【双のソラ】
2016年12月30日 (金) | 編集 |
【設定】

臨時妃 ・ 夫婦設定 ・ 原作寄り 


【注意事項】

こちらの話は、二つの話からなります。
『臨時妃』・・・そして『本物妃』。
それぞれの想いを、
感じ取っていただけましたら幸いです。

そして、最初の話は一番初めに始めた際のブログ名がタイトルになっており、
手直し再録となります

私の中で、原点回帰したくて。
この様な話を書きました。








〈朱のソラ〉


見上げれば、暮れようとする火輪。
その残り火がチリチリ舞い踊るかのように、天を染め上げる。

私はよくこの時刻の天が綺麗で振り仰ぐ。
朱色のソラ。
それはそう、この空は・・・・あの方の瞳の色が映し出された様で、
見惚れてしまうから。

回廊から少し離れた庭園に一人佇む、私。
静かに流れゆく刻。

「如何したのか、何か気になるモノでも有るのか?
空なぞ見上げて」
「きゃっ、陛下でしたの?」

不意に低く甘い声が耳元に届く。
この声は・・・・・・・陛下のもの。

ビックリした。
急に現れるんだもの。

「いえ、空が綺麗なもので・・・見惚れてました」
「そうか・・・・・・・」

黎翔は、夕鈴の隣で同じように空を見上げる。
しかし、見据える空には関心などは無く、ただ思うは夕鈴の事のみ。

頬を染めて・・・空に何を重ねて想っているのやら・・・・・・。
まさか自分の事などとは思わない黎翔。

隣りに佇み、一緒に見上げてくれている精悍な横顔に『ときめき』という感情を覚える夕鈴。
心躍る、心跳ねる感覚。
しかし、それは自分が持ち得てはならない感情で。
少しの罪悪感をも混ざり合う。

ゆったりと沈みゆく火輪にしばし釘づけの二人。


ふと指先に温もりが灯る_____________。
これは、陛下の手。
指に差し込まれた自分以外の指。

ホッと心が和んでいくと共に落ち着かなく心が騒ぐ。

「夕鈴・・・・・このまま、二人でいようね。
ずっと、この先も」

空を見上げる陛下から私だけに告げられた言葉。
この先私がこのままでいられるかなんて、分からない。
本当は確約の無い約束なんて出来無いけれど、
今はただ『ずっとこのまま陛下の傍にいたい』と言う私の我が儘な想いを、
陛下への返答にする。

「はい・・・」

この上ない至福の時に心酔わされ、
頬だけでなく全身に火照りが駆け巡った。

今だけでいい。
この感情に酔わされたままでいても、いいですか?
それだけで、私は幸せなのだから。

夕鈴は、今この瞬間を忘れ得ぬように心に刻みつけた。







〈茜さす空〉


黄金色の火輪が、その色を変えようとしている。
暮れ行く空を徐々にその色へと変質させていく。

茜さすソラへ。
黄金色は眩しくて、直視出来ないけれど。
優しく輝く茜色は、魅入られる様に目を逸らすことが出来無い。

王宮から後宮へと戻る道すがら、ふと空を仰ぐ。

「昔は、もっとこの空を見上げていたのよね・・・・・・。
あの頃は、ここからの見る景色はそう遠くない未来には見れなくなる事が分かっていたから、
殊更にずっと時間も忘れて眺めていたっけ」

そんなに昔でも無い過去へと想いを馳せ、今あるこの時を不思議に思う。
まさか自分の想いが叶うなんて思いもしなかった。
今私がここに在るのは、たくさんの人の助けがあったから。
だから、私が持てる全てで陛下を幸せにしたい。
それは多分、私しか出来ないことだから。
それが、手助けしてくれた人への私なりのお返しなのだと思うから。

陛下、大好きです。
私が捧げる想いは、陛下にだけです。
だから・・・私の事を、ずっと傍に置いてください。


「夕鈴は、本当にこの時刻の空が好きだね~」
「へ、へいか??」

自分の背後から声が聞こえてきた。
振り返ると、口元を緩めて笑っている陛下がいた。

「後宮に行こうと思ったら、可愛い僕の奥さんがボケェ~と呆けた表情で空を眺めているんだもん。
このままにしてるとそのままずっと見ていそうだから、
思わず声を掛けてしまったよ」
「・・・・・すみません」
「謝らなくていいよ」
「はい・・・」
「でもね・・・一つだけ気に入らなかったんだ!」
「はい?」
「夕鈴が空を見上げてる表情が、何だか蕩けそうな表情で・・・・。
何を想っているのやら・・・ってね」

そう言うと、陛下は私の腰を浚って自分へと引き寄せた。

「キャッ」

小さな悲鳴を上げる私の唇を陛下の唇が塞ぐ。
そのまま陛下の舌が、私の唇に割り入ってくる。
目の前には深紅に輝く双眸。
それが一瞬煌めいて私を逃がさないと雄弁に語る。
逃げれるわけが無い、逃げる気も無いけれど・・・・。

「ああっん・・・」

私の艶めく声が静かな回廊に響く。

恥ずかしい・・・・・。
こんなところで。
私は恥ずかしさと心地良さで、腰が砕けそうになる。
それを抱きかかえたのは陛下の逞しい腕。

「この続きは、寝所で・・・・・ね」

気が付けば、茜色の空は漆黒の空へと変わりつつあった。
夜の帳が静かに降りくる。

宵の明星が漆黒のソラに、キラキラ瞬いている。
二人の睦夜の始まりを、優しく告げていた。









************



お読みいただき、有り難うございました!!
来年はもう少し更新していきたいと思います。

どうぞ、宜しくお願いいたします。



皆様、良いお年を。



瓔悠。










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コメント
この記事へのコメント
お仕事、ご苦労様です。この時期、特に人が多いですよね。うちの方も皆様買う量が半端ない!カート2台は普通ですもの・・・。田舎の人口が増える時ですからねぇ。早く休みがとれるといいですね。
今年も萌をありがとうございました。
どうぞよいお年を。
来年もよろしくね。
2016/12/30(金) 19:31:18 | URL | ますたぬ #-[ 編集]
ますたぬ様

コメント、有り難うございました。
返信、本当に長らくお待たせして申し訳ございません。


年末は、マジで死にました・・・。
毎日、毎日・・・どれだけ買い物すればいいのよ~~という位の来客数で。
目まぐるしく働いてました。
肩こりもひどくなって・・・大変でした。


ますたぬ様にはいつも応援して頂き、
ご愛顧頂き、有り難うございます~~~
新年が明けて、もう3月なのですけれど、
どうぞこれからも宜しくお願いいたします!!!

2017/03/07(火) 11:58:10 | URL | 瓔悠 #-[ 編集]
コチラではおひさです。(笑)
よゆりんだけではなく私のこと知っているであろう方々もお久しぶりです。
(は?おめぇ誰だよ・・・なんて寂しいことはいわないで。泣)

今日はあんがと^^
久しぶりに家族以外と交流しましたよ・・・。
どれだけ家に篭ってるのかばれるという日常を送っております。
年末のご挨拶もしていないことに気付く・・・失礼な私の行動をお許しください・・・(土下座)

遅くなりましたが今年も宜しくね!^^

夫婦設定が・・・イヤんな展開になり、頬を染めながら読ませていただきました。(そんなに純情か?!との突っ込みはなしよ)

ココから怒涛のコメが繰り広げられるかもしれませんがご容赦を。
一旦、引っ込みます。
言っていた<夕食の準備>に取り掛かりますゆえ。
また後ほどー。いえーい。
2017/03/16(木) 16:14:58 | URL | ママ #-[ 編集]
ママ様

こんにちは~コメント有り難うございます


はぁ~~い。
ホント、ご無沙汰してました。
冬はいけませんよね~風邪を引いたり、何かと体調不良になりがちで。
私は今年は風邪は引かなかったんですよ~~
寒い日でも、半袖のポロシャツで働いていたからだろうなぁ~と。
お客さんの怪訝な視線に耐えながら頑張りましたよ。
私自身、どうして寒くないんだろう?と不思議でしたけれど。

まぁ、それは置いといて。
いらっしゃいませ。

今年もどうぞ、よしなに・・・。
沢山構ってね。
私も構い倒すから。


ホント、夫婦設定の甘いお話から、
ちょっとエッチな話から
少しドキドキするサスペンス風な話から、
不思議なSFチックな話など・・・・・
沢山頭の中だけの妄想も沢山ありまして。
それをキチンと吐き出せたらいいなぁ~~とがんばっていきますので

どうぞお付き合い下さいませ。
よろしくね~~~~


コメント、
お待ちしております。
(って、無理はしないでね~~拍手だけでもうれしいから~~)

2017/03/17(金) 13:25:09 | URL | 瓔悠 #-[ 編集]
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