【約束の形】
2016年02月27日 (土) | 編集 |
【設定】

夫婦設定(新婚くらいかな?!) ・ 原作寄り 









今、私が感じる幸せなこと。
それは繋がれた手の暖かさを、互いが同時に感じられることで。
此処に私が存在する確かな証となる。

但し、それは二人きりであるならば・・・・・という条件付であるが。


********

優しい日差しが降り注ぐ午後。
それはこの政務室にも、柔らかく差し込んでくる。

「あの、陛下・・・・その・・・だから」
「夕鈴、どうした?」
「・・・・・」

分かっている筈なのに、意地の悪い陛下の言葉。
私は返事をする気力すらそがれて、抗議する言葉を押し止めて黙り込んだ。
その様子を見ている深紅の瞳は、キラリと怪しい輝きを放ち。
私はその瞳に惹きつけられる。
魅惑的な視線をそらす事なんて、私には出来るはずは・・・・・無い。

「夕鈴?」

ニヤリと口元に浮かぶ、妖艶な笑み。

もうっっ、陛下のイジワル!!
ここが何処かが分かってて、更に私が逃れられないことを知ってて私を離してくれないのだから。
これを『イジワル』と言わずして、何と言うのだろうか。

「陛下、お妃様もお困りのようですが」

李順さん、ナイスタイミングです。
もっと言ってください!!
・・・・これで、陛下も離してくれるはず。

ところが、全く離してはくれない。
それどころか、更に繋いだ指に力が込められる。
ただでさえも、膝に乗せられたままの私はかなりの忍耐力で以て羞恥に耐えているというのに。

もう勘弁してほしい・・・・・。

私の体温が徐々に上がっていくのが分かる。
もうホントに我慢の限界。

「陛下、私もう下がらせていただきます」
「何故?」
「私が此処にいては、政務も捗りませんでしょうから」
「そのような事はない」
「いいえ、陛下・・・私は室にてお待ちいたします。
それでは、失礼いたします」

私は陛下の膝から何とか降りてスクリと立ち上がると、
そそくさとその場を去ろうとする。
しかし腕を捕えられ、それ以上先へと動くことが出来ない。

「では、夕鈴・・・私がそこまで」
「いえ、とんでもありません。一人で参りますから」

陛下から、返事の言は聞こえてこない。
その代わりにスッと立ち上がると私を引き寄せ、腰に手を回す。

私は驚きの余り目を見開いたけれど、逃れる術は持ち合わせてはいない。
もう陛下の成すがまま・・・・・。
そしてそのまま政務室を後にし回廊へ。

「夕鈴、僕はいつも・・・・君と共にいたい」
「そのようなことを言われましても・・・・」
「もう離したくはない」
「陛下、私はもう何処にも行きませんから・・・だから・・・」
「離せないよ、だって君の背には羽根が生えているから。
勝手に何処かに行ってしまいそうだ」
「そんな事は、ありません。
それに私の戻る場所は、たった一つだけです」
「それは何処?」
「陛下のお傍だけですから・・・・・」

私は、少し背伸びして陛下の頬にそっと口付けた。
ホンの一瞬触れるかどうかの・・・キス。

「あの・・・・これは約束のキス・・・です」
「約束?」
「はい」
「どんな?」
「待ってます・・・・と」

そう言うと、途端に自分の大胆さが恥ずかしくなりカァッと頬が熱くなった。
私は両手の掌で、必死に頬の火照りを鎮めようとするけれど中々下がってはくれない。

「夕鈴、約束は此処にするものだよ」
「えっ??」

私が聞き返した唇に、陛下のソレが重なった。
暖かい。
熱を帯びた唇。

「へ、へ、へいかっっ!!!」

真っ赤になって抗議する私をよそ目に、陛下はクックッと笑っている。

「では、約束の印も頂いたことだし、私は戻ることにするよ」
「・・・・・・・・・」

私は陛下が立ち去るのを呆然と見ているだけだった。
心臓の音がドキドキと煩く響く。
それは陛下の姿が見えなくなるまで、治まることは無かった。

「もうっっ」

私は小さく抗議しながらも、嬉しく感じている自分がいる事に気付いて、
知らずに頬が緩んでいた。

こんな小さな幸せが心地良くて。
私の胸の奥に暖かな火が灯る。




終。




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コメント
この記事へのコメント
瓔悠さん、おはよう\(^o^)/おはようございます‼︎
新婚さんシリーズ(*^^*)コレも好きな〜♡

やくそく(#^.^#)
あげたつもりが、倍返しで貰っちゃったね〜‼︎夕鈴‼︎ 回廊から無事、室に辿り着いたんかな♪


今日はお客様感謝デーなのに、朝一から予定ギッシリ‥‥昨日も朝から晩までバタバタだったから行けなかったのΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
だから今日は必ず時間を作る!(◎_◎;)
旦那さぁん‥‥一緒に行って〜‼︎
荷物してーー‼︎
でも無駄なものはカゴに入れないでーーー‼︎
2016/02/28(日) 06:14:39 | URL | タイフーンです(≧∇≦) #-[ 編集]
No title
こんにちは。
ラブラブな様子の二人に心癒されました。
陛下が行っちゃった後、侍女さんたちのなまあったかい微笑みに夕鈴はさぞかし恥ずかしい思いをしたと思いますが、でも嬉しくて笑っちゃうのねー。

あー、今日、なんかやる気でました。
ありがとうございます。

2016/02/28(日) 09:47:33 | URL | ゆらら #PzYVIlwM[ 編集]
No title
おはよう^^
一旦、落ち着いたよ~

なにこのイチャイチャ振りは・・。もう言葉が出ないわ・・・。//
かわいすぎー!!

<約束>って素敵な言葉ですよね。陛下は約束を守ってくれそうですけど、我が旦那様は・・・・ふふ・・・。


***

明日は、何にも変えがたい娘の誕生日!
ケーキは特注しました!!プレゼントも完璧に用意OK!←散財してしまった・・・。
料理を頑張る予定ですけど、20歳の記念すべき日なので昼間だけでもどこかにお出かけしたいとも思ってるんですよねー。
時間限界まで悩んで、決めます。
ああ・・ドキドキワクワクが止まらない。


「なぁ・・・。○○の誕生日のプレゼントなんだけど、何買えばいい?」
「えー。自分で考えなよ・・。会話してたら欲しいものなんか解るでしょ?」
「・・・かいわ・・してないもん・・・」しゅん・・。
「そうだね。」
「ねー!だから教えてよーー」
「欲しいもの買っちゃったもん。」
「ええ~!何買ったの?」
「・・・そ、それはいえませんが。当日まで内緒です」
「花にしようかな」
「あー、花は絶対に止めておいた方がいいよ」
「何で?」
「だって、会社から花束を貰うよきっと。成人式のお祝いでも見たこと無いような花束抱えて帰ってきたもの」
「そうか・・」
「うおーーー!悩む~~・・・あ、ママのと一緒に出資したことにしてくれない?」
「嫌だし・・・。」
「マジかよ・・・。あ、時計・・時計は?」
「自分で買うみたい」(買ってくれる人がいるとは到底いえない)
「ないやーーん」

この後、実はもうパパからの分も買ってるんだといってあげたよ。
どうせこうなるだろうと解っていましたので。(笑)

では、今日もがんばろー!
2016/02/28(日) 09:53:37 | URL | ママ #-[ 編集]
タイフーン様

こんにちは!コメントありがとうございました!!
返信大変お待たせしました。

新婚さんシリーズ。
うんうん、中々ナイスなネーミング。
よしっ。
これも定期的に書いてみよう。
甘々がいいのよーーー。
シュガーテイストでねっっ。


陛下の倍返しはスゴいのよーー
夕鈴には到底敵わないんだから。
そしてその後、夜には・・・・・なのですから。
(キャッ!私にはその先は書けないわぁーー)


お客様感謝デーは大切ですよね。
安く買えるのは、大切なことですものね。
主婦としては、何を置いても優先事項!!!
旦那様ーー主婦のお財布は無限では無くてよーー。
ウチも旦那と行くと勝手に色々入れられます。
・・・・・あっ、子どもたちもだった。フゥ


2016/03/06(日) 15:48:17 | URL | 瓔悠 #-[ 編集]
ゆらら様

こんにちは!コメントありがとうございました!!
返信大変お待たせしました。

ラブラブ夫婦で癒されていただけて、嬉しいです。
キャァァーーーー。

ですね。
待女さんたちは、微笑ましく見てるんだけど
夕鈴にとっては、恥ずかし過ぎるーーーって感じで。


またラブラブ夫婦のお話もUPしますねーー。
お楽しみに。

いつもご訪問、ありがとうございます。



2016/03/06(日) 15:52:44 | URL | 瓔悠 #-[ 編集]
ママ様

こんにちは!コメントありがとうございます!!
返信大変お待たせしました。


ラブラブイチャイチャ夫婦、良かったですか?!
良かったーーー。
まぁ、最近は本誌もそんな感じの時があるけどね。
でも妄想は膨らむんです!!!ハイ。


そして娘さん、
お誕生日おめでとうございまーーす!!!
20歳の誕生日はホントに特別だよね。
本人にとっても、親にとってもね。
だから盛大に祝ってあげてOKだよ。


で、結局
プレゼントは何にしたのかな?
それに会社からは何か頂いたのかな??

でも、何をもらっても嬉しいもんだよ。
大好きなママから、なのだから・・・。


ホントにおめでとうございました!!!


2016/03/06(日) 15:58:00 | URL | 瓔悠 #-[ 編集]
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