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【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り

【注意事項】

こちらの話は、前々ブログからの移行分を手直ししたものです。
移行忘れを見つけたのでUPしてみました。

そして、この作品は、【精悍な狼は何を想う?】の夕鈴sideと及び補足となります。







「ねぇ夕鈴、あれで良かったの?
息子君・・・遥慎君、だったっけ。心配して迎えに来てくれたのに」
「・・・・・う・・・・・ん」
「今の間は何よ。ホントは、かなり後悔してるんでしょ」
「確かに、後悔していない事は無いのよ。
でも、遥慎と一緒に帰ったら、多分なんの解決にはならないから」
「ふぅん~~まぁ、夕鈴がそう思うんだったら、まだここに居てもいいけど。
そう言えば・・・まだ私、詳しい家出の原因を聞かせてもらってなかったわね」
「え~~話さないといけない?」
「もちろんっっ!!」
「はぁ~~~~~~~。
いくつになっても明玉は明玉だわ」

夕鈴はこの快活で面倒見の良い親友には、
いつまでたっても恐らく自分は敵わない!と思った。

どう、話せばいいのか?
正直分からなくて、夕鈴はコクリと首を傾げる。
頭の中で言っていい事と言ってはいけない事を選別するのに、
少し時間が掛かるらしく二人の間に沈黙が走る。

それでも、明玉は夕鈴を急かすことは無かった。
静かに立ち上がると、お茶の準備を始めてしまった。
それは、明玉なりの心遣い。
夕鈴はそれが分かっていて、安堵の息を吐き出した。

『コトッ』

卓上に茶杯が置かれる音で、夕鈴は我に返った。
どうやら明玉がお茶の準備が出来たようで、自分の前には茶杯があった。
鼻を擽る芳醇な香りが漂う。
心を落ち着かせてくれるような香り。

「あっ、明玉・・・・ありがとう」
「いいえ、どういたしまして。
さてと、そろそろどうかしら?」
「ああ、うん・・・・聞いてくれる?」
「勿論ちゃんと聞くから、明玉さんに話してみなさい」
「ふふっ、明玉は変わらないわね。分かった!話すわね・・・・」

その前に!と夕鈴は目の前の茶をコクリと一口飲んだ。
それで落ち着いたのか、徐に話し始めた。

「それがさ・・・・・・・・実は、隠し事をされていたの。
私がその事に気がついて少し問いただしてみたのだけど、
ものの見事に誤魔化されて・・・・。
もう夫婦になって、幾年月も経つというのにね。
それがどうしても悲しくて寂しくて・・・・いたたまれなくて。
気がつくと、『大っ嫌い!』と叫んで、家を飛び出していたのよ」

隠し事が何であるのかは明玉には伝えず、
簡単に事の成り行きを伝えてみた。
明玉はそれを『うんうん、なるほど』と相槌を打ちながら、キチンと聞いてくれている。

「確かに、家出したのは悪かったかも知れないけど・・・・・・。
でもね、私は夫婦なら私だってキチンと知らないといけない事もあると思うのよ。
例えそれが私にとって辛いとかもしれなくても」
「なるほどね・・・・・・・・夕鈴は、旦那さんの過保護な思いやりが重いってわけだ」
「まぁ、そういう事になると思う」
「夫婦だから・・・・・か。
それは確かにそうかもしれないけど。
ウチも旦那が私に黙っていることはあるわよ」
「えっ?例えばどんな事?」
「そうね・・・・・・ウチは旦那の一族で飯店を経営しているって言ったわよね」
「うん」

明玉は話しつつ、空になった夕鈴の茶杯にお代わりを注ぐ。
それを見た夕鈴は、チョコンと会釈して受け取る。

「私には、飯店の経営状態は何も話してはくれないわよ」
「えっ?旦那さんが継いでいるのよね」
「そうよ、もう旦那の両親は隠居で、手伝い程度よ。
だから、私と旦那で切り盛りしている感じかな~。
でも帳簿とかは旦那が管理していて、実は私は一切知らないの」
「それって、信用されてないって思わない?」
「そうでもないわ・・・・。
旦那の言葉がさ、『やっぱり、一家の大黒柱であるオレに経営は全て任せて欲しい』って事で。
どうも、それは旦那なりの男の矜持ってモノみたいだから」
「へぇ~~~男の矜持ね。
そう言われると、奥さんである明玉は何も言えないわね」
「そう、だから私は全部任せているの」

夕鈴はふと自分の事を思い返してみた。
どうして陛下は自分に黙っていたのかくらいは、容易に分かる。
自分を傷付けない為。
でもそれだけでは無いのかもしれない。
明玉が言うように・・・・・・・・。

「私も、もっと旦那様の気持ちに寄り添わないといけなかったのかもしれないわね」

夕鈴は、ポツリと呟いた。
でもだからと言って、このまま自分から王宮に大人しく帰るかと言えば、
それは良しとしなかった。
それが、夕鈴の夕鈴たる所以だった。
そう、頑固で意地っ張りな自分がいて、素直になれないのだ。

捻じれた赤い糸は、そう簡単には解けない。
夕鈴の瞳がそれを物語っていた。



続く。













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瓔悠

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