【優美な兎は何見て跳ねる??・6】(未来家族設定)
2017年03月13日 (月) | 編集 |
【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り

【注意事項】

こちらの話は、前々ブログからの移行分を手直ししたものです。
移行忘れを見つけたのでUPしてみました。

そして、この作品は、【精悍な狼は何を想う?】の夕鈴sideと及び補足となります。





薄暗い回廊をトボトボと当てなど無く遥翔は歩いていた。
こうすることで、自分の警護担当である浩大が声を掛けてくるはずだと見越して。

周りからは何も聞こえず、とても静かで。
遥翔の足音だけがヒタヒタと響く。
そして満月前の欠けた月の月明かりだけが、
優しく回廊を包みこんでいた。

「ねぇ、公子クン・・・いつまで、ここを歩いているのさ」
「僕の勝ちだね、浩大」
「勝ちって、何がさ」
「フフッ、浩大が痺れを切らして僕に話し掛けてくるか?
それとも、僕が待ちきれなくて浩大を呼ぶのか?のだよ」
「ふぅう~ん。
それでその勝ちにはどんな報奨があるんだ?」
「報奨?う~~ん、考えてないや。
まぁ、それは置いといて!浩大、母上の行先は何処?」

遥翔は軽口を潜めて、自分が浩大に訊きたかった本題を持ち出す。
それは浩大の方としては勿論予測済みで、ニヤリと笑みを口元に乗せて逆に訊き返した。

「何処だと思う?」
「場所は、下町だよね」
「まぁね~そこしかないよね。オレが訊きたいのは、その先だよ」
「その先・・・か。う~~ん、下町ならまずは岩圭おじい様のところではない事は確かだね。
それに青慎叔父様のところでもない事も。
だから、正直困っているんだ・・・何処にいらっしゃるのか・・・がね。
案外、穴場な場所としては紅珠殿のところも考えてはいるんだけど、それは何となく違う気がする」

遥翔は、自分の予想を浩大に自慢気に語る。
それを聞く浩大の表情が、次第にニヤニヤと意地悪なモノへと変化していた。

「何で違うって思うのかい?」
「だって、紅珠殿のところだったら、すぐに水月殿に知られて父上に知られてしまうからね」
「どうして、へーかに直ぐに知られるって思うんだよ。
案外うまく匿ってくれるかもしれないじゃん!」
「それは無いよ。だって水月殿も我が身は可愛いって思うだろうし。
だって、父上が母上がいなくなった事で、官吏達に何も利益なんてもたらす訳がないじゃないか。
不利益が被られてもね」

遥翔は、小さく嘆息を吐き出す。
自分の父親の性質は、把握済みだ。
母上無しでは、立ち行かないことくらい・・・・・。
それが何日持つのか?!それに因って官吏たちが被る被害の大きさが変わるだけだ。

「まぁ、その辺りかなぁ~僕が想像する場所はね」
「なるほど・・・公子クン、良い所を付いてきてるよね~。
でも、全部はずれ!!」
「違うのか、でもこうして浩大がここでのんびりしているくらいだから、
危険の無い所と言う事だね・・・・・」
「それは、当たり」
「僕が推理した場所では無いとなると、父上にも予想がつかない場所だよね。
それを浩大が父上に知らせているのかが、心配なんだけど・・・・・」
「知らせてないよん」

浩大は、語尾に『ルン』と付きそうな感じで楽し気に答える。
それを見て遥翔は、頭を抱えそうになる。

「どうして、知らせてないんだよ」
「だって、報告は要らない!って、へーかが言うからさぁ」

浩大は口を尖らせて、オレは悪くない!と主張する。

「はぁ~~~~~分かりました。
王宮に医務官をいつもよりも多く待機させる様に、李順に言っておくよ」
「うん、それがいいとオレも思うよ!
公子クン、頑張ってね~~~」

浩大は、軽口を叩くとヒラリと屋根上に登って行った。
その場に残された遥翔は、この先自分が出来ることは何なのかを真剣に考え始めたのだった。


続。






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