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【桃色水面・1.5】
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臨時妃 ・ 原作寄り


【注意事項】

こちらの作品は、前ブログ『遥か悠遠の朱空へ』にて公開していた作品です。
今回こちらへ移行するに伴い少しだけ手直ししておりますが、
書いた当時の陛下と夕鈴の関係が浅いものでありましたので、
当時の雰囲気を残すべく糖度はあまりありません。
そのことを踏まえた上でお読みいただけます様、宜しくお願いいたします。   

そして此方は、【桃色水面1】内の幕間の話となってます。

瓔悠。






それはそう、黎翔が李順に内緒で王宮から姿を消した時の事。
一体何処で何をしていたのか?
それは黎翔にしか分からない・・・・・・・・。




「店主、此方には女性物の水中着があるとのことだが」
「はい、いらっしゃいませ。各種取り揃えておりますが、どのような物をお探しで?
うちは品ぞろえは豊富ですから、お客様のお気に召さない筈はございませんよ!!」

薄い生地質の灰色の外套を羽織った若い男性が、
小太りで商売上手そうな店主に質問を投げかけてニヤリと微笑む。

「そうだな、髪は薄茶で細身の女性に贈りたいのだが、直ぐに用意できるだろうか?
余り露出してない物を好むのだが・・・」
「左様ですか・・・でしたら、この通路の奥に可愛らしい方がお召しになられるとお似合いのものがありますよ。」

目当ての右手で指し示しただけで店主は案内をする風も無く、椅子にどっかりと座り込んだ。

これは、自分で気に入ったものを選べということか・・・。
しかしその方が余計な押し売りなどされずに自由に選べるから良しとすべきだな。

黎翔は一人、店主の指し示した通路へと一歩足を踏み入れた。
その教えられた売り場を遠くから眺めると、居るわ居るわ妙黎の女性達が。


「まぁ、これも新作よ!」
「見てっっ、これは大胆な作りよ!!これなら男性の瞳を釘付け、間違い無しよ!!!」
「でも、可愛らしさを強調する方がいいんじゃない?」

女性達は、かしましく水中着談義を繰り広げている。

あの中に自分のみでいけと・・・・。
はぁ~~正直、勘弁して欲しいものだな。

振り返ると店主はキリキリとお金の勘定をしており、協力する気は更々ないという意思が見える。
仕方なく腹を括って黎翔は、賑やかな売り場へと近付いた。

「これは?これ見てよっっ」
「きゃ~~可愛いわね~」

まだ談義は続いているが・・・外套を羽織っているとはいえ見目麗しい男性の登場となり、
かしましい女性達は揃って全員頬を染め、先程と打って変わって売り場はシーンと静まり返る。

「ここに水中着があると聞いて来たのだが・・・」

黎翔は女性達が見ていたので、一応断わりを入れてみた。
低くて艶のある声が頭上から降ってきた為か、夢見心地だった女性達も一斉に我に返る。

「は、はいっっ!こちらです。あのう~一つ聞いてもいいですか?
水中着はなんの為に購入するんです?だれの為です?
まさか、自分の為なんて言いませんよね」

その内の一人が遠慮がちに、しかし大胆に黎翔へ質問する。
 
「いや、自分の為では断じてない。
実は愛しい人に贈るのだが・・・それがどうかし「キャ――聞いた?」」

黎翔が言い終わらないうちに歓声が上がる。
そして間髪入れずに、女性たちは自分の言いたいことを口々に言って騒ぎ立て始めた。

「良いですね~~彼女さんにですか?羨ましいです」
「一度でいいから、私も彼女さんのように大切にされたい~~」
「彼女さんと一緒に水遊びなんですね~~いいなぁ~~」

全く元気なものだな、これが下町気風か。
そう言えば、夕鈴の友だちの・・・確か明玉とかいうのもこんな感じだと言っていたな。

黎翔は気を悪くする風も無く、女性達の元気の良さに感心していた。
それと言うのも、先程から夕鈴を『彼女さん』と断定され連呼されているのが嬉しかったのである。

「じゃあ良かったら、私達が彼女さんの水中着を選ぶお手伝いをしましょうか?」
「そうだな・・・では、お願い出来るだろうか?」
「「「是非に!!!」」」

女性達はハモリつつ、すでに目は色とりどりの水中着を選んでいた。
何点か出してみて、黎翔に見せてみる。
黒の背中空きの物や水色で胸元が大きく空いている物・・・・更には小花柄の上下が別れている物など、
それこそ様々な種類を次々に出してくる。
その様子に、黎翔はこんなに種類があるのかと感心を示す。
女性達は気を良くして、色々と黎翔に一つずつその水中着を着た時に強調される女性の魅力について語っていく。
黎翔も負けじと、女性達の語りに頷きながらも駄目出しをしては選び直しをしてもらっていた。

そうこうしているうちに、半刻が過ぎていた。
段々と売り場の水中着が出しつくされようとしたその時、女性達の視線が一つの水中着に注がれた。

「では、これではどうだ~~~絶対にバッチリだと思いますよ」

黎翔の前に差し出されたのは、桃色の水玉模様の可愛い水中着。
首の後ろで紐を結ぶ種類のものだから、黎翔が結んであげれば更に仲良くなれると女性達は大威張りで主張する。

黎翔も夕鈴の着た姿を想像してみて似合いそうだと・・・『うんうん』と頷き、妖艶な笑みを浮かべた。
そして女性達に一言告げる。

「では、そなたたちもこれで彼氏と仲良くなれるのではないのか?」
「そうですね~~~それにはまずは彼氏ですけど・・・・。
でも、これいいかも?!私達もこの形の物にしようか?・・・・確か違う柄があったよね」

黎翔が放った鶴の一言で、あんなに中々決まらなかった女性達の水中着もすんなりと決まった。
店主へお金を支払い店を同時に出た所で、女性達と別れることに・・・。

「彼女さん、喜ぶといいですね」
「お幸せに~~私たちも頑張りますね」
「お礼を言っていなかったな・・・そなたたちのお蔭で良い品を購入できた。
礼を言おう、ありがとう」
「いいえ、とんでもないです!!私たちも楽しかったですし」
「そんな・・お礼だなんて・・・」

女性達は黎翔の言葉に恐縮しつつも、やはり見目麗しい黎翔の姿にポっと顔を赤らめながら手を振り歩いて行った。


女性達の姿が完全に見えなくなった所で、黎翔も王宮へと足で向けた。
その足取りは軽快で跳ねているようだった。

黎翔の思いはすでに後宮の唯一の花へと向けられており、
後日夕鈴に手渡す際の反応を楽しみに想像しながら、ニヤリと微笑んだのだった。





終。 
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(非公開コメント受付中)

No title
スキップスキップランランラン♪
もう陛下の鼻歌としっぽパタパタが・・・脳裏から離れません(笑)
ほんとに国王でしょうか・・・。疑っちゃう←おい
ママ様
こんばんは~ コメント有り難うございます
返信お待たせしました!!
陛下、ご機嫌です!!
限りなく、ご機嫌でお楽しみのようで~~
書いてて楽しかった!!よ~
陛下の水中着選び・・・・・・若い女性たちが良かったなぁ~。
うんうん!!!
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瓔悠

Author:瓔悠

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