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【兎と僕の攻防戦・10】 

【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り


【注意事項】

こちらの作品は、前々ブログ『遥か悠遠の朱空へ』にて公開していた作品です。
今回こちらへ移行するに伴い少しだけ手直ししておりますが、
書いた当時の陛下と夕鈴の関係が浅いものでありましたので、
当時の雰囲気を残すべく糖度はあまりありません。
そのことを踏まえた上でお読みいただけます様、宜しくお願いいたします。   







黎翔はあちこちの庭園を、イライラしながら探し回る。
けれど夕鈴の居場所は、全く特定出来ずにいた。

何処を探せばよいやら途方にくれそうになった時、丁度良いことに水月を連れた方淵が現れた。
どうやら寵妃の行方を知っているらしく、わざわざ自分に進言に来たと言う。
これを好機と言わずして何と言うのか?
黎翔は妖艶な笑みを浮かべ、まんまと方淵から夕鈴の居場所を聞き出すことに成功した。

方淵の進言を聞いてすぐに来たのだが、夕鈴がいたという場所にはもう愛しい妃の姿は無かった。
辺りを見回して見ても、影も形も無い。
そこには、ただ風が吹いているだけで。
どうやら、随分前に移動してしまったらしい事だけを物語っている。

「はぁ・・・・・あのはねっかえり兎は、一体何処へ行ったのやら」

余りにも夕鈴が見つからなくて、黎翔はふと溜息と共に独り事が漏れてしまう。

ソンナニモ、ボクガキライナノ?
ヒッシニ、ニゲナイトイケナイホド??

このまま会えないと思うのは、大袈裟だと十分解っている。
夕鈴が見つからないと考えているだけで凹んでくる。

考えたくもない『もしも』だが。
君が下町へ戻って更には僕の前から完全に姿を消してしまったら、今の様に必死で君を捜すのだろうか?
いや捜すと言うよりも・・・・もう手放す気は更々ないのだがな。

狼のフフッと黒い笑みが零れ、紅い瞳が輝きを増す。

「さぁ、本格的に兎狩りと参ろうか?
その前に・・・・浩大、いい加減ついてくるのは辞めろ。
鬱陶しいっっ!!」
「いや~~ホントにへーかは、はしっこいよなぁ~~~。
そんな事言わないでよ~~お妃ちゃんいなくて残念だったけどさぁ」

浩大は大楠の木の股からひょっこり顔を出し、
黎翔の神経を逆なでするような事をワザワザ言ってくる。

「先程から、ついて来ているようだが・・・ついてくるより夕鈴を捜しだして、護衛にでも就け!!」
「オレが先に見つけてもいいのかよ」
「ふん、お前よりも先に見つけるさ」
「じゃあ、オレが先に見つけたらどうするのさ?」

浩大はもう自分が見つけると決めつけ、ご褒美のおねだりを始める。
黎翔は浩大なぞに遅れは取らないから褒美はどうでもよいと思っているのだが、
一応浩大のヤル気を上げてやる為に大好物を提示してやる。

「そうだな・・・・お前がこの間欲しがっていた献上品の特上酒でもくれてやる」
「おっ、そりゃいいな!あのお酒美味しそうだったしなぁ~~。
じゃあ陛下、その約定を忘れないでくれよ~~」

嬉しそうにゴクリと喉を鳴らして、
浩大は素早く木を伝いその場から煙の様に消えて行った。

「はぁ、やっと邪魔モノは消えたな・・・では本腰を入れるとしようか」

黎翔も素早くその場所から移動して、その木陰が気持ちいい大楠のみが残された。
浩大は黎翔の挑戦にまんまと乗ってしまい、李順から頼まれた『陛下追跡の記録』という任は此処で途絶えることとなってしまった。



************


その頃。
夕鈴は後宮管理室の張老師の元に来ており、戸口で中の惨状にビックリしていた。

「老師・・・あの・・・・そこらかしこに散らかっている書簡は何ですか?」
「これはお前さんが、ほれ迷子なんぞになるから。
あの迷路の道順を示した書簡を捜しておるのじゃ」
「え~~あの迷路には道順を示したモノがあったんですかぁ~~~?」

夕鈴はその場にペタリとへたり込んで、先程の陛下の所業を思い出していた。
そして老師も先程の黎翔の剣幕を思い出して、ブルンと身体を震わせた。

「お主があの迷路区域に入り込んだと聞きつけて、
陛下は真っ青な顔をしてここに怒鳴りこんできたのじゃぞ」
「そうだったんですか・・・・・陛下が心配して・・・・」

確かに目が覚めた時、陛下の紅い瞳は微かに揺れていたような。
あれは私を心配しての事だったんだ。

なんだか、嬉しくなってきて心の奥がホンワリ暖かくなってくる。
無性に陛下に会いたくなってきた。
私を捜して迷路に入ってくれた勇敢な陛下に。
この想いに、今は従ってもいいわよね。
秘めた想いだけれど。


「張老師!スミマセン、ご心配をお掛けして・・・あと書簡探しまでさせてしまって」
「なぁに、いいんじゃよ!どうせ、ほら捜さにゃならんかったしな」
「では、失礼しますね。

夕鈴は老師に頭を深々と下げて、後宮の自室へと早足で戻って行った。



続。





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この記事へのコメント

色々心が疲れて何もやる気が起きない・・・・。
よゆりんに勧められてた入国もできなくて、しんどい。

しかしさ、あまーくてかわいー二人を読ませていただきまして、少し浮上できたかもしれない。ふふ。
一気読みはいいですね~。
しかしコメが一箇所という・・・なんとも手抜きかな・・。ごめんね~。
よゆりんが頑張って更新してるのに・・・。
私がダメなんですね~。
よゆりんを見習うね!!!

こんにちは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!

マァマ、それは大変疲れてます!!
今すぐにゆっくりと休みましょう~~

甘めのお話ばかりUPしていて良かった~~
マァマの元気の素になれればいいけどなぁ。

コメントの事は気にしない!!!
いつも、こちらが申し訳ないくらいコメントしてくれているんだから。
私はいつも有難いって思っているんだからね~~

出来るときにしてくれればいいよ~~
私とマァマの仲なんだからね。
ホントにいつもありがと。
マァマ、大好きだよ💛

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瓔悠

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