【全ての始まり】
2010年07月05日 (月) | 編集 |
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臨時妃 ・ 原作寄り

【注意事項】

前々ブログ『遥か悠遠の朱空へ』からの再録です。
そしてこちらにUPするにあたり、手直しをしております。








――――待って!!!お願いだから。
あなたは一体誰なの?


私の前を走り去ろうとしているダレカに声を掛ける。
必死に掴もうと手を伸ばす・・・・けれど、実際は右手を天井に上げて掴むが、
空(くう)を彷徨うだけで何も掌には掴めない。
そして、背中を向け前を行く誰かは更に遠く遠くなっていき、
目の前が暗転すると真っ暗の闇に閉ざされた。

そこで夕鈴は目が覚めた――――。
寝ぼけ眼の瞳には、うっすらと涙が滲んでいる。

「今のは・・・・夢だったの??
それにしても、あれは一体誰だったのかしら?」

夕鈴はふと自分が泣いていることに気が付き、
人差し指の腹でスーと拭う。
まだ辺りは真っ暗で・・・・・・夜明けには程遠いらしい。

今眠れば・・・・・。
真相が。
その人物が。
分かるのだろうか?
それが知りたくて、夕鈴は瞼をしっかりと閉じた。


***********


そこはうっそうと木々が生い茂る、うす暗く深い森の奥。
静かで、何も聞こえない。
でも眼を凝らして見ると、小さな湖がある。

その畔に佇む人影が。
あの後ろ姿は先程の人?!

今度は逃がさない!!
夕鈴は思いっきり息を吸い込み、それを声の琴線に変える。

「あのぉ~~~!!!そこにいるのは誰ですかぁ??」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

声は届いているはずなのに、返事は来ない。
もう一度!!!

「誰っ?って聞いているじゃないですか!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

やはり返事は帰って来ない。
でもその代わりにその人は振り返った。

若い男性だ・・・・・でも見覚えなんて無くて。
でも此方をジッと見据えるあの紅い瞳が気になって、瞳を逸らす事が出来ない。

それは人外のモノに魅入られてしまったかの様に。

「一人で何を見ているんですか?
一人は寂しいから一緒に見ましょう」

恐る恐る近寄っていき隣に立つと、
その男性が見詰めている湖面を覗きこんだ。

湖面に映るは、沢山の人・ヒト・ひと。
色々な顔が見える。
嬉しそうな顔、悔しそうな顔・・・苦悶に歪む顔。
そして、何かを企んでいる様な狡猾そうな顔。

その全ての顔が何かを掴むように、それぞれの手を伸ばしていた。

「ここに映る全てのモノを救い、そして幸せに出来ればいいが・・・・・。
しかし出来るのだろうか?自分に」

その男性は静かに呟いていた。
夕鈴は無性に何かを言わなければと焦燥感に襲われた。

「大丈夫・・・・うん、きっと大丈夫ですよ。
一つ何か行動すれば、何人、何十人がきっと救われ幸せな顔に為っていきます。
まずは行動を起こしましょう」
「君が手伝ってくれるの?」
「えっ?私ですか???分かりました!!私に出来る事があるならお手伝いしますよ」
「ありがとう。君かもしれないね・・・・・・・・・僕に光をくれるのは」
「何か言いましたか?」
「いや、なんにも」


そして、目の前が眩しくなっていき光が溢れだす。
それは目覚めを意味していて。


********



「ふぁ~~~~~~~~」

夕鈴は、大きな欠伸をして腕を伸ばす。

「さぁ、起きないと!!!今日から王宮での新しいお仕事だったわ。
でもどんなお仕事なのかしらね・・・・・まぁ割がいいと言っていたから、少しは家計が助かるけどね。
ただ心配なのは、ここに残していく青慎の事だけだけど」

布団からもぞもぞ起きあがる。


そういえば、何か夢を見ていたような。
でも忘れちゃった。
忘れるぐらいだから、大したものじゃなかったんだろうけど。




「あのーー私 短期の王宮仕事って聞いて来たんですけど・・・」
「ええ、ですから・・この1ヶ月間後宮でお務め頂きたいのですよ。
汀 夕鈴殿。国王陛下の臨時の花嫁として」

眼の前には紅い瞳が印象的な狼陛下が玉座に座していた。


そして、夕鈴のバイト妃としての苦難とドキドキの日々が始まった。





終。



この話の元は。。。。子ども達を送り出して、うたた寝していた時に実際に体験した事です。
あっ、でも夕鈴の夢では無いデス!!

夢の中で私が家の勝手口から出て行ったヒトを呼びとめていたんです。
でもそれも呼び止めている夢を見ている私・・・・・・。つまり2重で夢を見ていたんです。

起きてへんてこな気がしました・・・・そしてポッと浮かんだSSSだったんです。

ヒトは時として正夢を見る事がありますものね・・・・。









2012.11.08 SNS初載
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