【交差しない道標・11】
2017年09月29日 (金) | 編集 |
こちらの話は特殊設定のお話になります。

下記の『彩怜シリーズ概要について』の部分をクリックして、
そちらに明記された記事をお読みの上で
お話へお進みください。
もし、その記事内容に一つでも引っ掛かる事がありましたら
そっとリターンしてくださいませ。
どうぞ 宜しくお願いいたします

彩怜シリーズ概要について



【設定】

未来設定(彩怜シリーズ) ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り

【注意事項】

こちらの話は彩怜クンシリーズの最初のお話、【最奥の鍵】より
以前の話となります。
なので、陛下は全く出てきません。

更に、捏造も甚だしく。
読む方を選ぶ内容になってます。

何でもOkだとお思いのゲスト様のみ
お進みください。






「村長さん、遅いですね・・・・・・」

僕は、いつまで経っても開くことのない扉を恨めし気に見詰める。
浩大さんは、特に気にする風もなく『そうだね~』と呑気な言葉を紡ぐ。
正直、ここで座ったまま待つこと以外何も出来ないままなのは、気が急いて仕方無い。
しかし、村長さんが現れない事には話は始まらない。

「浩大さん、あの・・・・・・少しだけ聞いてもいいですか?」

僕は声を潜めて、浩大さんに質問を投げかける。

「うん?何??」
「村長さんが来たら、どうするつもりなんですか?」
「あん?まずは村長自身がこのこと関与しているか、探りを入れる。
それで、その結果次第で方針を決める」
「えっ?具体的な救出方法は、決めてないんですか?」
「まぁね~~オレはさ、いつも行き当たりばったりな事が多いからさ」
「・・・・・・」

僕は、それで大丈夫なのか少し不安になる。
それを見た浩大さんは、隣りに座る僕の頭をポンポンと軽く叩きニヤッと笑った。

「でもそれは裏返せば、
柔軟な動きが出来て臨機応変に対応出来るってことなんだからな」
「まぁ、確かにそうですね」
「任せときな!って」
「はい!」

僕が返事をした瞬間、ガチャリと扉が開いた。
その音にビクッと身体が震え、ゴクリと息を飲んだ。

「ああ、お待たせして申し訳なかったね」
「これは村長さん!今日はありがとうございます。
ウチん村の村長が是非に聞いて欲しい事があるって事で、
おいが遣わされたんじゃが聞いてもらえんじゃろうか」

表情をスッと変えた浩大さんは、
先程の訛りの強い話し方で村長さんに話し掛ける。
僕はというと、僕だと気づかれない様にサッと立って、
浩大さんの座る椅子の後ろに隠れた。
そんな僕の様子には全くお構い無しに、
村長さんは応接台の一人掛け椅子に腰をドカッと下ろした。

「ええと、何処の村の村長さんからの話でしょうか?」
「これは失礼しやした。
おいは二つ隣の村のもんだが、知っちょるじゃろうか?」
「二つ隣り・・・・・・ああ、禾生村のもんかな?
そう言えば、先月村長が何かごちゃごちゃ言っておったな・・・その事かいな」
「ああ、そうじゃ!禾生村のもんじゃよ。
ウチの村長が急いじょってな・・・おいがここまで来たんですわ」
「それはご苦労さんなことで・・・」

浩大さん、スゴイです!
有りもしない遣いの話を、こうもあっさりと事実にしてしまうなんて。
これが臨機応変の対応って事なんだ!!

僕は浩大さんの後ろに隠れたまま、感心していた。

「それで、時に村長さん。
ここに来る途中で、小耳の挟んだのじゃが」
「なんの話かな?」
「村長さんの息子さんが、嫁さんを貰うとか?」
「うん?その話を何処で?」
「この村の露店通りの店主からじゃが。
それがホントの事じゃったら、ウチの村の村長に報告しなきゃならん。
ほれ、祝いなんかもあるじゃろうし」
「ああ・・・・・まぁ・・・・・・そうですな・・・・・その話はなぁ・・・・・その・・・まぁ、その内にでも」

村長さんは歯切れ悪く、言葉を濁す。
その様子を浩大さんは表情を変える事無く、伺っている。

「そうかい!そいじゃ、それが本決まりになったら、
おいの村にも知らせてくんさい。祝いをどっさり持ってくるんでな」
「はぁ、そうですね」

村長さんは曖昧な笑みを零す。
そして明後日の方向を見詰め、
無意識に口の中でモゴモゴと言葉にならない言葉を発していた。
それを見た僕は瞬時に確信した。

村長さんは積極的には関与してはいないことを。
これは村長さんの息子さんが起こした事なんだという事を。

「そいじゃ、おいの村の村長から託された事を伝えておきますわ。
実はな・・・溜池の件なんじゃが、おいの村が溜池の水が足りんようになったら、
そちらの村長さんとこの溜池の水を借りたいって事なんじゃ」
「溜池の事かの」
「ヘイ!どう、じゃろうか。
是非にお願いしたいんじゃ」
「・・・・・・・まぁ、それは確かにお互い様なところがあるから。
そちらの村長さんに了解したと伝えてくれんかの」
「そりゃ、願ったりじゃが!!ありがとうございますだ」

浩大さんはスクリと立ち上がって、ニコヤカに笑いつつペコペコとお辞儀をした。
僕も慌てて立つと、浩大さんに習ってお辞儀をした。
村長さんは僕達の様子を見て、もう用は済んだとばかりに椅子から立ち上がった。
そしてすぐさま、応接室を出ようと扉に向かって歩き出した。

その時。
僕の隣に立つ浩大さんが僕の背中をポンッと押してきた。

これは、僕に何か行動を起こせって事だと何となく察した。
僕に頑張れってことなんだ!
そう思った僕は、今まさに扉から出ようとする村長さんの脇をすり抜けて廊下に出て走りだした。

「コラッ!!坊主、何処に行くんじゃ!!!」
「父ちゃん、オレ冒険してくる」

浩大さんの叱り声に呼応して、僕はそう答えた。
僕の動きを予想しては無かったであろう村長さんは、身動き出来ずに固まっていた。
そして少しして思い出した様に、僕が角を曲がり切る前に叫んだ。

「そっちは行っちゃっならん!!!」


それで、確信した。
この先に母さんがいる事を。

母さん、僕が行くから。
待ってて。

僕は走りぬけて、角を曲がり切った。
その先には、ある人物がいた。



続く。




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失礼いたしました
2017年09月25日 (月) | 編集 |
一つ前の記事は下げさせて頂きました。

申し訳ございません。
大変失礼いたしました。


瓔悠

誠にありがとうございました。
2017年09月21日 (木) | 編集 |
こんばんは!


今更になりましたが、
今回サークルの方のショップで、私の手持ちの在庫本を出品させていただきましたが、
無事に4冊とも完売になりました。

お申し込み下さいました、ゲスト様
誠にありがとうございました。


そして、今回申し込みをする前に完売だったとおっしゃっるゲスト様。
申し訳ございません。
再販は今は考えておりませんが、ご要望が多ければ一考したいと思いますので・・・。
コチラの記事へのコメントか、下記メールアドレスまでお知らせくださいませ。

yumenoatosaki1207@gmail.com




瓔悠。




一息つきました
2017年09月21日 (木) | 編集 |
こんばんは!!!

また、こちらを放置してました。
あちらのサークルの通販業務と、子ども達の行事ごとに追われてまして・・・。

取りあえず通販の方も前準備も捗りつつ有りまして、
更に子ども達の行事も本日娘が校外キャンプでして、
少しずつ減っていってます。

本日は休みを取っていたので、昼間に用事が終わった後に少しだけオフ本の表・裏表紙作り等をしました。
2冊は最初から作り変えて、結構満足してます。
またその内、コチラにUPしようと思ってます。
しかし、一番最初に頒布したオフ本が自分用も手元に無いので、
表紙を作り直して再販しようと思ってますが・・・。
欲しい方はいるかしら?と少し心配だったりもします。
作ってみたが・・・・・・誰も・・・・何てことも。
ハハハ。
まぁ、自分が欲しいから1冊でもいいのですけれどね~
それが出来る印刷会社さんなので、ホントに助かります!


さてさて。
あちらのサークル誌。
頒布開始の10月1日がもうすぐ来ます。
印刷会社から届くのがとっても楽しみです~~~。
一番に見れるのは、通販業務をしている特典だなぁ~と。

それでは。
今晩は娘がいないので少し寂しく感じつつ、早目に就寝したいと思います。
明日は仕事だしなぁ~~~~。







初日から雨
2017年09月11日 (月) | 編集 |
おはようございます。


本日、月曜日。
今日から中2の息子は、職業体験学習で校区内のパン屋さんへお仕事へ行きます。
息子が働いている所をみたい!!と野次馬根性で仕事帰りに買いに行こうと思ってます。

今日から5日間。
頑張れるかな?
反抗期で、更に甘えた君。
ちゃんと出来るのか?母は結構心配です。

でも、今日は今からお天気下り坂。
雨がかなり降るようで。
自転車で通勤する息子にとっては、初日からツイてない。

まぁ、それも試練だよ。
息子よ。ファイトだぁ~~~





さて、私は・・・。
帰ってきたら、また更新出来ればいいなぁ~。
続き。
色々あるんだよね。
そしてサークル誌の2号の原稿のネタも思い付いたので、
それも書き始めないと。

ネタ出しは専らお風呂場のシャンプー中。
あの時ってシャワーの水の音しかしないから、結構頭が冴えるんです。
ボンヤリ考えられる。
まぁ、でもあのネタは結構ありがちだから、大丈夫かな~とかも思いつつ。

仕事中に考えたいけど、ウチのレジって結構お客さんが途切れない。
せいぜい、今夜の夕飯のメニューをお客さんのレジ籠の中身を見つつ考えるくらい。

う~~ん、書き手の皆様は何処でネタ出しするんだろう?
結構、知りたいんですよね~~


さて、仕事に行く用意を始めますか・・・・・。





瓔悠。





オフ本、製作致します。
2017年09月10日 (日) | 編集 |
おはようございます!!

ようやく重い腰を上げて、コチラの再開もいたしました。
全く、長い長い夏休みでした・・・・・。

毎日、何かに追われ。
夏バテをしてるヒマすらも有りませんでした。

年々、子供たちが大きくなるにつれて忙しくなってきているような気が・・・。
それも子供が巣立つまでなんですよね。
忙しさこそを有難い!と思わなければ・・・と。


さてさて。
芸術の秋!という事もあり(?)、久々にオフ活動を開始しました。
(これがまた自分の首を締めそうですが・・・リアも忙しい癖にまた忙しさを倍増させるんです)

春に向けて、個人誌を作ろうかと。
まずは挫折しない様に表紙を作りました。

一応、再販も考えて4冊。
まぁ、印刷数などはまた追々アンケートでもしようかなぁ~と考えてます。

自分が挫折しない様に、表紙だけでもUPして
尻叩きをすることにします。

ご興味のある方は、ご覧くださいませ。


『未知から奇跡、そして追憶へ~欠片シリーズ』

欠片シリーズ


『想いを乗せて走り抜け!』

想いを乗せて走り抜け


『月昇り、空満ちる』

月昇り、空満ちる


『未来は何処に』 (再販)

未来は何処に


こんな感じです。
出来るかは、置いといて一先ず頑張ります。



瓔悠。




【約束は、叶える為にある・3】
2017年09月09日 (土) | 編集 |
【設定】

夫婦設定 ・ 原作寄り 






そう、あれは――――。
下町に帰して、少し経っての事だった。
兎に角、早く記憶を取り戻させたくて・・・。
自分の焦りが引き起こした事。

予想もしなかった。
まさか自分が、夕鈴の瞳に気圧されるだなんて。
『狼陛下』とか言われている自分が、
恋した相手に対して何も出来無くなるなんて思わなかった。


その日、政務を何とか片づけて、夕鈴の様子見に行った。
下町に帰してからは、浩大に張らせている。
何か、事が起こってはいけないから。
でも、李順は言う―――『あそこは、お妃様の実家であり、
更には誰も夕鈴殿がお妃様である事は知らないのですから、
危害を加えられるなんて事は万が一にもありませんよ』と。

しかし自分の唯一の花がもし危険な目に遭ったりでもしたら・・・と考えると、
万全を期してしまうのは仕方が無い事だろう。

漸く、夕鈴に逢える。
それだけで、浮かれていたのだと思う。
だからすっかりと忘れていたのだ、記憶が無いという事を。

訪ねて行った玄関先で変わらぬ姿を見て、思わず口元が綻ぶ。

「夕鈴っっ!!ようやく逢いに来れたんだ。
君がいないのは、太陽の光が雲間に隠れているようだよ。
今すぐにこのまま連れて帰りたいよ」

久々に会う目の前の夕鈴を、愛しさの余り我慢出来ずに抱きしめたのだ。

「放してくださいっっ!!一体あなたは誰なんですか?
私に何の用なのっ!!放さないと大声で人を呼びますよ!!」

僕の腕の中に囲われた身体を抜け出そうとして精一杯捩りながら、
キッと睨みを効かせる薄茶の双眸。
僕の事なんて、見た事も無い様な視線を向けてきた。
そこで、はたと思い出した。
そうだった、夕鈴には僕の記憶が無いの・・・・・だったんだ。

怯えからくる怒り。
そんなものを夕鈴から感じて、僕はパッと腕から開放してやった。
すると夕鈴はすぐさま4、5歩後退り、僕から距離を取って自分自身の身体を抱きしめていた。

そんなに、怖かったのだろうか―――。
言い知れぬ虚脱感が、身体を走り抜けた。


「ごめんね・・・久々に逢えたのが嬉しくて、思わず抱きしめてしまったんだ」
「・・・・・・そう・・・・なんですね。
分かりました・・・でも、もうしないで下さい。
私はあなたが誰なのかも分かりませんし・・・・」
「そうだったね、僕は李翔と言うんだ」
「李翔さん、ですか・・・・・・スミマセン、私と関係がある人なんですよね?」
「勿論だよ」

う~~んと唸りながら、夕鈴は考えている。
けれど全く思い出す気配もなく、コテンと首を傾げてしまった。

「いいんだよ、ゆっくりと思い出してくれればいいんだから」
「はぁ・・・・・・そうですね。それで、私に何か用だったんですか?」
「いや、用って程の事ではないのだけど」

言えなかった、ただ逢いたくて来たのだという事を。
これ以上、怯えさせる訳にはいかないから。

微妙に流れる、何とも言えない空気。
玄関の外から聞こえてくる下町の喧騒だけが、耳に入ってくる。

何か言わねば。
でなければ、きっと夕鈴は家の中に入ってしまう。
そうなれば、もう出て来ることは無いだろう。

何でもいいから。
何か話題を。

「今、どうしているの?」
「今って?」
「ああ、何をして過ごしているのかなと思って」

そんな事は知っている。
浩大から毎日報告を受けているのだから。
でもそれでも。
会話が出来れば、ここに居る理由になる。

「・・・・言わないといけませんか?
知らない人に」
「っっ」

絶句した。
二の句が継げぬとは、こういうことだ。

「そうだね、確かに」
「ですよね。で、ご用は何ですか?」
「いいんだ、君が健やかでいるのなら」
「ありがとうございます」

夕鈴はニッコリと微笑んで、僕を真っすぐに見ていた。
でもその瞳に映る僕は、夫ではない唯の他人。

もうこれ以上、何も言えなくて。
一言だけ。

「失礼するよ」
「はい、さようなら」

夕鈴は、ゆっくりと一礼をした。
その礼は、李順から仕込まれた妃然とした優雅なモノだった。



続く。








【交差しない道標・10】
2017年09月09日 (土) | 編集 |
こちらの話は特殊設定のお話になります。

下記の『彩怜シリーズ概要について』の部分をクリックして、
そちらに明記された記事をお読みの上で
お話へお進みください。
もし、その記事内容に一つでも引っ掛かる事がありましたら
そっとリターンしてくださいませ。
どうぞ 宜しくお願いいたします

彩怜シリーズ概要について



【設定】

未来設定(彩怜シリーズ) ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り

【注意事項】

こちらの話は彩怜クンシリーズの最初のお話、【最奥の鍵】より
以前の話となります。
なので、陛下は全く出てきません。

更に、捏造も甚だしく。
読む方を選ぶ内容になってます。

何でもOkだとお思いのゲスト様のみ
お進みください。





僕の目の前には、この小さな村からしたら結構豪勢な一軒家があった。
ここは―――僕は知ってる。
村長さんの家だ。

「あの、ここって」
「ああ、おチビ君の母ちゃんがいるところだよ」
「ホントに?」
「まぁな、あの露店商の店主が言っていただろ」
「確かに、面白い話として出てきたね」

そう言うと、僕の隣の浩大さんは目の前の建物を伺う様な鋭い目線を向けていた。
僕はただ黙って、見ているだけ。

それにしても、この浩大さんって何者なんだろう?
母さんの知り合いってだけで、それ以上の事は何も教えてはくれない。
僕も訊くのは憚れる様な気がして、その質問は心の奥に封じている。
でも、いい。
それでも母さんを助けてくれるのだったら、浩大さんが何者でもいいんだ。

「浩大さん・・・どうやって母さんの所に乗り込むの?」
「う~~ん、今考え中」
「・・・・・・」
「母ちゃんに何かあったら、オレの首が飛ぶからな~」
「首が飛ぶ?」
「そっ、おっかない狼にね」
「浩大さんは猟師なの?」
「猟師?はぁ?ハハッ、おチビ君は面白い事言うね~。
オレは猟師じゃないよ。まぁ、言うならば・・・ある人の道具」
「道具?」
「そっ」

浩大さんは、もうそれ以上は何も言わなかった。
そして僕に手招きして、玄関の傍に植えてある植え込みの物陰に誘う。
僕と浩大さんは、そこに座り込んでひそひそ声で話す。

「さて、乗り込む方法が思い浮かんだよ。
こういう時は、裏からとか建物の隙間からとかはしない方がいいんだ。
真正面から乗り込むに限る。
オレはこの村の人間じゃあねぇから、面は割れてない。
だから、村長に話しがあって来た近隣の村の人間の振りをして玄関から入るとするよ」
「じゃあ、僕はここで待ってるの?」
「おチビ君をこのままここに置いていくのは、得策じゃないから・・・・」

浩大さんは、その場にある朝露に濡れて湿った地面の土を一つまみ掴んだ。
そしてそのまま僕の両頬に塗りたくった。
更に浩大さんは自分の被っていた頭巾を脱いでズボンに挟むと、
両手で髪の毛をわざとぐちゃぐちゃに乱す。

「よし、これでいいな」
「僕って分からない?」
「まぁな、これでおチビ君は近隣の村のやんちゃ坊主だぜ。
オレは、村の青年ってとこだな。じゃあ、行くとするか!!」
「うん!!!母さん、今行くからね」

僕は胸を張って、浩大さんの後に続いた。
浩大さんは、扉を叩く前に僕の方に振り返ってニヤッと笑った。
それだけで、僕は安心出来た。
これから起こる事を予感して―――。
そう、母さんを取り戻すんだ!

「スミマセン、村長さんは居ってかな?」

浩大さんは、声音を変えて少し訛った話し方で扉の向こうへと話し掛けた。

「はい?村長に何用で?」

中から、女の人の声が聞こえてくる。
恐らく、村長さんの所に勤めている女中さんだろう。

「へい、ここの村長さんにお願いがあって来たんじゃが、
会わせてもえらえんじゃろうか?」
「面会のご予定だったでしょうか?」
「いやぁ、どうじゃっただろうか?おいは使いなもんでな。
でも確か、おいの村の村長と話がついてる筈なんじゃが」
「分かりました、ではどうぞ」

ギィィーと音がして、扉が開く。
僕と浩大さんは、スタスタと中に入って行った。
扉の向こうには先程から対応していくれている女中さんがいた。
その先導で、玄関へと歩いて行く。
敷地内はとても静かで、そこで何が起こっているのか、全く窺い知る事は出来ない。

母さんはここに居る―――。
何となく、僕にはそんな気配が感じられる。

「あの・・・村長さんは、今手が離せないとの事で少しお待ちいただく事になると思いますが」
「あれま、そうなんじゃね。
まぁ、それは仕方なかね・・・ほんじゃ、おいは待たせてもらうとしようか」
「そうですね、応接室はコチラです」

女中さんの案内で、応接室へと招き入れられた。
こんなにあっけなく、中に通されるとは思わなかった。
応接室に通されたとなると、母さんは何処かに監禁でもされているのかもしれない。
だって、お客さんとして村長さんに呼ばれたんだとすると、
僕達が応接室に通される訳が無いんだから。

「母さんは何処なんだろう」
「そうだな・・・・・まだ勝手には動けないからな。
取りあえずは村長の出方をみるか」
「うん」
「心配か?」
「・・・・・」
「大丈夫!お前の母ちゃんは強いんだから。
なんてったって、あの狼を御しえる唯一の女人なんだからさ。
だから心配すんな」
「狼を御す?それって浩大さんの首を飛ばす狼?」
「ハハハ、まぁな。
狼使いってとこかな」
「?」
「それはいいとして、折角お茶も出してくれたんだから飲んで待ってるとしようぜ」
「うんっっ!」

浩大さんは呑気に笑うと、茶杯を持って一気に飲み干した。
僕はそれを苦笑いで見詰めて、僕もそれに倣った。




続く。





やっと立ち戻れそうです。
2017年09月08日 (金) | 編集 |
秋の夜長に、こんばんは!!


最近はだいぶん涼しくなって、隣の公園からは夜、虫の音が聞こえてくるようになりました。
昼間は蝉がミーンミーンと鳴いてますけれども。

夏休みもようやく終り、通常生活が戻って参りました。
とは言いつつも、娘は夏休み疲れで今週体調不良を起こして学校を休みましたが。

私もサークルの方の頒布活動も軌道に乗り始めましたので、
一安心です。

私もここらで、自分のブログ運営に立ち戻ろうと思います。
書く書く詐欺で、ひと夏を越してしまいました。
・・・・私が宣言すると、何か事が起こって書けなくなるという呪いが発動する事を最近学習しました。
ホント、なぜ??と言いたくなるくらい。
私って、どうしてこうなのかしら?と首を傾げてしまいます。


なので、もう宣言しません。
それが一番いいのだろうと思います。


さて、立ち戻るにしても。
この2か月、話を1本も書いていなくて・・・何が途中だったのか?それすらも忘れているようです。

まずは読み返しからですね。


まぁ、そんな感じでいきます。


明日は、子ども達が土曜授業。
小学生の娘は引き取り訓練で、学校まで迎えに行きます。
普段、歩くことをしない私。
久々に旦那と散歩がてら、娘を迎えに行こうと思います。
筋肉痛にならないといいけれど。



それでは、失礼します。



瓔悠。