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【アリスの口づけ・5】 怪しげなバイト 

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この作品は、某SNSのコミュニティにて開催されたハロウィンパーティに合わせて
『花の四阿』管理人・さくらぱん様とコラボした作品を私なりに加筆したものです。

【設定】に表示しております通り、現代パロディの作品となっておりますので
ご注意の上で閲覧くださいませ。









煌びやかなパレードも終り、周囲はまた静けさを取り戻していた。
でも、まだ私は夢見心地で幸せな気分に浸る。

おとぎ話の登場人物が、まるで万華鏡の中で踊り回るように光の洪水を作り出し、私の瞳に心に余韻を残した。

そんな中で私は、ふと黎翔さんとの不思議な出会いを思い出していた。



*******


彼との出会いは今から考えると、きっと運命だったんだと思う。
だって普通に生活していたならば出会うはずなんてない。
一般庶民と大企業の社長なんて、何の接点もないのだから・・・・・・。

そう、あれは今から3年前。
私がまだ高校生で。
全ては、父のあの一言で始まった。

「夕鈴、話があるんだが・・・」

仕事から帰って来ると、一目散に私が夕ご飯を作っていた台所にやって来た。
珍しいことも有るものだ。
いつもだったら、仕事着から着替えて『ちょっとそこらで、一杯だけ飲んでくるから』と居間から声を掛けて、
さっさと出掛けるところなのに・・・・。
私は夕ご飯を作る手を一時止めて、振り返って父さんを見る。
父さんの目はニヤニヤしてて、正直これは余りいい話ではないような気がしてくる。
また厄介事でも持ってきたのか??
私は身構えて、父さんの話を聞くことにした。

「なぁ、夕鈴・・・・・実はな、割のいいバイトがあるんだが」
「はい?バイト??バイトならしてるけど」
「ほら、お前バイト増やしたいって、前々から言っていただろ!?」
「そりゃ、確かに言っていたけど。でもよく考えてみたら、時間のやりくりが大変かなぁ~って」

これは、食いつかない方がいい。
ロクなことが無いような気がする。

私はそう言うと、また夕ご飯の支度に戻った。
それで終るかにみえたが、父さんは引かずに話を続ける。

「それが、ある会社ビルのフロア清掃なんだが・・・・割がいい!時間の融通が利く!そして高校生でもOK!と、中々条件が良くてな。
今しているバイトを全部辞めても、バイト代が増額になるんだよ。
ほら、中々いいバイトだろっっ」

父さんは得意げに目を輝かせる。
私は短く息を吐き出して、父さんに言い聞かせるように反論した。

「父さん、そんな夢のようなバイトがあるはずないじゃない。
そんな割のいいバイトなんて、そうそうないから・・・・人が好過ぎる父さんだから、騙されたのよ」
「そんなことないぞ!それってウチの会社の本社ビルだし、雇い先は本社の秘書課だから絶対大丈夫だって!!
父さんが保証する!!」

イヤ・・・父さんに保障されたってね。
もっと世の中疑って掛かろうよ。

そうは思いつつも、割高なバイトに少しだけ興味は湧いていた。

「・・・・・・父さん、ホントに大丈夫なの?」
「おう!オレが太鼓判を押してやる!」

だから、それが一番不安なんだってば。

かなり疑う気持ちを持ちつつも・・・私はそのバイトの面接を一応受けることにした。
そして指定された日に、本社ビルへと面接を受けるために出向いた。
スッゴク大きなビルで、入り口前で少し躊躇したほどだった。
そして教えられた秘書課へと乗り込んだ。

私に目の前にいる面接官は、結構イケメンの眼鏡青年だった。
そして社長秘書なのだと簡単な自己紹介をされた。

へぇ~この人、若い人みたいだけど社長秘書だなんてエリートなのね。
てっきり人事部のおじさんが面接官だと思っていたけど・・・。

私は自分の予想が大きく違っていたことに驚き、変に緊張してきた。
ドキドキする自分の心臓の鼓動を、身体全身で感じていた。
面接官の値踏みされているような鋭い眼差しに圧倒されて、綺麗に揃えている両足がプルプル震えているのが分かった。

実はこの人、凄く怖い人なのかしら?
それとも面接官だから、こんなに怖く感じるのかしら?
やだ、手のひらに変な汗が出てきちゃったわよ。
何を聞かれるのかしら?
こんなに緊張してて、キチンと答えられるの私?

相手が話し始めるまで、頭の中でグルグルと思考が駆け回る。
私はごくりと息を飲み込んだ。

「貴女が、応募者ですね」
「はい!宜しくお願いいたします。汀 夕鈴ですっっ!!!」

出てきた声はいつもよりも大きくて、辺りに反響していた。

「元気があって、宜しい!ところで貴女、高校生だということですが・・・・」
「えっ?はい・・・・・そうですが?」

高校生はダメなの?
今更そんな事言わないわよね~~。

私は恐る恐る相手の出方をみた。

「高校生ですか・・・・それはちょっと、例のバイトに採用するというわけにはいきませんねぇ」
「はい??」
「いえ、こちらの話です。一応、確認だけはしておくと致しましょうか」
「確認ですか?」
「率直に聞きますが・・・・・貴女、彼氏はいますか?」

この会社は大丈夫なのかしら?と思ったのは、この時だった。
だって、ただのフロア清掃のバイト面接で彼氏の有無を聞かれるとは思いもしなかったから。

実のところ、私は今までのバイトをすべて辞めてこの面接に臨んでいた。
落とされるのは絶対に困るっっ!!!
食べ盛りの弟がいるウチの家計は、毎月・・・火の車。
父さんが毎晩のように飲み歩くから、正直ウチには蓄えなんてものは殆ど無い!
進学を望む弟の塾代だって、バカにならない。
私の脳裏に可愛い弟の顔が浮かんで消えた・・・・。

絶対に、このバイトを受かってやるっっ!
いや、受かんないとスッゴク困る!

私は、太ももの上で重ね合わせた両手に思わず力が入る
この変な質問が仕事にどう繋がるのか疑問を持ちつつ……分らないまま正直に即答した。

「いいえ、いませんが・・・・それが何か??」
「そうですか・・・・・それならば結構です。
汀 夕鈴さん、貴女を採用いたします!」
「は、はいっっ! 有り難うございます。 私、一生懸命に頑張ります!!」


こうして私は、この怪しげなバイトを始めることとなった。



続。








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この記事へのコメント

うまい話なんてあるわけないじゃなーい。
んもう、うまい話には裏があるって言うでしょう。
ああ・・・夕鈴。捕まってしまう運命なのね。

コミュに行ってないので、ここで読むのが楽しみで~。(*^_^*)
更新してくれてありがとうーーー!
いつも楽しませてもらってます!

おはようございます~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!

ふふふ~確かにそう!
上手い話には裏がある!!!!!これ定番。
しかし夕鈴の場合は如何なものか???
上手い話はお得が一杯!となるのか?
どう転んでも、まぁ、捕まるんですよね~夕鈴は。


コミュで読んでいないマァマには新鮮だよね。
楽しみだと言っていただけると、スンゴク更新しがいがあるよ~
私も読んでいないマァマに向けて更新しているようなもんだと思ったりもするし~


お楽しみくださいましっっ!!!!!


元気ぐあって良いのか\(^o^)/!秘書さん!
お淑やかを求めないなら夕鈴一発合格♡

息子さん、おおごとじゃなく心から良かったです!
懇談会後はたかれたけど、それは本人さん‥仕方ない。←ひひ(#^.^#)

私なんて今日、ゲーセンから帰宅するの遅いじゃんか(♯`∧´)時間守れって言ったら仁王立ちで《塾じゃ。母さんのアホー》って!(◎_◎;)こっちがはたかれた‥ちっ、やってしまった。



こんばんは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!


そうですよね~
秘書さん、それでいいのか?!と突っ込みそうだわ。
でも掃除のバイトだから、元気で体力があればそれでOKなのでしょう~


息子は、けがの方は良かったんですけどね~
でも、個人懇談はち~~~んと撃沈でした。
全くもうっっ。


ははは~~
タイフーン様がやらかしたのですね~
でも、母はいつだって忙しいのだから、間違いはあるのだぁ~~~ですよね。
うんうん、息子さん!ママは許していやってね~。


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瓔悠

Author:瓔悠

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