【意味などとしての水入らず・5】
2014年11月09日 (日) | 編集 |
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り ・ 原作外設定有り

 





今日は休みの前日と云う事もあってか、いつもより人の往来があり、そんな中夕鈴と悠も違和感なく溶け込んでいた。

「夕鈴さん、あなたのご実家はどちらですか?」
「私ですか??下町の章安区になります。」
「是非、連れて行って欲しいデス!!」
「は、はい!!そうですね、では後で。」

ニコニコ笑う悠に、夕鈴はどうしてよいのか判らなくなる。
黎翔の小犬状態とは違う感じなのだが、でも何故か従ってしまう自分がいた。

―――ホント、押しが強いって訳じゃないのに断われないのよね・・・このままウチの方面に二人っきりで行くの???それってまたいらぬ誤解を生み兼ねないわよ!!確か役人の徐 克右さんだったかしら・・悪女がどうのこうの言っていたっけ!!

更に夕鈴の頭の中で明玉に、『一体、几鍔と王宮の上司さんとこの人の誰が本命なのよ!!』と詰めよられている自分の姿が鮮明に映し出されていた。

「ところで先程も云いましたが、探し人を始めましょうよ。どんな人で、名まえは?それに、何処に住んでる人ですか?」
「そうだよね・・・確かにそろそろはじめないと、時間がなくなっちゃうよね。」
「はい!!!その為に私は付いて来たのですから。」

夕鈴は気合いを入れて聞く体制に入る。

「あのですね・・・僕が探しているのは女性です・・・それも30代後半の女性。この王都に住んでいるはずなのですが、何処なのかは僕にも判りません。そして、結婚していて子どもは少なくとも僕くらいの女の子一人はいます。もしかしたら、もっといるかもですが。」
「王都の何処かですか。範囲が広すぎますね、せめて地区とは解りませんか?」
「解りません・・・・。」
「そうですか。」

―――これは、見つかるかどうかなんて怪しいモノだわ。悠さまには気の毒だけど範囲が広い上に情報が少な過ぎる。あっ、名前聞いてなかった!!

「悠さま、その女性のお名前は?」
「え~~と、悠那(ゆうな)です。」
「悠那???それって悠さまと何か関係が???」
「ええ、実は僕の母なんです。」
「お母様~~~~。それは何が何でも探しださないと!デスネ。」

夕鈴は腕まくりをしつつ張り切り、片手を天に突き出していた。
それを隣で見ている悠は頼もしそうに破願している。
二人が往来で立ち止まり話をしている様子を物陰から見ている人物が_________其れは、黎翔の命を受けた浩大だった!!

「あ~~お妃ちゃん、みっ~~~け!!」

小声で呟いたのを二人は聞こえるはずも無くまた歩き始め、その後を密かについて行く浩大の気配に気がついたのは悠だけであり、夕鈴はノホホンと探し人の特徴など悠に聞き出していたのだった。

「ねぇ、夕鈴さん。ちょっとお茶屋にでも入りませんか?」
「えっ??」
「実は僕・・足が痛くって。」
「それは大変です!!直ぐに入りましょう~~」

夕鈴は往来にあるお茶屋を直ぐに見つけ、悠の手を引っ張って入って行ったのだった。
浩大はそのまま一緒に入る訳にはいかず、表の物蔭で見守るしかなかった。

「夕鈴さん、実は足が痛いっていうのは嘘なんです!!ゴメンナサイ。ただ怪しい人が先程から付いて来ているようでしたから、ちょっと如何しようかと思いましてお茶屋にと・・言ったんです。」
「そうですか・・・怪しい人?」
「ええ、恐らく僕に用が有るのだと思いますが・・・。」
「では、逃げちゃいましょう。」

夕鈴は片目を瞑り、悠の手を取るとそのまま奥へと連れて行く。
悠はこれから夕鈴が如何するのか予想もつかず、目を見開きながらされるがままとなった。
奥に進むと厨房があり、そこにはここの店主が忙しそうに働いていた。

その店主に夕鈴はニッコリと微笑むとこう告げた。

「スミマセン・・・私たち、親には内緒でお付き合いしているんですが、家のモノが表で見張っていまして・・・どうか助けて下さい。」
「ヨッシ!!若いお二人の為に人肌脱ごう!!!奥から出て行きな!!ほら、これも持って行きな!!」
「はい!!!有難うございます。」

夕鈴は深々と店主に礼をすると、そのまま悠を引っ張って行った。
後ろから店主の『頑張れよ!!お二人さん!!』と激励を背に受けながら_________。

店から出ると夕鈴は直ぐさま悠の手を離し、満面の笑みを悠に向けて胸を張る。
「上手くいったでしょ!!」と・・・。

それを悠は感心しつつ、先程出て行く際に店主が二人に渡してくれた串刺し団子を夕鈴に手渡した。

「あははは、夕鈴さん、凄いデス!!怪しい人を撒いただけでなくお団子まで頂戴するなんて。」
「お団子は、あの店主さんの粋な計らいだけどね。」

そうして食べながら二人は町を闊歩して行くのだった。

その頃、表で待ちぼうけを食らっている浩大の元に黎翔が現れていた。

「お妃ちゃん、黄稜国の官吏とやらと一緒だよ。それで今ここに入っているよ。」
「どれくらいに為るのか?」
「う~~~と、もう半刻くらいには為るかな~~~。」
「半刻??お前逃げられたぞ!!其れは!!」
「はぁ???ウソだろ~~~オレっちここでずっと見ていたけど、二人は出て来なかったよ~~」

浩大は二人にしてやられたことに気が付き、苦い顔に変る。
それよりも、更に輪を掛けて苦々しい顔つきはイライラ不機嫌な黎翔の方だったが。

「ごめ~~~ん、オレっちまた捜索に出ます。」

このまま、此処にいたら黎翔の怒気の餌食になると踏んだ浩大は素早く捜索へと躍り出た。
そして黎翔も深い、果てしなく深い溜め息を付きながら夕鈴探しに舞い戻ったのだった。


続。
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