<<10  2017,11/ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  12>>
【肖像画が語るモノ・8】 (完)
【設定】

夫婦設定 ・ 原作寄り

【注意事項】

こちらのお話は、青慎からみた視点で描かれてます。
更に、ほんの少しですがオリキャラ出てきます。

前ブログにて連載していたものですので、
現在の夕鈴と陛下の関係性とはちょっと違います。
かなりの捏造入ってますので、それを了承の上お読みくださいませ。









ようやく全ての儀式が終り、祝宴会が賑やかに始まった。
卓上には朝早くから用意をしてくれた商店会のおかみさん達の腕によりを掛けた料理の数々が運ばれてきて、皆思い思いに舌づつみを打っていた。

そして少し経つと、祭壇の傍に作られた二人の席には祝杯をあげに来る人、
姉さんの衣裳を見に来る友人や近所のおばさん達でごった返していた。
その来てくれる全ての人に姉さんは感謝を述べていて、
その表情は僕が姉さんと暮らしてきた中で一番輝いていて美しくそして何より幸せに満ち溢れていた。
それはこの結婚式が終わるまで崩れる事はなく、周りの皆もつられて幸せそうな表情に変わっていった。
その隣で始終穏やかな笑みで見ている李翔さんも同じように感じていたと思う。

そう言えば几鍔さんが挨拶に来た時に、一度姉さんは少し困った様な表情をしていた・・・。
あれは何だったんだろう??
でも李翔さんは、穏やかに几鍔さんとお酒を酌み交わしていたよな。
几鍔さんも何か吹っ切れた顔で二人を祝福してくれていた。


和やかな雰囲気で進んだ祝宴会も夕刻前までには招待客も三々五々皆満足げな顔で帰っていき、最後に残されたのは僕たち家族だけとなった。

「やっと終った~~~~皆、喜んでいただけて良かったわ。
お料理も美味しかったし・・・・でも父さん、この費用の支払いは大丈夫なの?」

やはり姉さんは姉さんだ。
こんな時にまでお金の事を心配しているんだから・・・・。

「大丈夫だよ。この会場は几鍔さんが御祝いの代わりにとタダで貸してくれたし、
お料理は商店会のおかみさん達が今までのお得意さんの姉さんの為にと・・・作ってくれたんだよ」
「そうなの・・・・ホントに有り難いものね」

姉さんはしみじみと呟いた。

「さてと、私たちも帰るとしようか」

李翔さんが姉さんの肩を優しく抱いて引き寄せた。
そして姉さんは、嬉しそうに李翔さんを仰ぎ見て大きく頷いた。

連れ立って会場を後にした僕らはそのまま家に戻った。
そして着替えを済ませると姉さんはお茶を入れ、
ゆっくりと新しく家族となった李翔さん・・・いや義兄さんと僕は一緒に疲れを取る様にのんびりと飲んでいた。

そしてその間姉さんはと言うと、父さんと二人きりで部屋にこもり挨拶を済ませていたようだ。
二人きりで話していたのでどういう話だったのかはその時は分からなかったけれど、
後で聞いた話だとお酒の飲み過ぎと賭け事についてお小言を言われていたらしい。
―――全く姉さんはこんな時にまで・・・・と思ったものだ。


そしてしばらく寛いだ後、王宮からの馬車がやって来て二人は戻る事に。
別れの際、姉さんは僕を抱きしめてくれた。
僕は久々に姉さんの香りに包まれて、安堵感を感じていた。

「青慎!科挙頑張って受かるのよ。
青慎ならやり遂げられる筈だから、私は王宮で待っているわよっっ!!」

姉さんは、僕にハッパを掛けてくれた。
思わず泣いてしまいそうになるのをグッと堪えて、二人を笑顔で見送った。

こうして、また父さんとの二人きりの生活が始まった。
依然と違うのは、姉さんはもうそうそう帰省する事は無いと言う事だけ。
寂しさはあるものの、姉さんの幸せの為に我慢するしかなかった。
その後、僕は姉さんの願い通り、科挙を無事に受かり官吏となった。

*********

穏やかに刻は流れる。
あれから随分と経ったけど、この下町に聞こえてくる噂は国王陛下はお妃様を熱愛しており御夫婦円満だという嬉しいものばかりだ。

姉さんはきっと大切にされて幸せになれる・・・・あの時の確信は、その通りだった。
ただ、あの時の僕にはまだその確信が正しいのかどうかは分からなかったのけど・・・・。




「まぁ・・・中々戻っていらっしゃらないと思ったら、こんなところで寝ていらしたのね」
「う~~ん」
「起きました?」
「あれ、僕寝ていたんだ・・・」
「ええ、ぐっすりと」
「昔の夢を見ていたよ。
姉さんの結婚式の・・・・肖像画を久し振りに見ていたせいだね」
「そうでしたの、そういえばあの肖像画はいつからありますの?」
「ああ、あれかい?実は結婚式の後しばらくして几鍔さんが訪ねて来てくれて、
僕たちに渡してくれたんだよ。
寂しくなっただろうからと・・・あの日密かに絵描きを呼んでいたんだって」
「太っ腹ですわね・・・さすが几商店の若旦那だわ」
「そうだね」

僕は立ち上がるとその幸せそうに微笑む姉夫妻の肖像画を、
部屋の一番目立つ所に丁寧に飾りなおした。

「そう言えば、お客様ですわよ」
「お客?」
「ええ、あなたが今一番会いたい方かと・・・」
「・・・・誰??」
「それは、会ってからのお楽しみですわ」
「あれ?鈴音は?」
「鈴音は、外に出てますわ」
「外?一人でかい??それはマズいよ!!
まだ一人では危ないよっっ!!」
「大丈夫・・・・・だって、大好きなお姉ちゃまやお兄ちゃまがいるのですから」
「なるほど・・・・ね。
では、早く行かないと」

僕は柔らかく微笑む妻に、微笑み返した。
二人で居間に行くと、そこにはこの国の正妃様がいた。
言わずもがな、僕の自慢の姉さんだ。

「姉さん、お帰り」
「ただいまっっ!!やっぱり実家はいいわよね~~」
「そう?」
「もちろん!!」
「あれ?義兄さんは?」
「ああ、李翔さんなら・・・・・・・例の如く、ここに来ようとして李順さんに捕まっちゃった。
『今回の静養は、正妃様とお子様方だけですっ!』ってね」
「そうなんだ・・・・それは義兄さん、お気の毒だね」
「でも、どうせ後で来るだろうけど・・・・・」
「違いない、ね」

僕は姉さんと向かい合って笑った。
今も姉さんはやっぱり姉さんのままで。

「姉さん・・・・幸せ?」
「えっ?突然、どうしたの?」
「いや、聞きたかっただけ」
「フフッ、ヘンな子ね・・・・・・・もちろん、幸せよ」

そう言って笑う姉さんは、あの時の幸せそうな笑顔で・・・・いや、あの時以上の笑顔が僕にはすごく眩しく見えた。




終。









関連記事
スポンサーサイト
Secret
(非公開コメント受付中)

最後の一話、完結~~。
皆幸せほのぼの~って読んでたんだけどね・・・。
ある一文でおりょ?って思って・・そういえばこの方は?なんて(笑)
それは言わずもがな、李順さん(笑)
相変わらず、陛下に振り回されて独り身を貫いてるのかしら・・。
そう考えると何だか泣けてくるわ~・・。そろそろご自身の行く末を案じられたほうが・・・←大きなお世話だ?
もうこの時間なのに・・何もする気が起きなくていまだに夕飯の準備をしてる最中なのさ。もう、ダメダメ。
切り替えがうまくいかない~~!

瓔悠さん!こんばんは\(^o^)/

完結だぁぁぁ(#^.^#)
幸せな笑顔が思い浮かびます!
ありがとうございます!


せっかく幸せな時間を瓔悠さんに貰っているのに\(//∇//)\

初めて予約下さった団体さーん!
お時間過ぎてますよー( ̄O ̄;)
今まで居たお客様に席開けてもらってるんだから、ご予約時間にご来店くださーい(T . T)
えーん
ああ、終わっちゃった。
でも終始幸せな感じが文面から伝わってきて、読んでいて癒されました(#^.^#)

心配してましたが地震の被害がそんなになかったのを読んでホッとしてます。ブログの再開嬉しいです。そしてお仕事も目処がついたとのこと、本当によかったです(^^)

私も自粛というか、能天気な話を書いてる場合じゃないしとしばらく放置してましたが、ボチボチ再開しなきゃです*\(^o^)/*
ママ様

こんばんは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!

完結させたよ~~
読み返して、ホント青慎っていい子だし私は好きだなぁ~と思ったよ。
最近は本誌にも出てこないから、2次でカキカキしたいなぁ~。


そして李順さん。
どうなんでしょうか・・・。
随分前に書いた私の妄想2次では、結婚して家庭を営んでいるんですけどね~~。
あの話、何処に行ったかな?!

タイフーン様

こんばんは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!


完結しました~~~
結構私も楽しめました。
欲を言えば、もっとその後も書きたかった。
でもまだ書き上げてない話がいっぱいあるから断念。
いつか書きたいなぁ~~


そして、その後お客様はどうなりました??
そちらも心配で気になります・・・・。



まるねこ様

こんばんは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!


完結しました~^
最後までお付き合い下さり、有り難うございました。
癒されましたか?
それは私にとって、最高の褒め言葉ですよ~
うれしいっっ!!!


私の方は、被害もほぼ無く・・・落ち着きました。
熊本・大分は未だ余震も有ってますし、避難生活をなさっている方も大勢います。
早く復興へと向かっていけるといいな・・・って思います。


ブログ再開しました。
少しでもお話を読んでいただき、休息の一端にしてもらえれば!!とかおこがましいけれど
そう思っているんです。

さぁ、まるねこ様も再開なさってくださいませ。
お待ち申し上げております~~~


プロフィール

瓔悠

Author:瓔悠

リンク
最新記事
最新コメント
カテゴリ
いらっしゃいませ。
ごゆっくりどうぞ。
現在の閲覧者数:
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる