【アリスの口づけ・14】 伝えたい事は
2016年02月06日 (土) | 編集 |
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【注意事項】

この作品は、某SNSのコミュニティにて開催されたハロウィンパーティに合わせて
『花の四阿』管理人・さくらぱん様とコラボした作品を私なりに加筆したものです。

【設定】に表示しております通り、現代パロディの作品となっておりますので
ご注意の上で閲覧くださいませ。






黎翔さんの言葉を待てども、一言も聞こえてはこない。
私は隣でただ待つだけで・・・・。
ドキドキ高鳴る胸の鼓動だけが、せわしく聞こえてくる。

私は少しでも気持ちを落ち着かせようと、静かに昇り行く観覧車の窓から外をそっと眺めてみた。
眼下に点在するイルミネーションの海。
小さくなっていくおもちゃ箱のようなパーク。
どれもこれも非現実に思えて、私は夢見心地になる。

黎翔さんから、息を呑む気配がした。
ようやく決心がついたみたい・・・・・。
私の緊張も頂点に達したようで、つられてゴクリと息を呑んだ。

「夕鈴・・・・」
「はい」
「僕は、君を・・・・・『ヒュルルルル~~~、ドドーーーンッッ!!!!!!!』」
「きゃあ!!!」

黎翔さんの言葉の遮るように、突然の私たちの乗った観覧車の近くで眩い閃光が。
そして雷よりも大きな轟音も鳴り響く。
グワングワンと耳鳴りを起こして、鼓膜が破れそうになる。
観覧車の窓がビリビリと小さく振動し、空気までも震えた。

鳴り響く爆発音と苛烈な閃光に驚いた私は、
両目を瞑り両耳を塞いで慌てて黎翔さんの胸に顔を埋めた。
その間も黎翔さんは何かを私に伝えたいみたいで囁いていたけど、
音に掻き消されて何を話していたのかまったく聞こえなかった。
それが私は気になって顔を上げると、黎翔さんをジッと見詰めた。

「・・・・今のは、何でしょう?
それに黎翔さん、私に何か言いたかったんですよね。
スミマセン、良く聞こえなくて・・・何て言ったのですか?」

轟音も治まってようやく静かになった観覧車に、私の声だけが響き・・・・後は再び静寂が訪れた。
その言葉を聞いた黎翔さんは私の肩を抱いたまま、固まってしまった。
そして不意に黎翔さんは、私の胸に自分の頭を預けてきた。

「・・・・・李順め!
全くタイミングの悪い・・・・・」

舌打ち気味に小さく呟く黎翔さんに、私は首を傾げる。

どうしてここに、秘書の李順さんが出てくるの?
それに、何がタイミングが悪いの?

「あの、黎翔さん・・・・・何の話ですか?
どうして李順さんが出て来るんです?」
「あっ、それは何でも無いよ。
それよりさ、僕の話聞こえなかったの?」
「はい・・・・・ごめんなさい。大きな音に驚いて、殆ど聞こえませんでした」

私の返答に、黎翔さんが小さくため息をつく。

「そうか、やっぱりな。はぁぁぁ、失敗か・・・・・」

そう独り言の様に呟くと、黎翔さんはガックリと肩を落とした。
その姿が凄く寂しそうで。

何がなんだか分らないけれど・・・。
彼のうなだれて落ち込んだ様子に、私はひどく悪いことをしてしまった気分になった。

何て言えばいいんだろう。

私は、ここで言うべき言葉が見当たらなくて。
どうしていいのか分らなくて、ただ黎翔さんの頭をそっと抱き締めた。




続。












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