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【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り


【注意事項】

こちらの作品は、前ブログ『遥か悠遠の朱空へ』にて公開していた作品です。
今回こちらへ移行するに伴い少しだけ手直ししておりますが、
書いた当時の陛下と夕鈴の関係が浅いものでありましたので、
当時の雰囲気を残すべく糖度はあまりありません。
そのことを踏まえた上でお読みいただけます様、宜しくお願いいたします。   

なお、この話は【初夏の一日 前・中・後編】の後日談となります。

【初夏の一日 前編】
【初夏の一日 中編】
【初夏の一日 後編】 










「李翔さん、夕ご飯はウチで頂いてから帰るのはどうですか?
ただ私が作ったものですから、お口に合うかは分かりませんが・・・」

『夕鈴のご飯!』と聞いて黎翔の表情は、にわかに綻ぶ。
幻の尻尾がはち切れんばかりにパタパタしていて、
そのうちその辺りを喜んで駆け回りそうである。

先程の落ち込みようは何だったのかしら?
まぁいいわ、これで気分が浮上して頂けるのなら私もご飯の作りがいがあるというものね!!
暖かいご飯なんて久し振りだろうから、腕が鳴るってものよ!!

「さてと、買わないといけないものはすべて買ったし帰りましょうか。
夕ご飯の支度もありますし・・・」

夕鈴は買い物籠を反対の手に持ち換えながら、
黎翔に断りを入れる。

「夕鈴、ゴメン!!僕はもう少しブラブラしてから、家に行かせてもらうよ。
いいかな?」
「はい、分かりました。じゃあ家で待っていますね。
夕ご飯楽しみにしていてください」

とびっきりの笑顔を見せると、夕鈴は家のある方向へと弾むように歩き出した。
黎翔は角を曲がるまで見送る。
そして姿が完全に見えなくなると同時に踵を返し、露店の立ち並ぶ通りへと向った。

重い荷物を持たせたまま一人きりで帰らせてしまって夕鈴には悪い事をしたけど、
ゆっくりと一人で買い物をしたかったんだよね。
下町や路地裏の治安状態も確認したいし。
まだゴロツキどもがのさばっているようなら、警備を更に強化させないとな。
まぁ、まずは視察をしてからでないと・・・下町へと出てきた理由として、
李順を納得させられないし。

いつの間にか先程まで夕鈴に見せていた優しい李翔さんの顔から、
冷酷非情の狼陛下と呼ばれる黎翔の顔へと変化していた。
歩を進めて行くと人通りも少なく昼間なのに薄暗い路地裏が見えてきて、
そのまま躊躇する事無く入り込んだ。

「おい、そこの野郎、ここへは誰の許可を得て通っているんだよ!!」

野太いどすの利いた声が聞こえたかと思うと、目の前に明らかに一般人とは違う鋭い目つきや態度の悪そうな若い男三人に取り囲まれ因縁をつけられた。
これは俗に言うゴロツキと呼ばれる輩である。
黎翔はふぅと一息つくと、ゴロツキ達に向かって辺りが凍りつきそうな冷たい言葉を浴びせる。

「特に誰にも許可は取っていないが、それが如何したと言うのだ」

そして腰に携帯している剣の柄を握り、鞘から剣を抜くと見せかけ相手を怯ませた。
しかし怯んだのは一瞬で剣は抜かれていないと分かると、ゴロツキ達は一斉に黎翔へと飛び掛かってきた。
それを優雅にそして難なく左にヒラリと受け流すと、飛び掛かった勢いでまず二人が正面からぶつかり合って、地面に叩き付けられて失神していた。

呆気なく終ってしまい、黎翔は不満げに残りの一人を鋭く見据える。
しかしその様子を見て分が悪いと感じたのか、残った一人は倒れている二人を残したまま、
「覚えてやがれ!!!」
とお決まりの捨て台詞を大声で言い放ちながら、転がるように走って逃げて行った。

「おい、この二人はどうするんだ!!」

黎翔は逃げて行く背中に問い掛けてはみたものの、返事は帰ってはこなかった。

ヤレヤレ・・・・このままはマズイよな。
そのうち気がつくだろうから、残して行っても私のとって不都合はないが。
それよりこのまま居て警備隊に遭遇して色々聞かれるのは面倒だし、
当初の目的に立ち戻るとしよう・。
それにしても全く下町の警備はどうなっているんだ。
きちんと警備強化の指示は出していたんだぞ。
余り変わってないではないか!帰ってからの事だが担当者は厳罰もの・・・だな。
フフッ、一体誰がこの担当だったのかな?

一瞬。
紅の瞳が輝きを増して深紅に光り、口元に鋭利な頬笑みが宿る。
後の楽しみが出来たとでも言う様に・・・。

そして黎翔は何もなかったかのように、そっと路地裏からそっと離れて露店通りへとまた歩き出した。




続。



2012.06.04、06、08、16 ・ 2012.07.03、11 SNS初載


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瓔悠

Author:瓔悠

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