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【空は青く光りと共に】・5
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り









夕鈴は、困惑していた・・・・こんなに堂々と歩いていて良いものだろうかと。
そして繋がれた手からじんわりと伝わる体温に。

「あの・・・・良いのですか?ここ勝手に歩きまわって」
「そんな事は気にしなくても良いよ。ここは、後宮って言ったって妃達が住まうところから外れているから。でないと、幾ら弟と言えど、自分の妃が寝盗られるなんてことになったら困るだろうし」
「寝・・・・寝盗ら・・・れる!☆!!」

夕鈴は、黎翔の言葉に絶句して目を白黒させる。

さらりと、結構際どい事を言ったわよね・・・・少年の内からこんな事言うの?
だからこの方・・・・ここら辺が、女たらしなのだと思うのよ!!

「どうかしたの、お姉さん?」
「うっ、どうもしませんっっ!!」
「そう??何か言いたそうだけど・・・まぁ、いいや。
それよりさ、聞きたい事が沢山あるけど道すがら聞いてもいい?」

選択権を与えてくれているようで、その実有無を言わせない力強く光る双眸に惹かれている自分がそこにいた。
夕鈴はただ頷くことしか出来ず、口を真一文字に噤むだけだった。

「あのさ・・・お姉さんが此処に来た理由は?」
「それが、ある人に井戸に落とされて・・・・・穴を抜けた先がここだったの」
「井戸って何処の?穴が通じてる井戸なんて、この後宮には無いはずだと。
ねぇ、僕が年下だと思って、もしかして謀ってる?」
「とんでもないです!!!!ホントなんです」

夕鈴は頭(かぶり)を振って、否定する。
そんな様子を、黎翔はジッと鋭い視線で観察していた。
 
私だって、今だに信じらないわよ!!
まさかあの穴が過去に繋がっていたなんて。
それにちゃんと帰れるのか・・・そこが大きな問題だと思っているのわよ。

「そう・・・・じゃあ、少し汚れているけど妃が着るみたいな衣装を纏って・・・一体、何者?」

何者!!ってそれが一番答えづらいのよ。
まさか『貴方のバイト妃です』とは言える筈もないし。
どうしよう~~~。

「私・・・・・・・怪しい者ではないとしか言えない・・・・です」
「それは、答えには為っていない!!!」
「・・・・・・・・・・・・・」

夕鈴は黙りこくった。
此処は、正直に未来から来たと告げるべきなのかと。
でもその決心が付かず、そして上手い別の答えも用意出来ず・・・。

「まぁ、いいか。お姉さん、悪い人ではないみたいだから。
もう聞かないことにするよ。但し、僕のモノになってよ」
「はぁ~~????」
「だってさ、ここには敵しかいないから、味方が欲しいんだ」

やっぱり陛下は、人並みでない少年時代を過ごしたんだわ。
誰も信じる事も出来ずに・・・・。
こんな窮屈なところで、意に沿わない生活をさせられていたのね。

「私は何処に居ても、貴方が何をしようと味方です。
だから・・・・安心して下さい」

夕鈴は何気なく、繋がれた手にそっと力を込めた。
自分の決意を黎翔に伝える為に・・・・・。

「有難う」

黎翔はただ一言礼を告げた。
でも夕鈴にとってはそれだけで十分で、例え過去の黎翔が言っていても心が暖かくなるのを感じていた。

そして歩いていた黎翔がその歩を止めた。
立ち止まった黎翔は、眼下に広がるモノを夕鈴に見せる。

「わぁ~~綺麗だわ」

そこに見えたのは、色とりどりの花が咲き乱れる野原だった。
それは人の手によって植えられたものではなく、自然のままに咲いている野花。

小さな花々が自己を主張するかのように咲き誇り、それが群生となっているのだ。
黄色、紫、青・・・・そして白・・・・様々な色が固まりとなって咲いている。

「一花、一花は小さな花たちだけど、集まって花絨毯を作ってる。
僕はそんな風な施政を引きたいと思っているんだ」

ぽつりと呟いた横顔が、とても眩しく精悍に見えた。
そんな横顔に惹かれ・・・夕鈴は、自然に頬が緩み微笑んでいた。

「お姉さんの微笑みは、とっても癒される」

途端、ボフッと音がしたように真っ赤に染まる頬。
夕鈴は、恥ずかしさに両手で顔を覆い俯いた。

「ちゃんと、顔を見せてよ」

覆った両手の上に、ホンの少しだけ大きな掌が重なる。

今の陛下の掌よりは、小さいけど・・・・・何だか安心する。

「このまま、ずっと傍にいて欲しい。例え、お姉さんが誰のものであっても」
「ごめんなさい、それは・・・・・出来ないの。きっと・・・多分、待ってくれているだろうから」
「誰が?」
「・・・・・・・・・私の心が求める人」
「そうなんだ」

そう告げると、少年の陛下は少し残念そうな表情を浮かべた。

「でも、思い出は貰っておくよ」

そのままいつもよりも、より深い紅に彩られた瞳が近付いてくると感じた時には・・・・・もう夕鈴の桃色の柔らかい唇は奪われていた。

「☆!♡!!☆」

声に為らない悲鳴が、辺りを震撼させたのは言うまでもなかった。






続。



2013.05.09 SNS初載
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(非公開コメント受付中)

うん。うん。←腕組み
やっぱりこれもすき〜*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚
no subject
ふふふふふ・・・/////
どこに行っても夕鈴は陛下の心に癒しを与える存在なのです。
続き待ってる^^
タイフーン様
こんばんは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!
わぁ~~い、タイフーン様もお好きなのですね~~
そう言っていただけると、こうして再録した価値があります。
私だけだったらどうしよう~~と少し不安だったんで・・・。
どうぞ最後までお付き合いしてください。
宜しくお願いいたします。
ママ様
こんばんは~コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!
ふふ~楽しんでくれてますね~
嬉しい~~~
そうですっっ!!!
夕鈴は癒しの存在!!!
それも陛下専用の。
やっぱり夕鈴って可愛くていいですよね~~
陛下ではないけれど、夕鈴だぁ~~い好き。(笑)
続きは少し待っててね。
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