【優美な兎は何見て跳ねる??・11(完)】(未来家族設定)
2017年06月12日 (月) | 編集 |
【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り

【注意事項】

こちらの話は、前々ブログからの移行分を手直ししたものです。
移行忘れを見つけたのでUPしてみました。

そして、この作品は、【精悍な狼は何を想う?】の夕鈴sideと及び補足となります。







黎翔は浩大から聞い出した下町の明玉の自宅へと馬を走らせる。

「夕鈴・・・夕鈴・・・夕鈴」

呟くのは愛しき妃の名。

夕鈴がどうして怒っているのか位は、ホントは見当はついてた。
でも夕鈴を守っていきたいから、言いたくなかっただけ。
あんなどうでもいい縁談の事なんて、
自分が揉み消した時点で夕鈴が知る必要無いと思っていた。

でも、それが夕鈴の重荷になっていただなんて―――。
そんな事、思いも寄らなかったんだ。
だって夕鈴は自分の跡を継ぐべき公子を生んでくれていたし、
押しも押されぬ正妃となっていると思っていたのだから。

黎翔は、ただ必死に町中を馬を走らせていた。
そうしてようや目的の家へと辿り着くと、すばやく馬から降り戸を激しく叩く。

『ドンッ、ドンッドンッッ』
『はい、は~~い!!今出ますから!!
そんなに強く叩かないで下さい・・・こんな遅くに誰なんです??』

中から、夕鈴ではない声が聞えてくる。
案の定、中から出てきたのは・・・夕鈴の友人である明玉だった。

「あら・・・・確か、李翔さんでしたよね。
お久し振りです。あ、あの・・・夕鈴ですよね、少しお待ち下さい」

黎翔の姿を見るや否や、足早に夕鈴を呼びに中に入って行く。
少し待つと、夕鈴が明玉に押し出される様にオズオズと出て来た。

「れ、れい・・・・・いや、李翔さん」
「夕鈴、ゴメン!あれは、私が悪かった!!
君がいないと、この闇も夜も明けないんだっっ」

夕鈴は目を丸くしていた。
それもそうだろう_____出て来た直後に、黎翔が捲し立ててきたのだから。

「あの・・その・・・李翔さん・・・・私も黙って出て行って、ゴメンナサイ」
「そんな事は謝る事はないよ。
だってそこまで、夕鈴を追い詰めたのは私なのだから」
「・・・・・・いいえ。
(正妃である)私がこんな事をしてはイケナイ事くらい、重々わかっていた筈なのに」

夕鈴の頬に冷たいものが零れ落ちる。
その綺麗な真珠玉の様な涙を、黎翔は直ぐに指で掬い取る。

そして、ゆっくりと優しく抱きとめた。

「李翔さん・・・・・・・」
「僕は君を守りたくて黙っていた事で、君が深く傷つけてしまった―――。
これでは本末転倒だ、これからはキチンと君に何でも伝える事にするよ。
だから・・・戻って来てくれる?」
「・・・はい。
でも、私で、いいのですか?」
「君じゃないと・・・いや、君だけだよ、僕のお嫁さんはね。
だから帰ろう」

夕鈴は深く頷いて『是』の意味を示した。
それを受け取った黎翔は優しく微笑んで見せた。
そして二人は抱き合い、この何日かのお互いの寂しさを埋めあった。

しばらくそのままでいて、やっと満足したのかようやく離れると、
中で待ってくれているであろう明玉に挨拶する為に中に入る。

「明玉殿、夕鈴がお世話になった・・・本当に有難う」
「いえ、大丈夫ですよ!!お気になさらずに。
私も久々に夕鈴に会えて、沢山話せて愉しかったのですから」
「そう言ってくれると、有難い。
明玉殿・・・いずれ、何かの礼はさせてもらおう」

黎翔は明玉に軽く会釈すると、夕鈴と共に出て行く。
もう離さないという様に、腰に腕を回し共に歩いていく姿をみて明玉はホッと胸を撫で下ろしていた。

「全く・・・愛されてるじゃないの、夕鈴は!!!
離したらダメよ、その優しい腕を」

明玉は、門から出て行く二人の後ろ姿にそっと声を掛けた。



*******************


それから数日後。

明玉に御礼の品として、夕鈴から手の込んだ刺繍の入った手巾が送られた。
勿論、夕鈴のお手製である。

そして明玉の旦那の店には、何故か王宮からのご用達としての王命が下り、たまに王宮から注文が入る事になった。
それが評判を呼び、今まで以上に大繁盛へと繋がる事となった。



夫婦とは一心同体。

隠し事が一番の仲違いの元だという事を今回の事で肝に銘じた黎翔は、
夕鈴に言える事は何でも相談する事にした。
そして正妃として夕鈴も黎翔の助けと為るべく尽力をつくし、
益々国王夫妻の仲睦ましい様子が内外に広く知れ渡り・・・陛下に妃をと薦めてくる者がいなくなった。


今日も、国王夫妻は王宮で仲睦ましく暮らしている。
そう、子どもたちが呆れるくらいに・・・・。
子供たちは口々に『こんな調子じゃ、いつ弟妹が増えてもおかしくないよね』と、
呆れ顔で両親を揶揄するのだった。

仲良きことは美しき事かな―――。
それはきっと白陽国にとっては、もっとも僥倖な事であった。


終。





**************



ご拝読、有り難うございました。

この話は、前ブログに残っていたモノですが。
その際は前・中・後編で書いていました。
今回コチラに移すに当たって書き直すと、
こんなにも長くなってしまってました。

でも書いてて、楽しくて。
スゴク楽しくて。
だからやめられないんですよね。

オリキャラがバリバリ出てきますが、
如何だったでしょうか?
楽しんでいただけましたら幸いです。


瓔悠。



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コメント
この記事へのコメント
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2017/06/13(火) 12:46:06 | | #[ 編集]
ますたぬ様

こんにちは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!


まぁ、ありがとうございま~~す💛
読んでて楽しかったですか?


いいですよね~~いつまでもラブラブって。
子供から呆れられる位のラブラブって、何をしてるんだろう??
そこら辺が気になる・・・・。
これを書くのも楽しいかも?!


やっぱり、そちらも雨があまり降っていないんですね~~
コチラも朝は結構肌寒い。
朝方、蹴り飛ばした綿毛布を探してモゾモゾする私がいます。(笑)


雨が降らないと水やりが大変ですね~~
ウチも家庭菜園のキューリとトマトの水やりが欠かせません。
めんどくさい・・・・・・・。




2017/06/14(水) 14:57:24 | URL | 瓔悠 #-[ 編集]
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