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2015.03.20 (Fri)

【姉弟の関係性】 (未来家族設定)

【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り






誰も知らない・・・私の想いなんて。
だったら、このまま隠し通そう。
それが、恐らく一番いい。


「秦鈴様?どちらへ??」
「少し散歩にでも・・・供は必要ありませんので」

それでも付いて来ようとする侍女を制止して、一人きりになれる隠れ場所に向かう。

隠れ場所は、誰も知らないから隠れ場所。
だから一人きりにしてほしい。


回廊から外れ、庭園に降り立つ秦鈴。
そのまま奥へと入っていく。
そしてその回廊の端から歩いてくるのは、書簡を持った遥翔。
二人は出逢うこと無く、それぞれの場所に向かう。

そこに礼を取りつつ話しかけてくるのは、ある大臣の子息。

「公子さま、今日は、秦鈴公主さまはいずこに?」
「姉上ですか?さぁ、私は知りませんが」

またか・・・さっきも違うやつに聞かれたが、勘弁してくれ。
最近所謂『いいとこのおぼっちゃま』という、上級貴族の子弟が小煩い。
色々と、僕に姉上の事を聞いてくる。

姉上の趣味。
姉上の好きな物。
姉上の居所。

僕は姉上のお守役ではないのだから、全くもっていい加減にして欲しいものだ。

姉上は、そろそろお年頃。
何処の誰に嫁ぐのかが目下若い連中の気になる事らしく・・・・。
他国の皇太子にか?
それとも臣下に降嫁されるのか?

父上が何も言わないモノだから、周りが煩い。
何も決まっていないのなら自分も候補に入りたいと、僕の周りをうろついて来る輩が増えた。

これは一言、書簡を片付けた後にでも姉上に進言しておこう。


***********


「ああ、いい気持ち~~雲が流れて行くのを眺めているだけでも、心が落ち着くのよね」
「それはそれは、いい事ですね」
「遥翔っっ!!!」

誰も来ないと思ったから少しお行儀悪いとは知りつつも、
この大きな銀杏の木の元に座り寄りかかって空を眺めていた。
ここは庭園の奥まったところだから、誰も知らないと思っていた。
だから、遥翔が来た事に少し驚いた。

この所の気候の変化で、少しづつ葉が黄色に変わり行く様を見るのが日課だった。
誰も来ないし、考え事をするにも静かで丁度良いから。

「どうして此処が???」
「姉上は御存じないのですね。ここは元々、僕のお気に入りの場所なのですよ」
「あら、まぁそうだったの・・・」

遥翔は秦鈴の隣りに腰かけ、同じように空を見上げる。
空は青く、雲が風に乗り流れていく。
しばし日常を忘れられ、自然に溶け込む様な感覚を味わえる。

隣の秦鈴も同じように感じているのか、空を見上げ深呼吸している。

「姉上・・・・一つ宜しいですか?」
「なぁに?」
「如何されるんですか?」
「何を??」

二人空を見上げたまま、話を続ける。

「輿入れのことですよ。最近、大臣達の子息達が小煩いんですよ」
「まぁ、遥翔の所に押し掛けてるの?」
「本当に、迷惑なんですよ。姉上はどう考えられているのですか?」
「・・・・・言わないとダメかしら」
「お考えの一端くらいは、お聞きしたいものですね」

秦鈴は観念した様に、深いため息を吐く。

「大臣の子息・・・・・まぁ、若い官吏には興味はないわ。それに他国にいくつもりもないし」
「では、どうするおつもりですか?」
「・・・・・・・・・そうね、どうしようかしら」
「もしかして、姉上・・・心に想う方がいらっしゃるとか」
「・・・・・まぁね」

遥翔にも、覚えがある想い。
自分も心に想う人がいる。
でも、中々自分の立場上、軽々しくは言えない。
だから、理解出来る。

「そうですか・・・父上には?」
「言って無いわ・・だって、父上のお考えがわからないのですもの」

そう言うと、秦鈴はスクリと立ち上がる。
風が吹いて、薄茶の髪がなびく。
それを細い手で押さえ、柔らかい微笑みを向けた。

「遥翔・・・私もだけど、貴方も大変ね」
「えっ??」
「でも・・・・諦めたら、終わりよ」

自分に言い聞かすように呟いた。


二人の関係は、確かに姉弟。
だけど、恋の相談役って言うのも・・・・・・素敵な関係なのかもしれない。

秦鈴は、遥翔に優しく微笑みかけた。



終。






2013.10.28 初出
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