【傍迷惑な歓迎・22】
2017年03月14日 (火) | 編集 |
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り ・ 原作外設定有り




朔が手に持った例のモノを、悠に手渡した。
悠は満面の笑みを浮かべて、手の中の水色の卓布に包まれた酒瓶を見詰める。

「ご苦労であった」
「いえ、それでは私は下がります故」
「ああ」

短く儀礼じみたやり取りをすると、朔は静かに退座した。

「それは一体何なのだ、悠殿」
「ああ、これですか?夕鈴さんに贈り物です」
「私にですか?」
「そうなんですよ~~これ実は、今我が国の女性の間で流行っている果実酒なんです。
何でも女性用に作られているので、とても飲みやすいらしくて。
折角の酒宴なので、朔に用意させたんです。
(買いに行ったのは、僕なんだけどねぇ~)」

悠は、人好きのする柔和な笑顔を夕鈴へ向ける。
人畜無害な笑みの裏には、策を弄していると誰が気付くのであろうか。

「えっ、私にですか?何だか勿体無い様な気が・・・」
「はい、夕鈴さんの為に用意したんですけれど・・・・・・駄目、ですか??」

悠は、薄茶色の瞳をウルウルとさせて懇願する。
それを見れば、夕鈴は容易に断れるはずも無く・・・。
それこそ夕鈴が断れない様に、悠は先手を打ったのだ。

「いえ、駄目だなんて・・・有難く頂戴いたしますね」
「有り難うございますっっ!!」

夕鈴の返事に、悠はニッコリと微笑む。
先程から百面相でコロコロ変わる悠の表情を、黎翔は胡散臭げに観察していた。

「では、この酒にはこの杯をお使いください」
「これですか?とっても綺麗ですね」

夕鈴に渡されたのは、透明の小さめの酒杯。
この酒宴場の灯りに反射して、キラキラと光っている。

「これは、我が国の新しい特産品で・・・職人たちの手作りなんです。
今回の白陽国との貿易の一品とさせて頂いたものなんです」
「そうだったのですね・・・。
私はこういった物に造詣はありませんけれど、
いつまでも見ていたくなるほど素敵な杯ですね」
「気に入って下さって、嬉しいです。
この酒杯に入る果実酒も気に入って頂けると良いのですが・・・・」

二人は和やかに会話を楽しんでいる。
黎翔は特段割り込みはしないが、あまりいい気はしていなかった。

悠殿は何を考えているのか?
ただの厚意だけでは無いような気がするのだが・・・。
しかし、この公の酒宴の場では、無下に悠殿の厚意を退ける訳にはいかない。
ならば、少し様子見をするしかあるまいな。

黎翔は酒杯を煽りつつ、ボンヤリと考えていた。

「悠様、私はあまりお酒は強くありませんから、少しだけにして下さいね」

杯を手に持った夕鈴が、悠に一応願い出る。

「はい、存じています。だから少しだけ・・・ね」

酒瓶の蓋を開けて瓶を傾ける悠は『大丈夫、大丈夫!』と、
夕鈴を安心させる様に少しづつ注いでいく。
小さめの杯に半分にも満たない位で止めて、瓶を真っすぐに立てる。
透き通る杯に注がれた酒色は、赤紫。
酒色がくっきりと杯に映し出されて、とても幻想的である。

「綺麗・・・・・・・・・・」

夕鈴は、はぁ~と感嘆のため息を吐き出した。

「ねっ、半分も入って無いでしょう~~。
だから、大丈夫ですよ。飲んでみて下さい。
感想を聞きたいですから」
「有り難うございます、それでは」

夕鈴は口元に杯を持っていき、コクリと一口飲んでみた。
甘いけれど少しだけある酸味がアクセントになっていて、
確かに人気があると言うのも頷ける。

「お、おいしい~~」
「そうですか?良かったです」
「はいっっ、甘くて酸っぱくて・・・・絶妙な塩梅です」
「なら、もう少し飲んでみませんか?」
「では、もう少しだけ」

ニコニコ笑って、夕鈴は杯を悠に差し出す。

「夕鈴、余り飲み過ぎるのは・・・・」

黎翔はヤバい事になる前に夕鈴を止めようと声を掛けるのだが、
二人の世界に入っているので聞き耳を持ってはいなかった。

そうして、黎翔が危惧した通り。
一刻もしないうちに、頬をほんのりと桃色に染めた夕鈴が自分の隣にいた。



続。






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コメント
この記事へのコメント
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2017/03/15(水) 14:07:26 | | #[ 編集]
キャ~~悠様~~~♡←

夕鈴酔わせてどうするの?ああするの??こうするの???←ウルサイ
う~~ん。策士(笑)でも好き!←オイ

やっとこさ彼方此方コメント入れる余裕が出来ましたので(笑)出没致しま~~すww
2017/03/15(水) 14:33:57 | URL | 行 #jxT87rSU[ 編集]
ますたぬ様

こんにちは、コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!


悠さまの思惑は何処に?!
ホント、彼のイタズラには困ったもんです。

でも、きっと、多分・・・夕鈴の困る様な事はしない・・・はず。
だってお兄さんだもん。

陛下にも読めない、悠様の行動。
さぁ~~て、どうなる事やら。
私も書いてて楽しいです。

こちらも続きをお待ちくださいませ。


2017/03/17(金) 13:16:29 | URL | 瓔悠 #-[ 編集]
行様

こんにちは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!


悠さまぁ~~~~~ですね。

ホント、悠様・・・何がしたいんだろう。
夕鈴を酔わせても大して楽しくないと思うけど。
陛下に何かをさせたいのか?!

フフフ・・・・・。
酔って、乱れて、裸踊り?!←それは、マズいだろうっっ!!

彼の思惑はそろそろ露呈するはず・・・。
少しお待ちくださいませ。


2017/03/17(金) 13:19:43 | URL | 瓔悠 #-[ 編集]
こんばんは。

夕食に準備も終わりましたので、休憩。
悠様・・・・・。度数の強いお酒はやばいんだからぁ!
んもう・・そんな悠様も好きっ。←おい
ほんのり桃色に染めた夕鈴をみて陛下はどうするのかしら~?

次回がすっごく楽しみ!!待ってるからね^^
2017/03/22(水) 18:36:24 | URL | ママ #-[ 編集]
ママ様

おはようございます~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!


悠様~~度数が高いのはマズイんだけど
それには結構カラクリが・・・。


あらま、マァマ悠様お好きなのね~
私も好きなの~~
もう、あのシスコンぶりがさぁ~~
書いてて楽しくって。
止められない、止まらないっっ!!!


続き書いたよ~~
楽しんでくれると嬉しいなぁ~~~

2017/03/26(日) 08:03:04 | URL | 瓔悠 #-[ 編集]
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