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【三つの祈り・4】 

【設定】

未来夫婦 ・ オリキャラ有り ・ 原作外設定有り

【注意事項】
此方の作品、確かに夫婦設定ですが・・・・いつものテイストでは有りません。





はぁ?
何で、どうしてあの失礼な男と一緒にいるのよ!!
夕鈴姉さま、説明してよ!!
ねぇってばっっ!!

怜亜は、自分の意識の奥へと呼び掛ける。
しかしそこからは全く応答は無く、静かに凪いでいる。

どうやら、夕鈴姉さまは眠ってしまっている様だ。
そうなってしまっては、もう自分にはどうすることも出来ない。
ならば、この場は自分で何とかするしか手立ては無い。

「あの、貴方はどうしてここにいるのです?」
「はぁ?アンタが庭園を案内してくれるって言ったんだろ」
「私がですの?」
「ああ」
「・・・・・・・・・そうなのね」

怜亜は少しだけ状況を理解して、少し考え込んだ。

これは一体、どういう事なのか?
夕鈴姉さまは私に何をさせようとしているのか?
こんな男に親切にする義理なんてものは、私には一切無いはずで。
まぁ、自国にとって大切な客人かもしれないが、それはそれで。
正直言って、私には全然関係が無い。

「あのさ、行くのか?行かないのか?ハッキリしてくれよ。
オレだってそんなに暇じゃないんだからさ」
「・・・・・・ごめんなさい、少し待ってくださる?」

考え事をしている為、怜亜の先程までの悪態は鳴りを潜め、
このいけ好かない筈の男性に公主らしい丁寧な対応になっていた。

それを光迅は少し好感を持ったようで、口元に笑みが浮かんでいた。

「ああ、そうかよ。いいぜ、待っててやるよ」

その言葉は怜亜の耳には届いておらず、自分の思考の渦に揺蕩っていた。

大体、こんな事になったのは、夕鈴姉さまのせいで。
でも夕鈴姉さまは私に不利益な事をするだなんて思えないし。
ならば、ここは大人しく従っておくべきなのかもしれないわね。
あ~~~。
もうっっ!!
考えるのも面倒くさくなってきたわ。
これは成る様になれ!という事ね。

「はぁ~~~。
私が庭園を案内するって言ったのですね」
「そうだって、さっきから言っているだろ」
「分かりました、では参りましょう。
では、こちらへどうぞ」

怜亜は、光迅へと今から向かう先へと手を指し示す。
その掌に握られていたのは、クルリと丸められた一枚の料紙。
先程、怜亜が見ていたモノ。
その昔黎翔が夕鈴に渡した、愛の手紙とでもいうモノだろうか。
それに光迅が気付いて、ジッと見詰める。

「何だ、それ?」
「えっ?これですの?」
「ああ」
「これは、私のおじい様がおばあ様に当てた料紙ですの。
とっても素敵な事が書かれてあるので、私とても気に入っていますのよ」
「ふぅん、そうなのか?」
「ええ、私にもこんな素敵な料紙を下さる様な殿方に出会いたいものですわ」
「ほぉ・・・・・案外、乙女なんだな」
「乙女ってっっ!私の事をどんな風に思っていましたの?」
「え?ただの煩いじゃじゃ馬公主と思ってい「何ですって」」

デリカシーが無さすぎよ、この男!
有り得ない。

「でもさ、そんな楚々とした姿もいいけど、オレはさっきの元気なじゃじゃ馬公主の方が好みだぜ」
「別に貴方に好かれようなんて、思っていませんわ。
ほら、行きますわよ」

怜亜は頬に身体の熱が全て集まる様な感覚に襲われていた。

恥ずかしい。
『好み』だなんて、あんな恥ずかしい事をサラリと言うなんて。
どれだけ、女の子の扱いが手慣れているんだか。
そんな事で騙されたりしないわよ。
でも、ちょっと嬉しかった・・・・・かも。
だって、等身大の私を見てくれたような気がするから。


(怜亜、それが恋の始まりなのよ。
そうやって、男の人と女の人が互いを意識していくの。
そして、それが恋しいと気持ちへと繫がるの。
離したくない・・・・傍にいたいとね。
だから、その感覚を忘れないで)

夕鈴は揺蕩う怜亜の意識の奥底で、優しく微笑んだ。
それは怜亜への応援の意味を込めて。

(もう少し・・・あと少しで、怜亜に恋が訪れる。
なら、私の役目はほぼ終わり。
怜亜の恋の応援が終われば・・・・・・後はあの人の。
苦しい想いを、無くして差し上げなければいけないわ。
そうでないと、私は黎翔様の元へと戻れない。
大きな胸に飛び込むことは出来ない・・・・・早く逢いたい、私の陛下。
もう少し待っててくださいませ。)

夕鈴は一筋零れ落ちた涙もそのままに、暗闇で泣き崩れたままの女性へと手を伸ばす。
でもまだ空間は繋がっておらず、その手は空を掴むだけだった。


続。


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瓔悠

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