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【小犬の手も借りたい??・7】 



【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り


【注意事項】

こちらの作品は、前ブログ『遥か悠遠の朱空へ』にて公開していた作品です。
今回こちらへ移行するに伴い少しだけ手直ししておりますが、
書いた当時の陛下と夕鈴の関係が浅いものでありましたので、
当時の雰囲気を残すべく糖度はあまりありません。
そのことを踏まえた上でお読みいただけます様、宜しくお願いいたします。   

なお、この話は【初夏の一日 前・中・後編】の後日談となります。

【初夏の一日 前編】
【初夏の一日 中編】
【初夏の一日 後編】 













黎翔は、夕鈴への贈り物を手に入れて嬉々として通りを歩いていた。
そこへ不穏な気配が、後ろから覆い被さってくる感覚に襲われた。

「誰だ!!!」

俄かに声が鋭くなり、瞳も鋭く冴えてくる。
片手は剣の柄を軽く握り臨戦態勢を整えた上で、後ろを振り返った。

そこで初めて漂ってきていた殺気立った気配が緩む。
聞こえてくるのは、呑気な聞き覚えのある声。

「もしも~~~し、幸せオーラが駄々漏れだよ!!」
「浩大か・・・・お前、こんなところで何をしている?
王宮に戻ったのでは無かったのか?」
「まぁ~~戻ったんだけどね~~~李順さんのお使いで出て来たってわけ!!
ところが町中で我が目を疑いたく為る様な光景に出会ったもんで、
ボケて無いかなぁ~~とちょっと試したってわけよ!!」

黎翔はイラッとしてきて握っていた柄から手を離すとそのまま懐に手を伸ばし、
忍ばせてある小刀を軽口を叩いている浩大へ投げる間合いを計る。
その殺気を本能的に感じた浩大は2,3歩下がり、防戦態勢に入った。
それを見た黎翔はヤル気が削がれ、フゥとひと息ついた。

「で、何を李順から頼まれたのだ?」
「あ~~それはね、さっきゴロツキがやられて送られて来たらしいんだよね。
それの調査っっ!下町の警備強化の重点個所を調べろってさ!!
あれ、陛下じゃないねぇの?」
「ああ・・・ほぅ、李順はさすがに早いな」
「じゃっ!オレ行くんで!!・・・あっ、そうそう!李順さんから伝言だよ。
『馭者は、お早く王宮にお戻りくださらないと馬車に乗りたい方が大勢待っていますよ』ってさ!!じゃあ、伝えたから」

言いたい事だけ捲し立てると、浩大は流れいく人込みに綺麗に溶け込んだ。
そして残された黎翔は李順の伝言に渋い顔を一瞬したものの、これから頂く夕鈴の夕餉を思うと顔が綻び、足運びも軽いモノになっていた。


*************



玄関先で訪れを告げると、出て来たのは夕鈴ではなく青慎だった。

「李翔さん、いらっしゃいませ。姉さんでしたら台所です、お入リ頂けますか?」
「では、お邪魔するね」
「あ、はい、どうぞ」

青慎の先導で家の中に入る。

本当に青慎は礼儀正しくて心遣いが細やかないい子だから、
全くもって将来義弟になるのが本当に楽しみだ。

「青慎君、今日は夕鈴がいたからビックリしたのでは?」
「そうですね・・・帰って姉さんが台所で夕餉を作っていたのには、驚きました。
でも久し振りの姉さんの夕餉ですので嬉しいです」

頬を紅潮させ話をする青慎の様子は、心から夕鈴の帰省が嬉しくて仕方が無いと見てとれた。
その青慎は、黎翔を長椅子へと案内すると直ぐに台所へと行こうとしたので声を掛けた。

「ねぇ、青慎君。今から夕鈴の手伝いをするんだろう?」
「えっ、は、はい」
「では、僕も手伝ってもいいかな?」
「い、いえ・・・とんでもないですっっ。姉さんの上司の方にお手伝いだなんて!!
申し訳ありませんが、こちらでお待ち下さい。直ぐにお茶でもお持ちしますから」

青慎は恐縮して黎翔の申し出を丁寧に辞退すると、そのまま慌てて台所へと消えて行った。
仕方なく長椅子で所在無く待っていると、台所からバタバタ忙しくしているのだろうと思われる音がしてきた。
そして少し経つと、夕鈴が両手にホカホカ湯気が出ている料理を持って出て来た。

「李翔さん、戻られたんですね。今、夕餉を運んできますので、もう少し待ってて下さいね」

ニッコリと微笑み、卓の上に料理の皿を静かに置くと直ぐに行ってしまった。

何か自分にも出来ないものだろうか?
余りにも退屈過ぎる!!!

黎翔は立ち上がると、夕鈴が消えて行った台所へと向かった。

「ねぇ、夕鈴・・・・僕にも何か手伝わ・・・・・せて」

入ってすぐに、夕鈴に声を掛けようとして言葉が詰まる。
そこは、想像に絶する光景が広がり。
黎翔が見たことの無い世界があった。
それは、戦場!
そう、言わば家事戦士が戦う『戦場』だった!!

汀姉弟は息のあった連携でもって、次々に出来上がった料理を皿によそっていく。
その間にかわされる会話は何一つない!!
それでも全く手順が狂うこと無く、中央の卓には次々に出来上がった料理が所狭しと並んでいく。

黎翔は、目を見開いてこの二人の手際の良さを見詰めていたのだった。





続く。


2012.06.04、06、08、16 ・ 2012.07.03、11 SNS初載
2013.03.02、11、12 『遥か悠遠の朱空へ』初載



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瓔悠

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