【鏡の中】
2014年11月09日 (日) | 編集 |
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臨時妃 ・ 原作寄り








見つめた先にいるのは、本当に私なのだろうか??

いつも思う。

着飾った私は、本来の私ではなく……虚構の私。
作り上げられた妃としての私。

だから、
こんな笑みを浮かべることさえできる。

慎み深く艶やかな極上の微笑。

だから、
こんな言葉も出てくる。

『陛下だけをお慕い申し上げております』

だから、
貴方を愛することもできる。


「私は一体誰なの?」

鏡に向かって問うても、誰も答えてはくれない。

「君は僕の妃だよ。」
「えっ??」

鏡の中にもう一人の人物が映り込む。

「陛下…いらしていたのですか?
それはお迎えも致さず、申し訳ありませんでした。」
「いや、私がいいと云ったのだ。」
「左様でございましたか。」

ほら、陛下の訪れとともに
私は妃としての顔つきになる。


それが、私のお仕事だから・・・ね。

「陛下、お茶にいたしますね。」

ふんわり微笑んで、鏡の中から姿を消す。

これが臨時妃、汀 夕鈴。
今の私。

「夕鈴……君は僕にとって唯一の妃なのだから。」
「……はい?」

去りゆく私の腕をつかんで、陛下の紅玉が物語る

_________離さないよ。


と。


「ええ、そうですね。」

虚構の私が答える。


今だけ。
いつ終わるか知れない……今だけの返事。




~終~
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