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【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り 


【注意事項】

今更ながら、『臨時妃設定』な話を書きます。
ちょっと、今私の中で『浩大祭り』が開催中でして・・・・。

あの飄々としているのに、しっかり自分の役目は果たす責任感の強さが好きで。
妄想がダダ漏れしています。

アチコチ途中のモノがありますが、
どうぞご容赦くださいませ。







「お妃ちゃん、そんなに急いで何処に行くんだよっっ!!」
「あっ、浩大。
何処って、あっち!!」

そうやって、指差した先には先ごろ咲き始めた大きな桜の木が植わってあった。

「お花見かよ・・・・あんまり急いでいるもんだから、何かあったのかと思ったよ」
「ごめんなさい。
だって、今を逃すと見れなくなるから」
「はい?まだ咲き始めたばかりだろ、そんなに急がなくても明日も明後日も見られるじゃん」
「確かに、私一人でならね・・・でも今から陛下と花見なのよ。
陛下がここのとこ忙しくしているのを見て、李順さんがちょっとだけ休憩をくれたんだってっっ!!
だから、急がないといけないの~。
それに・・・・・・来年も陛下と見られるなんて保障は何処にも無いから」

夕鈴は、最後の方は声を潜めて小さく呟く。
浩大には聞こえない様に・・・と。

聞こえないはずは無いのに・・・・な。
オレは優秀なんだぜ。
まぁ、いいさ。
聞こえてない振りくらい、いくらでもしてやるよ。

「それじゃあ、急がないとな。
でもさ、肝心のへーかは何処にいるんだよ」
「まだ政務中よ。先に行って、お茶の準備をしておくの。
だから急いでいるの、私」

そう言うと、今この時すらも惜しいとばかりに兎は跳ねていく。
その後ろ姿を見ていると、何だか口元が綻んだ。

ホントに見ていて飽きなくて、楽しくて。
自分の役目が、あの元気な兎の護衛で良かったと思える。

「お妃ちゃん!オレも何か手伝おうか?」
「えっ?浩大が??
そうね~~何してもらおうかしら」

大きな桜の木の根元で準備を始めた兎に追いついて声を掛けると、
う~~んと小首を傾げながら口元には人差し指を置いて考え始める。

「お茶の準備は私が出来るからいいとして・・・。
そうね~~あっ、そうだわ!
桜の枝を一本だけ欲しいのだけれど・・・・」
「一本だけでいいのかい?」
「ええ、だってお茶に桜を浮かべたいだけだから」
「ふうん」

お安い御用とばかりに、浩大は身軽に桜の木へと登っていく。

「お妃ちゃん、どの枝がいい?」
「えっ?どれでもいいわ。
でも沢山花がついてあるのは避けてね」
「りょーかい」

まぁまぁ花の付いている小枝をポキッと手折ると、手に持ってそのまま地面へと飛び降りた。

「はい、これ!」

小枝を差し出すと、夕鈴はニッコリ微笑んで受け取った。
手の中の小枝を、夕鈴はしげしげと見詰めている。
それを浩大は怪訝そうな視線を夕鈴に向けた。

「それで良かったんだよな」
「えっ、あっ、うん。
・・・・・・キレイよね、桜って」
「まぁね~~でもさ、オレはキレイなくせに儚すぎて、何だかヤだな」
「そうね・・・・・確かにそうかもしれないけど。
それでも、咲いてる間は沢山の人を楽しませてくれるし、心和ませてもくれるわよ。
でも散り際を見ると、涙が出そうになるけどね」
「どうして、泣きそうになるんだよ」

フゥって息を吐き出して、夕鈴は晴れ渡った空を見上げる。

「だって・・・・・何だか寂しいじゃないの。
咲いてる間が短くて、その間に雨や風に曝されると、
その命を周囲にまき散らしながら儚く散り急いでしまうから。
それに満開の時だけ、皆に嬉々として愛でられてるっていうのも・・・・」
「でも散り様が潔くて好きだって、その時だけを愛でる奴もいるけどな」
「そうなのね」


お妃ちゃんは何かを桜と重ねている。

それは、ここにいる『自分』の事なんだろう。
何となく分かる気もするけどな。
自分は偽物なんだから・・・・とか、いつか出て行かなくちゃいけないとか。
色々考えているんだろうけど。
オレから言わせてもらえば、どーせ陛下が離さないだろうよ。
とういうよりも、離せないと思うぜ。

だから、そろそろ覚悟決めろよ。
あの難儀なお人の傍にいる覚悟を。
それが、アンタの『恋』の答えだと思うからさ。
まぁ、そんな事、オレが言える立場じゃないけどさ。





「ゆ~~りん」


遠くから、黎翔の声が聞こえてきた。
どうやら、夕鈴を探しているらしい。

「ほら、へーかが捜しているみたいだぜ」
「そうね」

フフッって笑って、口元に両手をあてて大きな声で叫ぶ。

「陛下~~~~ここですよ~~~」

鈴を鳴らすような声が、空気に溶け込み広がっていく。
それに気がついた狼は、ここに全力疾走で来ているみたいだ。
嬉しそうな気配がダダ漏れである。

「へーかが来たみたいだな。
オレはあっちに行ってるから・・・・お邪魔虫にはなりたくないし。
おっかない狼に、お仕置きされたくないから~~」

軽口を叩いて、その場を立ち去った。
風に乗って、二人の楽し気な笑い声が聞こえてきた。



答えを求めるのであれば、それはお互いが歩み寄らないとダメなんだぜ。
それを怖がっていちゃ、先には進めないんだけどな。
傷つくこともあるかもしれない。
困難なことにぶち当たるかもしれない。
でもさ、オレは二人なら乗り越えられるって思うんだ。

だからさ。
お妃ちゃん・・・・桜の花の様にあればいいんだよ。
だって花言葉には『精神の美・優美な女性』ってあるんだから。
あっ、そういえば、この桜は山桜だったな。
なら『あなたに微笑む』って言うのもあったな・・・・。

まぁ、兎に角、花は笑っているのが一番なんだぜ。
オレは花守だから・・・・。
守っていてやるから。


終。




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瓔悠

Author:瓔悠

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