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臨時妃 ・ 原作寄り


【注意事項】

こちらの作品は、前々ブログ『遥か悠遠の朱空へ』にて公開していた作品です。
今回こちらへ移行するに伴い少しだけ手直ししておりますが、
書いた当時の陛下と夕鈴の関係が浅いものでありましたので、
当時の雰囲気を残すべく糖度はあまりありません。
そのことを踏まえた上でお読みいただけます様、宜しくお願いいたします。  










その頃、夕鈴は・・・黎翔がいなくなった執務室にこっそりと来ていた。
そこには李順が待ち構えており、二人はコソコソと密談を始めた。


「李順さん、有難うございますっっ!
教えて下さった通りに湯殿から此方に来ましたので、何とか陛下には会わずに済みました」
「そうですね・・・・貴方は隠し事が出来ない性分ですからね。
陛下から問い詰められれば、話さずにはいられないでしょうし」
「はい・・・・スミマセン」
「まぁ、素直さと正直なところは貴方の美点ですから、気にしないで良いですが。
では、簡単に明日のことを説明しておきますが、いいですか!」
「はい!!」
「ではまず、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

李順の一通りの説明に、夕鈴は食い入るように聞いていた。

「これで説明は終わりです・・・・・兎に角、しっかりとお願いしますよ」
「はい、任せてください!!」
「それでは、もう戻っていいですよ。只、陛下には会わないように気を付けて部屋に戻って下さい」

その時、開け放たれた窓から一陣の風が室内に流れ込み、夕鈴の衣裳をふわりと揺らした。
気が付くと部屋の隅には浩大が控えていた。

「お妃ちゃん、みっけ!!こんなとこにいたんだぁ。
不機嫌陛下が血眼になって探していたよ」

ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべながら、お気楽な声で結構怖い事をさらっと言う。
夕鈴はその言葉に途端にブルッと震えがきていた。

「さぁ~~てと、訳を聞こうか!なんで陛下から逃げてるのさ。
どうせ大方、そこの側近さんに言われての事だろうけど・・・」
「ええ、まぁ」

夕鈴は曖昧に返答しただけで、後は貝の様に口を閉ざした。

「夕鈴殿、では行っていいですよ・・・・・早く此処から離れないと、陛下が戻って来てしまいますから」

李順は簡単に言い放つと夕鈴をさっさと追い出し、
自分の席に何食わぬ顔で座りまた仕事に取り掛かった。

「ねぇ・・・・李順さん、お妃ちゃんに何を頼んでんのさ?」
「全く、知りたがりですね~知りたいですか?」
「めっちゃ知りたいっす」

男2人が肩を寄せて耳元で囁いている図は、傍から見ても余り良い光景ではなかった。

「ふうん~なるほどね~」
「分かったのでしたら、口は閉じておいてくださいよ」
「へいへい!!」

浩大と李順が執務室で内緒話をしている頃、
夕鈴はキョロキョロ辺りを警戒しつつ自室へ戻ろうと回廊を独り歩いていた。

突如、後ろから腰を取られ悲鳴を上げる暇もなく抱きかかえられたかと思うと、
回廊つたいの空き部屋に連れ込まれた。
中は明かりも無く窓辺から注がれる月明りのみでうす暗く、
瞬時には誰なのかもよく分からなかった。

しかし、夕鈴は衣裳に焚き染められた香に覚えが有った。
だから怖いとかいう感覚は全くなくて・・・・そう、これは黎翔の香だった。
ボケっとしている夕鈴の目の前に黎翔の端正な顔が近付いてきており、
深紅の双眸は穏やかとは到底言い難く鋭く光っていた。

「夕鈴・・・・・・・何処へ行っていたのだ」

地を這う様な低い声で、詰問してくる。

「えっ、何処と言われましても・・・・・・・」

適当な言い訳が見つからず、言葉が詰まってしまう。

「先程から探していたのだが、見つからず心配していたのだが」
「それはお手をお掛けいたしました・・・・スミマセン。
あの・・・・その・・・・それよりも、そろそろ離して頂けませんか?」
「いや、離せない。離してしまうと、また何処かへ行ってしまいそうだ」

どうやら黎翔は、離す気は更々ないらしい。
だがこれ以上質問されるのは困るから、夕鈴はそのまま抱きしめられたまま身動き一つしなかった。
それで質問されないのならば、それが一番良かった。
しかし黎翔は諦めず、更に夕鈴に詰め寄ってきた。

「では、質問を変えよう。李順と何を企んでいるんだ」
「企んでいると言われましても、特に何も・・・・」


え~~バラす訳にはいかないわよ!!
だってこれには特別手当が掛かっているんですもの。
青慎も新学期が始まったことだし、新しい教科書代に充てたいし・・・お古じゃあんまりにも可哀そうだもの。
ここは黙っておかないと・・・・。

うす暗い部屋の中で両手を掴まれたまま、
夕鈴は目の前の黎翔をただ見つめることだけしか出来なかった。
黎翔の方も視線をそらさずジッと見つめている夕鈴を見ていると、
聞き出そうとしている事が些末な事に思えてくる。

それよりもこの月明りの中、二人きりでこのまま時が流れて行くのを感じていたい寄りそっていたい。
そんな感情が浮かんできて、心の奥底から這い上がって来ていた黒い感情の塊が、小さく小さく萎んでいく。
黎翔は自分の感情の渦が静かに凪いでいくのを感じ、ふっと笑みがこぼれた。

「夕鈴、ご覧よ・・・・今日は満月かな?月が綺麗だよ」

窓辺に腰かけ天空を見上げる黎翔。
その様子を見てようやく平常心が戻ったのか、夕鈴が黎翔を見上げてふんわりと微笑んだ。
そして黎翔と同じように空を見上げる。

「綺麗ですが、恐らく満月ではないですよ。確か3日程前だった様な気が・・・・」
「そうなんだ」

その後は二人話す事も無く並んで月の光りを浴びながら、しばらく同じ時を刻んだ。
そしてどちらからとなく、言葉を紡ぐ。

「戻りましょうか」
「戻ろうか」
「そうですね」
「そうだね」

二人は並んで、回廊をゆっくりと歩いて行った。
黎翔は明日その身に振りかかることなど思いも及ばず、何となくホンワリ夢見心地であった。
夕鈴もキレイな月明りにすっかり癒され、上司と交したお仕事の事など今はすっかりと忘れていたのであった。




続。




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このコメントは管理人のみ閲覧できます
こんばんは!!!!

私もSNSに入れません。
昼間も入れなかったんですよね・・・・・

メンテナンスではないようです。
そーしゃるぱーくに行って確認しました。

どうしたんでしょうかね・・・・
私も心配です。



このコメントは管理人のみ閲覧できます
昨日はスーパームーンが見られたはずなのに・・曇って見られなかった。
旦那様と息子と一緒に見に出たんだけど、雲め~っ(-_-;)
その前日、好古園で開かれる観月会に行きたかったのに・・・町の班長会でいけなかったからせめてスーパームーンだけでも見たかったのに、残念さんです。

本当に陛下は夕鈴が精神安定剤なんですね~。
李順さん・・ばれたら痛い目みませんかぁ?(笑)

こんばんは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!

ホント、長かったですね~~
トラブルだったみたいで、緊急メンテナンスしたみたいです。

でもいつも入れるのが当然なのに、
こうして入れなくなるとホントに不安になるもんです。

兎に角、復旧して良かった・・・・・。




おはようございます~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!

スーパームーン、マァマも見れなかったんだね。
私もですっっ!!!
昇り始めが、丁度雲が掛かっていて・・・・隠れてました。
見えたのは昇り切ってから。
だから大きくは見えなくて・・・でも白く輝いていたから綺麗だったけどね。
で、次の日の朝、沈みゆく大きな月は見たけど。


さぁ、攻防戦が始まるよん。
へーかにとって夕鈴は最高の癒しです。
だから手放せないっっ!!

李順さん・・・・大丈夫かしら??
私もちと心配。(笑)


それでは、続き待っててね。


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瓔悠

Author:瓔悠

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