【二人のどうでもいい勘違い】
2010年03月31日 (水) | 編集 |
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臨時妃 ・ 原作寄り

【注意事項】

前々ブログ『遥か悠遠の朱空へ』からの再録です。
当時のままで、あまり手直しはしていません。


読み返す作業は、私自身にとってかなり悶絶拷問です・・・・・。





「こりゃ、掃除娘!今日は動きが悪いのう・・・」

卓に腰かけ、バリバリ音を鳴らしながらお煎餅を食している老師が愉しそうに呟いた。

「もう老師!!掃除した端から汚さないでください!!
今日はただでさえ筋肉痛なんですから・・・」
「筋肉痛?とは!」
「ええ、足が少しと・・・腰も痛いかな?」

そのまま腰をゆっくりと擦る。
昨日開催された李順による椅子の座り方講座の影響で、今日は身体のあちこちが痛い。

はぁ~今日は政務室行きはお断りしておいてよかった。
この筋肉痛だったら、また座り方が悪いと言われちゃうから・・・・。

夕鈴は上司のあの怒りようが想像でき、ブルンと寒気がして身体を震わせた。
そんな様子の夕鈴を見て、老師は更に畳みかける。

「腰が痛いとな・・・・それはそれは、陛下と熱い夜を・・・・・」
「違います!!!何を言っているんですかっっ!!!
そんな事あるはずはありませんよ!
昨日李順さんにお妃らしい椅子の座り方の特訓を受けていたんです!!」
「なんじゃ、そうなのか・・・残念じゃのう・・・」

老師を見ると、肩を落としがっかりしている。

そんなにがっかりしなくても・・・。
私はただのバイト妃なんですから、過剰な期待をしてもらってもこまるというのに。

夕鈴は、無言で掃除を再開する。

「あれ、お妃ちゃん、今日は動きがぎこちなくねぇ?」

また厄介な浩大のご登場だ。
夕鈴は手に持った雑巾を握りしめつつ、ため息を吐きだした。

これで今日の成果は台無しになると決定したわね・・・・・。

「掃除娘は筋肉痛らしいぞぃ」

楽し気に浩大に夕鈴の様子を話しながら、
やっぱりお煎餅をバリバリ呑気に老師は食べ続けている。

「えぇぇぇ~~~お妃ちゃん、つ・い・に・陛・下・と?」
「もう浩大まで何言ってるの!!!浩大は見ていたでしょ、李順さんに特訓されていたとこ」
「あ~~~あ、あれね・・・お妃ちゃんの真剣な顔、ウケタよ~~~」

あはははっ・・とお腹を抱えて笑っている。

もうヒトゴトだと思って。
はぁ~~何だかこの二人を相手にしていると疲れる。
もう今日は、掃除やめよ~~っと。

早々に諦めた夕鈴は雑巾を洗った水桶を持って、痛い腰を叱咤しながら井戸へと向かう。

「張のじぃちゃん・・・・これで少しはお妃ちゃんも意識するかな?」
「お主、中々いい仕事をするのう~~~二人はじれったいからなぁ。
こうして周りがけしかけてやらんと・・・」
「じゃあ、ご褒美にこの残りのお煎餅貰っていくからね~~」

ひらりと窓から出て行く浩大。
腕を組み、満足げな老師の顔。

その頃。
一人井戸で必死で後片付けしていた夕鈴は、この二人がこの様に画策していたなどと知るよしは無かった。



終。




2012.06.28 SNS初載


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