【奏鈴公主が魅せられたもの】 (未来家族設定)
2015年03月20日 (金) | 編集 |
【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り









「ねぇちゃま~~まってください」
「遥翔、早くっっ」

小さな弟は歩幅も小さくて、それを誘導して連れていくのは大変。
でもこの時を逃しちゃうと見れないから。

「ここよ」
「ここでちゅか?」
「そう、ここなの」

そこは両親の寝室の隣の部屋。
しかも衣装部屋の沢山の衣装が掛けられた箪笥の中。
幼い姉弟は、朝っぱらから自由気ままに動き回っていた。

「さぁ、遥翔!ここに入ったら静かにするのよ」
「どうしてでちゅか?」
「それはね・・・隠れている事がわかったら、叱られるから」
「だれに?」
「父様に」
「だれをおこるんでちゅか?」
「・・・・うーん、私たちとこれを作った老師にだろうね」
「こわいでちゅね」
「そうよ~~こわーいのよ。じゃ、行くわよ!!お口はチャックね!!」

箪笥の奥の枠を取り外して、先の空洞に入り込む。
そこには覗き穴が開いていて、中が覗ける寸法である。

覗いた先には・・・モチロン、二人の両親の姿。
誰もが認めるほどの仲睦ましい国王夫妻は、今日も二人仲が良くて・・・・というよりも仲が良すぎて。
見ていてこっちが恥ずかしくなる。

でもこれも大人になるための勉強・・・・らしい。
私が小さなころから、老師が言っている事。
だから今回は遥翔も連れてきた。

「夕鈴・・・今日は二人っきりで過ごそうよ~~」
「何を言っているんですか??陛下でないといけないお仕事もあるのですよ」
「いつも頑張っているんだから、少しくらいいいと思うんだけど」
「陛下がどれほど、民の為に尽くされているのかは、私は分かっております。」
「じゃあ、ご褒美!!ご褒美!!」

父様は少し抵抗している母様を無視して、抱き締めたうえで口付けしてる。
そうして母様は羞恥で真っ赤になってる。

またやってるわ。
これもいつものお決まりで。
いい加減、飽きてきちゃっ・・・・うっ、うん??遥翔が固まってる。

「・・・・遥・・翔??」
「ねえちゃま・・・とおちゃま、ヘンっっ」
「・・・・よね」

確かにあれを初めて見た時には、幼いながらヘンだとは思ったわ。
でもあれも父様なんだといつしか理解した。
だって母様はそれを享受してて、当たり前のように接してるし。

「遥翔・・・気持ちはわかるけど、あれも父様なのよ」
「・・・そう、なの?」
「そうよ。男の人は多分奥さんの前だとそうなるのよ」

これは、私が二人の様子を観察してきて分かった事。
だから、いつまでも仲良しなんだ。
多分ね。


「黎翔さま・・・・そろそろお放しくださいませ」
「このまま、ずっとこうしていたい」
「そういう訳には・・・いき」

『いきません』と言いかけた母様の唇を父様の唇が塞ぐ。
長く。
甘く。
そして、情熱的に。

母様のお顔は綺麗だった。
私たちに見せてくれる顔なんかじゃない。
優しいお顔だけど、いつものと何だか違うの。
でも、私はそんな母様のお顔も好き。

だから、邪魔はいけないのよね。


「遥翔・・・いこう」
「はい、ねえちゃま。」

私は遥翔の手を引いて、そっと出ていった。




その後、私はそこには入らなくなった。






そして・・・・・・・何年もした後、遥翔から聞いた話だけど、
あの秘密の小部屋は、父様の知るところになってすぐに取り壊されたらしい。

そしてやっぱり老師は父様に大目玉を食らうことになったと・・・・・・・。

私はあの時は、7つだった。
でもそれでも、少しだけ大人へと足を踏み出し始めたのかも知れない。

今は、想う方もいる。
そうしてその方の前でだけ、私は公主の顔ではないはず。
母様のように一人の女性だと思う。
ただの珀 奏鈴だと。




終。





2014.02.08 初出
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