≪ 2017 07                                                2017 09 ≫
 - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 - -

【設定】

夫婦設定 ・ 原作寄り







黎翔はイライラしていた。
いるはずの妃がいない・・・・ただそれだけのことで。

政務を早めに切り上げて後宮に戻れば、愛しの妃は影形もなく。
いつもの『おかえりなさいませ』と鈴を鳴らすような声も聴けず。
ここまで夕鈴に依存している自分を知り。

黎翔は大きく嘆息を吐き出す。
そしてまだいるであろう李順を求めて、急ぎ執務室へ足を向けた。
アイツならば、夕鈴の居場所を知っているのではと期待を込めて。

やはり、まだいた。
黎翔の執務机の散乱した書簡を纏めている最中で、
急に戻って来た主君にいぶかしげな視線を送る。

「如何なさいましたか?」
「夕鈴がいない」
「そうですか」
「どうして、夕鈴はいないんだ」
「私にそれを言われましても」
「何処に行った?」
「私にそれを訊くのですか?」
「ああ・・・李順、お前なら何か知っていると踏んでな」
「はい、存じ上げておりますよ」
「ならば、申せ」

黎翔のイライラ度はMAXで。
これ以上不毛な会話を続ける意志などないと、眉間に皺を寄せている。

李順は先程の事を思い出す。
夕鈴との会話を。

「李順さん、少しお願いがあるのですが」
「お妃様が、私にお願いですか?」
「はい」
「私で出来ることならば」
「許可が欲しくて・・・・・」
「許可?」
「はい、実は少しだけ、王宮を出たくて」
「王宮を出るから、私に許可ですか・・・・・私はもう貴女の上司ではないのですよ。
一応、貴女は陛下の妃なのですからね」
「確かにそうかも知れないのですけど。
でも、何となく李順さんに許可を取らないといけない気がするんですよね」

夕鈴は首を縦に小刻みに振りながら、自分の言を妙に納得していた。
それを見ながら李順は、仕切り直そうと短く息を吐き出す。

「なら、一応お聞きしますが、お妃様は何をなさりに下町へ?」
「今時期しか売っていない物を陛下にお渡ししたくて」
「それは王宮にはないのですか?」
「はい」
「そうですか・・・・・・・・・・まぁ、いいでしょう。
どうぞ、お早いお帰りを」
「有り難うございます!!!!」

深々とお辞儀をするとニッコリと満面の笑みを浮かべ、夕鈴は足取りも軽やかに出ていく。
その姿を見送りながら、呆れた表情の李順がポツリと執務室に残されていた。

「全く・・・・・あの方は変わりませんね。
正式な妃となったというのに・・・・でもそれも陛下がお気に召す魅力というところでしょうか」

誰にも聞こえることない李順の呟きは、窓から吹き込む冷たい風に溶け込んだ。


そして、夕鈴が出て行ってから既に数刻が経ち、
今こうして黎翔からの詰問を受けていた。

「お妃様の行先ですか・・・それを知ったところで、陛下はどうなさるつもりで?」
「知れたこと!私もそこへ行くだけだ」
「はぁぁぁ・・・・それならば、言えません」
「言えない所にいるのか?」
「陛下が考えられているようなところではありませんよ」
「どうでもいい!!わが妃の居場所を吐け!!」

黎翔は、腰に剣柄に手を伸ばす。
それを見た李順は、眉根をピクリと動かした。

「陛下・・・・落ち着いてください」
「落ち着いてなどいられるかっっ!
だから、夕鈴は何処だ!」

どうしてお妃様のこととなると、ここまでタカが外れるのでしょうね。
そう思いつつも、これ以上の悶着は李順としても命が危うくなると判断する。

「お妃様は、王宮にはいらっしゃいません」
「はぁ?どういうことだ」
「どうしても手に入れたい物があるということで、お出かけに・・・・・・」

『ガチャ、バンッッ』

戸の開け閉めする音が盛大に室内に響く。
黎翔は、風のようにその場からいなくなっていた。

「かなり前にお出かけになったので、
だから今は何処にいらっしゃるのか分からないんですけどって、
言おうとしたのに陛下は出て行かれましたか」

ため息交じりに呟く李順はただただ呆れ顔をしたまま、
書簡の整理を再開するのだった。




続。






関連記事
スポンサーサイト


このコメントは管理人のみ閲覧できます


こんにちは~コメント有り難うございます


うふふ、
はい!!!

そうです!!!!
当たりです~~~~


アレですよ。


後編お楽しみに~~


そして、これもどうぞ。
完結したら、お持ち帰り下さいませ。(←押しつけ商法ですっっ!!笑)

またまた隙間時間利用中。

あはは。ココまで夕鈴に依存しててあくどい(?)陛下を見るのは久しぶりです~。とっても楽しい!
前編ということは後編があるということで(ニヤリ)
さあ、いつのUPなのかしらぁん♪
続きたのしみにしてるよーーーー!(^_-)

こんばんは~コメント有り難うございます
返信大変お待たせしました!!


そうだね~
最近の私が書く話では無い感じだよね。
でもまだ後編書いてないんです。
年内には書くつもりだったけど。
キチンと終わりまでの構想は出来ているから。
早く書きたいなぁ。


この記事へコメントする















瓔悠

Author:瓔悠

現在の閲覧者数:
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -