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こちらの話は特殊設定のお話になります。

下記の『彩怜シリーズ概要について』の部分をクリックして、
そちらに明記された記事をお読みの上で
お話へお進みください。
もし、その記事内容に一つでも引っ掛かる事がありましたら
そっとリターンしてくださいませ。
どうぞ 宜しくお願いいたします

彩怜シリーズ概要について




【設定】

未来設定(彩怜シリーズ) ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り

【注意事項】

こちらの話は彩怜クンシリーズの最初のお話、【最奥の鍵】より
以前の話となります。
なので、陛下は全く出てきません。

更に、捏造も甚だしく。
読む方を選ぶ内容になってます。

何でもOkだとお思いのゲスト様のみ
お進みください。









遊び疲れて帰って母さんが何処にもいなくて途方に暮れた夕暮れから、数時間前の事。

実は僕の知らない所で、母さんの身の上にこんなことがあっていたんだ。
これは、随分と後になって聞かされた事だけど、
当時の僕は全く知らなかったんだ・・・・・・。



「あの、もうそろそろ家に帰りたいんですけれど・・・彩怜も帰って来ますし」
「そんな事、言わないで・・・もう少しだけ!ねぇ、お願いですから」
「いえ、本当にもうそろそろお暇したいんですけれど」
「僕が、まだ居て欲しいって言っているんですよ」
「・・・・・・・・・・はい」

夕鈴は、頭を抱えた。
先程からなされているこのやり取りは、もう何度目だろうか?
一向に自分の言い分が通らず、目の前の男性に意のままにさせられていた。
正直、もう夕鈴の我慢の限界はすぐそこだった。



**********


そもそも、目の前の男性の男性の父親である村長さんが夕鈴宅に訪ねてきたのは、
昼過ぎの事だった。
昼餉を食べた彩怜は遊びに行ってしまい、
夕鈴は家の隣にある菜園で少し作業をしている時だった。

「夕鈴さん、ちょっといいですかの?」
「これは村長さん、こんにちは。
私に何か御用でしょうか?」
「ええ、少し時間はあるかね」
「今ですか?」
「そうじゃとも」
「・・・・・・はい、時間は・・・あります・・・けれど」

夕鈴は、何故か言葉を濁した。
というのも、先日の事を思い出してしまったからだ。

そう、唐突に自宅を訪ねてきた一人の男性。
それはこの村の村長さんの息子だった。
そしてその男性は、事も有ろうに自分に求婚してきたのだ。
余りに突然の事で夕鈴の頭の中は一瞬真っ白になって、咄嗟に言葉が出てこなかった。
それを同意したものだとみなされ、その男性は喜色に満ちた表情を夕鈴に見せた。
夕鈴はその表情を見て我に返り、やんわりと断りの言葉を発した。

「申し訳ございませんが、私は誰とも結婚する意志はありませんので・・・」
「でも一人で子どもを育てるのは大変でしょうし」
「いえ、大丈夫です」
「そんな強情な事は言わずに」
「強情だなんて!そんなことはありません。
兎に角、私は誰とも結婚はしませんから」

そう言い放って、夕鈴は深々と一礼したまま動くことはなかった。
そんな夕鈴の姿を見て、男性はチッと舌打ちをするとクルリと踵を返して去って行った。

その後、その男性は訪ねて来る事は無かったけれど、
これで事が終わったと夕鈴としては思いたかったのだが、そうは問屋が卸してはくれず。
そう、終わるはずはなかったのだ・・・・・・・・・。


さて、急に訪ねて来た村長さんに連れられて、夕鈴はしぶしぶ村長さん宅に来てしまった。
村長さんに案内され通されたのは客間で、そこには豪華なお茶菓子とお茶が用意されていた。
座るように言われて、訝しく思いながらも夕鈴はチョコンと豪華な革張りの長椅子に腰掛ける。
それを確認すると、村長はしきりにお茶でも飲んでいて欲しいと夕鈴に促した。
本当はお茶なんて飲みたくは無かったけれど、村長の威圧する様な視線に負けて夕鈴は卓上の杯に手を伸ばした。

「あっ、ちょっとそのまま待っていてくれなされ」
「えっ?・・・はい」

村長はフッと短く息を吐き出すと、そのまま急ぎ足でその場から立ち去った。
後に残されたのは夕鈴だけで。
誰もいないその客間は静寂だけが広がった。

一体、私なんかに何の用事だろうか。
う~~ん、思いつくのはたった一つだけ。
やっぱりあの事だろうけれど、でも私は確かにキチンと断った。
だって、私の胸の奥にいる人はたった一人。
だから、あの人の申し出なんて受けられるわけが無い。


夕鈴は落ち着かなくて、誰もいない客間をキョロキョロ見回した。
その客間の調度品は、こんな田舎の家にあるにしては珍しいものだった。
夕鈴は王宮にしばらく居たことから、少しは調度品の価値なんかも分かるようになっていた。
ここにあるものは、結構値の張るもので。
正直、田舎村の村長が持ち得るに易いとは思えなかった。

出て行ってしまった村長さんは、中々戻る気配はなかった。

「遅いわね・・・・・・・村長さんが呼び出したのに、
こんなに待たされるなんて思わなかったわ。
はぁ~~早く帰って夕餉の準備を始めたいんだけれど・・・・・」

思った事がつい口に出てしまって夕鈴が苦笑いを醸した時、
今まで人の気配は微塵もしなかった扉の前に、威圧的な気配が中に入ってきたのだった。


続く。




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瓔悠

Author:瓔悠

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