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【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り ・ 原作外設定有り





これは、マズイ。
かなり、マズイ。
非常に、マズイ。

黎翔が思ったのも、無理もない。
恐らく、誰もが思うはずだろうから・・・。

「夕鈴、大丈夫か?」
「えっ?あたしぃ、らいじょうぶ、ですよ~~~~~」

明らかに大丈夫では無い。
所謂呂律が回っていない話しぶりで。

黎翔はフラフラと歩く夕鈴を心配しつつ、後ろからついていくしか出来ない。

「早めに退出して正解だったな・・・・・」

黎翔は、苦笑いを醸しつつポツリと独りごちた。
酒宴場で夕鈴が酔いつぶれて、醜態を晒す訳にはいかないこともあり、
悠に夕鈴を伴って退出することを願い出た。
すると悠はニッコリと微笑んで、直ぐに承諾した。
何か、あるのか?と黎翔は訝しんだが、そんな事に構っている余裕は無かった。
兎に角、夕鈴をこの酒宴場から離れさせる方が優先事項であり。

そんな黎翔の想いなんてそっちのけで、夕鈴は回廊の端から空を見上げている。

「ねぇ、へいか~~~~今日は、とっても、おつきさまがぁ~キレイですよねぇ~」

舌足らずな言葉が破壊的で、黎翔の理性がぷっつりと切れそうになる。

大体、どうしてここまで酔っているんだ。
酒量はそこまで多くは無かったはずで・・・。
それに自分も飲んでみたが、そこまでの度数は強くはなかったはずだ。

ならば・・・今のこの状況は何なのだ。
明らかに、悠殿が何か策を弄したとしか思えない。

「夕鈴、本当に大丈夫なのか?」
「はぁ~~い、だいじょうぶでぇ~~す」

黎翔の心配はよそに、ニコニコ笑いながら答える夕鈴。
頬をホンノリと上気させその口元が完全に緩んでいる満開の笑顔は、
ドキリと胸を躍らせる。

可愛い・・・・・・・。
食べてしまいたくなる。

黎翔の雄としての本能は、理性を上回りそうになる。

いや、ダメだ。
これは夕鈴であっても、夕鈴ではない。
自分の欲望のままに触れてはいけない。

寸でのところで、踏みとどまる理性。

正直、自分を簡単に籠絡出来る破壊的兵器と言っても過言ではない。

「悠殿は、一体どうしたいんだ・・・・・・」

黎翔は頭を抱えたくなった。




その頃、酒宴場でニヤリと嗤う人物がいた。
それはこの国の王である悠鐸だ。

「フフフ、黎翔殿・・・・・夜は長いですよ。
さぁ、何処まで耐えられるのか?本当に見物ですね」

酒杯を高く掲げた後、一気に飲み干した。
その酒杯の中身は、先程まで夕鈴が飲んでいた赤紫の特別な酒だった。

「これだけで飲めば、特に何も無いんですよね~~。
そこまでの度数は無いし・・・・。
まぁ、普段から酒を飲み慣れている僕や黎翔殿にとっては、だけどね。
だから、あのカラクリは黎翔殿には気付くことは無いよね~。
夕鈴さんには悪いけど、少し酔いやすい様にさせてもらったから。
さぁ~~て、どうなるのか?ホントに楽しみだな」
「本当に、悠のイタズラに付き合わされる黎翔殿と夕鈴姫は気の毒だよな」
「朔っっ!」
「悠・・・・・・黎翔陛下の怒りは甘んじて受けるんだよな」
「え~~~。黎翔殿、怒るかな?」
「さぁ、それはどうだろうか」
「大丈夫、大丈夫!!何とかなるよ」
「はぁ~~~~」

悠は、自分の側近兼幼馴染にホンワリと微笑んで見せた。
これは悠の武器だ。
この笑みを見せられたら、もう何も言えなくなるのだ。

「全くっっ!!悠は困った王様だよ」
「違うよ、僕は妹思いな兄なだけだよ」

朔は、手に持った酒杯に口をつけてコクコクと酒を嚥下する。
その酒の味は、何故か苦い気がしたのだった。


続く。


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瓔悠

Author:瓔悠

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