つらつらと・・・1230
2015年12月30日 (水) | 編集 |
こんばんは!!


28日の朝にUPした後から
ブログ完全放置してました。

というのも・・・・現在進行形で風邪引き状態なんです。

痰が絡んで、喉が痛い。
咳も出て、中々止まらない。
身体が何となくダルイ。
鼻水が出る。


と・・・風邪の諸症状に悩まされつつ、今週は月、火曜日とお仕事に行ってきました。
更には一番忙しい時期で、一番忙しいレジをさせられる!という最悪状態。
それで、かすれ声しか出なくなるほど・・・・悪化しました。
なのに明日もお仕事です。
今年最後のお仕事・・・これを乗り切れば、正月3日間は休みをもぎ取って来たので
何とかなります。
気力を振りしぼりつつ、更にはガラガラ声の超ハスキーボイスでレジ打ちしてきます!!

まぁ、熱は出てないんでいいんですが…これ以上悪化出来ませんし、
もう病院はお休みに入っているのでドラックストアで超お高い市販薬購入してきました。
これが効いているのか?どうなのかは分かりませんが、
取りあえず熱も出ずにいますから効いていると信じておきましょう。

今日は早めに就寝いたします。



で、恐らく
今年はこれが最後の更新となると思います。



ですので、一言ご挨拶を!!!


ゲストの皆様、今年も沢山ご愛顧いただき
誠に有り難うございました。

こんな、私だけが喜んでいるような独りよがりのブログへと足をお運びいただきましたこと
感謝しても、し尽せません。

私は『狼陛下の花嫁』が大好きです。
陛下や夕鈴・・・その他の魅力ある登場人物に惹かれてます。
ただその気持ちだけしかありません。

その気持ちが高じて、こうして2次を書かせていただいています。
でも素敵なお話が書けている!なんてことは決してありません。
独りよがりでしかありません。

でも来年もこうしてゲストの皆様と一緒に
原作愛を形にしていきたいと思ってます。
どうぞ、今後ともお付き合い宜しくお願いいたします。



それでは、
皆様有り難うございます

良いお年を・・・・・・・・・・。





瓔悠。





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つらつらと・・・1228
2015年12月28日 (月) | 編集 |
おはようございます!!

今週はあと今日を含めて3日間はお仕事です。
はぁ~~~


さて、先日の『つらつらと・・・』では
どうなったの?とコメントいただいていましたので
その後をお届けします。


さて、朝一人で起きて来たのは娘。
息子は起こすまで起きてはきません。

早く探したそうでしたが、私が『探すのはお兄ちゃんが起きてからね』という言葉を守り
一人待機です。
その間、サンタさんからのお手紙を読み読み。

DSC_1049.jpg
お菓子付きだったので、ホクホク顔。
・・・・・・・・お菓子、旦那を駅まで迎えに行った帰り24時間営業のスーパーで購入してきました。
ここら辺が、甘い親です。


さてようやく起きて来た息子と共に
捜索開始。

狭いリビングですが、5分ほどは見つからず。
私がソファーを動かしていたり、こたつ布団をこんもりと形作っていたりと
フェイクしていたので、それらにすべて引っかかってくれて。

で、娘がPC机の裏側から息子のプレゼントを発見!!!
息子は不満顔。
なので、娘にはもう探すのは辞めさせて
息子に娘のプレゼントを見つけてほしい_!と依頼。

頑張りますが、こちらは巧妙だったらしく
中々見つからず、私が少し手助け。
息子のプレゼントが見つかってから8分後くらいに見つかりました。
食卓台の隣に置いてあるキッチンカウンターの下の段の
コンセントなどを入れてある箱の中でした。
このキッチンカウンターは食卓台で下の方が隠されているので
中々見つかりませんでした。


そうして無事に終了!!!
プレゼントをもらってウキウキな子供たちでした。

DSC_1055.jpg
こちらは息子の分。

DSC_1057.jpg
こちらが娘。


そして、少し遊んでいましたが
その内それらを放置したまま、遊びに行きました。
はぁ~~~誰が片づけるんですか???

DSC_1058.jpg




さてと、仕事に行ってきます。
帰宅後、コメント返信とまた『つらつらと・・・』をUPしたいと思います。

宜しければお付き合いくださいませ。

では、行ってきますっっ!!!




瓔悠。





つらつらと・・・1224
2015年12月24日 (木) | 編集 |
イブの夜に、こんばんは!!!

ゲストの皆様、如何お過ごしでしょうか?
ウチは昨日の内にクリスマスをしてしまいましたので、
今日の夕ご飯は簡単なモノでした。

旦那は年末の忙しさでまだ帰宅しておりません。


そんな中、今日の夜中には子供たちへのプレゼントを用意しておかなければなりません。
早々に買っておいたのですが、ラッピングしてないことに先程気が付きました。
子供たちが寝てしまったら・・・・・と考えてます。

そして先程、子供たちがサンタさん宛てに手紙を書いてましたが・・・・
まぁ、無理難題を書いていること、書いていること!!

まずは息子・・・・・返事は3枚くらい書いて!とか(書けるかっっ!!筆跡がバレないように左手で書いているのに)
奇跡が起こって来年も来てほしい!とか(奇跡なんか起こるかっっ!!中学生にはこないんだよ!今年が最後なの!!)
お菓子も欲しい!とか(家にあるお菓子ならバレるから、今から買いに行けってか?!無理でしょ!)

もう勘弁して~~~~と悲鳴が出そう!

娘はまぁ、まっとうな事を書いていたので一安心。


しかし二人が共通して書いていることで
頭を悩ますことが・・・・・・。

『○○ちゃんとは違う場所に隠してほしい!難しい場所に隠して!』
『お兄ちゃんとは違う場所に隠してください!難しい場所がいいです!』
・・・・・・・これが一番困るのよ。

何年か前に、私が面白半分でプレゼントを隠し始めたのがきっかけで、
毎年リビングのどこかに隠すのが恒例になってまして。
もう正直、隠す場所なんて無いんです。
TVの後ろ・こたつの中・カーテンの後ろ・ソファーの蔭・本棚の中
ネタ切れです・・・・・・・・・・・・。
何処に隠すのか?
さほど広くも無いリビングの真ん中で、考え込みそうです。
はぁぁぁぁぁ~~~~


兎に角。
一刻も早く寝てください。
準備が出来ないから~~~~


瓔悠。








つらつらと・・・1223
2015年12月23日 (水) | 編集 |
こんばんは!!


今日は休みでしたので
大掃除でも・・・・・・・と昨晩までは思っていたのですが、
最近のドタバタでかなり身体が疲れていたらしく、
朝はゆっくりめの起床で早々に諦めました。

で、仕方なく・・・というか観念し、年賀状作成をしました!!

最近は無料テンプレートがかなりネットで紹介されており、
簡単に作成できるのでホントに有難い限りです。

写真は、スペースワールドに前回行ったときに撮ったりしていたので、
それを利用したのでALLOKでした!

あとは、一言を書くだけ。
何とか、今週中にはポストインできそうです。

・・・・・・・・後は大掃除なんですよね~
はぁ~~~今週の日曜日くらいにはしないとなぁ・・・とかなり焦ってます。

で、今日・・・・窓ふき掃除の機械を購入してしまいました。
ホームセンターに買い物に行ったときに、ついフラフラと大掃除グッズコーナーに行ったのが運の尽き。
宣伝用のPVをみて一目惚れ。
これで窓掃除が楽になるよ~との悪魔の囁きに負けてしまいました。
マジで楽になればいいんですけどね~~

高圧洗浄機とスチームクリーナーはかなりの優れものなんですけどねぇ~~
これのお蔭で少しは大掃除を楽してますもの。

さぁ、性能を見せていただきましょうかっっ!!!


そして本日
家でクリスマスをしました。
イブとクリスマスにはまだ早いのですが、
明日、明後日は旦那様の帰宅が遅い様ですので、早々としちゃいました。
ケーキは子供たちに飾りつけさせて、ローストチキンは購入して、
ホットサンドとスープは手作りで・・・・。

DSC_1047.jpg

まぁそこそこ豪勢になりました。
しかし、いつまで家族でクリスマスが出来るのでしょうかね。
その内、子供たちからお友達とパーティするから!と言われる日が来るんでしょうね。
それはそれで寂しいのかもしれません・・・・・・・。



瓔悠。






【兎と僕の攻防戦・13】・完
2015年12月22日 (火) | 編集 |
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り


【注意事項】

こちらの作品は、前々ブログ『遥か悠遠の朱空へ』にて公開していた作品です。
今回こちらへ移行するに伴い少しだけ手直ししておりますが、
書いた当時の陛下と夕鈴の関係が浅いものでありましたので、
当時の雰囲気を残すべく糖度はあまりありません。
そのことを踏まえた上でお読みいただけます様、宜しくお願いいたします。   






「へ~い~~か~~~?」

昏く、低い声が辺りに響く。
静かに燃える夕鈴の怒りの声。
薄茶の瞳はメラメラという形容詞がハマり過ぎるほど、怒りに満ちている。

「夕鈴??もしかして浩大の言った事なんて、信じてないよね~~」

恐る恐る訊く姿は尻尾が下がり耳も後ろにダランと倒れていて、
小犬が大型犬を怖がっている様子そのものである。

「どうでしょうかね~~~。
でも、浩大はあの場にいた唯一の目撃者ですものね~~~」

夕鈴はスクッと立ち上がると、広げてあったお茶道具をそそくさと片付け始めた。
どうやら自室に戻ろうとする算段のようだ。
それにしてもかなり手荒に扱っているようで、
茶杯どうしが当たってガチャガチャと激しく音を立てている。
普段の夕鈴ならば欠けさせたりしないように丁寧に扱っているが、
今は怒りでそんなことすら忘れているらしかった。

「夕鈴・・・・・・茶杯が割れてしまうよ」

命知らずにも、黎翔は全く関係ない事を夕鈴に言ってみる。

「はい?大丈夫ですよ。
これくらいで割れるのでしたら、それはこの茶杯は割れる運命だったのですよ」

ニヤリと昏い笑みを浮かべる夕鈴は、ある意味怖いものがある。
黎翔はとりなそうと、必死に夕鈴にすがってみる。

「夕鈴、誤解だよ!!
僕がそんな事する訳ないじゃないか!!
浩大の言葉に惑わされないで、僕の言葉だけを信じてよ~~~」

黙々と片付ける夕鈴の顔を下から覗きこんで弁明する黎翔のこんな姿は、
官吏には到底見せる事なんか出来ないものだった。
でももうなり振りなんか構う暇はなかった。
下手したら、また『家出』ということにも為りかねないからだ。

あの時は結構こたえた。
夕鈴のいない後宮に出向いては、夕鈴の残照を感じていたくらいだ。
またあの悪夢を味わいたくはない。

わぁ~~完全に怒っているよね~。
何とか機嫌を直してもらわないと・・・じゃあ、どうすれば???

「夕鈴~~ホントに誤解なんだってば!!
ねぇ、聞いてる?」
「聞いてますよっっ」
「今の言い方・・・怒っているんでしょ?」
「怒ってません!!」
「いいや、怒ってるよ」
「怒ってませんったら」

全く・・・私って騙されていたの?陛下は違うと言っているけど。
でも浩大の言う通り人工呼吸でないとしたら、どういう意味で口付けしたというのよ。
もし・・・もしも陛下の意思で口付けしたのだとしたら、いや・・・バイトの身で何を期待しているのよ。

仁王立ちする夕鈴。
そして只管『誤解』だと弁明する黎翔。
そんな奇妙な立場の二人。

陛下の弁明は一応耳には入れておくけど、
ここで『はい、そうですか』と簡単に許すのは、癪に障るのよ・・・・。

そう考えて夕鈴は籠を片手に持ち、
黎翔一人を四阿に置き去りにしてズンズンと執務室に向かう。
李順に特別手当をシッカリ受け取る為に。

そしてポツンと置き去りにされた黎翔は途方に暮れ、
しばらくは長椅子から動く事が出来なかった。
大きな嘆息と項垂れた肩越しに見える表情から、
かなり憔悴し切っている事が伺い知れる。

夕鈴、怒ったままだったな・・・・やはり人工呼吸はまずかったのか。
ただ良い言い訳が、あれしか思いつかなかったからな。
喜んで口付けしていたなどと知れたら、夕鈴がどう思うだろうと考えて付いた嘘だったというのに。

まったく浩大の奴め!!
言わなくて良い事を。
まぁ、いい・・・覚えておけよ。
さぁ、どうしてくれようか・・・・・このままでは済まさんからな!!

黎翔は夕鈴への想いから、すっかり浩大への報復方法へと思考が変化していた。


**********


夕鈴が執務室に行くと、そこには浩大が李順に例の特上酒を強請っているところであった。

「ねぇ~~~いいじゃんか!!陛下追跡任務は全うしたんだし~~~」
「先程から言っていますが、あれはもう献上品リストにキチンと明記したので横流しは出来ません。
それよりも途中から陛下追跡を放棄していたようではありませんか?!
詳細な追跡データが途中からないでしょう・・・だから報酬として特上酒を差し上げる訳にはいきません」
「えぇぇぇ~~そんなぁぁぁ~~~」
「そんな事を言っても、駄目なモノは駄目ですっっ!!」

李順は手厳しいらしく、浩大のどんなおねだりや理屈コネコネも通用しない。
段々これ以上言っても李順は首を縦には振らないだろうと浩大も諦めモードになってきて、夕鈴をチラリとみるとニヤニヤ笑ってきた。

「お妃ちゃん・・・陛下は??」
「知りません!!まだ四阿にいらっしゃると思いますよ」

オイオイ・・・どうやら陛下とお妃ちゃん、ド派手な喧嘩をしたって感じ??
それってさ、結構マズイんじゃね?
考えたくないけどさ、陛下の報復が確実にオレに飛んでくる可能性大だよな。
ヤバい・・・・これは剣の錆なるとか!!そこまでのレベルかも??
ここでこんなことしてられない!オレ、マジで逃げねぇと!!

一瞬にして陛下の感情を読み取った浩大は、
チャッカリと李順に別のモノを報酬として頂く約束を取り付けた。
そして窓から素早く飛び出て、何処かへと行ってしまった。

その判断は正しいこととなる。
しばし後に、これ以上ない程の超不機嫌の黎翔が戻ってきたのだったから。
まぁその時には、夕鈴さえも執務室から居なくなっていたのだが。


******

そして話は遡る。
それは、浩大が出て行った直ぐ後。

「夕鈴殿・・・お疲れさまでした、陛下の行動は大体把握出来ました。
特別手当は、始めに提示したモノをキチンとお支払致しますね」
「良いんですか??それは、有難うございますっっ!!
わぁ~~これで青慎に新しい教科書を揃えてあげられます」

夕鈴は安堵の笑みを浮かべる。
それこそ、陽の光を受ける大輪の花のように。

「そうですか・・・・それは良かったですね」
「はい、すごく嬉しいです」

夕鈴は晴れやかな顔で、執務室を小踊りしそうな勢いで出て行った。


結局・・・・夕鈴の一番喜ぶ事は、青慎の為に役に立てる事だけ。
それには、仕送りがたくさんできる事なのである。
四阿で陛下に対して怒っていたことなど、そんな些末な事はどうでもよくなり。
切り替えの早い夕鈴のとって、それはすでに過ぎ去った過去の事となのである!!

しかしその事を全く知るはずもない黎翔は、夕鈴の怒りを解く方法を考えイライラして周りの官吏・・・特に李順に八つ当たりという傍迷惑な行為をしばらく繰り広げていたのであった。
夕鈴に対しては、しばらく距離を置いておこう、怒りが解けるまで・・・と後宮に訪れず、じっと我慢していたのであった。
すでに忘れられている事など知らないままに・・・・・・・・・・・・・・。

そして浩大は黎翔の報復を恐れ職場放棄とも取れるが、
しばらく王宮から忽然と行方をくらませていたのであった。


こうして、兎と狼の攻防線は終わりを告げた。
この戦いで勝利したのは、のちに史上最強の妃だと言わしめる夕鈴なのだった。
原始、女は太陽であるとはよく言ったもので、女性の強さに男性は敵うはずはないのである!!!



終。






つらつらと・・・1217
2015年12月17日 (木) | 編集 |
こんばんは。


今日は、今までにないくらいの大量更新でした。
自分でもビックリです。
多分、私がブログを始めて初めてでは無いでしょうか?
(手直し無しのSNSからの移行以外で・・・)

読まれたゲスト様にとっては、飽き飽きされたかも知れませんが・・・・。
そうでしたら、すみません。

久々に一日何も予定の無い日でした。
仕事も休み・・・・でも学校行事なども無く。
ほぼ一日、PCの前だったような・・・・。

まぁ、しないといけないことは沢山あるのですが、
それには目を瞑っているような現状なのですがね。

年賀状作成。
大掃除。
はぁ~~どうして年末ってこうもすることが多いのか?
(いや、もっと早くから計画的に進めていればこんなことにはならないことは
理解しているんですけどね。何せ腰が重いんですよ・・・)

気が付けば、来週の週末には子供たちも冬休みに入ってしまうんですよね~
子供たちが休みになると、いつもより自分の時間が取れなくなるっっ!!
仕事から帰ってきて、一人でのんびりと過ごすのが私の唯一の楽しみなのになぁ。

やっぱりこうなると更新も激減するのは目に見えてます。
なので、なるべく出来るときに沢山更新しておくことにしましょうか。

さてと、お酒でも飲みながら家事の残りをするとしましょうかね。
夕ご飯の片づけが私を待ってます。

それでは。
もう一回更新出来ればいいけどなぁ~~~。



瓔悠。






【淡雪は静かに降り積もる・前編】
2015年12月17日 (木) | 編集 |
【設定】

夫婦設定 ・ 原作寄り







黎翔はイライラしていた。
いるはずの妃がいない・・・・ただそれだけのことで。

政務を早めに切り上げて後宮に戻れば、愛しの妃は影形もなく。
いつもの『おかえりなさいませ』と鈴を鳴らすような声も聴けず。
ここまで夕鈴に依存している自分を知り。

黎翔は大きく嘆息を吐き出す。
そしてまだいるであろう李順を求めて、急ぎ執務室へ足を向けた。
アイツならば、夕鈴の居場所を知っているのではと期待を込めて。

やはり、まだいた。
黎翔の執務机の散乱した書簡を纏めている最中で、
急に戻って来た主君にいぶかしげな視線を送る。

「如何なさいましたか?」
「夕鈴がいない」
「そうですか」
「どうして、夕鈴はいないんだ」
「私にそれを言われましても」
「何処に行った?」
「私にそれを訊くのですか?」
「ああ・・・李順、お前なら何か知っていると踏んでな」
「はい、存じ上げておりますよ」
「ならば、申せ」

黎翔のイライラ度はMAXで。
これ以上不毛な会話を続ける意志などないと、眉間に皺を寄せている。

李順は先程の事を思い出す。
夕鈴との会話を。

「李順さん、少しお願いがあるのですが」
「お妃様が、私にお願いですか?」
「はい」
「私で出来ることならば」
「許可が欲しくて・・・・・」
「許可?」
「はい、実は少しだけ、王宮を出たくて」
「王宮を出るから、私に許可ですか・・・・・私はもう貴女の上司ではないのですよ。
一応、貴女は陛下の妃なのですからね」
「確かにそうかも知れないのですけど。
でも、何となく李順さんに許可を取らないといけない気がするんですよね」

夕鈴は首を縦に小刻みに振りながら、自分の言を妙に納得していた。
それを見ながら李順は、仕切り直そうと短く息を吐き出す。

「なら、一応お聞きしますが、お妃様は何をなさりに下町へ?」
「今時期しか売っていない物を陛下にお渡ししたくて」
「それは王宮にはないのですか?」
「はい」
「そうですか・・・・・・・・・・まぁ、いいでしょう。
どうぞ、お早いお帰りを」
「有り難うございます!!!!」

深々とお辞儀をするとニッコリと満面の笑みを浮かべ、夕鈴は足取りも軽やかに出ていく。
その姿を見送りながら、呆れた表情の李順がポツリと執務室に残されていた。

「全く・・・・・あの方は変わりませんね。
正式な妃となったというのに・・・・でもそれも陛下がお気に召す魅力というところでしょうか」

誰にも聞こえることない李順の呟きは、窓から吹き込む冷たい風に溶け込んだ。


そして、夕鈴が出て行ってから既に数刻が経ち、
今こうして黎翔からの詰問を受けていた。

「お妃様の行先ですか・・・それを知ったところで、陛下はどうなさるつもりで?」
「知れたこと!私もそこへ行くだけだ」
「はぁぁぁ・・・・それならば、言えません」
「言えない所にいるのか?」
「陛下が考えられているようなところではありませんよ」
「どうでもいい!!わが妃の居場所を吐け!!」

黎翔は、腰に剣柄に手を伸ばす。
それを見た李順は、眉根をピクリと動かした。

「陛下・・・・落ち着いてください」
「落ち着いてなどいられるかっっ!
だから、夕鈴は何処だ!」

どうしてお妃様のこととなると、ここまでタカが外れるのでしょうね。
そう思いつつも、これ以上の悶着は李順としても命が危うくなると判断する。

「お妃様は、王宮にはいらっしゃいません」
「はぁ?どういうことだ」
「どうしても手に入れたい物があるということで、お出かけに・・・・・・」

『ガチャ、バンッッ』

戸の開け閉めする音が盛大に室内に響く。
黎翔は、風のようにその場からいなくなっていた。

「かなり前にお出かけになったので、
だから今は何処にいらっしゃるのか分からないんですけどって、
言おうとしたのに陛下は出て行かれましたか」

ため息交じりに呟く李順はただただ呆れ顔をしたまま、
書簡の整理を再開するのだった。




続。








【アリスの口づけ・10】 悪戯な彼
2015年12月17日 (木) | 編集 |
【設定】 

恋人設定 ・ 現パロ設定

【注意事項】

この作品は、某SNSのコミュニティにて開催されたハロウィンパーティに合わせて
『花の四阿』管理人・さくらぱん様とコラボした作品を私なりに加筆したものです。

【設定】に表示しております通り、現代パロディの作品となっておりますので
ご注意の上で閲覧くださいませ。











「クシュンッッ!!!」

折角の甘いムードを私のくしゃみが吹き飛ばした。
そんな私を見た黎翔さんが、自分の着ているタキシードの上着を脱いでそっと後ろから掛けてくれた。

「えっ、いいですよ、大丈夫ですから」
「だって、夕鈴・・・・寒そうだよ。もしかして、風邪引いた?
少し寒くなってきたみたいだね」
「風邪ではないと思いますけど、でも確かに寒いですね」
「じゃあ、デートの続きをしようか?
思いっきり遊べば、寒さなんてきっと感じないよ」
「そうですね・・・・折角の貸し切りですもんね。
楽しまないと損です!!」

夕鈴はニッコリと笑って、黎翔の提案を受け入れる。

そう、折角のデート。
普段忙しい黎翔さんが自分の為に計画してくれて、こうして楽しませてくれている。
だから、もっと楽しまないと。

「ねぇ、夕鈴!!この近くに、此処のパークで一番人気のアトラクションがあるんだ。
行ってみない?!」
「はい!!いいですね、行きましょう~」
「じゃあ、こっちだよ。夕鈴、ほらっ急いでっっ!」

差し出された手を私は自然に絡ませた。
それをチラリと確かめた黎翔さんは、私の手を引いて早足で目的地に向かう。
私は掌に感じる温かさに口元を緩ませながら付いて行く。

そしてやってきたのは、小さなトンネルの入り口。
この奥にアトラクションがあるのだという。

薄明かりのヒカリゴケが淡く染める細いトンネルを、二人肩を寄せ合い進む。
やがて水の流れる大きな音が聞こえてきた。
まだ位置的には山の中だけど、洞窟風の開けた場所へと抜け出た。

目に入ってきたのは、大きなテントウムシ。
いや、それはテントウムシ型の丸いボートだった。
それが人工の川にプカプカ浮かんでいる。
赤や黄色、青、緑、橙色、ピンクといったカラフルなテントウムシ型の乗り物は、
透明なドーム状の密閉型の屋根が付いている。

見ようによってはテントウムシというよりもカラフルな水玉UFOみたい・・・・。

何だかユーモラスで可愛い雰囲気が微笑ましくて、私はクスッと笑った。
でも黎翔さん曰く、これがパークで一番スリリングな乗り物なのだと。
乗り込んでから黎翔さんに聞かされた私の顔は、サァ~と青褪めた。

このアトラクションは、ウォーターボートスライダーとコーヒーカップとジェットコースターを足して三で割ったものらしい。
訳のわからない彼の説明が、更に私の恐怖心を煽る。

大した覚悟も無いまま・・・アトラクションのライドに乗り込んでしまった私。
容赦なく透明なドームの屋根がカチャリと閉められた。
アトラクションの案内人のお姉さんの眩しい笑顔が、恨めしくさえ感じてくる。

「お客様、危ないですから、お席にお座りください。
それでは、楽しんできてください・・・・・いってらっしゃいませ♪」

アトラクションの案内人のお姉さんに送り出されて、
あっという間にライドは川の流れに乗った。
私たちの乗ったライドは、すぐに曲がりくねった流れを順調に出発していった。

「夕鈴、ドキドキするね」
「・・・・・・黎翔さん」

ドキドキするなんて言っている割には、黎翔さんの顔は凄く楽し気で輝いている。
これはこの乗り物に対してなのかな?
何だか違うみたい・・・・・そう、私は悟った。

私は、何が起こるのか?そういう意味のドキドキを感じていた。
この密閉空間に二人っきりになったっていうのに・・・・・全く、恋する女の子としてはあるまじきドキドキ感。
ただの恐怖心・・・・はぁ、ダメだわ、緊張してきた。

私は、ライドの中央にあるハンドルのような捕まり棒をがっちり両手で握り締めるのだった。

最初は小さな滝を落ちながら、緩やかな流れをたゆとうように下っていった。
時折、ライドは山の外に出て外の夜景を楽しめた。
岩山には夜にも楽しめるように、光る花々が咲いていて、とても綺麗だった。

「ねぇ、ガチガチに緊張しなくて大丈夫だから、もっと楽しもうよ!」
「そんな余裕はありませんよ!!
イヤッッ、黎翔さん!!
もう、ななななななななななななっ
何するんですかっっっっっーーーーーーっ」

余りの恐怖に声が上ずる。
声にならない悲鳴まで出てくる始末。
それもそのはず!
突然、ハンドルを回し始めた黎翔さんがいて。
回すとライドが、コーヒーカップのようにくるくると廻り始めた。

ライドの下に強力な磁石が埋め込まれているそうで、
水の上でも遊園地のコーヒーカップと同じ動きが出来るらしい。

いや、そんなオプションは要らないから!!!

水の流れと、ライドの回転運動・・・ライドの動きが予測不能で、私はすでに目を回し始めていた。

私が楽しめたのは最初だけ。
後は、恐怖の連続だった。
強烈な渦潮に巻き込まれたり・・・不規則にぐるぐる廻り右に左に水の動きに翻弄されるテントウムシに、私は胃が押し上げられる感覚を覚えていた。

そしてだんだんと大きくなる滝は、着地も予想外で。
何度も、大きな水飛沫がかかった。
まぁ、透明なカプセルに包まれているお蔭で全く濡れることは無いけど。

ラストの大滝では、ライドが宙を飛んだ。
そのまま高波を上げながら水中を勢いよく、ライドは突っ込んで進む。
終点まで絶叫続きののあっという間の時間だった。

「大丈夫??夕鈴・・・・・」
「ふにゃ・・・・大丈夫・・・れないれふ。
ちょうと、ひゃふませて」

終始元気で楽しそうな黎翔さんと違って、
私は乗り物酔いが酷くて・・・支えてもらってようやく歩けたほど。

噂に違わぬ絶叫系アトラクションに、私の咽喉は枯れた。
全力で叫んで、先程の寒さは吹き飛んだ・・・むしろ今は暑いくらい。

黎翔さんには悪いけど、もう二度と乗りたくない。
ここまでのアトラクションとは思わなかった。
あんなにも可愛い乗り物なのに、何とまぁ恐ろしい。

「次は、何して遊ぶ?」

パークの地図を見ながら、本気で悩む元気な彼。
もう乗り物はこりごりだと、恐怖感で身体をブルブル震わせる私。


私は周りをキョロキョロ見回してみると、傍近くにミラーハウスを見つけて指差した。

「ミラーハウス?」
「はいっっ!」

あそこなら、怖い思いなんてしないから。
でもまさかあんなことになるなんて、この時点で私は思いも寄らなかったけど。

「いいよ」

ニッコリ微笑んだ黎翔さんは、私の手を引いて歩き出す。
私は、繋がれた自身の指が熱を帯びているのを感じていた。

温かい・・・・・・。

恐怖感の余韻を吹き飛ばすような温かさをホンワリと噛みしめて、
私は自然と笑みが浮かんでしまっていた。





続。








【兎と僕の攻防戦・12】
2015年12月17日 (木) | 編集 |
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り


【注意事項】

こちらの作品は、前々ブログ『遥か悠遠の朱空へ』にて公開していた作品です。
今回こちらへ移行するに伴い少しだけ手直ししておりますが、
書いた当時の陛下と夕鈴の関係が浅いものでありましたので、
当時の雰囲気を残すべく糖度はあまりありません。
そのことを踏まえた上でお読みいただけます様、宜しくお願いいたします。   








風が止み、葉ずれの音が止んだ。
ふと背後に感じる気配。
これはいつも感じているモノで、夕鈴は誰のモノであるのか分かった上で後ろを振り返った。

「陛下・・・・・・・・・・」
「夕鈴、こんなところに居たのか・・・随分と捜したのだが」

そこには口を一文字にギュッと噤み、やや不機嫌気味の黎翔が佇んでいた。

「一体私がどれだけ捜したのか、分かっているのか?」

切れ長の細い眼が、夕鈴を鋭く問い詰める様に紅く光彩を放っている。
そんな黎翔の様子に少しビビって、夕鈴は首を竦めてみせた。
その弾みで、髪に差された簪が揺れシャランと金属音が鳴り響く。

そんな事言われても、しょうがないじゃない!!
李順さんからの特別手当付きのお仕事で陛下から逃げていたんだし、
それには直ぐに捕まったんじゃ特別手当のもう半分が貰えないんだから。
それよりも迷路区域で助けてくれた事は感謝しないといけないって事ぐらい分かっちゃいるけど、あの行為だけはまだ許していないのよ。

国王たる黎翔に謝罪を求めようとしている夕鈴は、結構大胆不敵であった。

「では、お伺い致しますが・・・・先程のあれは何ですか?」
「先程のあれとは??」

分かっている癖に~~~~~。
もうしらばっくれて!!

「私に言わせないで下さい!!
助けてくれた時に・・・・・していた・・・・ことですが・・・」

先程の口付けの感触が唇の上で甦り恥ずかしさに耐えきれず、
最後の方は聞こえるかどうかの小声になっていた。
そんな夕鈴の様子が微笑ましくそして可愛らしく思えた黎翔は、
ソソッと近付いたかと思うと人差し指でクイッと軽く顎を持ち上げた。
そして自分自身の顔を近づけ、剛胆にも先程の再現の様に口付けをしようとしてきた。

「ちょっと何するんですっっ!!」

意識したわけでもないのに余りの驚きに裏返った甲高い声が、
黎翔の行為を寸前で止めていた。
その慌て様にクックックッと声を押し殺して笑っている黎翔が目の前におり、
どうやら先程の不機嫌さは何処か遠くへ去ってしまっているようだ。

「僕に君を探させた事に対する報酬だよ」
「報酬って言われても!
こんなのは報酬とは言えません!!!」
「そうだね、ゴメン。そして先程の行為は、夕鈴を助ける為であったんだよ。
あんなところで倒れていて、ホントにビックリしたんだから。
息していないんじゃないかと焦って、人工呼吸をしてみたんだ」
「人工呼吸?そう、だったんですか・・・・。
陛下のご厚意を邪なものだと思ってしまって、ごめんなさいっっ!!」

夕鈴は、真っ赤になって俯く。
自分の自意識過剰さに恥ずかしくなる。

夕鈴ってホントに可愛い~全く素直過ぎるんだから。
僕の言葉を真に受けて・・・・僕の本心なんて、全く気付いちゃいない。

黎翔の背中には黒い羽と尻尾がチラリと見え隠れしていた。
そして夕鈴には見えないようにチロッと舌を出し、妖しい笑みを浮かべていた。

「それにしても夕鈴、珍しい格好をしているね。
いつもの装いより華やかで綺麗だよ」

夕鈴の着飾った艶やかな姿がいつもよりも数倍大人びており、
実のところ黎翔はドギマギしていたのであったのだ。

「ああ、これですか?
実は衣裳が汚れてしまっていて着替えをしたんですが、
侍女の方々が張り切って飾り付けられてしまって・・・」

夕鈴は、申し訳なさげに言葉を紡ぐ。
それを見た黎翔は抱き締めたい衝動に駆られるがグッと抑えていた。
また逃げられるのは敵わない・・・・。

謙虚な所はきっと君の美点だ思うけど、
たまには自分の容姿の美しさも認めた方がいいと思うけどね。

そんな黎翔の気持ちなんて、鈍感夕鈴には届きっこない。
今も尚・・・頬を真っ赤に染めて上目づかいで黎翔を見つめる夕鈴に、
柄にも無く心臓の鼓動が激しく打つ。


このままずっと。
君の美しさを愛でていたい。
このまま閉じ込めて、誰にも見せず。
自分だけのものに。
僕だけを見詰めて。
ただ、それだけでいい。

自分の願望に思い耽る黎翔を現実へと引き戻したのは、
鈍感兎の声に因ってだった。

「陛下、あの、此処でお茶にしませんか?
私を助けてくださったお礼に、美味しいお茶をご用意致しましたので・・・・」


夕鈴は卓に用意していたお茶道具で、手早く杯にお茶を注ぐ。
二人は仲良く並び座り、お茶菓子と共に午後のひと時をのんびりと寛いでいた。
黎翔は横目でチラリチラリと、艶やかな姿の夕鈴を眺め見る。
それこそゆっくりと堪能し、悦に入っていた。

ところが、背後からそれを邪魔する声が・・・・・。

「あれ?陛下・・・それにお妃ちゃんじゃん」

いつものノリで軽快に浩大がやって来た。

「はぁ~~陛下が先だったのか。
じゃあ、賭けは陛下の勝ちかよ・・・・ちぇっ」

浩大は残念そうに、黎翔に向かって命知らずか舌打ちをする。
しかし満ち足りている黎翔は、そんなことは些細なことと全くものともしない。

「そうだな、私の勝ちだな!!浩大、あの約束は反故だぞ」
「え~~~~~~そりゃないよ~~俺だって必死で探したんだからさぁ」

勝ち誇っている黎翔に、盛大にガッカリして肩を落とす浩大。
この対照的な二人のやり取りを見つつも、
話が全然見えない夕鈴は首をちょこんと傾げていた。

「ああ、それにあの特上酒は、もう献上品倉庫に納められているんだぞ。
その管理をしているのは誰だ?」
「李順さんだよね・・・・・」
「だったら、もうこの先は言わなくても分かるだろう?」
「分かるよっっ!!あの人のケチさ加減ぐらいオレだって知ってるよっ!」

『してやった』と、したり顔で黎翔の紅い瞳がキラリ光る。
その表情を見た浩大は始めから黎翔が自分が必ず勝つと確信していた事を理解し、
プーと頬を膨らまし拗ねてしまった。

「最初っからくれる気は、更々なかったんだろ!!
ひでえよ、陛下は!!」

浩大はやっぱり諦めきれずに、まだ文句をタラタラ言う。
しかし黎翔はどこ吹く風で。
もうこれ以上は言っても駄目だと思った浩大は、仕方なく諦めることに。
ならば、李順に『陛下追跡』の報酬として特上酒を強請ろうと思い直し、
踵を返し執務室へと向かうことにした。

「じゃあね~~お妃ちゃん!!
あっ、そうそう、陛下からちゃんと謝ってもらった??
気絶していたお妃ちゃんに嬉しそうに口付けしていた事をさ」

最後に浩大は黎翔に対し意趣返しと言わんばかりに爆弾発言を残し、
風のように消えて行った。




続。










眠い・・ねむい・・・ネムイ
2015年12月16日 (水) | 編集 |
こんばんは。

もうすぐ日付が変わりますね。
もう眠くて・・・・・ねむくて・・・・・・ネムクテ。
PCの前で、ウトウトしてました。

話書いてますが、進まない。
あれこれ書き散らして。
どれもこれも書き上がらない。

堂々巡り。

頭の中がフンワリしてます。


明日・・・・・・・・・・・明日、UPしよう。
今日から5連休。
その間に、年賀状作成。
子ども会のクリスマス会のお買い物。
クリスマス会。
息子の空手の試合。

結構忙しいけど、
その合間に
お話UP出来ればいいなぁ~~


まずは
あれとそれとこれ。
明日の午前中にでも。

なんでこんなこと書いているのか?
それはただ単に、私のモチベーションをアゲアゲにするため。
でも今日は大好きな書き手様のお話読めたんで、気分は上々ですけど。

だから、その余韻に浸りながら眠ります。


皆様
おやすみなさいませ。




瓔悠。





【兎と僕の攻防戦・11】
2015年12月14日 (月) | 編集 |
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臨時妃 ・ 原作寄り


【注意事項】

こちらの作品は、前々ブログ『遥か悠遠の朱空へ』にて公開していた作品です。
今回こちらへ移行するに伴い少しだけ手直ししておりますが、
書いた当時の陛下と夕鈴の関係が浅いものでありましたので、
当時の雰囲気を残すべく糖度はあまりありません。
そのことを踏まえた上でお読みいただけます様、宜しくお願いいたします。   










自室に戻りながら夕鈴はふと思い出していた。
そう言えば、戸口に家具を動かしていた事を!!
それは一重に陛下が入ってこれない為であって・・・・。

「大丈夫かしら?私、ちゃんと部屋には入れるの?」

独りごちると夕鈴は走らないまでも急ごうと早足で歩く。
心が急いて、足運びが更に早くなり縺れそうになる。
この様な所を鬼の上司にでも見られた日には、また立ち振る舞いの特訓でもさせられそうである。
でも今はそんな事はどうでもいい・・・少しでも早く戻りたいと夕鈴は思うのだった。

部屋の前で一呼吸をして、戸口に手を掛ける。
力を込めてエイッと勢いよく開けてみると『カタッ』と直ぐに開き、夕鈴は拍子抜けした。
簡単に開いた事に驚いたものの自室には誰がいるとも分からず、
そのまま何事も無かったかの様に静々と入って行った。

「お妃様、お戻りですか?お帰りなさいませ」

忙しく立ち働く侍女達は夕鈴に気が付くと、
一斉に仕事をしている手を一旦止めてニコヤカに拱手して迎え入れる。
自分しか居ない間に動かしたはずの家具もきれいさっぱり元通りになっており、
彼女らの仕事の速さに夕鈴は改めて驚いた。
そして、余計な仕事を増やしてしまったことに対して申し訳なさも同時に感じていた。

「お妃様・・・如何されましたか?お衣裳が汚れておいででございますが」

言われてみて初めて、自分の格好を姿見で確認してみた。
なるほど、侍女さんから言われる筈で。
だって裾は泥だらけ・・・・これはきっと先程の大楠の根元で座っていたから。
そしてよく見ると埃だらけ・・・・この埃は恐らく迷路区域で彷徨っていた時につけてしまったものだろう。
あまりの自分の姿に、少しマズイということは分かる。

「あら!どうしましょう・・・きっと先程、庭園を散策していましたからその時にでも汚してしまったのでしょうね」
「では、お着替えをお手伝いいたしますわ」
「お願いいたしますね」

自分が何の気なしにした返事に侍女達は何故か嬉々としているのが、夕鈴の眼に写り困惑する。

何かあるのかしら?
いやに侍女さん達が色めき立っているんだけど?

侍女達が喜んでいるのは、夕鈴が日中に着替える事は稀でその際は侍女が選んでよいことになっていることで。
引いては、『私達の自慢のお妃様』を普段よりも着飾らせることが出来るからなのである。
しかも夕鈴が『お願いします』と言ったことにより、全て自分たちに一任されたことを意味しているからなのであった。

そんな事とは露知らず・・・夕鈴は特に何も考えずに『お願い』と口にしていたのであった。

二人の侍女が衣裳箱の前で、あれやこれやと何着も吟味して選んでいる。
そしてまた別の侍女は靴箱で一人、どの靴がよいのかを思案している。
またまた違う侍女三人は髪飾などの装飾品を手に取り意見を出し合っている。
この奇異な状況に夕鈴は段々自分が発した言葉の意味を悟り、
背中にツゥーと汗が流れて行く感覚に襲われていた。

実は自分は彼女らに対してマズい事を発言してしまったのでは無いのか?
ようやくここにきて自分の過ちに気が付く夕鈴で・・・・。
そして少し後。
六人の侍女に囲まれ、いつもよりも艶やかに着飾られている自分を姿見で確認し絶句する羽目になった。

淡い藤色と濃い紫の重ね上衣。
下衣は、濃い桃色で踝まで覆われているが、
裾は軽い作りで風が吹くとヒラリと舞い上がる。
髪は耳横に一房だけ残されて後は綺麗に結い上げられ、
纏められた頂点にキラキラ輝く金の細工の簪が揺れている。
耳朶に飾られた紅玉の一粒の耳飾りが陽に煌めいている。

姿見の中の自分は、確かに狼陛下唯一の妃の相応しい姿だった。
でも夕鈴はそこまでは全く望んでおらず・・・・。
なので途中まで『何も無い時に着飾るのはちょっと気が引けます』や、
『ここまでして頂くのは申し訳ないです』などと一応抵抗はしていたものの、
結局侍女さんパワーに押されて気が付けばされるがまま状態となってしまっていた。

夕鈴はやっと解放して貰うと即座に籠にお茶道具一式を入れ、
それを腕に持ち侍女に事付けを頼む。

「あの・・・陛下がもし此方にお越しになられましたら、いつもの四阿にいるとお伝え下さい」

言い終わると、静々とお妃演技で庭園の四阿へと向かって行った。
簪のシャランという音を響かせながら・・・・。

もう陛下から逃げるのも疲れたし、李順さんの依頼は十分果たしたはず・・・・。
何より陛下に逢いたいと思ってしまっている自分がいる事を夕鈴は感じていた。
確かに臨時手当は美味しくて、絶対に手に入れたい。
ならば、ホントはもっと逃げないといけないことくらい分かる。
でも、こんな気持ちを抱えたままではきっともう逃げられっこない。

夕鈴は、自分の恋心と臨時手当を天秤にかけてみた。
どちらに傾いたのは、ここで陛下を待ってることで自ずと答えは出ていた。

四阿には午後の日差しが眩しく差し込み、傍の木から零れ出している木陰が心地良い。
お茶の準備が整った夕鈴は長椅子に腰かけ、
風に揺れる葉ずれの音にジッと耳を澄まして聞き入っていた。



続。















【アリスの口づけ・9】 銀の馬車に揺られて
2015年12月14日 (月) | 編集 |
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この作品は、某SNSのコミュニティにて開催されたハロウィンパーティに合わせて
『花の四阿』管理人・さくらぱん様とコラボした作品を私なりに加筆したものです。

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「夕鈴・・・・夕鈴?・・・・・・夕鈴っっ!!僕の話、聞いてる??」
「あっ、はい・・・黎翔さん」

ちょっと懐かしい記憶に浸っていた私は、心配そうな黎翔さんの声で現実に引き戻された。
私の瞳を覗き込む、心配げな彼の瞳。
陽の光を受けて煌めく紅玉が、ゆらゆら揺れている。

いけない、今デートの最中だった・・・・・。

「ごめんなさい、聞いていませんでした。
何ですか?」
「ボォ~としてたみたいだから・・・・もう疲れた?」
「いえ、全然大丈夫です!」

私、そんなにボケッとしてたの?
恥ずかしい。

私は満面の笑みを浮かべて、大丈夫なことをアピールする。
しかし、黎翔さんはまだ心配顔のままで・・・・。

「ホントに大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ!」
「なら、いいんだけど・・・・・僕が何度も夕鈴の名前を呼んでも、
全然気づいてくれないから心配しちゃった」
「ごめんなさい、心配させて」
「ううん、僕の方こそ君とのデートが楽しくて少し無理させたね。
ゴメンね、夕鈴・・・・」

しゅんとなった黎翔さんは、いつもの辣腕ぶりを発揮する狼陛下な社長がなりを潜めて落ち込んだ小犬のようで。
今にも、キューーンと鳴きだしそう。
そんなにも心配をかけてしまったことを知った私は、胸が痛くなってしまった。

せっかく彼が時間を作ってくれたデートなんだから、沢山楽しまなきゃね。
私は隣を歩く彼にキュッと抱き付いた。

「夕鈴?」

私の突然の行動に、虚を突かれ黎翔さんはビックリした表情で私の名を呼ぶ。
そんな黎翔さんが可愛くて大好きな気持ちが溢れ出してしまって、私は彼の耳元に囁いた。
『心配してくれて、ありがとう』と・・・・・・。
黎翔さんは、それでやっと安心したのか優しく微笑んでくれた。

そんな事も束の間。
金と銀の光に包まれたまばゆい馬車が、シャランシャランと鈴音を高らかに鳴り響かせながら近付いてきた。

「ねぇ、夕鈴!見てよ、女王様の馬車が来たよ!!」

黎翔さんの言葉に、否応がなく私の期待が高まる。
私が音がする方へと視線を向けると、目に映るのはハートの女王様を乗せた馬車だった。
絵本に出てくるハートの女王様は怖くて意地悪だけど、このパークの女王様は煌びやかな衣装を纏った美人。
更には、優しい笑顔がとっても印象的な素敵な女王様だった。

ポォ~と見惚れていると、私の目の前で馬車がピタリと止まった。
馬車から優雅な物腰で女王様がストンと降りて来て丁寧に会釈してくれたので、私も慌てて会釈を返す。
そんな私に女王様はフンワリと微笑んで腕を伸ばした。
洗練された指先が指し示したのは、女王様が乗っていた煌びやか馬車だった。
どうやら私達を馬車へと誘っているらしい。
女王様に促されるままに、黎翔さんと私は眩い馬車に乗る。
乗り込んだと同時に、馬車の扉がピタッと閉められた。

「黎翔さん??女王様が、まだ乗っていないんですけどっっ!」
「大丈夫だよ、夕鈴」

一緒に女王様も乗るものだと思っていた私は、ハートの女王様を広場に残して馬車が走り出したことに驚いた。

私と黎翔さんだけを乗せた馬車はパレードを抜け出して、風のように走ってく。
少し開いた窓から入ってくる風は、すごく心地いい。
馬車はパーク内の風景をクルクル映しながら、小高い丘の頂上を目指して駆けて行った。
流れ星のように現れ、消え行くパークの光。
私は何だか落ち着かない。
そんな私を安心させるように、隣に座る黎翔さんはそっと手を繋いでくれた。

「夕鈴は何も心配しなくていいから」

微笑みながら隣に座る黎翔さんに、私はようやく安心してきた。

やがて、パークを見下ろす頂上広場に着いた。
馬車を降りて展望台まで、ふたり手を繋いで歩いてく。

「夕鈴が疲れているみたいだったから、ここまで連れてきてもらっちゃった」

悪びれもせずケロリと白状する黎翔さんは、いつものワンマン社長で。
先ほどの心配顔の小犬は、影も形も存在してなかった。

もうっっ、少し過保護すぎるわよ・・・・・。
私は彼に呆れる気持ちと彼の優しさに、ついつい笑みが浮かんでしまっていた。

二人で見る眼下の景色は、発光きのこたちが織り成す不思議な世界。
ハートの女王様の城が、遮るものが無くて近くに感じられた。
大きくて荘厳な白亜の城に、真っ赤な薔薇の花の美しい映像が映し出されている。
パークの夜景の美しさに、知らず感歎のため息が漏れていた。

「わぁ・・・・・・綺麗」
「本当だ、綺麗だね」

私は照れ隠しで、パークの夜景に夢中になった振りをした。
繋いだ彼の大きな手が安心出来て温かくて、私は離したくなくてギユッと強く握り締める。
私は小さく『ありがとう』と呟いた。
隣で黎翔さんが口元をほころばせ笑った気配がした。

もうっっ!黎翔さんには敵わない!何もかも、お見通しなんだから。
私は素直にお礼を言っただけじゃないのっっ!
そんなに笑わなくても・・・・いいのに。

素直じゃない私は、頬を少し膨らませ夜景を見ていた。
そんな私に黎翔さんは、クスクス笑いながら優しく背中から抱き締めてくれた。

「夕鈴、好きだよ」
「黎翔さん・・・・私も・・・です」

彼のぬくもりに包まれ眼下の煌びやかな風景に酔いしれながら、
しばらく二人で甘い夢に浸るのだった。
音もなく静かに・・・・私は高鳴る自分の胸の鼓動だけを感じていた。





続。







つらつらと・・・1207
2015年12月07日 (月) | 編集 |
こんにちは!


今日は、実は自分の誕生日でして・・・・。
こちらでも、SNSでも、ラインでも、メールでも、電話でも、
あちこちでおめでとうコールいただき、まことに有り難うございます!!!

個別返信は、後程に。

ホント、余りメデタクは無い歳なのですが・・・お祝いしていただけるのは、
大変嬉しくて、有難いものです。

ネットを開く度に、おめでとうコールを見れてホクホクが止まりません!!


今日の晩御飯は、私の好きなモノでも作ることにしましょうか~
子供が嫌いでも、今日くらいは我慢してもらいましょうかね。


誕生日ケーキは、昨日旦那様が買ってくれました。
平日は帰りが遅いから、一日早いけど・・・・と。

DSC_1016.jpg
夜遅くに行ったので、あまり種類は無くてシフォンケーキにしました。
でもサービスでプレートを付けてくれて・・・・。
ロウソクも・・・ということで恥を忍んで数を言ったのに、ケーキ屋さん入れるの忘れてました。
子供たちがガッカリとしていたので、家にあるキャンドルを代用品にしました。


子供たちはプレゼントをくれるって言っていましたが、
物は要らない!と辞退しました。
私が欲しいものは・・・・・『一日子供を怒らない日』
『一日、ママ!ママ!!と言われない日』です。
でも朝から、息子が起きてこなくて・・・・・怒っちゃいました。
まぁ、そんなもんですよね。


さぁ~~~て。
晩御飯、何にしようかなぁ~~~。
その前に買い物に行かなくっちゃ。


瓔悠。






【アリスの口づけ・8】 星降る夜に
2015年12月06日 (日) | 編集 |
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程なくして、私の偽婚約者のバイトは本格的になった。
社長さん…もとい、黎翔さんはあちこちの会合に私を付き添わせた。

それは、色々な場所で行われるパーティや新製品開発イベント。
更には自社工場の視察なんかまでも。
でも何処に行っても私達は注目の的。
そりゃこんなに若くてカッコいい容姿の黎翔さんだから、誰からも見られることくらい私にだって分かる。
でも頼むから私にまで、注目しないでほしい。
まぁ、それは突然降って湧いたような婚約者だからこそ、注目されているのでしょうけど。

いつもドキドキしてしまう。
何かおかしいのかしら?と不安になって、
自分の格好を慌てて確認したりもする。
だって私・・・こんな高級な服なんて着ないから、
似合ってないんだろうなぁって事は重々分かっているもの。

「珀社長に婚約者にしては、随分とお若いようですが。
おいくつですかな?いや、女性に歳を訊ねるのは失礼だったかな?
ハハハ」
「可愛らしい婚約者さんね。貴女、いくつかしら?
どちらのご令嬢?」

黎翔さんと離れた途端に私へと向けられる、男性たちのいぶかしむような視線。
そして、嫉妬心の入り交じった女性たちの鋭い視線。
女性たちには化粧室で押しのけられたりと、あからさまな嫌がらせなんてものもあった。

でも私は兎に角、自分にやれるだけの事を頑張った。
ちゃんと婚約者に見えるように、言動も丁寧でお淑やかにと気を付けた。
黎翔さんの偽婚約者として。

おかしなもので、私は少しでも家計の為になればとこの特別なバイトを引き受けたはずだった。
なのに、いつの頃からか黎翔さんの役に立ちたいと思うようになっていた。

多分、その時にはもう好きになっていたんだと思う。

その洗練された仕草に。
その信念に満ちた瞳に。

そして私はいつしか知ってしまっていた。
黎翔さんの二面性。
狼陛下と小犬陛下の両方を。
醸し出す雰囲気の違いに最初は戸惑ったけれど、
段々どちらの黎翔さんもいいなって思う私がいた。

くつろいだ時に見せる小犬も。
誰からも畏怖される狼も。
どれも、私を魅了した。

でも私なんかはただのバイトであって、
素敵な黎翔さんに恋するなんておこがましい。
だから絶対にこの恋は秘したまま、ただバイトに精を出すつもりだった。

『好きなんです』
何度、そう告げたくなるのを我慢したかしら。
何度、枕を濡らす夜を過ごしたかしら。


そして・・・・・あの夜が訪れる。


******


それは、あるパーティの帰りだった。
取引先の創立何十周年かのパーティで、いつも通り私は着飾らされて黎翔さんと出席していた。
黎翔さんは濃紺のスーツに身を包み、カッコよさを際立てせていた。
会場でも、良家のお嬢様たちの視線を一身に受けていた。

いつも通り・・・のはずだった。
パーティが終りそのまま家の付近まで送ってもらって、
それで今日のバイトも終るはずで。
だからあんな事を言われるなんて、思いも寄らなった。

「夕鈴、今日はもう少し時間もらってもいいかな?」
「えっ?は、はい。まぁ、大丈夫ですけど・・・・」
「そう、ありがとう」

そう言って、黎翔さんは優しく微笑んでくれた。
私も何だか嬉しくなって、満面の笑みを返した。

そして黎翔さんの運転する車で連れていかれた場所は、星が綺麗な丘の上だった。

空には零れ落ちそうな星たちが瞬いている。
月も西に沈んで、星たちだけが空に鎮座する。

「綺麗ですね~」
「そう?」
「はいっっ!街中ではこんなに沢山の星は見れませんよ」
「夕鈴が、喜んでくれて良かった」
「有り難うございます」

黎翔さんと私は、しばらくの間隣に並んで空を見上げていた。
一言も発することなく…静かで、穏やかに流れる刻。

見上げた空の中天で一際星が輝いたと思ったら、
そのままスゥーーーと流れ落ちた。

「黎翔さん!!!見ました?
流れ星です!!!」
「夕鈴は願いごとをしたの?」
「・・・・・あっ、あまりに綺麗過ぎて見とれてて、忘れちゃいました」
「そうなんだ」
「はい・・・・何だか損した気分です」

私の返答に、黎翔さんは口元を綻ばせていた。
そしてまた私は空を見上げる。
今度こそ、流れ星に願いを掛けようと。
また二人の間に沈黙が流れていく。

しかし、その静寂も黎翔さんの一言で破られた。

「好きなんだ」
「・・・」

それは一瞬のことで、不覚にも聞き逃してしまっていた。

「聞こえた?」
「何がですか?」
「だから、僕は君が好きだって事!」
「はい、聞こえまし・・・・って、えっっ~~~」
「そんなに驚かなくても…傷つくなぁ~」
「いや、冗談なんですよね?」
「冗談なんかで、愛の告白なんてしないよ」
「・・・・」
「夕鈴?」
「・・・・・・・」
「夕鈴??」

私の目の前で、黎翔さんは掌を左右に振る。

「ねぇ、夕鈴?」

私の薄茶の瞳からスゥーと一滴、涙が零れていた。

「えっ?夕鈴、泣くほど嫌だった?
困らせてごめん!もう言わないから!!
冗談だよ!うん、冗談っっ!!」

黎翔さんは慌てて、訂正の言葉を紡ぐ。
それを聞いた私は、左右に首を激しく振る。

「違うんです!!!私・・・・嬉しくて。
だって、私もずっと前から黎翔さんの事、好きだったから」
「夕鈴・・・じゃあ、僕の恋人になってくれるの?」
「勿論です!いえ、私で良ければ・・・・・・・」
「夕鈴でなきゃ、ダメなんだよ」
「はい、有り難うございます。
あの・・・・こんな私ですけど、宜しくお願いいたします」
「それは僕だって、そうだよ。夕鈴、これからよろしくね」

私の返事に黎翔さんは、身体をスッと引き寄せて優しく抱き締めてくれた。
これは夢なんじゃないかという疑いを黎翔さんの身体を抱きしめ返すことで、
現実の事なんだと実感した。

その時、また天空で星が流れ落ちた。
それを私は見逃していた。
だって黎翔さんに口づけられて、恥ずかしさの余りギュッと瞳を閉じていたから。

今までで一番、嬉しくて幸せで。
私にとって忘れられない星夜の事・・・・・・・・。




続。









つらつらと・・・1205
2015年12月05日 (土) | 編集 |
こんばんは!!

師走ですね~~

大掃除!
年賀状!!

何一つ終わってません。
大丈夫なのか?私・・・・・・・。
少し不安はありますが、まぁ何とかなるでしょう ←マジで何とかなるんかいな。

今日はクリスマスの飾りつけは終わらせました。
毎年、玄関先だけは賑やかに飾り付けるんですよ・・・私。
今年は娘を助手に、本日行いました。
クリスマスツリーは娘に任せました。
飾りが足りない~~と言いだしたので、100均へお買い物。
最近は100均にもクリスマスグッズが多くていいですよね~~
壁紙に貼れるステッカーも買いました。
(玄関先の壁に染みが出来てて、前々から気になっていたので
それを隠すためです・・・)

完成です!!!

DSC_1012.jpg
飾りを付け足して、賑やかになりました~~

DSC_1010.jpg
壁紙ステッカー!今はホントに簡単に染み隠しも出来て便利ですね~

DSC_1009.jpg
下駄箱の上も飾りつけ!
ホントは隣にあるメダカの水槽が邪魔なんですけど、
旦那のモノですから勝手に除けられないですよね。

DSC_1014.jpg  DSC_1008.jpg
こちらが一番気合が入るところ。
今年は、ポストカードも作ってみました。

後は、外のイルミネーションの飾りつけが残ってます。
これは明日にでも、出来ればいいですが。

明日は、バドミントンの地区大会。
前回の市大会では、かなり悔しい思いをしたので
今回はいい成績を残したいなぁ~と。

今日は早く寝ないと。



瓔悠。













【兎と僕の攻防戦・10】
2015年12月04日 (金) | 編集 |
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【注意事項】

こちらの作品は、前々ブログ『遥か悠遠の朱空へ』にて公開していた作品です。
今回こちらへ移行するに伴い少しだけ手直ししておりますが、
書いた当時の陛下と夕鈴の関係が浅いものでありましたので、
当時の雰囲気を残すべく糖度はあまりありません。
そのことを踏まえた上でお読みいただけます様、宜しくお願いいたします。   







黎翔はあちこちの庭園を、イライラしながら探し回る。
けれど夕鈴の居場所は、全く特定出来ずにいた。

何処を探せばよいやら途方にくれそうになった時、丁度良いことに水月を連れた方淵が現れた。
どうやら寵妃の行方を知っているらしく、わざわざ自分に進言に来たと言う。
これを好機と言わずして何と言うのか?
黎翔は妖艶な笑みを浮かべ、まんまと方淵から夕鈴の居場所を聞き出すことに成功した。

方淵の進言を聞いてすぐに来たのだが、夕鈴がいたという場所にはもう愛しい妃の姿は無かった。
辺りを見回して見ても、影も形も無い。
そこには、ただ風が吹いているだけで。
どうやら、随分前に移動してしまったらしい事だけを物語っている。

「はぁ・・・・・あのはねっかえり兎は、一体何処へ行ったのやら」

余りにも夕鈴が見つからなくて、黎翔はふと溜息と共に独り事が漏れてしまう。

ソンナニモ、ボクガキライナノ?
ヒッシニ、ニゲナイトイケナイホド??

このまま会えないと思うのは、大袈裟だと十分解っている。
夕鈴が見つからないと考えているだけで凹んでくる。

考えたくもない『もしも』だが。
君が下町へ戻って更には僕の前から完全に姿を消してしまったら、今の様に必死で君を捜すのだろうか?
いや捜すと言うよりも・・・・もう手放す気は更々ないのだがな。

狼のフフッと黒い笑みが零れ、紅い瞳が輝きを増す。

「さぁ、本格的に兎狩りと参ろうか?
その前に・・・・浩大、いい加減ついてくるのは辞めろ。
鬱陶しいっっ!!」
「いや~~ホントにへーかは、はしっこいよなぁ~~~。
そんな事言わないでよ~~お妃ちゃんいなくて残念だったけどさぁ」

浩大は大楠の木の股からひょっこり顔を出し、
黎翔の神経を逆なでするような事をワザワザ言ってくる。

「先程から、ついて来ているようだが・・・ついてくるより夕鈴を捜しだして、護衛にでも就け!!」
「オレが先に見つけてもいいのかよ」
「ふん、お前よりも先に見つけるさ」
「じゃあ、オレが先に見つけたらどうするのさ?」

浩大はもう自分が見つけると決めつけ、ご褒美のおねだりを始める。
黎翔は浩大なぞに遅れは取らないから褒美はどうでもよいと思っているのだが、
一応浩大のヤル気を上げてやる為に大好物を提示してやる。

「そうだな・・・・お前がこの間欲しがっていた献上品の特上酒でもくれてやる」
「おっ、そりゃいいな!あのお酒美味しそうだったしなぁ~~。
じゃあ陛下、その約定を忘れないでくれよ~~」

嬉しそうにゴクリと喉を鳴らして、
浩大は素早く木を伝いその場から煙の様に消えて行った。

「はぁ、やっと邪魔モノは消えたな・・・では本腰を入れるとしようか」

黎翔も素早くその場所から移動して、その木陰が気持ちいい大楠のみが残された。
浩大は黎翔の挑戦にまんまと乗ってしまい、李順から頼まれた『陛下追跡の記録』という任は此処で途絶えることとなってしまった。



************


その頃。
夕鈴は後宮管理室の張老師の元に来ており、戸口で中の惨状にビックリしていた。

「老師・・・あの・・・・そこらかしこに散らかっている書簡は何ですか?」
「これはお前さんが、ほれ迷子なんぞになるから。
あの迷路の道順を示した書簡を捜しておるのじゃ」
「え~~あの迷路には道順を示したモノがあったんですかぁ~~~?」

夕鈴はその場にペタリとへたり込んで、先程の陛下の所業を思い出していた。
そして老師も先程の黎翔の剣幕を思い出して、ブルンと身体を震わせた。

「お主があの迷路区域に入り込んだと聞きつけて、
陛下は真っ青な顔をしてここに怒鳴りこんできたのじゃぞ」
「そうだったんですか・・・・・陛下が心配して・・・・」

確かに目が覚めた時、陛下の紅い瞳は微かに揺れていたような。
あれは私を心配しての事だったんだ。

なんだか、嬉しくなってきて心の奥がホンワリ暖かくなってくる。
無性に陛下に会いたくなってきた。
私を捜して迷路に入ってくれた勇敢な陛下に。
この想いに、今は従ってもいいわよね。
秘めた想いだけれど。


「張老師!スミマセン、ご心配をお掛けして・・・あと書簡探しまでさせてしまって」
「なぁに、いいんじゃよ!どうせ、ほら捜さにゃならんかったしな」
「では、失礼しますね。

夕鈴は老師に頭を深々と下げて、後宮の自室へと早足で戻って行った。



続。







【欲しかったものは】
2015年12月03日 (木) | 編集 |
【設定】

臨時妃設定 ・ 原作寄り

【注意事項】

こちらの話は、【カボチャの降る日】の追加的お話です。
SNSにてUPした際、コメント蘭に可愛くてお茶目なイラストをいただきまして~
それに私が話を付けちゃいました!!

ギャグテイストですので、
あまり甘さは有りません!!!
かる~~いお気持ちでお読みくださいませ。

これは、ブログのみの特典話です!!!






回廊で灯されていたカボチャの灯ろうの火が落とされ、
王宮のハロウィンは終わりを告げた。

夕鈴はようやく人払いし、自分も寝台の上でのんびり寛ぐ。
疲れた身体を投げ出して、ボンヤリと今日の事を思う。

ハロウィンは盛況のうちに終わった。
女官や官吏たちも満足したようで、夕鈴としては安堵していた。
一応、このお祭りめいた催しを仕切った主催者としては・・・・。

カボチャ探しも物凄く盛り上がっていたし。
まぁ、あれは陛下側の主催モノだったから、私はあんなことになったのだけど。

夕鈴は誰もいないことをいい事に、ポツリと愚痴を零す。

「ホントは、私も金券なんかが良かったのよ・・・・どうして、ああなったのやら。
何のために参加したのよ!全ては金券、紙幣の為だったのに」

はぁ~~~肺の奥から絞り出すように、深いため息を吐き出した。
その直後、『ふあぁぁぁぁぁ~』と欠伸が出てきて、急に睡魔が襲ってきた。

そのまま敷布に包まり、静かに目を閉じた。


**********


金券と紙幣が空から降ってくる。
お化けカボチャと共に。
次から次へと。

夕鈴は辺りをキョロキョロ探る。
そして自分の周りに誰もいないことをしっかりと確認して、ニッコリと笑った。

よしっっ_!!
誰もいない、今が絶好の好機っっ!!

夕鈴はガッツポーズをして、お化けカボチャに手を伸ばす。

自分の手の中に落ちてくるお化けカボチャ。
あと少し。
もう少し。

手の中に入る瞬間。
お化けカボチャは全て消え失せ、黎翔の姿が。

『夕鈴、金券なんていらないよ。
僕のお嫁さんになれば、借金なんて無くなるんだし~~』

迫りくる黎翔に、夕鈴は捲し立てるように抗議する!

『陛下!!今度はちゃんと手に入るところだったのに~~
なんて事してくださるんですかっっ!!
私は一刻も早く借金地獄から抜け出たいんです!!
どうして、私の気持ちを分かって下さらないんですか~~~~』

しかし、黎翔は全く意に介してはいない。
涼しい顔のまま、夕鈴に甘い声で誘惑する。

『折角のハロウィンの戦利品!どう使おうか~
一日なんてアッという間だから、僕たちの婚姻の儀式に使おうか?』
『はい????何言っているんですか???
私はそんなこと承諾していません!!』

逃げる夕鈴。
迫る黎翔。

夕鈴の額には冷汗がジワリと浮かぶ。

『私は、金券!!紙幣が欲しいだけです!!
それだけなんです!!』

そう言っても、黎翔は諦めてはくれない。
夕鈴は必至で叫ぶ。


「金券!!!金券が~~~~」


無題


ギリィィィィィ。
夕鈴の歯ぎしりが寝台に響く。

それを聞く人物が。
政務の終わった黎翔がコッソリと愛しい寵妃の寝室に忍び込んでいたのだ。

「夕鈴、可愛い~こんな凄い歯ぎしり初めて・・・?!」

ずきゅ~~~~~んん。

衝撃を受ける黎翔。
胸を打つほどの愛らしさ。
夕鈴の知られざる一面を垣間見て、自分の胸が震えるのを感じていた。

「やっぱり、僕のお嫁さんは君だけだよ」

汗のにじむ額にそっと口づける。
そして口元には笑みが浮かんでいた。



終。




イラスト強奪して、スミマセン~~~
でも、こうしてSSが作れたのも
あのイラストがあんまりにも可愛かったからですよ~~
ダリちゃん、ありがとう~~です。














【カボチャの降る日】
2015年12月01日 (火) | 編集 |
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り

【注意事項】

こちらは、ハロウィンネタです。
私の大好きな絵師のダリ子様に
素敵なハロウィンイラストをいただいたんです。

それで、やっと私が僭越ながらSSをつけさせて頂き、
UPさせていただくことに~~~

もう兎に角、イラスト素敵です。
イラストをご堪能下さいませ。



********************





暑い夏も何処かへ過ぎ去り、涼しい風が吹き抜けてくる頃の事。
それはやって来る。

『ハロウィン』

狼陛下が治める、この白陽国にも・・・。


*************




「お妃様、こちらの飾りは何処に?」
「ああ、それでしたら、窓枠に飾って下さい」
「では、こちらの置物は?」
「そのカボチャの燈火でしたら、回廊脇に並べて下さい」

後宮が賑やかに準備に追われている頃、
王宮では官吏たちがそわそわし始めていた。

万聖節・・・・ある宗教の諸聖人の日の前夜に行われる祭りらしいのだが、
古くは秋の収穫感謝祭に起源があるという。
そんな白陽国には馴染みが無いような祭りも、
数年前に遠い西の国からの使者たちがもたらしたものが庶民の間に広がり、
今では王宮までもその祭りを楽しむようになっていた。

更には、普段は交流の無い官吏と女官たちの唯一の交流の場となっている為、
女官たちも準備に余念がない。

女官たちのお楽しみと言えば、目当ての官吏たちとペアになって探す『カボチャ探し』である。
この『カボチャ探し』とは、至る所に隠されたお化けカボチャの中の宝物を探す催し。

宝物を見つけることが大前提であるが、女官や官吏たちにとって大切なのはその過程。
誰と見つけに行くかが、最も重要な鍵でなのある。
その後の人生に大いに影響することすらあるのだから。

それは・・・・・・・・言うなれば、集団お見合いみたいなもの。
出会いの少ない女官たちにとっては、張り切らざる負えないものなのであった。

まぁ、夕鈴はそんなことには正直参加する意思もなく、資格も無い。
後宮唯一の寵妃がそんなものに参加したとあっては、大問題である。

ところが準備をする中で宝物の中身を知ると、夕鈴も参加したい気持ちが芽生えてきた。
夢見がちな宝物で有れば全く見向きもしない。
が、金券・宝石・紙幣となってくると借金を背負った身の上の夕鈴にとって、それは甘味な誘惑となる。

それにホントの所、こんな楽しそうな企画・・・・お祭り好きな夕鈴は、黎翔と参加したい気持ちも少しはある。

「はぁ~~いいわよね。皆、楽しそうで・・・・・」
「何が楽しそうなのだ?」

ボンヤリ一人で寛いでいる所に、急に振ってくる甘い声。

「へ、へ、へへ、へいかっっ!!」

夕鈴はいきなりの声掛けにビックリして、長椅子からスッ転んでしまった。
自分のあまりの醜態に、真っ赤に首筋まで染める。
転んだまま回りをキョロキョロしてみるが、
先程まで控えていたはずの侍女達は煙のように消え失せていた。

「夕鈴、大丈夫?」

夕鈴は自分に伸ばされた腕を、首をもたげて下から上に向かって視線を動かした。
そこにはニッコリ笑って、優し気な視線を送る黎翔がいた。

「はっ、はい!大丈夫です!!」

その腕を取ることを躊躇われ、夕鈴は自分の力で立ち上がろうとした。
けれど、それは黎翔が許さず、そのまま両手で抱きかかえられた。

「あの・・・・恥ずかしいですから、放してください」
「どうして?僕たち、夫婦なのに?」
「それは、侍女さんたちがいるときだけで良いですから。
陛下言っておきますが、私たちは『偽』夫婦ですからね」

夕鈴は、殊更『偽』と強調する。
それに対して、黎翔は少しだけムッとした。

「僕はいつだって、君と夫婦でいたいんだ!」
「・・・・・それを、バイトに言わないでくださいね」

夕鈴は放してもらおうと、黎翔の腕の中で必死でもがく。
黎翔はそれを阻止しようと、腕の力は更に帯びる。

「君はホントに強情なんだから・・・・・。
それより、さっき言ってた『楽しそう』って何のこと?」
「いや、誤魔化さないでくださいっっ!!!お、ろ、し、て~~~」
「もう、仕方ないな」

黎翔は不満タラタラという表情を浮かべながら、夕鈴を降ろして長椅子へと座らせた。
そして自分も当然の様に隣へと腰掛ける。

「で、楽しそうって?」
「ああ、あれは『カボチャ探し』のことですよ」
「『カボチャ探し』ね~~~確かに楽しそうだよね。若い官吏たちはかなり楽しみにしてるようだもんね」
「そうなのですね」
「楽しみにし過ぎてて政務中にボンヤリする官吏たちが続出で、李順がかなり困っているようだが」
「・・・・・・それは、マズいですね」

夕鈴は、頭から湯気を出している李順を思い浮かべて苦笑する。

「まぁね、それはいいとして、夕鈴も参加したいの?」
「・・・・・・・・・妃である私は、やっぱり参加する資格はないですし」
「え~~どうして?」
「だって、一緒に参加してくれる人はいませんよ」
「いるよ」
「どこにですか?それは有難いです!私、カボチャの中の品物が欲しくて!!
陛下、参加してくれる人を紹介して下さい!!」
「紹介って・・・・・・ここにいるではないか!」
「ここって・・・・・・っっ、陛下、ですか???」
「そう」

ニッコリと微笑んでいる黎翔に、夕鈴は項垂れる。

いや、陛下自ら参加なさるなんて・・・・それはさすがにマズいでしょ。
いくらなんでも。

「いえ、それは、だから、ご遠慮します」
「どうして?ねぇ、参加しようよ、一緒にさ!!
よ~し、参加しようね!ゆーりん」

黎翔に強引に押し切られ、夕鈴は大きなため息を吐き出した。
そして気が付けば、夕鈴は参加する運びとなっていた。




***************

晴れ渡った秋空の下。
その日はやってきた。

女官・官吏たちは、後宮と王宮内の庭園を連れ立ってお化けカボチャを探す。

木の茂みの内。
小川の畔。
花畑の中。
回廊の端。
四阿の石椅子の下。

ありとあらゆる場所に、自然に或いは不自然にお化けカボチャがあった。
そこらかしこで、見つかった歓喜の声が上がり庭園は実に賑やかしい。

「夕鈴、あちこちで見つかっているようだね。
僕たちも早く見つけよう!!」
「はい!陛下!!!!頑張りましょう」

夕鈴の瞳は力強さが漲り、ランランと輝いていた。
あちこちを首を回してキョロキョロしつつ、お化けカボチャを探す。

ところが官吏や女官たちが既に見つけた後で、
お化けカボチャを見つけても中身は『空』なんてことばかり。

「はぁ~~~中々見つかりませんね」

夕鈴はため息をついて、肩をガックリと落とす。
それを見ると、黎翔は俄然やる気が出てきた。

「夕鈴、私に任せておくのだ!すぐに見つけてやろうぞ」
「陛下、お願いします」

黎翔に向かって、夕鈴は微笑んでみせる。
陽に当たり、夕鈴の笑顔はキラリと輝いて見えた。
それを見た黎翔は、夕鈴への愛しい想いが胸を騒がす。
そんな想いを募らせていると、隣で弾んだ声が聞こえてきた。

「陛下、ありましたよ!!!お化けカボチャっっ!!!」
「そうか、それは何処だ?」
「・・・・但し、木の上ですが」
「木の上?」
「ほら、あそこです」

夕鈴の差し示した先には、小高い木。
お化けカボチャは、その木の途中の枝の根元に置いてある。
そこは黎翔が手を伸ばしても届きそうにない場所。

「どうしましょう・・・・ここはダメですね」
「どうして?」
「だって、あんなに高い場所にあるんですよ」
「でも、あんな所だからこそ、誰も手にしてないと思うが」
「陛下も届きませんし、私が木に登ってもいいんですが・・・・それを李順さんにでも知られたら大目玉ですものね」
「なら、こうすればいい!!」

黎翔はヒョイと夕鈴の身体を抱き上げた。
それこそ、お姫様抱っこ。

「えっ、え~~~~~~~~」

夕鈴は急に自分の身体が宙に浮き、アタフタと慌てる。

「ほら、暴れると危ないが・・・・・」
「そっ、そんな!!陛下、これはいけません!!」
「夕鈴、私がこのままでいるから、早く取るがいい」
「・・・・・・・・・・・はい」

夕鈴はそう返事するしか術はなく、黎翔に抱き上げられたまま枝の根元に手を伸ばした。


1023.jpg


「う~~~ん、もう少しなのよね」
「夕鈴、頑張れ!」

お化けカボチャの下側に指先が触れる。
コロリと動き、お化けカボチャが落ちてきた。

「キャッ」

夕鈴が小さな悲鳴を上げる。
すかさず黎翔はカボチャが当たらないように、自分の胸に夕鈴の身体を押し当てて守った。

『ドサッ』

カボチャが落ちた後も、黎翔は夕鈴を放さなかった。
ギュッと抱き締め、その香しい花のような匂いを感じていた。

「陛下、苦しいですっ!」
「あっ、ゴメン・・・・・でも、放したくない」

もがきながらも夕鈴も離れがたく、少しすると黎翔の思うがままにされていた。
広くて大きい胸。
凄く安心する。

夕鈴は、黎翔を慕う恋心がはじけそうになった。

イケナイ、イケナイ。
私はバイト!

寸でのところで、夕鈴の理性が戻る。
自分の立場を忘れそうになった。

「陛下、有り難うございます。
カボチャ取れましたね」
「そうだね」

黎翔が、すんなりと放してくれたことで、夕鈴は自由になりカボチャ回収へと向かう。
カボチャの中には、封書があった。

その封書に書かれていたものは、たった一行。
『自分の想い人と、一日過ごせる権利』と。

「え~~~~~~~~こんなのいらない!!!
私は、金券か紙幣が良かったのよっっ!!!」

夕鈴が叫んだが、それを聞く黎翔はほくそ笑む。
その封書に書かれた手は、黎翔のモノ。

こんな木の上、誰が取るというのだ。
それは、お転婆妃だけだと踏んだ黎翔が仕組んだモノ。

「夕鈴、ほら、いつがいい?
それに何処に行きたい?
何をする?」

黎翔にせっつかれ、夕鈴はしぶしぶ返答する。

「陛下のお好きなように」


そうして、後日。
国王夫婦が仲睦ましく庭園を散策する姿が、官吏や女官に目撃されたのである。


終。


**********


ダリちゃん、素敵なイラスト
有り難うございました~~~~

また是非コラボしてね~~💛


瓔悠。