【公主たちの可愛い秘め事】・前編 (未来家族設定)
2015年03月20日 (金) | 編集 |
【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り









いつまで経っても仲睦ましい、白陽国国王夫妻。
その夫妻には、次期王たる公子を始め、子供は3人。

第一子は、父と同じ紅き瞳が印象的な淑やか公主。
そして次が、父王同様切れ者公子であり・・・末っ子第三子は、黎翔が待ち望んだ夕鈴に瓜二つのお転婆公主。

今日も後宮では賑やかな声が響き、笑い声が絶えない。


***********




「ねぇ、浩大!!!母さまは?」

庭でひとしきり跳ねまわっていた末公主が空を見上げ、
屋根の上から警護しているであろう隠密に声を掛ける。

「チビ公主は、いつまで経っても『母さま、母さま』だね~~~」

ヒラリと音もなく降りて来た隠密はからかいの色を瞳に浮かべている。

「いいのっっ!!私はこのままでいいって父さまは言ってるから~~~~ところで母さまは?」
「ああ、お妃ちゃんだったら、陛下に呼ばれて政務室だよ」
「ふぅん・・・・・・それじゃ、夕方までは戻らないわね」
「まぁ、多分ね。きっと陛下が離さないだろうしさ~~多分今頃は」

「「父さまの(陛下の)膝の上!!!!」」

ニコニコ顔の公主と隠密の声が重なる。
いつまでも仲の良い国王夫妻。
仲の良さは、国中に広まり・・・・・・今では、どの結婚式でもスピーチには必ず引き合いに出されるほど。

まぁ、両親が仲の良い事に越した事はない。
・・・・が、これがまた良過ぎるのが子ども達にとっての悩みの種。

特に父の母に対する態度は年々トッロトロになるくらいの甘さが増し、
それを恥ずかしげに顔を赤らめているいつまでも初々しい母。
全くもって傍から見てても、こっちが赤面してくる。

今日は、夕刻・・・下手したら、夜まで母さまはお戻りにはならないわね!!
これは好都合だわ!!!

「姉さま~~」

少し離れた所にいる姉公主を手招きして、自分の所に呼び寄せた嘩鈴。
その母と同じ薄茶の瞳は、キラキラ輝いている。

チビ公主はまたなんか、イタズラでも思いついたのかね~~。

浩大はニヤリと口元を綻ばす。
あの瞳をした後は、いつも騒動が巻き起こる。
そして大概、側近の李順に大目玉をくらうのである。

退屈しないよな~~~あのチビ公主ちゃんは。

どうやらその通りらしく・・・公主二人はコソコソ話で盛り上がっている。
そして二人は後宮の立ち入り禁止区域へ駆け込む。
・・そうここは、夕鈴が未だに密かに掃除婦として掃除に勤しんでいる場所。
二人は前もって隠して置いた下町風の衣裳を身に纏うと、密かに裏門から出て行った。

「こうしちゃ、いられない・・・・オレが後を追わないと、だな。

屋根の上から傍観していた浩大は、公主二人を追うべく・・・・町へと繰り出した。



********




「ねぇ、最近出て来れなかったけど、ここら辺は少し変わっているわね」
「そうだね~~~(もぐもぐ)」

既に嘩鈴の手には、手軽に歩きながら食せる饅頭が握られている。

「嘩鈴・・・・・少しお行儀が悪いですわよ」
「姉さま、この格好の時にしか出来ない事を満喫しているだけですわ。そんな堅い事は言いっこなしで!!」

片目を瞑って笑う嘩鈴。
それを小さな溜め息と共に見ている奏鈴。

二人はアチコチの店を巡っては商品を眺めて愉しみ、商品を吟味していた。
気に入ったモノでもよく吟味してから買い求める所は夕鈴譲りで、
公主という立場なれど無駄買いなんてしない中々の買い物上手だった。

王宮から出てきて、既に一刻。
二人はこの下町の喧騒にスッカリと溶け込んでいた。


「おっ、そこにいるのは嘩音(かのん)じゃないのか?」
「あ~~~~~、几詠(きえい)!!!」

後ろから掛けられた声に呼応して振り向いた嘩鈴の目に入って来たのは、
日焼けして野生の逞しさが目立つ少年。
この少年、ひょんなことから知り合った下町での友人で、
誰もが知っている下町でも大棚の商店の息子である。
特に嘩鈴と几詠は馬が合うらしく結構打ち解けて接しているが、
公主なのは秘密だから偽名の『嘩音(かのん)』と『奏茗(しんめい)』で通していた。


「ひっさしぶりだな~~何やっていたんだよ!!!
最近は皆見てないって言っていたからさ」
「う、うん、、、まぁね~~(王宮に缶詰めで勉強させられてたなんて言えない!!)」
「まっ、いいか・・それより、オレん家に来いよ!!
ひいばぁがお前に逢ったら、連れてこいって言われてるんだよ」


姉妹は顔を見合わせて、『如何する??』と無言の相談。
そして嘩鈴のにっこりと微笑む表情で全てが決る。

「いいわよ!!!但し、今日は早く帰らないといけないから、夕ご飯はご辞退させてもらうからね。」
「了解!」


直ぐに決り、三人は連れ立って歩いていく。
その後ろから、密かに付いていくのは護衛役である浩大。

「はぁ、公主ちゃんたち・・・あの家に行くって事は、あの御仁と逢うんだよなぁ。
これを陛下が知ったらどう思うやら・・・」

浩大は口もとに意地の悪い笑みを乗せながら、この成り行きを愉しんでいた。




続。



2013.07.25 初出
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