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臨時妃 ・ 原作寄り

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前々ブログ『遥か悠遠の朱空へ』からの再録です。






「大体、あなたは何度お妃教育のやり直しをすればいいんでしょうね。
全く私が・・・・・・」

大きな溜息と共に吐き出される嫌みの数々。
さすが鬼上司だ。

夕鈴は項垂れて聞くしかなく、静かに李順の話す内容に耳を傾けていた。
その弁から、今日のお説教は政務室での座り方についてである。

どうも私の座り方は、李順さんが考える淑やかで上品な座り方の及第点ではないらしいのよねぇ~~。
でも私としては、きちんと座っているつもりなんだけど・・・。

そして李順先生の講義は続く。

「だからですね・・・聞いていますか?
椅子の背もたれに寄りかかると上品な印象を与えませんからね。
背筋を伸ばして姿勢を正して座って下さいよ。
脚は左右どちらかに斜めに流し、膝から足先までが一直線の状況に合わせて下さい。
そして一番大切なのは膝を付けること・・・・・・・分かりましたか?」

李順先生は一気に捲し立てたので喉が痛くなったらしく、
杯に入った水を飲み干していた。

「分かりましたか?では、やってみて下さい」

夕鈴は言われるがまま、頑張って綺麗に座ってみせた。
足がプルプルして落ち着かない・・・。

まだ、この体制???
早く座り方の評価をしてぇ~~~。

李順先生は夕鈴の座り方を、鋭い眼光でもってチェックをしつつ一周りして確認する。

「まぁ、いいでしょう・・・・政務室ではいつもこの座り方で過ごして下さいね。
いいですね!!」
「ハイ、分かりました・・・」
「もういいでしょう、では立ってもいいですよ」


夕鈴は、やっとお許しが出てホッとする。
かれこれ半刻程はこのままの姿勢だっただろうか?
何だか太ももが痛い気がする。


こんなにきちんと座るなんて、普通に生活していたらあんまり機会はないものね。
青慎の学門所の入所式以来かしら???
でも上流家庭のお嬢様はこれは当然身に付いているんだろうな~~。
はぁ~~~~それにしても疲れた。
今日は入浴の際にゆっくり揉み解さなくっちゃ。

いろんな事を考えている間に鬼上司は退出しており、
夕鈴は知らず知らず大きな溜息を吐いていた。



「今日は、李順にまたお妃教育をされていたようだね」

黎翔は今日の出来事を李順から報告を受けたようで、
お疲れ様とニッコリと微笑む。

「はい、今日は座り方についてですが・・・ずっと同じ姿勢でいたので、身体が痛くって!!
ダメですよね、こんなんじゃ!!」
「そんなこと無いよ!李順が厳しすぎるんだよ!!
ホントに夕鈴、お疲れ様。
だから、僕がゆっくりと癒してあげようか?お風呂で・・・」

明日は政務室伺いは止めにしてもらおう・・・筋肉痛になりそうだしね。

「夕鈴?・・・・聞いてた?」
「えっ、何か言いましたか?」
「だからね、僕が」
「あっ!!イケナイ!茶壺の茶葉そのままだった~~きっと濃くなってる~~~」

夕鈴は慌てて、席を立ちあがりお茶道具のある卓に近づく。

「あ~~あ、ヤッパリ濃くなってた。
折角の茶葉なのに~~勿体無いっっ!」

夕鈴は黎翔の下心が有り有りな提案なんて全く聞こえてはおらず、
そそくさと茶壺から茶杯に移し替える。
結局その後もバタバタとしていて黎翔は夕鈴にお風呂で揉み解してあげる提案を、
ついぞ出来なかったのである。
但し、どんなに優しく言ったとしても速攻で却下されていただろうが。


******


そして、更に次の日。
夕鈴が筋肉痛を『気分がすぐれないので』というお上品な理由で、
政務室に伺う事はなかったのである。


その事を残念に思った黎翔は、当分李順に『お妃教育』はしない様に通達したのであった。




終。








2012.06.27 SNS初載



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瓔悠

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