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【設定】


夫婦設定 ・ 原作寄り



前編から、かなり間が開いてしまいました!!
復習したいゲスト様は、下記リンクからどうぞ~~

淡雪は静かに降り積もる・前編






夕鈴は、軽い足取りで歩いていた。
久々の下町に、胸が高鳴り歓喜の気持ちが溢れる。
往来で思わず小躍りしそうなほど。
それは、『羽を伸ばす』とは各あることかのように・・・・・・。

「さぁ~~て、頑張って手に入れますか!!」

独り言ちると、夕鈴は足早に目的の場所を目指す。
手に入れるのならば、今の時期しかない事を思い出したのは昨日の事。
侍女さんたちとお茶をしていた中での会話で、不意に思い出したのだ。

陛下にお渡ししたい。
陛下の喜ぶ顔が見たい。

黎翔の喜ぶ表情を思い浮かべて、夕鈴の顔にもふんわりとした笑みが浮かぶ。
その想いに呼応するかの様に、足取りは早まっていた。

「着いた~~!」

そこは、すでに行列が出来ていた。
下町ではこの時期の恒例となっている風景で、夕鈴はさして驚きもしなかった。
列の最後尾に並んで、キョロキョロ列の先の方を伺ってみる。
そこには自分と同じくらいの若い娘さん達でワンサカと賑わっていた。

今日は殊更に寒くて、ただ並んでいるだけでは凍えてきそうになる。
夕鈴は、その場で小さく足踏みをし始めた。
両手を擦って、冷たくなった手を少しでも温めようとする。

「今日は、ホントに寒いわね」

空を見上げると、そこに広がるのは鈍色の色。
今にもチラチラと白い雪が落ちてきそうである。


*********


その頃、黎翔はというと。
王宮は遠くにそびえ、既に下町の中心まで来ていた。

「夕鈴は、何処にいるのやら」

黎翔は人の行き交う往来を目を凝らして見つめる。
そこに愛しき兎の姿が見えないものかと・・・・。
兎に角、逃げ出した兎を捕獲するまでは安心出来なかった。
その脳裏に浮かぶのは、夕鈴の事だけ。

やはり、夕鈴は王宮を窮屈に思っていたのか?
それほどまでに下町を恋しく思っていたのか?
私といるだけでは、満足出来ないのだろうか?

考えていると、段々鬱々とした気分になってくる。
『狼陛下』なんぞ言われていても、唯一愛しい人の気持ちさえ御しえないのは情けなくなってくる。
考えれば考えるほどドツボにハマってきて、
そこにいない夕鈴がもう自分の元へは戻っては来ない気さえしてくる。
それはただの妄想だとは思えないほどに・・・・・。

「夕鈴・・・・・・・・・・・」

黎翔は空を見上げた。
自分の気持ちと同じような、灰色の空。
そこから、白いモノがヒラヒラと落ちてきた。

「雪・・・・・・・か」

黎翔は掌を広げて天へと向けた。
そこに落ち来る白き雪。
雪は落ちた途端、自分の体温で瞬時に溶けて水になった。
それでも、後から後から黎翔の掌に落ちて来る。

それは・・・・・・
淡いモノで。
儚いモノで。
頼りなげで。

今の自分が感じている夕鈴との関係の様に思えて、
知らずにため息が漏れた。


「へ、へい・・・・・・いや、李翔さん・・・・ですよね」

様子を伺うように、ゴニョゴニョと濁る声が背後からした。
この声は、紛れもなく愛しき妃のモノ。
そう、夕鈴の・・・・・声。

「ゆ、夕鈴?」

振り返った先には、小首を傾げた夕鈴がいた。
どうして、こんなところに陛下がいるんですか?という視線を黎翔へ向けて。

「夕鈴、何処に行っていたんだっっ!!」

黎翔の語尾は、強めに響く。
ホントは安心しているくせに。
それを見せないように・・・・と。

「えっ?ご、ごめんなさいっ!!!」

いきなり叱られた夕鈴は、取りあえず深々と頭を下げて黎翔に謝った。

「あっ、こっちこそ、ごめん。怒るつもりは無かったのだが・・・・」
「いえ、大丈夫です。でも、どうしてこんなところにいるんですか?」
「それよりも、夕鈴・・・・・もう僕のお嫁さんが嫌になった?」
「は、はい??」

いきなりの黎翔の質問に、夕鈴は面食らった。
下町に買い物に来ただけなのに、どうしてそんな事を言われないといけないのか?

「どうして・・・・・・・李翔さんのお嫁さんが嫌になった、になるんですか?
私は下町にお買い物に来ただけですけど」
「だって・・・・・・・僕に何も言わないで、李順に言って出て行ったから。
てっきり、僕は僕の傍にいるのが嫌になったんじゃないかって」
「そんな事あるはずがありません!!!!!」

夕鈴はキッパリと言い放った。
その言葉に黎翔は緊張が解けたようで、肩がカクッと落ちた。
どうやら、緊張で肩が怒って上がっていたようである。

「ねぇ、夕鈴・・・・・ここに何しに来たの?」
「ああ、それは」
「それは?」
「フフッ、帰るまで秘密です」

夕鈴は、手に持った包みを後ろ手に隠す。
そして黎翔に向けて、ニッコリと笑って見せた。

「僕のお嫁さんは、存外意地悪なようだ」
「え~~、そんなことはありませんよ!」
「いや、意地悪だ」
「そんなことはあり・・・・・・・」

膨れっ面をして抗議しようとする夕鈴の口元が遮られた。
・・・・・・・黎翔の唇で以てして。

「ち、ちょっ、李翔さん!!!ここは往来ですけケド」
「関係ない」
「関係ないって・・・・いや、それは・・・マズい・・・と」

黎翔は全く意に返すことなく、夕鈴を抱き寄せて更に口付ける。

「これはお仕置きだから・・・」
「お仕置き?」
「うん、僕を不安にしたお嫁さんに対しての」
「・・・・・・・・・」

夕鈴は何が何だか分からないまま、黎翔に身を任せた。

無題


優しい口づけ。
それは離れがたく、甘い口づけ。


空から次々に振り来る淡雪は、二人の熱を吸収して溶けていく。
でもそれに追いつかないように、降ってくる。
それは、地面を白く染め始め・・・・・辺りの雑多な色を白一色へと変えていく。

「夕鈴、帰ろうか?」
「はい、そうですね。
私達のお家へ」
「そうだね」
「はい」

二人はどちらからと無く、手を繋ぐ。
温かい・・・・。
降り続ける雪は冷たくとも、二人は全く冷たくは感じなかった。




終。




この作品は、私のバースディにダリ子様から頂きましたイラストへ
厚かましくも私がお話を付けさせて頂いたモノです。

ホントに素敵なイラストでして・・・・。
小躍りしましたの~~~。

皆様にも見ていただきたく、UPさせて頂きました。
どうぞ、イラストのみご堪能下さいませっっ!!!!

ダリ子様、有り難うございました~~~~。
スッゴク嬉しかったです!!!

瓔悠。





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陛下って夕鈴の事となると冷静じゃないですよね。本当に余裕無いというか・・・。イラストともばっちり!
ところで、夕鈴の買った包みの中身は何だったんですか?ものすご~く気になるんですけど。
続きのアップ、嬉しいです!
コメントのお返事まではやわざで!

素敵なお話と絵でございます(=´∀`)人(´∀`=)
迎えに行くのは微笑ましく読んでいて、


口が口で塞がる、、⁇
おーっと、往来で萌え振り撒きありがとうございます\(^o^)/でも神聖すぎてチャチャいれずに静か〜に見ておきます!←見てるのは私ね!
まぁ・・/////なんとかわいらしいお話なのかしら。
ふわふわ舞い散る雪の中二人は熱いくちづ・・・ごほごほっ。

素敵絵にぴっったりなお話で仕上げられていてW素敵でした。
陛下の心の狭さが露呈いたしておりますがそこはご愛嬌(笑)

次も待ってるね~♪
このコメントは管理人のみ閲覧できます

こんばんは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!

ホント、そうですよね~
大切過ぎて回りも見えなくなるって感じでしょうか。
でもそれが陛下なんだろうなぁ~と。
ふふふ~~書いてて楽しかったです。

イラスト素敵だったでしょ~~~。
もう素敵すぎて、SS付けさせて頂いたのがホントに申し訳なかったくらいです!!
うんうん。

包みの中身ですか??
よゆーが有れば、あちらの方(もう一個のブログ)書きたいですけどね~
実は書き方忘れてます・・・ははは。



こんばんは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!

コメントレス、読んでくださったですね~~
有り難うございます~~


素敵ですよね~~イラストが麗しくて。
もう勝手に手が動いてSS書いてしまいましたもの。


へへへ・・・往来でチューしてるんです。
それくらい周りが見えなくなってしまった陛下です。
夕鈴が大切で、いなくなると不安になって・・・・。
もう夕鈴がいないと陛下の毎日は成り立たないらしいです。(笑)



こんばんは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!

イラスト素敵だったでしょっっ!!!
もう悶絶しましたのよ~~私。

えっ?私の話も良かったって?!
う、うれじぃ~~~~。
ウルウル。

へへへ。
たまには、陛下が焼きもち焼くのもいいかなぁ~って。
困った陛下もいいなぁ~って思うイケナイ私がいます。



こんばんは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!

ぎゃぁぁ~~~
とんでもないっっ!!
私のお話の方が、お目汚しですよ~~
でもイラストが素敵すぎて、書かずにはいられませんでした~~


マジで有り難うございます!!!
素敵すぎます!!!さすがはダリ子師匠!!!

もし、もしもですよ・・・・・・
お入り用でしら、お持ち帰りくださいませ。
あっ、でも要らない時はスルーしてくださいね。


それでは、イラスト
本当に有り難うございました!!!!
ぺこり。


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瓔悠

Author:瓔悠

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