う事が出来るのが、若い時の特権かなぁ~と。

うんうん。
確かにそうだぁ~~


陛下は強引だからかっこいい。そうなんですよねえ。
小犬だけじゃ物足りない。

男性にはやっぱりリードしてほしいし、
例えやせ我慢だとしても、きゅんとくる強さを見せてほしい。
頼っていいんだって安心できる気がします。
「強」引てくらいだから、かっこよさにつながる部分があるのかな。

あんまり気を使われてばかりでは、強さに気づけないし、
とにかくこっちを向け!って態度でいてくれたら、少しは覚悟ができたかもしれない。

対するこちらも正直になって、相談相手はいたのだから、
遠慮せずに思い切って相談すればよかった。
あぁこういう強引さが、足りなかったんだ…

失敗したり傷ついたりするのが怖くて、
誰かに相談するだけの勇気も持てず、
逃げた自分が悪いんだけど、
いいおばちゃんになった今頃になって、記憶の中で青春真っ盛りですよ。あーもーどうしよう。

珀黎翔…どうあっても罪なヤツ。

ほんとに何だかなーな文章で、もうコメントじゃなくなってるんじゃ(>_<)

みや様


コメント有り難うございます!!

みや様のコメントに「うんうん、そうだわぁ~」と共感しました。
確かにそうなんです。

男性の強引さって、女性としては嬉しいし。
それを待っていたりするんですよね~~。

ホント、若い時って気づけない事が多くて。
私も今頃になって、「ああ、その時ってああすれば良かったんだよね」なんて思う事も多々あり。
何も男性との事だけでなく、女友達との事もでもそう!
人間って結局、後悔する生き物だと思います。
でも後悔出来るから、人に優しく出来るのだと私は思います。

うん!おばちゃんになると分かる事って結構あるもんですよね。


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