【僕の子守は、てんてこ舞い・前編】
2017年06月27日 (火) | 編集 |
こちらの話は特殊設定のお話になります。

下記の『彩怜シリーズ概要について』の部分をクリックして、
そちらに明記された記事をお読みの上で
お話へお進みください。
もし、その記事内容に一つでも引っ掛かる事がありましたら
そっとリターンしてくださいませ。
どうぞ 宜しくお願いいたします

彩怜シリーズ概要について





【設定】

未来設定(彩怜シリーズ) ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り









大体、人には向き不向きがある。
それは解っていたけれど、こんなに顕著に出てしまうなんて誰が思うだろうか・・・。

「公子・・・それでは、公主様が泣いてしまいますよ」
「もうっっ、解っているよ!桃簾お兄さん」
「ふぎゃぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

ああ、泣かせてしまった。
ごめんね、不甲斐ない兄で。


*********


こうなったのは、僕の言葉からなんだ・・・・実は。


「母上、今日は確かご公務だったはずですよね?
そろそろお出掛けにならないといけないのでは?」
「・・・・・ええ・・・・」

歯切れの悪い母さんの言。

「どうかなさったのですか?」
「ええ、困った事があって・・・・」
「困った事?」

今日は妹公主が生まれてから、初めての公務。
しかし、いざ公務となった時に困った事が起こったんだ。

「それが・・・・誰が公主を見ててくれるのかを揉めていて」
「揉める?」
「ええ、誰もが『公主様のお世話をしたい!!』と申し出て、決めかねているのよ」
「・・・・・なるほど」

普通ならば乳母が付いているから乳母が面倒をみるのだろうけど、
母さんは乳母を置くことを良しとしなかった。

『彩怜も自分自身の手で育ててきたのだから、
この後宮で公主を育てると言えども同様にしたい』
そうきっぱりと告げて、周りの意見を退けた。

だからこんな時に困ったことになったんだ。

「じゃあ、僕が妹公主のお世話をしていますから。
母上は公務に行って下さい!!」
「彩怜が?」
「任せて下さい!!!!」

僕は、胸を張って答えたんだ。

だって、今日の公務再開には色々すったもんだが有ったのを僕は知っている。
だから母さんには心置きなく公務に行ってもらいたいんだ。


********


そもそも公務を再開する事が決まったのは、ホンの2週間前の事だ――。

母さんは妹公主を産んで半年以上経つ今まで、公務はしてこなかったんだ。
その事について、母さんなりに色々と考え込んでいたらしい。
やはり正妃という立場上、公務は大切だと。
キチンと責任は果たしたいとしっかり者の母さんは思うらしく。
しかしそれを阻止しようとする人物がいたんだ。
言わずもがな、それは父さんで・・・・。
産後しばらくは、父さんが命じて公務を入れない様にしていたんだ。


「乳母もいないのだから、夕鈴は休む暇なんてきっとないだろう。
だから公主の世話がない時はキチンと休んでおくべきで、
公務再開を急ぐことなんてないよ」
「でも、そういう訳には・・・・」
「私が『良い』っているんだから、君は夫の言うことを聞くべきだよ」

それで一度は公務再開は先送りになったんだ。
でもそれで終わるはず筈は無く―――。
2週間前に、母さんがそろそろ公務を再開したいと再度父さんに申し入れた。
しかし、父さんは何かと理由を付けて再開させようとしないのを、
いい加減嫌気が差した母さんが父さんを叱り飛ばして、しぶしぶながら再開を了承する事にしたらしい。

父さんは母さんに頭が上がらない・・・・。
だから何のかんの言っても、母さんの言には最終的には従ってしまう。
それは、恐らく父さんなりの優し故の愛情表現なのだろうけど、
しかしその愛情表現は僕にとってみれば複雑怪奇だ。
だって、父さんって官吏の誰もが恐れる『狼陛下』なんだよ。
だから、奥さんである母さんの言葉に大人しく従うなんてね・・・・・。
まぁ、それはいいとして。

母さんは父さんを前にして臆することなく主張する。

「大体・・・出産は沢山の女性が経験することで、
皆出産後も早々に家事を再開するものよ。
それに、私も彩怜が生まれた時なんて誰もいなかったんだから、
寝ていたりはしなかったわよ。
・・・・生まれたばかりの彩怜を連れて、住み込みしていた宿屋から出て行ったくらいだし」

あっ、母さん。
今、何気に父さんの傷をえぐった・・・よ。
父さん・・・マジで悲し気な表情になっているんですけれど。

「夕鈴・・・・・・・・・・・・ごめん。
あの時は本当に、君に辛い思いをさせてしまった。
もっと自分がしっかりしていれば」
「へ、へいか!!!
あっ、ごめんなさい・・・・・あの、その、あの時はそうするしか」
「解っているよ。
でも自分の不甲斐なさが」
「今はこうして家族が一緒にいるのですから、もう大丈夫です」
「いや、でも夕鈴には苦労を掛けたのだし」
「そんなことはありませんから」

あ~~あ、これは二人の世界に入ったよね。
多分。

やっぱり・・・・・だよ。
二人で抱き合っているよ。
あのぉ・・・・・一応、僕がいるんだけど。
お二人さん、気が付いてる?
二人の世界に入らないでよ~~~。
・・・・・ダメだ、これは。
もう放っておくしかないよね。


僕は、ゆりかごの中でむずがり始めた妹公主をそっと抱き上げ、
そのまま部屋を脱出した。
まっ、そんな事があって。
気が付くと、母さんは公務を再開することになっていたんだ。
母さんってば、父さん相手にどんな手を使ったんだか?!


********


「彩怜、大丈夫なの?」
「勿論、妹の面倒くらい見れるよ。
昔、友達たちが弟妹の面倒を見ていたのを、僕だってちゃんと見ていたし。
それ位出来ないと、兄にはなれないからね」
「そう?じゃあ、彩怜に頼むことにするわ。
もし困ったことがあったら、周りの人に頼ってね」
「うん、大丈夫!!
ほら、早く行かないと・・・・父上がお待ちだよ」
「そうね」

そう言って、僕の腕に妹公主を抱かせると母さんは慌てて出て行った。


さて、まずは何をすればいいんだろう・・・・。
僕の腕の中で眠る可愛い妹公主を眺めて、自然と頬が緩んでいた。


しかし、それは束の間の事で――――。
僕は、如何に子守が大変なのかを身をもって知ることになる。




続く。





*****************


こんにちは!!!


まだ続きモノが色々と書き上がってないのに、
新しいものに手を出してしまいました。

何となく、ふんわりした気持ちになりたくて・・・・。

続き物の事は忘れていません!!
はいっっ!!
張り切って書きますので、
今しばらくお待ちくださいませ。


瓔悠。








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コメント
この記事へのコメント
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2017/06/28(水) 09:10:17 | | #[ 編集]
ますたぬ様

こんにちは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!

ですよね~
何気に!何気に!!(←ここ重要)やってくれちゃいます。
陛下はそんな夕鈴にはめちゃ甘くて弱いんですよ、多分きっと。

私も、そんな彩怜クンが好きです。

ますたぬさんの応援、有り難うございます~~
張り切って書きますね。
どうかな~~と少し不安に思っていたんで、安心しました。
はいっっ!!!



2017/06/30(金) 18:19:44 | URL | 瓔悠 #-[ 編集]
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