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【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り

【注意事項】

こちらの話は、前々ブログからの移行分を手直ししたものです。
移行忘れを見つけたのでUPしてみました。

そして、この作品は、【精悍な狼は何を想う?】の夕鈴sideとなります。







「やっぱり、下町はいつ来ても活気があっていいわよね」

夕鈴は大荷物を抱えて、ポツリと呟く。

正妃になってからは、下町に帰省する事もトンと無くなった。
帰りたくても、『帰りたい』とは言えなくなった。
それは、陛下と一緒にいる事を選んだ自分が決めた事であって、
それ相応の覚悟で私は正妃になったのだから言えない……。
私は陛下の為に…正妃として隣で支えるって、
臨時妃から正妃になる時に決めた。
守られてるだけではなく、
隣りに並びたてるように何事も受け止めるって決めたのに。

たまに陛下は………私に隠し事をする。
今回も実のところ、それが原因でこんな事になっている。

それは、未だにやってくる輿入れの話から始まった。
どうも素性の知れない正妃から生まれた公子では、心もとなく思う臣下もまだまだいるらしい。
それで、密かに縁談話が持ち上がった………私の知らないところで。
陛下はいつもと同じ様に秘密裏にもみ消したのだ。

そりゃ、私に心配を掛けない様にしている事くらい分かる。
でも…でも、その事で悩んでも……それでもちゃんと乗り越えられるって思えるのに。
だから、ちゃんと教えて欲しかった。

でないと私は、聞きたくもない事を聞かされてしまうから。
得意顔で進言してくる大臣達の『どうぞ…正妃様からも陛下に縁談を受けるべきだと進言為さって下さい』なんて言葉を。
そして心無い官吏達が噂する『すべては正妃が陛下を誑かして、縁談をもみ消しているのだ』と悪意に満ちた言葉を。


夕鈴は懐かし露店街をもの想いに耽りながら歩いていると、
後ろから肩を叩かれた。

「ねぇ、夕鈴じゃない?」
「えっ?」

不意に振り返ると、そこには親友の明玉がいた。

「明……玉?」
「そうよ!久し振り~~って、どうしたの?里帰り??
そんな大きな荷物持って!!それとも旦那と喧嘩でもした???」
「………」
「ウソ、マジなの?ホントに喧嘩して家出して来たの??」
「……まぁ、そうなるのかな」

言い辛そうに、曖昧な笑みを浮かべる夕鈴。
それを見かねた明玉は、持ち前の世話焼きの面が顔を出す。

「この様子じゃ、実家にも帰りづらいって感じね~ウチにでも来る?」
「でも、明玉も家族がいるのだから…迷惑なんじゃ……」
「そんなこと無いよ!ウチの旦那は理解あるし、おいでよ」
「………じゃあ、お邪魔しようかしら」

夕鈴は、今だけ……正妃である自分を忘れたかった。
だから、気兼ねの無い親友宅にタダの夕鈴として、伺う事にした。

二人並んで歩くのは、どれくらい振りだろう。
あれは確か……嘩鈴が生まれる前だった。
小さな遥翔を連れて、下町に見学に連れて来た時にバッタリ会った時以来かしら。

そう考えると、もうかれこれ10年くらい振りで。
初めは何となく懐かしいのに気恥しくて会話も弾まなかったが、
歩を進めて行くうちに段々昔の二人に戻っていっていた。

「ねぇ、夕鈴。子どもはあの時の男の子と、上に女の子がいただけだっけ?」
「ううん、下に娘がまだいるわ」
「そう。その子たちは置いて来たの?」
「まぁ…ね」
「大丈夫なの?旦那様はお仕事でいないんでしょ?!」
「えっ、ああ……あの子たちなら大丈夫よ、結構シッカリしてるから。
(王宮内でちゃんと護衛されているから…なんて言えないわよね)」

段々打ち解けてきた二人は会えなかった10年間を語り合う。
お互い、母であり妻であり…共感出来るところがあって、次第に話も盛り上がる。
そうこうしていると、明玉の家に着いた。

「ここよ、夕鈴!入って~」
「じゃあ、遠慮なく上がらせてもらうわね」

そうして、夕鈴の家出先は明玉の家へと落ち着いた。


続く。


2013.09.01、02 初出

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瓔悠

Author:瓔悠

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