<<10  2017,11/ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  12>>
【まどろみの午後】
【設定】 

臨時妃 ・ 原作寄り

【注意事項】

前々ブログ『遥か悠遠の朱空へ』からの再録です。






雨がシトシトと静かに空から落ちてくる。
このところの酷暑から一変し、今日は久々の雨模様。
いつもの入道雲も何かに吹き飛ばされたかの様に無くなって、
灰色の雲が空の大半を占めている。

窓を少し開け眺めていると、雨の匂いと少し涼しげな風が頬を撫でていき、
心地よさで眠気が襲ってきそうな・・・そんな昼下がり。

眠ってしまうつもりはなかったのに、ついウトウト瞼が自然に降りていく。
ついには薄茶色の大きな瞳は閉じられたままとなった。

「夕鈴・・・そんな所で眠っていると、風邪引いちゃうよ」

優しい言葉が低い声に乗って、頭上から降って来る。

「うぅ~~~~~~ん」

何か発しようとするが、頭が覚醒出来ずに曖昧な返事のみになる。

「夕鈴ってば・・・」

再度呼ばれるも・・・もう返事すら出来ない。

「仕方ないなぁ~~~」

少し嬉しそうに聞こえる甘い声。
その耳触りの良い声に、意識が深い所に落ち込んでいった。

突然、浮遊感が襲ってきた。
しかし夢の中では、空を浮いている自分の映像が映し出されている。

ああ、今日は青空が空一面に広がってる。
スッゴク、気持ちいいなぁ~~。
このまま空のお散歩を楽しんで、何処まで行こうかしら?!

「全く君は・・・・困った兎さんだね」

黎翔は誰に告げる風もなく呟くと、ヒョイッと愛しの妃を抱きかかえ寝台へと連れて行くことに。
腕に掛かる宝物の重さは、羽が生えているように軽い。
そして飛んで行かないようにしっかりと抱きしめて、
一歩ずつ幸せを噛み締めながら歩いて行く。

静かに寝台に降ろすと、そばの椅子に腰かけ長く柔らかな薄茶の髪を梳きながら、
寵妃の甘やかな寝息に聞き入りしばし時を過ごす。
余りにも起きそうにないのでちょっとイタズラ心が芽生え、
前髪を軽く片手で上げ露わに為ったおでこに口付けてみた。

良く寝てる・・・・。
まだ、起きないみたいだな。
じゃあ、次は頬に。

けれど、夕鈴は微動だにしない。
それに乗じて、黎翔は次は唇に・・・と思ったが、
唇は起きている時に夕鈴から施して欲しいとの願望が心を占め止めておく。

では、瞼に。
唇を触れさせた・・・・その時。


「うぅぅ~~~~~~ん」

茶色の円らな瞳がフルフルと震え、じわじわと開かれる。

「夕鈴、おはよう」
「あっ☆!?陛下!!!こんなところで何しているんですか?」
「君が窓辺でお昼寝を決め込んでいたから、寝台まで運んだんだよ」
「えっ???え~~~~~!!すっ、すみません」

寝台から飛び降りると、そのまま直立不動となり深々と頭を下げる。

「ホントにスミマセン・・・・うたた寝してたなんて恥ずかしいです」
「恥ずかしいだなんて、そんな事無いから・・・・気にしないで」

あんなに平謝りされると、イタズラしていた僕が困ってしまう。
でも、もうちょっと寝ていてくれたら愉しかったのにな。

「またね、夕鈴」

何事もなかったように、片手を振って寝室から出て行く。、

「ありがとうございました!このお礼に今宵は美味しいお茶を用意していますね」

嬉しい言葉がふわりと耳に届いた。

「うん、政務頑張って来るからね」

さてと、早く終らせてゆっくりお礼のお茶と君の微笑みを頂きに来るとしますか・・・。



外ではまだ降り止む事を知らぬ雨が、シトシト降り続いていた。





終。





2012.08.10 SNS初載


関連記事
スポンサーサイト
Secret
(非公開コメント受付中)

プロフィール

瓔悠

Author:瓔悠

リンク
最新記事
最新コメント
カテゴリ
いらっしゃいませ。
ごゆっくりどうぞ。
現在の閲覧者数:
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる