≪ 2016 01                                                2016 03 ≫
 - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 - - - - -

【設定】

夫婦設定 ・ 原作寄り





「陛下、今日って何日か知ってますか?」
「今日?」
「そうです」
「29日だったような」
「はい!!!今日は、4年に一度しか無い日なんです」
「そうだね」

夕鈴は、ニッコリと黎翔へと柔らかく微笑んだ。
こういう表情をするときは、決まって夕鈴は可愛い提案をしてくる。
それを知っている黎翔は口元を綻ばせた。
そして、そんな夕鈴が愛しくてたまらないとクイッと腰を浚った。

「キャッ!!もう、陛下っっ!!」

大きな腕の中で兎はもがいて逃れようとするが、
ニヤリと微笑む狼はそれを良しとしない。

「ねぇ、愛しいわが妃は・・・・何を企んでいるのかな?」
「えっ?・・・・企むって、何も企んでなんかいませんよっ」
「じゃあ、何?」
「え~~と、ですね。
折角ですから、自分宛てに書を書いてみませんか?
そしてそれは4年後の今日、開封する事にして・・・・」
「自分宛て・・・ね。
私は特に自分に興味は無いからな・・・書くことなんて無いが。
夕鈴になら、書いても良いが」
「そうですか・・・・では、私も陛下に宛てて書きますね。
なので、陛下、離してください」
「え~~離せないよ。
このままで書けばいいよ」
「だ・め・で・す!!」

夕鈴はキッと黎翔を一睨みすると、囲われた腕からスルリと抜け出した。
そしてサッサと料紙を用意すると、黎翔に背を向けてサラサラと書き始めた。

「夕鈴・・・何を書いてるの?」
「・・・・・・」
「夕鈴、4年後だなんて待ちきれないから、今見せ合わない?」
「・・・・・・」
「ねぇ、夕鈴」

真剣に書をしたためる夕鈴に、黎翔の声なんて届かない。
そんな夕鈴に業を煮やし、黎翔は実力行使に出る。

後ろからフワリと抱き締めると長い薄茶の髪を一房取り、チュッと口付ける。
そして髪を掻き分けて露わになった白い首筋に、フゥッと息を吹きかけた。
夕鈴はビクッと反応させて身体をよじってはみるものの、黎翔の求めに容易には応じなかった。

これ以上は無理だと思った黎翔は抱き締めたまま、静かに待っていた。

「出来ました!!!」
「じゃあ、見せ合うことにしようか」
「陛下、これは4年後ですよ」
「4年?それまで、待てないよ」
「でも陛下・・・・・・これがあるということは、私は4年後もここにいるということですよ」
「なるほどね!!」
「・・・・・・・あの、私・・・・・陛下からの書を4年後に読みたいから・・・・だから、それまではお傍に置いていてくださいね」

夕鈴は恥じらいながら、上目遣いで黎翔を見詰める。
黎翔はクスリと微笑んで、そっと夕鈴の瞼に唇を乗せた。

「全く・・・どうして僕の奥さんは、可愛いことを言ってくれるんだか」

そのまま抱き上げて、黎翔は寝所へと向かう。
これより先は、夫婦の時間。
蜜なる刻。


夕鈴の手からポトリと落ちた書。
そこに書かれてあったのは。
黎翔へのねぎらいの言葉と、今感じている幸せへの感謝の言葉の羅列だった。


「陛下、愛しています。
今も、これからも・・・・・・・・・そして4年後もずっと」



如月の月の最後の日。
4年に一度訪れる特別な日。

でもそれは仲睦ましき夫婦には、特に特別な日とはならず・・・・いつも通りの夜が更ける。




終。




**************



折角の閏年の29日。
何か書きたくて、お友達を誘っちゃいました。


私も何とか、書きました。
けれど、不完全燃焼的なモノに仕上がってしまいました・・・・・。
スミマセン。



だって、まだ洗濯物干さないといけないし
夕飯のお片付けも残っているんだもん!!!!

さぁ~~て、頑張りますか!!!







スポンサーサイト

【設定】

夫婦設定(新婚くらいかな?!) ・ 原作寄り 









今、私が感じる幸せなこと。
それは繋がれた手の暖かさを、互いが同時に感じられることで。
此処に私が存在する確かな証となる。

但し、それは二人きりであるならば・・・・・という条件付であるが。


********

優しい日差しが降り注ぐ午後。
それはこの政務室にも、柔らかく差し込んでくる。

「あの、陛下・・・・その・・・だから」
「夕鈴、どうした?」
「・・・・・」

分かっている筈なのに、意地の悪い陛下の言葉。
私は返事をする気力すらそがれて、抗議する言葉を押し止めて黙り込んだ。
その様子を見ている深紅の瞳は、キラリと怪しい輝きを放ち。
私はその瞳に惹きつけられる。
魅惑的な視線をそらす事なんて、私には出来るはずは・・・・・無い。

「夕鈴?」

ニヤリと口元に浮かぶ、妖艶な笑み。

もうっっ、陛下のイジワル!!
ここが何処かが分かってて、更に私が逃れられないことを知ってて私を離してくれないのだから。
これを『イジワル』と言わずして、何と言うのだろうか。

「陛下、お妃様もお困りのようですが」

李順さん、ナイスタイミングです。
もっと言ってください!!
・・・・これで、陛下も離してくれるはず。

ところが、全く離してはくれない。
それどころか、更に繋いだ指に力が込められる。
ただでさえも、膝に乗せられたままの私はかなりの忍耐力で以て羞恥に耐えているというのに。

もう勘弁してほしい・・・・・。

私の体温が徐々に上がっていくのが分かる。
もうホントに我慢の限界。

「陛下、私もう下がらせていただきます」
「何故?」
「私が此処にいては、政務も捗りませんでしょうから」
「そのような事はない」
「いいえ、陛下・・・私は室にてお待ちいたします。
それでは、失礼いたします」

私は陛下の膝から何とか降りてスクリと立ち上がると、
そそくさとその場を去ろうとする。
しかし腕を捕えられ、それ以上先へと動くことが出来ない。

「では、夕鈴・・・私がそこまで」
「いえ、とんでもありません。一人で参りますから」

陛下から、返事の言は聞こえてこない。
その代わりにスッと立ち上がると私を引き寄せ、腰に手を回す。

私は驚きの余り目を見開いたけれど、逃れる術は持ち合わせてはいない。
もう陛下の成すがまま・・・・・。
そしてそのまま政務室を後にし回廊へ。

「夕鈴、僕はいつも・・・・君と共にいたい」
「そのようなことを言われましても・・・・」
「もう離したくはない」
「陛下、私はもう何処にも行きませんから・・・だから・・・」
「離せないよ、だって君の背には羽根が生えているから。
勝手に何処かに行ってしまいそうだ」
「そんな事は、ありません。
それに私の戻る場所は、たった一つだけです」
「それは何処?」
「陛下のお傍だけですから・・・・・」

私は、少し背伸びして陛下の頬にそっと口付けた。
ホンの一瞬触れるかどうかの・・・キス。

「あの・・・・これは約束のキス・・・です」
「約束?」
「はい」
「どんな?」
「待ってます・・・・と」

そう言うと、途端に自分の大胆さが恥ずかしくなりカァッと頬が熱くなった。
私は両手の掌で、必死に頬の火照りを鎮めようとするけれど中々下がってはくれない。

「夕鈴、約束は此処にするものだよ」
「えっ??」

私が聞き返した唇に、陛下のソレが重なった。
暖かい。
熱を帯びた唇。

「へ、へ、へいかっっ!!!」

真っ赤になって抗議する私をよそ目に、陛下はクックッと笑っている。

「では、約束の印も頂いたことだし、私は戻ることにするよ」
「・・・・・・・・・」

私は陛下が立ち去るのを呆然と見ているだけだった。
心臓の音がドキドキと煩く響く。
それは陛下の姿が見えなくなるまで、治まることは無かった。

「もうっっ」

私は小さく抗議しながらも、嬉しく感じている自分がいる事に気付いて、
知らずに頬が緩んでいた。

こんな小さな幸せが心地良くて。
私の胸の奥に暖かな火が灯る。




終。






【設定】 

現パロ設定  ・ 恋人未満

【注意事項】

こちらの作品は【アリスの口づけ】とは、
全く違う設定の現パロとなっております。

二人が出会い、そして繋がり結びゆく展開を
お楽しみいただけましたら幸いです。











「では・・・・貴女は、社長の縁談除けの婚約者ということで」
「あの・・・」
「なんですか?まだ私からの話は終わってませんよ」
「す、すみません!!ただ一つ気になってまして」
「何でしょう?」

夕鈴は、目の前に姿勢正し立っている男性が何だか怖いと思ってしまった。
キラリと眼鏡の奥から放たれる目力が半端なくて。

でも訊かねばならない事は、そのままにはしてはおけない!!
そう思った夕鈴は、ビビりながらも言葉を繋ぐ。

「あの・・・・私、高校生なんですが・・・・社長の婚約者には相応しくないと・・・思うんですが」
「ああ、そんなことですか??それならば、全然大丈夫です。
高校生?それこそ大歓迎です」
「はい???」
「急に降って湧いたように出てきた婚約者・・・そんな人物が妙齢の娘さんだったら、ご令嬢方も偽物ではないのか?と怪しむことでしょう。
でも相手が高校生であるならば、まだ学生であるから世間には公表したくなかったなどとでも言えば、尤もらしいと思いましてね。
ただ如何せん、高校生となると周りに適当な人物がいなくて困っていたところに貴女といういい『鴨』・・・ゴホン、いえ、いい人物が現れてくれたということなんです」

社長秘書の李順さんのニヤリと微笑む笑顔がマジで怖い。
大丈夫なのか?無事に家に帰れるのか?と不安が押し寄せてくる。
でも、当の社長は・・・・それをニコニコして聞いている。


「あの、もう一ついいですか?」
「何です?」
「社長って、あんな感じなのですか??」
「あんな感じとは??」
「小犬みたいに柔和でいつもニコニコされているのですか???」
「はい???」

お互いの会話がかみ合わず、疑問符付きでの会話になる。

だって、先程から感じる違和感。
気になりだすと止まらない。
大企業の社長さんなのに、さっきからニコニコホンワカしている表情がダダ漏れで。
あのショッピングモール内の社長さんとは同一人物とは思えない。

「ああ、アレですか?
それならば心配は要りません、大丈夫です。
ああ見えて、表の顔は違いますから」
「表の顔?」
「聞いたことありませんか??
白陽ワールドビジネス・コーポレーションの若き代表には、二つ名があると」
「さぁ??」

知るわけないじゃないの!!!
だって、私はただの高校生なんだから。
経済新聞なんて読むこともないもの。

夕鈴は、ブンブンと首を横に振る。

「『狼陛下』と」
「はぁ?陛下?時代錯誤な(ボソッ)」
「何か言いましたか?」
「いえ、何も」
「ですので、社員たちの前では違いますよ」
「そうですか・・・・」
「このことは内密に・・・・外部に漏らすと、お父上のお仕事に影響しますよ」
「えっ?」

ウチの父さん、一応公務員ですが・・・・。
それほどの影響力があるの??この企業。
それってマジで大丈夫なの?私が関わったりして。

不安感が夕鈴の中で更に膨らんでいく。

「李順、お前、脅し過ぎだ」
「でも社長、これくらい言っておかないと、最近の高校生なんて信用できませんし」
「大丈夫だよ、この子はそんなことを口外したりしない」
「言い切って大丈夫なのでしょうか?」
「大丈夫さ・・・ねっ、夕鈴」
「は、はい」

えっ??私の名前、もう呼んでる。
もしかして、この社長って、女の人の扱いに慣れていたりする?
いわゆる『女たらし』だったり。
気を付けないと・・・・私、無事でいられないかも。

「さて、夕鈴!早速だけど、お仕事してくれるかな?」
「えっ、いきなりですか?」
「行きたくもないパーティがあってね・・・一緒に行って欲しいんだけど」
「今からですか?」
「夕方からだよ」
「・・・・・はい、わかりました」

いきなりパーティですか・・・・・。
はぁ、これは結構大変なバイトなのかもしれない。
締めて掛からないと。


「では、李順・・・今から出掛けてくる」
「行ってらっしゃいませ」

李順さんに告げると、社長さんは私の手を取ってドアを出ようとする。
それを見送る李順さんは深々と一礼していた。
私は状況が掴めず、そのまま社長について行くしかなかった。

1階までのエレベーターの中。
私はやっと声を出すことが出来た。

「あの・・・・あのっっ!!!」
「何?」
「手、手を離してください!!!」
「どうして?恋人同士だし、これが自然だと思うけど」
「・・・・・・・・・・・・・・・・恥ずかしいです」
「えっ?」
「私、男性と手を繋いだことなんて、中学校の運動会の時のフォークダンスの時以来で。
恥ずかしくて・・・・・・慣れてないんですっっ!!!」
「あはははは、可愛いね」

こう言えば離してくれると思った。
でも、そんなに事は甘くない。
繋がれた手は更に強さを増す。
隣を見ると、ニヤリと口角を上げて微笑む社長さんがいた。

「夕鈴、これくらいの事・・・・慣れないとダメだよ」
「・・・・慣れそうにありません」

自分の頬が熱くて熱を帯びている。
きっと真っ赤になっているんだろうな。
そして、心臓がドキドキって早鐘のようで。
鼓動が早くて、息苦しい。

私、こんな事できちんとバイトを全うできるの?
自信・・・・なんて無い。
だって今まで、恋人なんていなかったし。
それに、恋なんて・・・・よくわからない。
恋がわからない・・・だなんて、年相応でないことくらいわかる。
だって私は恋をしてる暇なんてないし。
家事だってあるし、青慎の為にバイトだってしなくちゃいけないし。
でも辛くなんてない。
恋なんてしなくても、それなりに日々は過ぎていくもんだしね。

でも、引き受けたからには。
私なりに頑張ろう・・・・・とか思ったりもする。

夕鈴は落ち着かない状況を少しでも忘れようと、
色々と思考を巡らせていた。
その方が、繋がれた手の温度を感じずに済むから。

そんな夕鈴にお構いなく、黎翔は繋いだ手を引っ張ってズンズン歩く。

「じゃ、行くよ!!僕の可愛い恋人さん」
「・・・・・・はい」

青空がまぶしい午後。
二人が歩く後には、影が寄り添って見えた。



続。








こんにちは!!!


結局、週末は怒涛の週末で
更新出来ずじまいでした・・・・・・・・・くすん。

旦那が仕事だったから、自分の時間が取れると思っていたのに~~
やっぱり主婦には自分の時間は中々出来ないものなんですね・・・・。


皆様はどんな週末をお過ごしだったのでしょうか??


さて、最近は寒い日もあり、春の陽気の先触れのような暖かい日もあり。
身体が何となく付いてこなくて困りものです。

でも庭には春の気配が沢山あって、
寒い中でも外で春を探しに行くのもいいなぁ~とも思ったりもします。


門扉のところに植えてある梅の花も満開を過ぎて
もう散り始めました。
でもふくよかな香りが心和ませてくれています。

DSC_0062.jpg 

DSC_0063.jpg  DSC_0065.jpg

桃の節句もすぐそこ。
節句が過ぎれば、ホントに春ですね~~

そして家庭菜園の脇には、蕗の薹がいつの間にか顔を覗かせていました。
春の味覚!!!早速天婦羅にして頂きました。
子供たちは『苦い~~~~』と顔をしかめてましたが、
大人の私達には、お酒のお供に頂きました!!

DSC_0066.jpg   DSC_0068.jpg


そして、沈丁花も咲いていまして
風に乗っていい香りを運んできてくれました。
一つ一つはあんなに小さな花なのに、ホントにいい香りだなぁ~~とホッコリします。

DSC_0067.jpg


でもまだまだ寒い日もあり
まだちらほらとインフルエンザも流行っているようです。
先程、息子のクラスが明日・明後日と学級閉鎖になる旨のメールが来ました。
はぁ~~~~~。
息子は元気なのにな~~
それに6年生だから、卒業まであまり日にちが無いのになぁ~~と残念に思いました。
息子はまだ帰宅していないので、帰宅したらどんな反応かなぁ~とボンヤリ考えたりしています。



さてと、夕ご飯の準備をしないと!!!!
今夜は豚汁に焼き魚にしよう~~~と。




瓔悠。








・・・・・・・・・・・・・・・・・。


疲れました。
はい。

どうして、こうも毎日忙しく
自分の時間が無いのでしょうかね。


今日は、息子クン。
眼鏡を壊して帰宅。
(いや、壊されてと言った方が正解ですが。)
眼鏡店に駆け込みましたが、早くて火曜日の夕方に
修理が終わるらしいです。
まぁ、彼は遠視の為、眼鏡が無くても生活は出来ますが。

しかし毎日、よくもまぁ~色々なことが起こるなぁ~と思える私の生活。
流石に身体が悲鳴を上げつつあります。
う~~ん、ちょっと疲れました。
まとめて寝たいですね~~~
でも明日も早起き。

いやはや、
出来れば明日か明後日には・・・・更新したいんですけどねぇ~~。
でも明日はバドのJr大会の審判に行くんですよね~~。
更新出来るかな?!




さぁ~~て、まだ残っている家事を済ませないと、寝れないなぁ~





【設定】 

恋人設定 ・ 現パロ設定

【注意事項】

この作品は、某SNSのコミュニティにて開催されたハロウィンパーティに合わせて
『花の四阿』管理人・さくらぱん様とコラボした作品を私なりに加筆したものです。

【設定】に表示しております通り、現代パロディの作品となっておりますので
ご注意の上で閲覧くださいませ。







どれくらい、そうしていたのだろう。

「ありがとう、夕鈴。 もう大丈夫だから」

頭を上げた黎翔さんが、ポツリと静かに呟いた。
少しだけ気恥ずかしそうに頬を染めて 、いつも以上に優しく微笑んでくれた。

その様子に、私はホッと息を吐き出した。
何か張りつめていたものが消えていくような感覚。

私・・・・黎翔さんを慰めることが出来たのかな?

「そう、みたいですね」

ようやく見れた彼の笑みに、私も微笑み返した。
観覧車の室内の空気に、温かみが戻った気がした。

「あの・・・それで、黎翔さん。
さっきのは?」

煌めく夜景を写し真っ直ぐな視線の彼の瞳に・・・・私が映る。
至近距離で見詰められて、私の頬の温度が増して真っ赤になる。
真剣な深紅の眼差しに、ウットリとする自分がいた。

「ねぇ、夕鈴・・・・・僕の話を聞いてくる?」
「はい!」
「あのね、君に、聞いて欲しいことがあるんだ。
さっきは、失敗したから・・・・・もう一度」

いつの間にか彼の膝に抱き抱えられて 、彼に左手を握られていた。
ドキドキしてきて、早打つ鼓動の音の大きさに私は驚いた。
自分の心臓の音なのに、黎翔さんに聞かれているんじゃないかって焦ってしまう。
私はそんな事を感じながら、彼の言葉を待つ。

息を呑んだ私には、刹那さえも長い刻に思える。
そして静寂は破られる。

「夕鈴・・・・・・僕と、結婚して欲しい」
「れ、黎翔さ・・・・ん」
「君と、幸せな家庭を築きたいんだ」

黎翔さんは私の左手の薬指に、ティア・ドロップ型の大きなダイアモンドの婚約指輪をユックリと嵌めてくれた。

その行為と告げられた言葉に、私の頭の中は混乱して何も考えられなくなる。
私は、『ハイ』とも『イイエ』とも『アリガトウ』とも、何も言えなかった。
驚いて、ただただその大きな指輪を見詰める・・・・。
そんな私に黎翔さんは私の瞳を見据えたまま、指輪のある左手の甲に口付けた。


その堂々たる振舞いに、私は王者の風格を感じていた。
それこそまさしく『狼陛下』。
彼の瞳が言っている・・・
『逃がしはしないよ、夕鈴。覚悟して』と。

その瞳は、雄弁だった。
私は彼に圧倒された。

「僕の花嫁は、君しか居ない」
「黎翔さん・・・・」

真摯で綺麗な深紅の瞳が、私を射抜く。
嘘でも冗談でもなく、黎翔さんが本気だということが分かった。

「ねぇ、YESなら、君から僕にキスして・・・・・僕の大切なアリス」

もちろん、『YES』だけど・・・・・むしろ、私でいいの?って思うけど。
私から黎翔さんにキスするの?
プロポーズは嬉しいけど、そんな返事の仕方なんて恥ずかしい。

私は顔を真っ赤にして、モジモジと躊躇ったままで。
隣の彼は、ただ黙って待っている。

「フフッ、夕鈴は相変わらずだね。
まぁ、僕が見ているんじゃ返事をもらえないっか!!
じゃあ、僕は目を瞑っているね」

小犬のように無邪気に、そして穏やかに笑う黎翔さん。
クスクス笑いながら、そっと瞳を閉じた。

え~~~~、待ってるって!?
いやん・・・・お願いだから、そんなに期待して待たないでっっ!!!
私、どうしていいか、分からなくなるじゃないの~~。

きっと黎翔さんは、ずっと瞳を瞑ったままだと思う。
私は、短く息を吐いて覚悟を決めた。
返事をするべく彼の肩に両手を置いた。
両手が熱い・・・・・黎翔さんも少し体温が上がっているみたい。
私の熱と彼の熱が絡み合う。
躊躇いながら、少しずつ彼の唇に唇を重ねるために近付けた。

小さく震える唇が、彼に触れた時。

『シュ……
ドドーーーンッッ!!!!!!』

また、外で花火が上がった。
でも、今度は花火の音なんて耳には届かない。
何度も、空は眩い閃光で光る。
天上で大きな花が何度も開く。

でも、私はそれらすべてを見ることは出来なかった。

だって・・・・・私からの口付けは。
黎翔さんの口付けにとって代わられ、段々と深いモノへと変わったから。
お互いを求めるような、より激しい口付けに。

『ねぇ、黎翔さん・・・・・・・私の答えは、YESです。
・・・・・あなたを、いいえ、あなただけを愛しているんです』

言葉では無くて。
深い口付けで。
私の想いを黎翔さんに伝える。
それは、夜空を彩る花火が終るまで止まらない。


私はこの先ずっと・・・・・いつまでもあなたを愛しています

私の胸の奥の想いを、
ただ一人だけに捧げます。

一番大切なあなたへ。
それは、私だけのカッコイイ帽子屋さん・・・・・・。

だから、私を一生傍に置いてくださいね。


私は、アリス。
貴方だけの・・・・・・。





終。



*************

ご拝読、有り難うございました!!!
ようやく『終』です。
お付き合い、有り難うございました。

私自身、楽しく書くことが出来ました。
さくらぱんさん、この場を借りましてお礼申し上げます。
『コラボ楽しかったです!!!
そして、こうして加筆を了承くださり有り難うございました。
また、是非コラボしてください。
宜しくお願いいたします』



それでは!!!


瓔悠。



あっ、気が向きましたら
おまけをまた書きたいと思います。
その時は、どうぞ宜しくお願いいたします。






















【設定】 

現パロ設定  ・ 恋人未満

【注意事項】

こちらの作品は【アリスの口づけ】とは、
全く違う設定の現パロとなっております。

二人が出会い、そして繋がり結びゆく展開を
お楽しみいただけましたら幸いです。









空が白んできた。
長い夜が明ける。
一睡も出来ないまま、朝が来てしまった。

「はぁぁ~~もう朝かぁ。全く気が重い・・・・」

夕鈴は布団から出て机の上に置いてある名刺を手に取り、
それに書かれてある文字を凝視する。

「・・・・珀 黎翔さんねぇ。行くのは怖いけど、悪いのは私だしね」

両手を天井の突き上げて、大きく伸びをする。
そう、縮込んだ自分を奮い立たせるために。


********


事の起こりは、先週の日曜日に出かけたショッピングモールでの出来事。

ある人のPCを派手に壊してしまい、即金で弁償出来ない私は相手の言うがまま。
どうにも怪しげなバイトを請け負う羽目に。

別れ際、渡された1枚の名刺。
そこにはその相手の名前と、ある住所が書かれてあった。

『白陽ワールドビジネス・コーポレーション 
代表 珀 黎翔』と。

「あの・・・・・私はどうすれば・・・いいんでしょうか」
「そうだね・・・準備なんかがあるから、
来週の土曜日にここに来てほしい」
「ここって、この名刺に書かれた住所にですか??」
「そうだよ」
「・・・・・はい、わかりまし「あっ、逃げようなんてことは思わない方がいいよ。
何処に逃げても、ウチの情報網を駆使して探し出すから」」

目の前の鋭い深紅の瞳に気圧される。

「に、逃げたりしませんよ!
悪いのは私なんだからっっ!!」
「では、次の土曜日にね」

それだけ告げると、さっさと卓上のものを小脇に抱えていなくなってしまった。
私はその場に立ち尽くして、茫然としていた・・・・明玉に肩を叩かれるまで。

「何なのよ~~~~~~~」


*********


それからの1週間。
ろくに勉強も手につかず、悶々として過ごしていた。
テスト期間でなくて助かった・・・ってホントに思ったほどで。
明日は、いよいよ・・・という晩になって、
急に心臓がバクバクしてきて眠れなくなってしまっていた。

そうして・・・冒頭へと。

「さてと、行くことにしましょうか!
何を言われてもさせられても、我慢よ!我慢っっ!!」

しっかりと自分に言い聞かせて、家を出る。
そして右手には、もらった名刺を握り締めて。

書かれてある住所は、街のど真ん中にある高級オフィスビル街の中。
いわゆる一等地にそびえたつ、高層ビルディングの最上階。

そこまではバスと徒歩。
ドンドン近くなるにつれて、胸の内に逃げたい気持ちが湧いてくる。
でも別れ際の言葉が耳の奥で繰り返され、
寸でのところで逃げたい自分を押し留めていた。


そうするうちに、ビルの前。
一つ大きく深呼吸してから、足を踏み入れた。

入口には、綺麗なお姉さんがいる受付が。

「あの・・・・社長さんにお目に掛かりたいのですが」
「どのようなご用件で?
お約束はお有りなのでしょうか??」

受付のお姉さんが訝しんだ視線を私に向けてくる。

そりゃ、そうよね・・・こんな高校生が社長に用があるだなんて、
思えるはずはないもの。

「実は、今日の2時半にお約束をしていて・・・・」
「では、お名前は?」
「はいっっ!!!汀 夕鈴と申します」
「わかりました、少々お待ちいただけますでしょうか?
秘書室に確認を入れますので」
「宜しくお願いします。

待っている間、キョロキョロと回りを見渡す。
大きな窓があって、光が差し込み床がキラキラしていた。
掃除も行き届いているようだ。

バイトがこのビルの清掃とかだったらいいのに。
私、掃除なら自信があるのよね~~~
大体、バイトが婚約者の振りだなんて、あり得るはずがない!
あれはきっと私を揶揄ったに過ぎないのよ。
だから、バイトも掃除とか・・・そんなところだわ。

「あの、汀 夕鈴さん。秘書室で確認が取れましたので、どうぞ」
「有難うございます」
「では、そこの右端のエレバーターを使って下さい。そちらは直通ですから」
「はい」

直通?
どれだけ金持ちなのよ。
社長が使うだけの為のエレバーター??
全くもって、勿体無い!!!


夕鈴は受付のお姉さんに笑顔で一礼すると、
すぐさま指定されたエレバーターに乗り込んだ。
そして1つだけある行先のボタンを押した。
すぐに扉は閉まり動き出し、目的の階まで2分もかからなかった。

扉が開かれると・・・そこには見知らぬ男性が一人立っていた。

「ようこそ、汀 夕鈴さん」
「はっ、はい!こんにちは、汀 夕鈴です」
「こちらです、社長も待っていらっしゃいますので」

眼鏡を掛けスラリとした長身の男性は、さっさと歩いていく。
私は遅れまいと早足でついて行くと、廊下の一番奥に『社長室』と書かれたプレートのドアの前で、
その男性はピタリと止まった。

「ここです、どうぞ!」
「はい・・・・・・」

私はドアノブに手を掛けて、ゴクリと息を呑む。
扉を開けたその先には、先日の男性がビシッとしたスーツ姿で佇んでいた。

「1週間ぶりだね。
「その節は、大変ご迷惑をおかけしました」

私はまずは深々と頭を下げて、謝意を表す。
そのまま頭を上げずにいると、頭上に低い声が落ちてきた。

「そうだね・・・実は、あのPCは最新式で、結構値が張るんだよ」

ヒェ~~~。
でもそうですよね。
こんな立派な会社の社長さんが使う位だから。
ど、どどど、どうしよう。

「ス、スス、ススス、スミマセンっっっ!」

余りの恐怖で、声が上ずる。
しかし、私の謝罪なんて気にしない風で、社長さんの言葉は続く。

「まぁ・・・ね、それを現金で弁償しろ!なんて事は言わないけど。
その身体で返して欲しいんだ」
「ハイっ、体力にはそこそこ自信はあります!
掃除は特に得意なんです」
「掃除ぃ???あははははは~君、面白い子だね」
「???」

夕鈴は、薄茶の瞳を大きく見開く。

「・・・・掃除では、返せませんか??」
「そうだね、返せないことはないけど。かなりの期間が掛かってしまうよ。
それよりも手っ取り早い方法があるから。
そっちのほうがいいよ・・・というより、君のバイトはもう決まっているし」
「は、はい?」
「先日言っただろ、『婚約者になって』とね」
「いや、あれは・・・揶揄っただけでしょ?」
「いいや、違うよ」
「えぇぇぇぇ~~~~~~~~~~」
「何ですか?その声は!!!これはバイトの前に教育が必要ですね」

私の悲鳴に似た声に反応して、そこに控えていた眼鏡の男性が会話に割り込んできた。
そういえば、この人誰なんだろう??

「あっ、紹介して無かったね。これは李順・・・僕の秘書だよ」
「は、はじめまして・・・汀 夕鈴です」

夕鈴は偉い人だということが分かった途端、深々と頭を下げた。
そんな姿を見ると、李順は『宜しい』というように、ウンウンと頷いてみせた。

「さて・・・・汀 夕鈴さんでしたね。
地方公務員である父親と中学生の弟との3人家族で章安地区の借家暮らし。
公立高校に通う17歳で、学校と家とバイト先との往復が毎日の生活。
そして、母親がいないために家事一切を学業と両立している・・・・そんなところでしょうか」
「・・・・私の事、よくご存じなのですね」
「勿論ですよ、調べさせていただきましたからね。
社長の偽の婚約者だとしても、素性くらいは」
「・・・・・・・・・・・私、やっぱり婚約者の振りをするのがバイトなんでしょうか??」
「そうだよ、よろしくね」

そう答えた社長さんのニッコリ笑顔。
この前見せたあの妖艶で策士の笑顔とは大違い。
あの時は牙を向けた狼のような感じだったけど。
今のは、育ちのイイ小犬のような笑顔である。
この笑顔に、一体誰が逆らえよう・・・・・・。

「・・・・・不束者ですが、宜しくお願いします。
兎に角頑張って、壊したPC代はお返し致します」
「そう?それは言い心掛けだね。よろしくね、夕鈴~~」

私はただ、そう言うしかなかった。
こうして私の『極めて非日常』が始まりを告げた。




続。





こんばんは!!!


身体のアチコチが痛くて悲鳴を上げてます。
肩、腰、背中、太腿、脇腹・・・・もう身体全身。
それというのも・・・・昨日は息子の学校行事でして。
仕事の後に疲れ切った身体を引きずって行きました。

親子レク。
うん、これは体力勝負!!!
仕事後の私は大人しくしておこう・・・・・。
そう思ったのもつかの間。

まずは、ボール運びゲーム。
クラスを親子混ぜ混ぜの2つのグループに分けて、3クラスで6チームで勝負。

それぞれ、運ぶものは・・・・・
しゃもじとテニスボール。
計量スプーンとピンポン玉。
団扇と風船。

これのどれかに当たるとなり、運びやすいものがいい!!
と思うのは誰も同じ。
で、あみだで決定。

まずはしゃもじとテニスボールだったのですが。
各チーム人数を合わせることになり・・・・・親の中で2回走る人が。
一番前にたまたま座った私にお鉢が回ってきました。

はい???私ですか???
・・・・・・・・・・そうです。
仕方ありませんね。
頑張りますよ!!
と頑張りました・・・・・・・。
思ったよりも運びやすく、全体の3位でした。

で、2回戦は計量スプーンとピンポン玉。
これはスッゴク安定感があって、かなりの早足・・・というより走って運べました。
タッチの差で2位にはなりましたが、子供たちは大喜び!!


次は・・・・・・・・・・運動マットを2枚並べて、
その上に何人乗れるかな??ゲーム。
これはクラス対抗。
乗れれば、どう乗っても自由。
で、考えた作戦が・・・・・身体の小さな子は親(大体の出席者はママですよね)が肩車。
・・・・・・・・ウチの息子はクラスで一番のおチビさん。
勿論、私が肩車。
このゲームは一斉に乗るのではなく、先生が数を数えて乗っていくとなるので
始めに乗った人はかなりその体勢で我慢を強いられるんです。

で、ウチの息子の番は3番手、私は4番手。
・・・・・・・・・・・・・・・肩車組は広い内に肩車した方がいいという作戦で。
結果、恐らく10分以上は狭い空間で息子を肩車してました。
最後はもうただただ我慢。
『もう無理~~~~~~~』と叫んでました。
で、結果は55人!!!
でも2位。
1位は56人で・・・・・一人違い。
く、く、くやしい~~~~。
そしてその後、肩車していたママさん達とお互いの頑張りを称えあってました。
ヘンな連帯感。
仲の良いママさんとハグして褒め合いました。

息子は現在30キロちょっと。
何年振りに肩車なんてしたことでしょうか?
チビな息子も、大きくなっているんだなぁ~~と思いました。


そして、最後は勝ち抜きじゃんけんゲーム。
息子のクラスが見事1位になり、総合優勝を修めました。


で、最後は・・・・・・・・子供たちから、
親に宛てての『手紙』を渡されました。
便箋には『お父さん、お母さんへ』とあり。
中身を読むと、じんわりと涙が・・・・・・。

最近、超絶生意気な息子。
でも手紙の中の言葉には、優しさと成長が窺えました。
少し前にリアでちょっと騒動を起こした息子。
私の悩みの種をまた増やしてくれましたが、
その手紙の中で私達に謝罪してくれてました。

『可愛い所もあるなぁ~』と思い、
大切に封筒に収めました。


卒業まで、あと1月ほど。
楽しんで小学校生活を送ってもらいたいものです。




そしてその子供たちは・・・・・
今日は久しぶりにジジババ宅にお泊り。
旦那と二人でゆっくりとしようと思ってます。
さぁ~~て、羽をのばしますか!!!!




瓔悠。





【設定】 

現パロ設定  ・ 恋人未満

【注意事項】

こちらの作品は【アリスの口づけ】とは、
全く違う設定の現パロとなっております。

二人が出会い、そして繋がり結びゆく展開を
お楽しみいただけましたら幸いです。










視線がかち合った・・・などと言うことは無いと思いたい。
いや、思いたかった・・・・・・・。

その後、この時の事を思い出しては、
振り返るんじゃなかった・・・と大いに後悔する夕鈴はそう思う。



************




「・・・・見つかったぞ、恰好の相手がな」


ニヤリと口角を上げて、嫣然と微笑んでいる見目麗しい男性。
その男性の名は、珀 黎翔。
御年21歳ではあるが、白陽ワールドビジネス・コーポレーションの若き代表である。
これは親から引き継いだ会社であったが、彼が代表になってからは業績も右肩上がりで、
今や飛ぶ鳥を落とす勢いの急成長企業なのである。

だからなのか、それとも彼の容姿が成せるものなのか、
いわゆる良家のご令嬢からの縁談の申し込みが後を絶たず、
ハッキリ言って業務にまで支障をきたすほどとなっていた。

それで、彼は自分のオフィスにいると面倒な事が転がり込んでくるために、
こんな街中のショッピングモール内で仕事をこなしているというわけである。

何故、ショッピングモールなのか??
それなら、高級ホテルなんかでもいいのではないか??
そうなるのであろうが・・・そこはそれ、意外な場所の方が捕まらずに済むのだ。
高級ホテルなんて、ご令嬢たちの手が回っていることなんて大いにある。


はてさて、自分のアイデアに叶いそうな女性だと踏んだ黎翔は、
すぐさま立ち上がると、その女性に近づいた。
それは、それこそ友人を待っていた夕鈴だった。

「そこのお嬢さん!!割のいいバイトがあるんだけど、やってみない??」
「えっ?バイトですか??」

バイト???
いきなり、なんなの、この男性??
スッゴクイケメンだけど、もしかしてこの男性怪しいバイトの勧誘員??
ほら、その・・・・金額はいいけど・・・・的な。

「イエ、間に合ってます!」
「そんな事、無いでしょ!だってさっきからここで眺めてるだけみたいだし」
「うぐっっ・・・・そ、そんな事、有りません!!
今からですから!!!」

ぐうの音も出なくなりそうな夕鈴だったが、
お腹に力を入れて強気の発言をする。

「じゃあ、どうして買い物しないの??」
「・・・・・と、友達を待っているんです」
「ふぅん~でも、中々来ないようだね」
「そうですね・・・・」

なんなの?この人。
私がお金がないからウィンドウショッピングをしていることを見透かしてる。
実は、探偵とか?
でも私、探られるようなことはしてないわよ。

「あの・・・私、待ち合わせがあるんで」

ここは退散した方が、身のためだ。

夕鈴は立ち上がってその場を去ろうとした。
でも、去ることは叶わなかった。

だって、しっかりと手首を掴まれてしまっていたから。

「離してください!!」

手首を離してもらおうと、力を込めて自分の腕を引いた夕鈴。
精一杯の力で引いたもんだから勢い余って、つんのめって身体がよろめいた。
そして掴まれてない反対の手でテーブルの端を掴んだ・・・・・・つもりだった。

『ガシャン!!!!』

大きな音がして、ビックリして夕鈴は目を瞑った。

「あ~~あ、お嬢さん、大変なことをしてくれたようだね」
「はい?」

目を開いて見てみると、
床の上には、無残にも壊れてしまっている小型のPCが。

「ご、ご、ご、ごめんなさい!弁償しますっ!!
でも、今そんなに私持ち合わせがなくて・・・・・どうしよう。
あっ、私、何でもしますから、何か言いつけてください!
で、きちんとした弁償は後日ということで!!」

夕鈴は真っ青になって、しきりと目の前の男性・・・そう、黎翔に謝り倒していた。

「何でもしてくれるの??」
「はっ、はい、何でもしますから!!」
「じゃあ、お嬢さん・・・・バイトしてくれる?」
「・・・・バイト??」
「うん、僕の婚約者になって!!!」
「こ、婚約者ぁぁぁぁぁぁ~~~~~~」

素っ頓狂な声を上げる夕鈴。
それとは対照的に策士の笑みを浮かべる黎翔。


こうして・・・・・夕鈴の波乱万丈なバイト生活が幕を開けたのであった。





続。







【設定】 

現パロ設定  ・ 恋人未満

【注意事項】

こちらの作品は【アリスの口づけ】とは、
全く違う設定の現パロとなっております。

二人が出会い、そして繋がり結びゆく展開を
お楽しみいただけましたら幸いです。










ザワザワザワ・・・・・・。

賑わうショッピングモール内。
行き交う人々の会話がざわざわと耳に届く。

「はぁ・・・・まだかな」

モール内に設置された休憩用の椅子とテーブル。
そこに腰かけて、頬杖をついてボォ~と行き交う人の流れを見つめていた。
私の横を通り過ぎる人は、カップルに子供連れの幸せそうな家族とか、
後は仲の良い友人同士・・・ホントに様々で。
見てるだけでもなんだろう、ワクワクしてくる。

今日は久々にバイトも入ってない日曜日。
共に過ごす恋人も特にいない私は、退屈しのぎにウィンドウショッピングにやってきた。
散財してくれる父がいる関係上、
無駄なモノは買わない!!お金は大切にしないといけないと身に付いてしまっている。
だからこそのウィンドウショッピング。

あっ、そうそう私の名は汀 夕鈴。
地方公務員の父と、可愛い中学生の弟との3人暮らし。
家計を助けるためにバイトに、そして学生らしく学業に勤しむ堅実的な女子高生。


今日は一人なのか???
いいえ、そこはそれ・・・私と同じ恋人のいない友人と共にだったんだけど、
その友人が未だに来ない。
もうずいぶんと待っているというのに。

「時間、間違えたかな~~~」

スマホの画面に映る時計のデジタル文字を見つめながら、ポツリとつぶやいた。

「どうしたんだろ??連絡くらいあってもいいはずなのに」

律儀な友人であるから、連絡もない事に違和感が。
ここはこちらから連絡すべきか??

「仕方ない、電話するか」

『プルルル~~プルルル』

出ない。

呼び出し音はするものの一向に出る気配はなく、
結局留守番電話のアナウンスが流れてきた。
仕方なくメッセージだけは入れておいた。

「おいっっ!!それくらいお前が片付けておけっっ!!
はぁ??なんでそれを私に言うのだ!」

背中越しに威圧的な声が雑踏の音に紛れて聞こえてきた。

何?
誰??
こんなとこで、何を怒鳴っているの???

声だけを聞くと若い男性みたいだ。
背中越しだからそれが当たっているのかは分からないけど。

私は少し興味が湧いてきた。
どんな人なんだろうと。
それに何をしている人なのかな??と。

営業マン??
ゲーノー関係者??
はたまた何処かの先生??

どうしても気になって、振り返りたくなった。
でもそれは失礼な事だということは重々承知しているから、
我慢!我慢!!

でも。
それでも。
襲い来る好奇心には勝てない。

私は、恐る恐る振り返ってみた。

そこには。
見目麗しい若い男性の姿。
椅子に浅く腰かけ、長い脚を組んでいる。
右手にはスマホが握られていて、まだ電話先の相手と話しているようだ。


うわ~~~カッコイイ。

視線が釘付けになってしまって離せない。
すると・・・・・・男性の視線も私に注がれ。
妖艶な口元がニヤリと微笑んできた。

「・・・・・見つかったぞ。恰好の相手がな」
「はい?」


その一言が、私の人生を大いに変えることになるなんて
その時は思いもよらなかった。






続。





【設定】


夫婦設定 ・ 原作寄り



前編から、かなり間が開いてしまいました!!
復習したいゲスト様は、下記リンクからどうぞ~~

淡雪は静かに降り積もる・前編






夕鈴は、軽い足取りで歩いていた。
久々の下町に、胸が高鳴り歓喜の気持ちが溢れる。
往来で思わず小躍りしそうなほど。
それは、『羽を伸ばす』とは各あることかのように・・・・・・。

「さぁ~~て、頑張って手に入れますか!!」

独り言ちると、夕鈴は足早に目的の場所を目指す。
手に入れるのならば、今の時期しかない事を思い出したのは昨日の事。
侍女さんたちとお茶をしていた中での会話で、不意に思い出したのだ。

陛下にお渡ししたい。
陛下の喜ぶ顔が見たい。

黎翔の喜ぶ表情を思い浮かべて、夕鈴の顔にもふんわりとした笑みが浮かぶ。
その想いに呼応するかの様に、足取りは早まっていた。

「着いた~~!」

そこは、すでに行列が出来ていた。
下町ではこの時期の恒例となっている風景で、夕鈴はさして驚きもしなかった。
列の最後尾に並んで、キョロキョロ列の先の方を伺ってみる。
そこには自分と同じくらいの若い娘さん達でワンサカと賑わっていた。

今日は殊更に寒くて、ただ並んでいるだけでは凍えてきそうになる。
夕鈴は、その場で小さく足踏みをし始めた。
両手を擦って、冷たくなった手を少しでも温めようとする。

「今日は、ホントに寒いわね」

空を見上げると、そこに広がるのは鈍色の色。
今にもチラチラと白い雪が落ちてきそうである。


*********


その頃、黎翔はというと。
王宮は遠くにそびえ、既に下町の中心まで来ていた。

「夕鈴は、何処にいるのやら」

黎翔は人の行き交う往来を目を凝らして見つめる。
そこに愛しき兎の姿が見えないものかと・・・・。
兎に角、逃げ出した兎を捕獲するまでは安心出来なかった。
その脳裏に浮かぶのは、夕鈴の事だけ。

やはり、夕鈴は王宮を窮屈に思っていたのか?
それほどまでに下町を恋しく思っていたのか?
私といるだけでは、満足出来ないのだろうか?

考えていると、段々鬱々とした気分になってくる。
『狼陛下』なんぞ言われていても、唯一愛しい人の気持ちさえ御しえないのは情けなくなってくる。
考えれば考えるほどドツボにハマってきて、
そこにいない夕鈴がもう自分の元へは戻っては来ない気さえしてくる。
それはただの妄想だとは思えないほどに・・・・・。

「夕鈴・・・・・・・・・・・」

黎翔は空を見上げた。
自分の気持ちと同じような、灰色の空。
そこから、白いモノがヒラヒラと落ちてきた。

「雪・・・・・・・か」

黎翔は掌を広げて天へと向けた。
そこに落ち来る白き雪。
雪は落ちた途端、自分の体温で瞬時に溶けて水になった。
それでも、後から後から黎翔の掌に落ちて来る。

それは・・・・・・
淡いモノで。
儚いモノで。
頼りなげで。

今の自分が感じている夕鈴との関係の様に思えて、
知らずにため息が漏れた。


「へ、へい・・・・・・いや、李翔さん・・・・ですよね」

様子を伺うように、ゴニョゴニョと濁る声が背後からした。
この声は、紛れもなく愛しき妃のモノ。
そう、夕鈴の・・・・・声。

「ゆ、夕鈴?」

振り返った先には、小首を傾げた夕鈴がいた。
どうして、こんなところに陛下がいるんですか?という視線を黎翔へ向けて。

「夕鈴、何処に行っていたんだっっ!!」

黎翔の語尾は、強めに響く。
ホントは安心しているくせに。
それを見せないように・・・・と。

「えっ?ご、ごめんなさいっ!!!」

いきなり叱られた夕鈴は、取りあえず深々と頭を下げて黎翔に謝った。

「あっ、こっちこそ、ごめん。怒るつもりは無かったのだが・・・・」
「いえ、大丈夫です。でも、どうしてこんなところにいるんですか?」
「それよりも、夕鈴・・・・・もう僕のお嫁さんが嫌になった?」
「は、はい??」

いきなりの黎翔の質問に、夕鈴は面食らった。
下町に買い物に来ただけなのに、どうしてそんな事を言われないといけないのか?

「どうして・・・・・・・李翔さんのお嫁さんが嫌になった、になるんですか?
私は下町にお買い物に来ただけですけど」
「だって・・・・・・・僕に何も言わないで、李順に言って出て行ったから。
てっきり、僕は僕の傍にいるのが嫌になったんじゃないかって」
「そんな事あるはずがありません!!!!!」

夕鈴はキッパリと言い放った。
その言葉に黎翔は緊張が解けたようで、肩がカクッと落ちた。
どうやら、緊張で肩が怒って上がっていたようである。

「ねぇ、夕鈴・・・・・ここに何しに来たの?」
「ああ、それは」
「それは?」
「フフッ、帰るまで秘密です」

夕鈴は、手に持った包みを後ろ手に隠す。
そして黎翔に向けて、ニッコリと笑って見せた。

「僕のお嫁さんは、存外意地悪なようだ」
「え~~、そんなことはありませんよ!」
「いや、意地悪だ」
「そんなことはあり・・・・・・・」

膨れっ面をして抗議しようとする夕鈴の口元が遮られた。
・・・・・・・黎翔の唇で以てして。

「ち、ちょっ、李翔さん!!!ここは往来ですけケド」
「関係ない」
「関係ないって・・・・いや、それは・・・マズい・・・と」

黎翔は全く意に返すことなく、夕鈴を抱き寄せて更に口付ける。

「これはお仕置きだから・・・」
「お仕置き?」
「うん、僕を不安にしたお嫁さんに対しての」
「・・・・・・・・・」

夕鈴は何が何だか分からないまま、黎翔に身を任せた。

無題


優しい口づけ。
それは離れがたく、甘い口づけ。


空から次々に振り来る淡雪は、二人の熱を吸収して溶けていく。
でもそれに追いつかないように、降ってくる。
それは、地面を白く染め始め・・・・・辺りの雑多な色を白一色へと変えていく。

「夕鈴、帰ろうか?」
「はい、そうですね。
私達のお家へ」
「そうだね」
「はい」

二人はどちらからと無く、手を繋ぐ。
温かい・・・・。
降り続ける雪は冷たくとも、二人は全く冷たくは感じなかった。




終。




この作品は、私のバースディにダリ子様から頂きましたイラストへ
厚かましくも私がお話を付けさせて頂いたモノです。

ホントに素敵なイラストでして・・・・。
小躍りしましたの~~~。

皆様にも見ていただきたく、UPさせて頂きました。
どうぞ、イラストのみご堪能下さいませっっ!!!!

ダリ子様、有り難うございました~~~~。
スッゴク嬉しかったです!!!

瓔悠。







こんばんは。

ここ何日か、ご無沙汰してました。
気持ちが乗らなくて。
少し前に起こったリアの事件が尾を引いてまして。

自分の思い通りにならない・・・・のは歯がゆくもあり、
当然だという気持ちもあり。
はぁ~~~とため息しか出てきません。


でも、ここらで少し切り替えていこうと思います。



さて、ここ3日ほどお天気も良くて、
お洗濯物も外に干せたので、主婦にとってはありがたかったです。

そして今日のお昼は日差しもあってポカポカ陽気でした。
春の様でした!!
子供たちも『暑い~~』と言いながら、コートも着ずに外で遊んでいました。
思い返せば先月の大雪から半月も経っていないんですけどね~~~


そんな中、庭の梅が3輪ほど咲いていました。
桃色の可愛い花弁を見ていると、
ホッと心が和みました。

DSC_0044.jpg
咲いていたのは3輪だけでしたが、ほかの蕾も大きく膨らんでいるものもあって
来週辺りには、かなり咲きそうだなぁ~~という感じです。

DSC_0046.jpg



さぁ~~て、今日はもう家事も済んだことだし、
何か書くことにしようかな。
でも、書き上がるのかな?!


明日は息子の学校行事。
卒業前の最後の親子行事。
親子レクだそうです。

何をするのかは分かりませんが、
息子が結構楽しみにしているようで・・・・。
『ママ、明日は来てくれると?』
と先程、聞いてきました。
『仕事が終わったら行くつもりやけど、行ったらいけんと?』
とわざと言ってみました。
すると、
『いや、来てほしいし~~』
と言ってました。
反抗的な態度で毎日私から怒られてばかりだけど、
案外可愛い所もあるんだなぁ~と感じました。

さぁ~~て、明日は老体に鞭打って頑張ってきますかっ!!!


それでは!!!


瓔悠。



あっ、そうそう。
皆様の優しいお心遣いに甘えて、
ずっと返信していなかったコメントを
今日、全て返信レスしています。
1月からコメントくださったゲスト様。
最新コメント欄より、ご確認下さいませ。
・・・・・漏れは無いと思いますが。
沢山のコメント、有り難うございました。
ペコり。







こんばんは~~

日曜の夜、いかがお過ごしでしょうか?


今日はバドの試合に行ってきました。
団体戦でしたが、1勝1敗。
そしてチームも1勝1敗で優勝は出来ませんでした。
まぁ、私自身1敗はしましたが、実りある試合内容だったと思います。
最近の鬱々としたものは少しは吐き出せたような気がいたします。

そして、一つ嬉しいことが。
昨日の事ですが・・・・私が娘のシュシュを作っていると、
娘が来て『私も作りたい~~ママが明日試合にして行ってほしい~~』というので、
作り方を教えて私の分を作ってもらいました。
初めてにしては結構な出来!!
今日はそれで髪を結んで試合に臨みました!!!
だから1勝できたのかな?!

DSC_0034.jpg
左が私作、右が娘作です。

DSC_0035.jpg
試合用のユニホーム。
オレンジなので、シュシュの色も合ってます。




そして最近、ラテがマイブームでして・・・・。
コンビニのコーヒーを飲むのもラテ。
これって家では出来ないの??とか思ってネットで調べたら
出来るではありませんか???

そしてラテに使う牛乳を泡立たせる器具を見て
『はて?これは何処かで見たような・・・・・・』
そう思い、キッチンの引き出しを開けると
『イケ〇』のマークがついた型紙に括りつけられた器具がチョコンと鎮座してました。
以前・・・・それこそ、いつなのかは忘れましたが、誰かに頂いたモノで。
『何に使うのかな?』と思って、納めていたのでした~~~

DSC_0028.jpg
これです!!!この器具です。
今まで引き出しの中で、眠ってました。

早速冷蔵庫の牛乳を使ってラテを作りました!!!
満足のいくお味で。
これから『お家コーヒータイム』が楽しくなりそうな予感です。


どなたか、何か美味しいレシピ、ご存じありませんか???
是非ともご教授くださいませ~~~。



さぁ~~て、明日はお仕事。
そろそろ寝ることにしましょうかね。

ゲストの皆様、おやすみなさいませ。


瓔悠。











こんばんは!!!

節分の豆を食べ損ねた瓔悠です。
ちゃんと買っていたんですけどね~~豆は。
子供たちがすべて豆まきに使ってしまいました。
食べる分を取っておくのをすっかり忘れてました。
ははは・・・・・私らしいといえば、私らしい。

恵方巻も食べましたよ。
但し、方向は全く違う方向で
更には、食べてる最中に子供たちに話しかけられ
しゃべってました。
ダメダメじゃんっっ!!!!

まぁ、豆まきをしたので
色々な厄災は撃退出来た・・・はず。
なのに・・・・・・・・・・・・ね。
はぁ~~~~~~。
息子のバカ!!←最近の私の落ち込みは、これが一番多い。



それは置いといて。
コラボ作品は一応残り1話です。
が、私的には少し付け加えたいなぁ~とかも少し思っていたり。
気分がノリノリになれば・・・・ですけど。

そして、再度書き始めた『花恋ひ』ですが。
リンク先の『この世の春』のあさ様の今度春コミで出される御本と似通ったタイトルでして・・・。
わざわざご自分のブログで断りを入れてくださって・・・有難いやら、恥ずかしいやら。
私はそういうことは全く気にならない大雑把な人間ですから、
このお話があさ様からあった時も『あれ?そうなの?????』って気づかないほど。
きっとご本人様からの申し出がなければ、ずっと気がつかなかった・・・と。
まぁ、そんな感じで・・・・・あさ様、ホントに有り難うございます~。
春コミの御本、今からスッゴク楽しみにしてますっっ!!!

私の本???
ああ、あれは少しづつ進んではいます。
でも亀の歩みでして・・・・・・。
『想いを乗せて走り抜け!』の方は、表紙は出来上がったんですけどね。
中身は、まぁボチボチです。
したいことは沢山あれど、気力が付いてきてくれません。

もっと若さが欲しい!!!!!!


さぁ~~て、明日はバドの試合でして。
そろそろ寝ないと。
明日は団体戦。
ランクUPなどは無くて気楽に楽しめるので、今からワクワクです。
頑張るぞ~~~~~~~と。
(最近のモヤモヤを晴らしてきます!!!!)
よっしゃぁ~~~~~


え~~と、最後にお詫びを!
コメント返信の件ですが・・・・・コメントくださった方のご厚意で、かなり返信を放置してました。
頂いたコメントはその都度大切に読ませていただいてます。
ホント、コメントで元気いただけますし・・・私自身、ここでまだ活動してもいいんだ!という安心感をいただいてます。
少しずつ返信していきますので、もう少しお待ちくださいませ。
有り難うございます!!!!











それと、一部のゲスト様にはご心配いただいてました実父の入院手術ですが、
無事に手術も成功して、昨日退院いたしました。
昨日仕事が休みでしたので、退院の手伝いに行きましたが
まぁ、元気過ぎて・・・・私が目を丸くさせるほどで。
まだ完全ではありませんが、取りあえず家で生活は出来るほどになってましたので
安心いたしました。
但し、車の運転などはまだ出来ないようですので、
しばらくは時々何かと手伝いには行かないといけないですが・・・・。
なので、こちらの更新もボチボチだとは思いますが、
お付き合いのほど、宜しくお願いいたします。

瓔悠。










【設定】 

恋人設定 ・ 現パロ設定

【注意事項】

この作品は、某SNSのコミュニティにて開催されたハロウィンパーティに合わせて
『花の四阿』管理人・さくらぱん様とコラボした作品を私なりに加筆したものです。

【設定】に表示しております通り、現代パロディの作品となっておりますので
ご注意の上で閲覧くださいませ。






黎翔さんの言葉を待てども、一言も聞こえてはこない。
私は隣でただ待つだけで・・・・。
ドキドキ高鳴る胸の鼓動だけが、せわしく聞こえてくる。

私は少しでも気持ちを落ち着かせようと、静かに昇り行く観覧車の窓から外をそっと眺めてみた。
眼下に点在するイルミネーションの海。
小さくなっていくおもちゃ箱のようなパーク。
どれもこれも非現実に思えて、私は夢見心地になる。

黎翔さんから、息を呑む気配がした。
ようやく決心がついたみたい・・・・・。
私の緊張も頂点に達したようで、つられてゴクリと息を呑んだ。

「夕鈴・・・・」
「はい」
「僕は、君を・・・・・『ヒュルルルル~~~、ドドーーーンッッ!!!!!!!』」
「きゃあ!!!」

黎翔さんの言葉の遮るように、突然の私たちの乗った観覧車の近くで眩い閃光が。
そして雷よりも大きな轟音も鳴り響く。
グワングワンと耳鳴りを起こして、鼓膜が破れそうになる。
観覧車の窓がビリビリと小さく振動し、空気までも震えた。

鳴り響く爆発音と苛烈な閃光に驚いた私は、
両目を瞑り両耳を塞いで慌てて黎翔さんの胸に顔を埋めた。
その間も黎翔さんは何かを私に伝えたいみたいで囁いていたけど、
音に掻き消されて何を話していたのかまったく聞こえなかった。
それが私は気になって顔を上げると、黎翔さんをジッと見詰めた。

「・・・・今のは、何でしょう?
それに黎翔さん、私に何か言いたかったんですよね。
スミマセン、良く聞こえなくて・・・何て言ったのですか?」

轟音も治まってようやく静かになった観覧車に、私の声だけが響き・・・・後は再び静寂が訪れた。
その言葉を聞いた黎翔さんは私の肩を抱いたまま、固まってしまった。
そして不意に黎翔さんは、私の胸に自分の頭を預けてきた。

「・・・・・李順め!
全くタイミングの悪い・・・・・」

舌打ち気味に小さく呟く黎翔さんに、私は首を傾げる。

どうしてここに、秘書の李順さんが出てくるの?
それに、何がタイミングが悪いの?

「あの、黎翔さん・・・・・何の話ですか?
どうして李順さんが出て来るんです?」
「あっ、それは何でも無いよ。
それよりさ、僕の話聞こえなかったの?」
「はい・・・・・ごめんなさい。大きな音に驚いて、殆ど聞こえませんでした」

私の返答に、黎翔さんが小さくため息をつく。

「そうか、やっぱりな。はぁぁぁ、失敗か・・・・・」

そう独り言の様に呟くと、黎翔さんはガックリと肩を落とした。
その姿が凄く寂しそうで。

何がなんだか分らないけれど・・・。
彼のうなだれて落ち込んだ様子に、私はひどく悪いことをしてしまった気分になった。

何て言えばいいんだろう。

私は、ここで言うべき言葉が見当たらなくて。
どうしていいのか分らなくて、ただ黎翔さんの頭をそっと抱き締めた。




続。














【設定】

夫婦設定 

【注意事項】

ドシリアス、及び死ネタ有ります。
私が書く中では、ホントに規格外のモノになりますので
少しでも受け入れられないとお思いのゲスト様は
ご無理をなさらぬよう、お願い申し上げます。









「今だっっ!!夕鈴、走れ!!!」

黎翔は剣で短剣を薙ぎ払いながら、夕鈴へと短く指示を出す。
兎に角、夕鈴だけは無事に・・・とそれだけを思い。
夕鈴を建物内に避難さえさせれば、少しは応戦のしようもある。
こんな何もないガラ空きの庭園では、360度何処からでも刺客は狙える。
それこそ、格好の的だ。

「陛下は?」
「私は大丈夫だから、夕鈴は早く建物内に入るんだっ」

緊迫した黎翔の声から、夕鈴はここは夫の指示に従った方が邪魔にならない事を察する。

「分かりました!
陛下、どうか無理はなさらずに」

そう言い置くと、夕鈴は黎翔に視線を向けて微笑んだ。
『自分は大丈夫ですから・・・』と。
それは一重に黎翔に安心してもらうために。
そうして斜め左の回廊に視線を移し、そこへ逃げ込むべく駆け出した。

これでいい―――。
黎翔は夕鈴が駆け出したことで、未だ姿を現さぬ刺客達に声を飛ばす。

「おいっ、誰一人として狼の前には出ることは敵わぬのか?
お前たちは揃いも揃って、卑怯者だというわけか!」

その言葉は、刺客達の矜持を大いに傷つけ、先程よりも明確な殺意が黎翔に向けられる。
それを黎翔は待っていた。
刺客の殺意を夕鈴に向けぬ為。

「何を!」
「卑怯者だと?!」
「貴様ごとき偽りの王は、我々の大望の前に消されるんだ」

口々に声を上げる刺客。
それを黎翔は鼻で笑って更に挑発する。

「ほう、卑怯者が大望なんぞ口にするな!
その言葉すらも穢れる」
「何っっ!!!!!」

刺客達の怒りも頂点に達したらしく、それまで蔭に隠れて攻撃してきていたが、
その中から血気走った者たちが出て来ると、その勢いのまま襲い掛かって来る。
それを黎翔は自慢の剣技で、その者たちを地に這わせていく。

「さぁ、次はどいつか?
どこからでも、かかって来るがいい!」

黎翔は息を上げることも無く、次の刺客に立ち向かおうとした。
ところが、黎翔の前には誰も立ち向かってこない。

どうやら黎翔の剣技に恐れをなし、正面切って立ち向かうことの愚かさがここにきて分かったらしい。
またもや遠距離からの攻撃に切り替え、今度は弓矢が其処かしこから降ってきた。
黎翔はため息交じりで、その降ってくる弓矢を全て打ち落としていた。

全く、芸の無い!!

そう・・・・・・・思った瞬間だった。
空を切る音が黎翔の耳に届いた。

『ヒュン!!!』

それは黎翔が背にした方向から、陽の光に煌めく剣が飛んできたのだ。

「何?!」

黎翔が振りむいて落とそうとしたが、前面からは弓矢が飛んでくるのを阻止することでその動きが一瞬遅れてしまった。

「ダメぇぇぇぇ~~~!
陛下を殺させたりはしない!!」

夕鈴の悲痛な声が辺りを劈く。
そして黎翔の背を庇うように、夕鈴の身体に剣が突き刺さった。





続。











【設定】 

恋人設定 ・ 現パロ設定

【注意事項】

この作品は、某SNSのコミュニティにて開催されたハロウィンパーティに合わせて
『花の四阿』管理人・さくらぱん様とコラボした作品を私なりに加筆したものです。

【設定】に表示しております通り、現代パロディの作品となっておりますので
ご注意の上で閲覧くださいませ。




当て所も無く歩くと、やがて大きな観覧車の前に出て来た。
大きな輪には煌めくイルミネーションがちりばめられ、存在感を顕わにしていた。

「観覧車に乗ろうか?」

優しく囁く黎翔さんに、私はコクンと肯いた。
二人で観覧車に乗り込むと、
私は彼の肩に頭をあずけて夢見心地で瞳を閉じた。

肩越しで伝わる彼の温もり。
ホンワリと私の胸の奥に火が灯る。

「夕鈴、ほら見てっ、夜景が綺麗だよ!!」

黎翔さんの声音に反応して私はゆっくりと瞳を開ける。
そこに飛び込んできたのは・・・眼下の星空と見紛う景色だった。
パーク内のイルミネーションの赤、黄、緑、青、紫。
全ての色が仄かに光って、幻影的な風景を作り出す。

「綺麗・・・・・・・・・・・・・」

だった一言。
それしか言えなかった。
ホントに綺麗で、幻想的で。
他に今の風景に見合う言葉が見つからない。

綺麗な景色は、段々と小さくなっていく。
昇り続ける観覧車がゆっくりと高度を上げると、
おとぎの国がますますオモチャ箱の様に見えた。


トクン。

互いの息遣いさえ聞こえるような、静かな空間。
ぴったりと寄り添うと、自分の心音も彼の耳に届きそうで。
頬を染めながらも、私は身も心も黎翔さんに委ねるのだった。


******


僕の肩に凭れ掛かり、すっかり夢見心地の夕鈴。
トロンと濡れたような薄茶色の瞳は、
少し艶やかで魅入られたようにずっと見ていたくなる。
そんな彼女の瞳に、煌く地上の星々のような夜景が映り込む。

「夕鈴、疲れて眠くなった?」
「ううん・・・・眠くない」

舌足らずな甘い声が、僕の耳に届く。
その声の余韻に浸っていると、突然彼女は僕の胸に飛び込んできた。
そして、そのまま僕の背中を抱き締めた。

「黎翔さん・・・・私を抱き締めていてくださいね。
ずっと、離さないで」
「どうしたの?夕鈴、ホントに眠いんじゃ?」
「眠くなんかない・・・・・でも、もっとギュッと抱き締めて」

耳元に小さく聞こえる彼女のお願いの言葉。
普段は、彼女から甘えてくるなんて無いから、僕は少し戸惑いつつも嬉しくて。

夕鈴、今どんな顔しているんだろう。
多分真っ赤に頬を染めているんだろうけど。
俯いているから、分からないな。
でもこんなチャンスは恐らく二度と無い。

僕は口元に微笑みを乗せて、夕鈴の言うとおりに抱き締めた。
それこそ、壊れ物を扱うかのように優しく。
僕の両腕にすっぽりと納まったのは、僕の大事な宝物。
僕の心の芯まで温める、沁み渡るような・・・優しい夕鈴の温もり。


「夕鈴、愛してるよ」
「・・・・・私もです、黎翔さん」

夕鈴の熱を感じて。
しっとりとした大切な人の存在を感じて。
幸せな思いに浸る。

今なら・・・・言えるのだろうか?
僕は、今日、彼女に言わなきゃいけないことがある!!

彼女から薫る甘い香りに、促されて。
僕は、夕鈴に告げる決心がついた。


*********


「ねぇ、夕鈴・・・・・僕の話を聞いてくれる?」
「えっ?はっ、はい!何でしょうか?」

少し緊張したような黎翔さんの固い声に、私は凭れ掛かった身を離した。
黎翔さんの方に身体を向けて見えたのは、真剣でちょっと怖い顔だった。

黎翔さん・・・・・何か緊張してるの?
何を言おうとしてるの?

黎翔さんの緊張が私にも伝わって、急にドキドキと心臓の鼓動が早まる。
至近距離で見る黎翔さんの顔は夜景に照らされ、彫りの深い顔立ちが際立って見える。
燃えるような深紅の瞳が、私をジッと捉えている。
そんな真剣な瞳に魅入られて、私は瞳を逸らすことが出来なかった。

でも黎翔さんにしては珍しく、なかなか言葉を発しない。
言い淀む彼に、 私は自分自身が更に緊張してくるのが分かった。





続。







【設定】 

恋人設定 ・ 現パロ設定

【注意事項】

この作品は、某SNSのコミュニティにて開催されたハロウィンパーティに合わせて
『花の四阿』管理人・さくらぱん様とコラボした作品を私なりに加筆したものです。

【設定】に表示しております通り、現代パロディの作品となっておりますので
ご注意の上で閲覧くださいませ。






「ねぇ、夕鈴・・・・ホントは心細かったんじゃないの?」

黎翔さんの腕の中で、小さく息を付いた私に彼が訊いてきた。

どうしてこの人は、些細な私の変化を見逃さないんだろう。
どうして私は、こんなにも嬉しい気持ちになるんだろう。

私は、知らずに頬が緩んでくるのを感じていた。
でもそんなことは黎翔さんには悟られたくなくて、努めて明るく言ってのけた。

「そんな事無いですよ。
だって、私勝ちたかったんですから!
だから、必死に黎翔さんを探していたんですよ」
「ふぅ~~ん、そうなんだ」
「はい!!」

私は恥ずかしくて、強がってみせた。
黎翔さんはそれ以上は何も言わなかった。
その代りに、抱き締めたまま私を離すことは無かった。

でも。
ホントは心細かった。
ミラーハウスで、お互いにお互いを探して。

このまま、出会えなかったら。
離れ離れのままだったら・・・・。

そんな有り得るはずもない馬鹿な考えが浮かんできて、
私は本気で哀しくなった。
ミラーハウスで迷いながら、黎翔さんを探し求めた道のり。
とっても長く感じて。
終らない永遠のような気がして。
ホンの少しの時間、離れていただけなのに。
だからあの場所で出会えたときはものすごく嬉しくて、それに心の底からホッとした。
黎翔さんが力強く抱き締めてくれているこの時・・・・・背中に感じる彼の温かな手をもう二度と離さないで欲しいと、私は願う。

彼の香しい香りに包まれて、心から湧き上がる黎翔さんへの想い。
そしてそれと同時に、離れたくない・・・このままでいたい。
あんな思いは、もう二度と味わいたくない。
そんな気持ちが止められなくて、想いが溢れてきて昂ぶってくる。

『ツゥーーーーー』

静かに頬を滑り落ちる、冷たい雫。
後から後から、止まる事無く落ちていく。
・・・・・・私は泣いていた。
彼の胸の中で、ボロボロと子供みたいに泣いてしまった。
黎翔さんが安心させるかのように、私の手を取って強く握りしめてくれた。

暖かい。
繋がれた手が熱を帯びて熱い。

段々と私の頬を流れた涙の痕が乾いてく。
泣きじゃくった私のひどくみっともない顔を見られたくなくて、私は俯いた顔を上げられない。
手を繋いだまま歩き始めた彼に、私は黙って連れ添って歩いた。


*******

夕鈴が泣いてる。
心細かったんだとそこで初めて気が付いて、僕は夕鈴を強く抱き締めた。

『狼陛下』と二つ名で呼ばれている自分。
会社経営の事を完璧に把握出来ていても、
自分の愛しい彼女の気持ちが分からないのはどうなのか?・・・・と思う。

あの迷路の中で彼女は何を感じたのだろうか?
心細くて泣いてしまうほど。
普段の彼女からは想像もつかない。
いつも明るくて、元気で。
一緒にいる僕までも気持ちを温かくしてくれる。

そんな夕鈴だからこそ・・・・分からないんだ。
心細いくらいで泣くわけがない。
何を感じて。
何を不安に思って。
泣くのだろうか?

でも僕が希うのは、ただ一つだけ。
あの時、迷路で夕鈴を探しながら思ったこと・・・・・夕鈴が欲しい、離したくない。
その想いだけ。
その想いが、僕を突き動かす。


*********


静かに流れていく刻。
周りの煌めく光が私達を包んでくれている。

誰もいない。
ここには黎翔さんと私だけ。

二人でこんなにも一緒にいられるのは久々だったから、
私は時間が経つことなんてすっかりと忘れていた。
だから、今が何時なのかさえ分からない。

パーク内の中心にそびえ立つ大時計の針は、23時を指していた。
まだまだ黎翔さんと一緒にいたい気がするけれど・・・・もうすぐデートの時間が終わりを告げる。
お互いに何も言わなくともそのことを感じて、自然と寄り添っていた。


「どこか、静かな場所に行きたい・・・・・」
「いいよ、何処に行こうか?」

ぽつりと呟いた私に、黎翔さんがうなづく。
急に甘えん坊になった私は、黎翔さんの肩にもたれてゆっくりパークを、あてどなく歩いてく。

甘く。
切なく。
互いの温もりを感じて。

夕鈴が。
黎翔さんが。
お互いにお互いを、唯一無二の存在だと・・・・決して無くしたくない存在だと再認識したから。



続。







瓔悠

Author:瓔悠

現在の閲覧者数:
01 | 2016/02 | 03
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 - - - - -