【春告草に誘われて】・2(未来家族設定)
2015年03月20日 (金) | 編集 |
【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り






嘩鈴(かりん)が黎翔を上手く誘い出したその頃、
上の二人はというと王宮の回廊で有能な隠密である浩大を呼び出していた。

「浩大!!お母様はどちらかしら?」
「勿論、正妃の居場所くらい把握している筈・・・・。ですよね、浩大」

ホントにこの二人は容赦ない!!マジで陛下そっくりの策略家だよ。
ここで把握してないとでも言おうもんなら、どんな事を言われるやら・・・。

「公子達は、何をしようとしているのやら・・・お妃ちゃんなら、確か侍女たちを従えて散策中だよ。」
「そうですか・・・・これは好都合ですね。恐らく嘩鈴は上手く父上を連れだしているだろうから、
後は母上を上手く誘導するだけだね。」
「浩大・・・お願いが有るのだけど聞いて下さる?」

奏鈴(しんりん)の薄紅の瞳が光る。
この瞳に誰が逆らえるというのだろう・・・『狼陛下』と同じくする瞳の持ち主に。

「へいへい!!何でも聞きますよ!!何すればいい??
お妃ちゃんを陛下の元に差し出すの??」
「いきなりそれはちょっとまずいでしょうね。お母様に逃げられそうですもの。
だから、先ずはお母様の居場所を正確に調べて教えて下さる?」
「りょ~~~~かい!!」

浩大はこの公子達が何をしようとしているのかを何となく察知し、
協力すべく直ぐさまその場を離れた。
それは、夕鈴を捜す為に・・・ひいては自分の安寧の為に。

一流の隠密である事を自負している事もあり、更に何年も正妃付きで有ることから
四半刻もせぬうちに夕鈴を見つけ出す事が出来た。
すばやく公子達に報告して後は高みの見物としゃれこんで、
浩大はそのまま音も無く姿を消したのだった。

「さぁ、これで舞台は整いましたわ」
「では、始めますか!!」

二人は顔を見合わせ頷いた。
さぁ、腕の見せ所!!!


連れ立って赴いた先は・・・・自分達の母親が寛ぐ『清き陽の四阿』と呼ばれる正妃専用の四阿。

「母上、ここにおいででしたか?」
「ええ、天気もいいモノだから散策してましたのよ。
それにしても・・・二人揃ってとは珍しいですね」

夕鈴はそう答えると二人の子どもたちに手招きし、四阿内の作り付けの石作りの長椅子に腰かけさせる。
そして自らお茶を手早く淹れると、奏鈴と遥翔に勧める。
受取って一口飲むと、秦鈴が作戦開始と言わんばかりに唐突に夕鈴に尋ねてみた。

「お母様・・・嘩鈴はどちらに居るか御存じですか?」
「嘩鈴??いいえ、知らないわ」

頭(かぶり)を振って、かなり前から姿を見てないと否定した。
そして何か有ったのかと心配げな表情を見せる。

「そうですか・・・母上も御存じないのですか??それは困ったことになりました。
嘩鈴、何処に行ったのでしょうね。何も無いとイイのだけど・・・」

遥翔が更に追い打ちを掛ける。
その様翔の言葉を受け、夕鈴はスクッと立ちあがると侍女達に片付けを頼む。
そしてヒラリと衣裳の裾を翻し速足で四阿を出て行った。

残された二人の策略家は顔を見合わせ、ニヤリと微笑んだ。

「さぁ、女優・俳優は揃って舞台上に上がりましてよ」
「そうだね、僕たちは観客として成り行きを見守りますか」

そして事もなげに夕鈴の後を優雅に付いて行くのだった。




続。



2013.04.05 初出
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