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【手を繋ごう】
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臨時妃 ・ 原作寄り

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前々ブログ『遥か悠遠の朱空へ』からの再録です。







「李翔さん、こっちですよ!!
ちゃんと、ついて来て下さいね」

走って先を急ぐ夕鈴の後ろ姿を眺め、
僕はあのパワーは何処から来るのかと感心する。

「夕鈴・・・・そんなに急がないといけないの?」

追いついた僕は素朴な疑問を投げ掛けた。

「はい、今日は急がないと駄目です!!
何と言っても、下町で開催される半年に一回きりの新商品博覧会なのですよ」
「はい?それは何?」
「その名の通り・・・色々な新商品を一堂に集めて、露天商・商店向けに説明・披露して販路拡大に繋げるという大々的な博覧会なんですよ。
此処では食品から日用品・・・果ては被服に至るまでありとあらゆるものが集まり、大賑わいなんです!!!
そしてこれが目玉なんですが・・・_まだ販売していない試験的な商品なので、安価で一般の人にも販売してくれるんです!!!
だからこれを逃す手はない!!と下町の主婦は急いで行くんです」

拳を強く握り力説する夕鈴を頼もしく感じて思わずニヤケた僕に、
夕鈴はハッと我に返って恥ずかしげに頬を桃色に染めた。

「ごめんなさい・・・一人で興奮してました」

小さな声で謝罪する君が余りにも可愛くて、
耳元で甘い声で少し意地悪を言ってみる。

「ごめんなさいと思うなら、態度で示して僕と手を握ってくれる?」

突然の申し出に凄く驚いたのか、夕鈴はジリジリと後ずさりしていた。

そんなに、ビックリするようなことなのか??
誰も往来で口づけしてとは頼んだ訳ではないよ・・・・夕鈴。

しばし、考えているのか立ち止ってあさっての方向を向いている。

よしっ!ここはもうひと押しだな。

「夕鈴・・・僕は決してやましい事を考えてじゃないよ。
そんな人が大勢集まる所だと逸れてしまうだろうし、
男性に押されて転んだりしないか心配だから言っているんだよ」

うん、これじゃ断れないはずだな!!

「あっ、そうですね・・・・スミマセン。
何か勘違いしていましたね・・・・ではお願いします」

夕鈴は、素直におずおずと手を差し出してきた。
僕は表面上は普通に、しかし嬉々として手を絡み合わせて握った。

「じゃあ、行こうかお妃様」

夕鈴だけに聞こえるように囁くと、真っ赤になりそっぽを向いた。
そんな仕草が可愛くて、握った手に力を込めた。

会場に入ると夕鈴の瞳はキラキラ輝いて、
あちこち見たいと首を左右に動かしながら喜んでいる。

「李翔さん、あっちに行ってみましょう」

いつしか手を繋いでいる事が自然になり、そのまま引っ張られる。
会場で色々な物を見て買い求め、すっかりとご満悦になった夕鈴は日頃の窮屈さを晴らしているように見えた。

「夕鈴、楽しかったね。では帰ろうか」
「そうですね!あっ・・・・・・そろそろ手を離して頂けますか?」

急に思い出したかのように、はにかんで俯いた。

このままどさくさに紛れて手をを繋いだまま王宮に帰ろうかと思ったが・・・・これ以上はムリなのだろうね。

僕はそっと手を離す。
手は離してしまったものの、二人仲睦ましげに並んでゆっくりと王宮へと続く道のりを歩く。
今日の購入した戦果を話ながら・・・・。

後ろに伸びる長い影は寄りそう二人を見守るようについてきていた。




終。




2012,07,29 SNS初載 






                                                 
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