【あれから10年後・・・】 
2013年02月23日 (土) | 編集 |
【設定】

夫婦設定

【注意事項】

此方の作品は、『そして一つの可能性』のラストの
ずっと後の話となります。

かなり昔に書いた作品ですので、
現在の本誌の夫婦寄りとは、かなり違うモノになっています。
しかも、夕鈴は正妃になっており、二人の間に子供もいますので、
何でもOKな方のみお進み下さい。






最近とみに思う事がある・・・・・・・。
あの時陛下の手を取って本当に良かった、そして間違いではなかったと。


一面に咲く白い花の絨毯に座り、笑い声と共に駆け回る我が子たちの動向を見守るのはこの国の正妃・・・・・・・そうそれが今の私。

「母様~~~~~~~」

ハァハァ息を切らしながら駆け寄ってきたのは、末公主。
陛下との間に3人もの子宝に恵まれ、更にその内の一人は公子・・・・・・ちゃんと次期国王も設けており、義務もキチンと果たしていたのである。

夕鈴は軟らかい微笑みを向け、
両手を広げて駆け寄る我が子をしっかり受け止める。

「如何しましたの?」
「あのね、母様・・・・・ついて来て下さる?
見せたいモノがありますの」
「見せたいモノ?」
「ええ、だから早く早く!!」

夕鈴の手を引っ張って立たせると、そのまま手を引き走り出す。

この末公主は皇位継承順位も低いためか、
上の二人に比べて元気で自由奔放に育っている。

ただ皆に言わせると、皇位継承順位ウンヌンと言うよりも一番夕鈴に似ているだけだとのことであるが。
知らないのは本人のみで。



その娘に連れて来られたところは、清水をたたえた小さな小川。
そこはそう・・・・・まだバイト妃として後宮にいた夏に、
陛下と水遊びをした思い出深い場所だった。

そう、あの水中着の贈り物をされて陛下に連れられて来た・・・・・・忘れもしない場所だ。

「まぁ~~~懐かしい。
久し振りに来たけれど、相変わらずにキチンと整備されているのね」

昔と変わらない風景に夕鈴は嬉しくなり、
淵にかがんで水を掌に掬って傍に寄って来た子供達に向って掛けてみた。

「母上・・・・何をするのですか?」
「もう冷たいですわ~~~~~」
「母様、もっとやって!!!」

三人三様の反応が返ってくる。
一番上の公主は、容姿は夕鈴と黎翔どちらともに似ていてそれでいて穏やかでお淑やか。
真ん中の公子は、黎翔の容姿全てをまんま受け継いでおり、
周囲が驚くほど瓜二つだったりする。
そして、一番お転婆な末公主。

ホントに、これ以上ない程の大切な宝物である。

末公主が夕鈴の隣に座り込み、同様に水を掬っては兄・姉に向かって投げつける。
その水しぶきは陽の光りを浴び、キラキラ透き通る水晶玉の様だ。

「もう止めなさい・・・・」
「こら、冷たいぞ」

冷たい水を掛けられた兄・姉は言葉では厳しく言っている様にも聞こえそうだが、
妹が可愛くて堪らないらしく声は朗らかで直ぐに笑い声に変わっていく。
三人の笑い声が風に乗って遠くまで飛んでいく。

「こんなところにいたのだな」
「父様~~~~~」

甘えんぼの末公主は、黎翔に一番に走り寄りその大きく逞しい胸に飛び込んだ。
そして、父の大きな胸にスリスリした。
それはいつもの光景で、上の二人がゆっくりと父の傍に歩み寄る。

「父上」
「お父様、ご政務お疲れ様です」


「皆で散歩なのか?私を除け者にして・・・」

少し拗ねる黎翔に夕鈴はそっと寄り添い軽く手に触れると、
顔を見上げてニッコリ微笑む。

「そんな事はありませんよ。
お昼になりましたら執務室という牢獄からお助けするつもりでしたわよ」
「そうなのかい・・・・・その割にはもうお昼近くになっているようだが」
「あら、そうですの?」

両親の仲の良いやり取りを、三人はいつもの事として余り気にはしない。
それにかこつけて黎翔は子供たちの目の前で見せつけるように、
夕鈴を自分の胸に引き寄せそのまま抱き締めた。

「・・・・・・・・・・陛下!!子供たちの前ですのよ」
「よい、どうせ子供たちもいつもの事と理解しているさ」

ははは・・・声高く笑いながら更に強く抱きしめて、
夕鈴の後ろにいる子供たちに片目を瞑ってみた。
それを父の合図だと気付いた公子は、両親二人きりにさせるために二人を伴い、
さぁ~~~とその場を立ち去った。

黎翔はそれを見定めると腕を緩め、愛しい妻の茶色い瞳をジッと見据える。
そしてそのまま柔らかい唇に自分の唇を重ね合わせた。

目の前の夕鈴の唇の隙間からは熱い息が漏れ、瞳は微かに潤んでいる。
この愛しい人は自分だけのもの・・・・・あの時からずっと・・・・・。
今ある幸せを肌で、唇で・・・そう、自分の全身で感じてまた強く抱き締めた。



愛し合う二人は小川の畔でいつまでも見詰め合い、睦み合っていた。
高く登った太陽が、西の空に傾き空が紅に染まるまで。


終。


**********


~後書き~ 2016年10月04日・追記

さて、この話に出て来る3人の子ども達。
何処かで読んだことあるような・・・・・・・。

そうなんですっっ!!

実は、この続きが『未来家族シリーズ』へと続くんです。
気が付けば、あのシリーズも沢山書いたよなぁ~~飽きもせず。

未だに書きたい欲求は、ムクムクと・・・・。
まぁ、それはまたという事で。








2012.11.02 SNS初載



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