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【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り

【注意事項】

こちらの話は、前々ブログからの移行分を手直ししたものです。
移行忘れを見つけたのでUPしてみました。

そして、この作品は、【精悍な狼は何を想う?】の夕鈴sideと及び補足となります。






ここは王都。
章安区からは少し離れた大通り。
目的の場所にほど近い、夕鈴がいるはずの所。

一晩開けて、遥翔は夕鈴を探すべく王宮から抜け出した。
探すと言っても、浩大が場所を知っているから専ら説得役と言う所だ。

「ここら辺なの?」
「そうだよ~~」

軽口の浩大は、この状況を明らかに楽しんでいる風に見える。
それを見て、遥翔はため息を吐きたくなった。

僕はと言うと、兎に角早く王宮に平和をもたらしたいんだ。
もう父上は限界値が見えている。
そろそろ理性の均衡が崩れそうな気がする。
ホントにギリギリで、今や決壊一歩手前である。

遥翔は自分の父親の性質をよく知っていた。
だからこそ、自分が動いたのだ。
さぁ、キリキリと役目を果たさないと。

「兎に角、母上には早急にお戻り頂かないと・・・・ね」
「上手くいくと思うのかい?」
「そういかないと困るんだよ」
「確かに、公子クン的にはそうだろうね。
でもさ、相手はあの正妃ちゃんだよ・・・・あの人は頑固だからね」
「分かっているよ。
母上相手だから、そうそう自分の思い通りになんていかないのは百も承知だよ」
「そこまで分かっているんだったら、オレはもう何も言わないよ。
ほら、あそこだよ」
「ありがと、浩大!!」

浩大が指し示した先には、ここいらの邸宅の中では結構大きい邸宅が見えた。
遥翔は、恐々と近寄って中を伺った。
静かで中からは特に声などは聞こえてこない。

「母上はここにいるんだよね・・・・・」
「そうだよ」
「じゃあ、行って来る」

一言呟いて、自分を奮起する。

『トン!トン!トン!!』

玄関先にある戸を叩いてみた。
さぁ、これで賽は投げられた。



********


こんな朝早くに玄関の戸を叩く音がする。
どうやら、来客らしい。

慌てて飛び起きた二人には、窓から差し込む眩い光りでもう朝が来ている事に気がついた。
明玉が来客へ返答をする。

「は~~~い、今いきます!!」
「お客さん??」
「そうみたいね・・・それにしても、朝っぱらから誰よ??」

居間でそのまま話しながら寝込んでしまった二人は、突然の来訪者に驚きを隠せない。
明玉は、夕鈴が家族に自分の居場所を伝えていることなんて知らないから、
来訪者の見当がつかない。


「あら?どなた?」
「申し訳ございません、朝早くから・・・・・。
ここに母がいると聞いたものですから」
「母??ああ、夕鈴ね。
もしかして、息子クンかしら?」
「あっ、はい!息子の遥慎と言います」
「ちょっと、待っててね~~」

そう言うと、母上の友人だと言う明玉さんは、中へと颯爽と入って行った。

「夕鈴・・・・・お客さんよ」
「私に?」
「そう」
「誰?」
「それは行ってから、確かめて」
「ええ、分かった」

明玉に促されて、夕鈴は重い足取りで玄関先へと赴いた。

・・・・もしかして、陛下が来ていたり?
こんな朝早くに?
でも陛下だったら、どんな顔をして会えばいいのよ。

夕鈴は複雑な想いを抱えていたが、
玄関の扉を開くとそこに立っていたのは____黎翔、ではなかった。

「遥翔・・・・イヤ、遥慎。どうして貴方がここにいるの?」
「母様が家出したらしいと聞きまして。迎えに来ましたよ、帰りましょう」

夕鈴は、何も言えずに黙り込んでいた。
それを見た明玉が助け船を出すかの様に、親子の会話に割り込んだ。

「夕鈴・・・・家に知らせていたの?」
「ええ、実は子どもたちが気になって・・・・」
「あっ、すみません!母が大変お世話になったようで・・・・」
「フフッ、私の事は覚えてないわよね・・・昔、あなたが幼い時に会っているのだけれど」
「あの・・・おぼろげながらなら、覚えてます・・・でもごめんなさい、ハッキリとは記憶にないです。
でも、母のご友人だったですよね」

明玉は、嬉しそうにニコニコ顔で遥翔に接していた。
それを遥翔も悪い気もしない様で、キチンと受け答えしている。
夕鈴は浩大に詰め寄ってる遥翔の様子が目に浮かび、眉根を潜める。

「遥慎・・・・・ゴメンナサイ。父様に伝えて・・・・まだ帰りません!!と」

こう言えば、夕鈴の意志の強さが遥翔にも伝わると思って黎翔をダシに使う。
その薄茶の瞳は、ガンとして譲らないと訴えている。

それを見た遥翔は、深い溜め息を吐き出す。

「分かりました、父様にも伝えておきます。
それでは母をお願いします、明玉さん」

ただ、そう言うと遥翔は深々と礼をして大人しく帰って行った。

母を動かすのは、やはり父の力が必要だと。
そして、その父を動かす為には自分が動かないといけないと。
浩大ならば、自由に動いてくれそうだし・・・あの厄介な二人を何とかしてくれそうだな。

遥翔の脳裏には、ここに連れて来てくれた隠密の顔が浮かんでいた。



続く。




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瓔悠

Author:瓔悠

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