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【設定】

夫婦設定 ・ 原作寄り 


【注意事項】

え~~と、こちらにはカッコイイ陛下は存在しません。
なので、少しでもヤバい!!と思ったゲスト様はバックしてくださいませ。






『大体、あんな事くらいで怒るなんて思わなかったんだ』

そう自分の優秀な側近に愚痴ったのは、この国の至高の存在である狼陛下だった。


************


「陛下、お話があります!!」

短く言い放つのは、目の前の可愛くて仕方ない自分の嫁である夕鈴で。
少し気色ばんだ表情を浮かべている事に黎翔は心当たりなんて無く、
しばし考える。

何か、怒られるようなことを自分はしたのであろうか?・・・と。

「話って何?ゆーりん」

能天気な声で、答えてみる。
すると、ブチッと聞こえてきそうな夕鈴の青筋が浮き上がっている表情が見える。

これ、マジで怒っている・・・・・・らしいな。

少しだけ緊迫感が募るが、怒っているのは兎である夕鈴で。
自分はその兎を狩るべき狼なのだ。
何を恐れる必要がある!!

「夕鈴、そんなに怒っていると無駄に疲れるよ」
「疲れる?もう既に疲れ切ってますっっ!!」
「えっ?何か夕鈴の身に大変な事でも起こったの??
李順がまた妃としてのあるべき姿を!と勉強を強いてきたの?
それとも、久々に立ち入り禁止区域の掃除でもしに行ったの?
ああ、それで疲れているんだね。
なら、午後はゆっくりと過ごすといいよ」

黎翔は、怒り心頭な夕鈴を宥めるべく労りに満ちた言葉を掛ける。
ところが、夕鈴からあのはにかむ可愛い笑みが返されることは無かった。

うん?
夕鈴・・・・まだ怒ってるよ。
僕の言葉が足りなかった??

「李順さんから何も言われたわけではありませんし、
それに掃除なんて出来るはずはありませんっっ!!」

黎翔の想像は全く的を得てはいないと言わんばかりに、
夕鈴は速攻否定する。

「・・・・・・・・陛下」
「だから、何?」
「そろそろ私がお話しても良いでしょうか?」

痺れを切らした夕鈴の声音が、低いモノへと変質していく。
何故か、背中に嫌な汗が伝う。
今から発せられる言葉を聞くべきでは無い・・・と本能が教えるみたいに。
黎翔は思わず身構えた。

「陛下、いい加減私の願いを受け入れてもらえませんか?」
「夕鈴の願い?」
「ええ、私の願い・・・・・・それは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

夕鈴の申し出は、簡単に言うとこうだった。
毎日では、身体が持たないって事で・・・・・・。

自分にとって、それは有り得なかった。
だって、夫婦なんだよ。
毎日なんて当たり前じゃないか。
ましてや、今まで偽物夫婦を演じていたんだよ。
自分がどれだけ我慢していたのか・・・・・。
目の前に美味しい兎さんがいるのに、狩ることを禁じられていたのだ。
それがどれだけ忍耐力を有していたのか?!
夕鈴には、僕の苦労が全く分かっちゃいない!!

「いや、そんなの、世の夫婦は当たり前の事だと思うけど」
「当たり前??
それは陛下が勝手に思い込んでいるのでしょう。
そんな事は断じてありません!!」

夕鈴は血相を変えて、否定する。

ええ~~。
そんなに否定しなくても・・・・・。

黎翔は、ガックリ肩を落とす。
しかし、何故そんなに夕鈴は嫌がるのだろうか?
不思議に思った黎翔は素朴な疑問を投げかける。

「夕鈴は、どうして嫌なの?
だって、僕たちは愛し合っているんだよ。
なら、行動で示さなきゃ」
「・・・・・・・・・・・・・だって、恥ずかしいんですよ」

真っ赤に頬を染めて、夕鈴は小さく呟く。
それを黎翔は聞き逃しはしない。

「何が恥ずかしいの?
何も恥ずかしい事なんて無いよ。
寝所での夕鈴は、それはそれは匂い立つような色香があって、
僕はいつもそれに当てられているんだけど。
それの何処が恥ずかしいって言うんだい?」

心底、夕鈴の気持ちが分からない・・・・・。
黎翔は眉根を引きつらせ、考え込む。

「もうっっ!!!そんな恥ずかしい事、口にしないで下さい!!!」

夕鈴は慌てて自分の口を両手で塞いだ。

「・・・・・・毎朝、侍女さん達に興味深々な視線で見られるのが恥ずかしいんです!
ああ、昨晩も陛下に・・・・・・と」
「それがいけない事なの?」
「いけないに決まっているでしょっっ!!!!
もう少し、私の気持ちも考えて下さい!!!!!」

夕鈴は、黎翔に伝わらなくてイライラし大声で叫ぶ。

「もう、いいです!!!
今夜は陛下は後宮には戻って来なくていいです!!
お戻りになっても、私に部屋には入れませんから。
ど・う・ぞ、後宮内の自室でお休みくださいませ」
「え~~~~~~~そんなぁ~~~~~」

夕鈴はピシャリと言い放った。

もうこうなった夕鈴に取り付く島なんてものは無い。
ガックリと肩を落とした黎翔は、部屋を出て行った。


そして、冒頭の言葉を発することになるのだ。



終。

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瓔悠

Author:瓔悠

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