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【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り ・ 原作外設定有り




朝日がすべてのものを照らしつつ、ゆっくりと登る。
眩い陽(ひかり)と共に、新しき一日が始まる。
そして今日はいよいよ黄陵国へ入国する。


「はぁ~~~~~、いよいよだな。
最初が肝心だから、入国時から気も抜けないな。」
「うん???陛下ですか???」
「夕鈴、起きたのかい?」

寝室から、まだ眠いと云いたげな掠れ声が聞こえてくる。
黎翔はクスリと笑うと、居間の長椅子から立ち上がって寝室の入り口に凭れ掛かりながら中の様子を探る。

一応夫婦であるからして、寝る際も宿屋の一番豪奢な部屋に二人きりにさせられた。
王宮であったならば、黎翔は後宮内でも自室を構えているから夕鈴とは別の部屋で休むことは可能だ。
でも、ここではそういうわけにはいかない。
それに今回は事情知ったる李順がいない。
だから、部屋を別々にすることはできなかったのである。

それでも、流石に宿屋一豪奢な部屋であるから・・・寝台だけは別にすることはできた。
まぁ、寝室は一緒であったが。


「夕鈴??起きた??」
「・・・・・・・・・・・・。」
「まだ、起きてないようだね。」

夕鈴は取り敢えず寝台にチョコンと座って、まだ働かない頭で昨夜のことを考える。


・・・・・・・・・まさか、陛下と同じ部屋で寝るとは思わなかったし、今考えると凄く恥ずかしくなる。
だって、後宮では考えられないこと。
いつも陛下が訪ねてきてくれて一緒にお茶を楽しんだ後、陛下は自室に帰っていく。
だから、私はゆっくりと眠れる。
でも昨晩は違った。
湯殿から上がると侍女さんたちが微笑ましい視線を私に向けながら、いそいそと寝台の用意をしていた。

「あの・・・・今日は陛下もここで、お休みになられるんですか?」
「はいっっ!!!もちろんでございます。お妃さま、今宵はいつもよりも念入りにお手入れさせていただきます。」
「そうですね、ではお願いします。」

私は、こう云うしか選択肢はない。
そして侍女さんたちは、始終ニコニコ笑みを浮かべている。
そんな様子をみると、私は居たたまれなくなってくる。

だって、私は本物ではないのだから。
だから・・・・陛下の隣で休むだなんておこがましいこと。

「お妃さま??お妃さま??」
「は、はい。」
「あの・・・・これで宜しいでしょうか?」
「えっ???」

鏡に映った私は綺麗に髪を結いあげられ、夜着に相応しい姿に変えられていた。

「有難うございます、大丈夫ですよ。
ご苦労様でした。」

そう云うと、侍女さんたちは拝礼して静かに退室して行ってしまった。
私は鏡に映った自分の姿をしげしげと見つめながら、人知れず、ため息を吐く。

「はぁ~~~~~~~~。」

後ろで人の気配がした。
振り向こうとしたら、ふんわりと抱きしめられた。
耳元に聞こえる、甘く低い声。

「夕鈴・・・・・ごめんね。今日は一緒の部屋でいいかな。」

私に気を遣ってくれている陛下。
ホンワリと心の奥底が暖かくなる。

「はい・・・・・大丈夫です。」

そうして、陛下と同じ部屋で休むこととなった。
でも隣の寝台に好きな男性が眠っていると思っただけで、ドキドキ胸の鼓動が煩くて寝付けなかった。
『眠れない・・・・眠れない・・・・』と小さくつぶやいては寝返りを打つ。
やっとウトウトし始めたころに、空が白んできたのだった。
だから朝が来ても中々身体が覚醒してくれない。
だって殆ど眠れてないのだから。


それは黎翔も同じだった。
隣に夕鈴がいると思うと、どうも落ち着かなかった。
寝室には、甘い香りが漂っていた。
これは、夕鈴の香り・・・・・・花のように香しい。
それに、夕鈴も眠れなかったことを、黎翔も感じていた。
遠慮気味に寝返りを打っていた夕鈴の様子がわかっていたから。


「夕鈴・・・・今日は相手国に入るから。」
「はい。」
「まぁ、夕鈴はゆっくり過ごせるようにするから、安心して。」
「はい。でも、私・・・・陛下のお役に立ちたいです。」
「うん、よろしくね。」


二人は朝餉を食すべく、寝室を後にした。
これから、黎翔にとっての試練が始まる。
そして二人の関係は少しづつ変わって・・・・・・・いく。




続。
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瓔悠

Author:瓔悠

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