【傍迷惑な歓迎・3】
2014年11月21日 (金) | 編集 |
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り ・ 原作外設定有り





黎翔に誘われ、勧められた椅子に腰かける夕鈴。
目の前には、豪華絢爛な食事が用意されているが、それも目に入らない様子。
黎翔の発せられた『話がある』の言葉が気になって仕方がない。

「で、話って何でしょうか?」

兎も角聞かないことには食事も取れないと夕鈴は思い、真剣な眼差しで黎翔を見つめていた。

「それが云いにくい事なんだけど・・・・。」
「はぁ・・・・云いにくい事ですか?」
「うん、夕鈴にお願いがあってね。」
「お願いですか?」

中々切り出さない黎翔に、夕鈴はおうむ返しで聞き返す。

「私で出来ることは精一杯頑張りますし、何を聞いても大丈夫ですから。」
「夕鈴、有難う・・・じゃあ話すことにするよ。
今から向かう所だけど、さる王国なんだ。その王国と関税に関する交渉に行くんだ。
で、相手国の国王が狼陛下の唯一に逢いたいと云っていてね・・・それで、夕鈴にも同行してもらうことにしたんだ。」

黎翔はそこまで説明すると卓上の杯を手に取り、口腔に一気に流し込む。
その様子を夕鈴は黙って見ながら、相槌を打つ。

「そうだったんですか。」

夕鈴は静かに立って、黎翔の手の中に納められた杯に静かに茶を注ぐ。
黎翔は、もういらないと杯を卓上に置くと、夕鈴に向き合い優しく肩に手を乗せる。

「夕鈴は僕の妃だよね。」
「はい、そうですよ・・・一応バイトですが。」
「その王様の前でだけでもいいから・・・・・いつもよりも夫婦らしくしてて欲しいんだ!!!」

黎翔は真剣な眼差しで、夕鈴にお願い事を伝える。
夕鈴はその瞳に気圧されて、首を縦に何度も振る。

「わ、わ、わかりました。」

しかし、夕鈴とそこでハタと考える。
いつもよりも・・・・とは、具体的にどうすればいいのか?
いつもは、あまり夫婦らしく見えないのだろうか??・・・・と。

「ごめんね、夕鈴・・・・無理なお願いをしてしまって。」
「いえ、いいんです。ただ、具体的にどうすればいいのでしょうか。」
「う~~ん、そうだね。例えば、二人で馬に乗って相手国に入国するとか。」
「はぁ・・・・そんなことでいいんですか?」
「そういうのは、民の間で直ぐに噂になるからね。『狼陛下は、ひと時も妃を離さない』とか。」
「そういうものなのですか。」
「それで、相手国の国王も納得してくれればいいんだけどね。」
「納得???」
「いや、こちらの話だよ。」

夕鈴は何処の国に行くのか??この時点で知らさせてはいない。
そう・・・・・・・・・・その相手国とは自分が生まれた国、黄陵国だった。
そして相手国の国王とは、すなわち夕鈴の兄・悠鐸だった。


さて、黄陵国で何が待ち構えているのか??
この時の二人にはまだ予想だにしなかった。


続。
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