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こんにちわ。

今日は天気も良く、久々にお外に洗濯物を干せてます。
そして隣の公園の桜もかなり開花しました。
先程、散歩がてら眺めてました。
春だけの限定の風景・・・・堪能しないと勿体無いですからね。

DSC_0472.jpg
全体的にピンク色に染まってます。

DSC_0474.jpg
先日5輪程度咲いていた同じ木です。
もう6分咲きくらいでしょうか。



さて昨日は娘の定期通院と夜の新一年生顔合わせ会のお世話係(息子が新6年生なので・・・)で
ドタバタして正直疲れました。

娘は採血を中々させてくれず、私が膝に抱っこして腕を掴んで最後は半強制的にさせました。
勿論大泣きで・・・・看護士さんにもエライお世話になってしまいました。
私は兎に角早く終わらせようと、娘に色々な事を言って宥め・・・・・病院が終わって〇オンへ行く羽目に。
そこでご褒美のハンカチと新学期からの新しい筆入れを買わされました。
最近の筆入れってお高いですね~~布のモノがいい!と言われて『いいよ~』と言ったものの
1500円ほどして・・・・・・ビックリでした。



そしてここでお知らせします。
あちらのブログの連載モノをこちらに移してくるにはどれがいいのか?と
前にアンケートを実施したんですが・・・・・・
皆様の熱い応援のせいか、同率結果になってしまいました。
それで・・・・・どうしようと思いまして、色々考えたんですが、
もう移してくることを断念しました。

移してくるには、あのままというわけにはいかず・・・手直ししないといけなくて。
これが結構めんどい作業で。
それをするくらいなら、キチンと原稿に直したほうがいいと思ったので、
もうこちらには移さない事にしました。

アンケートに参加してくださったゲスト様にはお手間だけを取らせた形になってしまい、
本当に申し訳ありません。

でも皆様の熱い声援は受け取りましたので・・・・・・。
有難うございました。





それでは失礼いたします。




瓔悠。


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【注意事項】

LaLa3月号のネタバレがあります
コミックス派の方にはご注意です。
更に言うなら、陛下少し壊れ気味です。


何でもOKの方のみ、お進みください。
少しでも『ううっ』と思われる方は、止めておいた方がいいかも・・・・。
大丈夫ですか??
大丈夫!だと仰るゲスト様のみお進みくださいね。










手離してから思い知った。
自分の気持ちとこの虚無感。

今なら分かる・・・確かに繋がっていたということを。

ならば、もう一度つなぎ直せばいい。
そして繋がれた手が2度と離れる事の無いように・・・・・・

鎖で絡めとってしまえばいい。
檻にでもいいから閉じ込めてしまえばいい。

それが罪深い行為だと知っていても。


***********


眠れない。
心が落ち着かない。
ならば、政務に精を出して忘れてしまえばいい。
そうしても、全く・・・駄目だ。

気が晴れない。
こんな気持ちを感じるとは。
こんなにも必要としていたとは。
こんなにも恋しいと思うとは。

自分自身が信じらない。
結局、王だといっても・・・・・ただの男だったわけだ。
トンだお笑い種だ。

夕鈴、・・・・・・・・
逢いたい。
触れたい。
抱き締めたい。

心が夕鈴で一杯だったからかも知れない。
幻まで見える。

こんな所で、夕鈴に逢えるはずなんてない。
一番あり得ない場所。

目を擦ってみて、見直してみても幻なんてことは無く
まさしく夕鈴本人だった。


(全く、君って人は・・・・)

声にならない心の声。
途端、心によぎる。
君を閉じ込めてしまいたい。
もう何処にも行かないように。

此処で再会したのも、恐らく意味のあること。
ならば。


「どういうことーーーーー」

夕鈴・・・・・ごめんね。
でももう僕は君を離すつもりは無いんだ
だから。
ここで。
大人しくしていて。

君に対する想いが、溢れそうなんだ。
もう抑えられない。
だから・・・・・少しだけそこにいて。

分かっている。
これが罪深き事だということは。






終。




随分と、本誌とはかけ離れてますね~~
甘いモノでもなく。

でも多分私の疲れた脳みそが、違う妄想へと誘うんです。
『よゆまま』では考えられない
こんなの書いても、絶対に出さないだろうな・・・・・。

読んで後悔したのでしたら、『ごめんなさい』と謝罪しておきます。


瓔悠。


おはようございます~
(って11時過ぎたけど、まだおはようございますでいいのだろうか?)

まぁ、それは置いといて。


春ですね~(って唐突になんだ?!)

実は昨日、隣の公園の桜が咲きました。
このところの陽気で、もうそろそろだろうな~とは思っていて。
毎日、待ちわびてました。
・・・・・・・・彩くんのSSS 『桜模様』の気分で。

そして昨日5輪ほど咲いていて、嬉しくてスマホで写真撮りました。
毎年見ている風景ですが、やはりウキウキします。
でも同時に何となく切なくて、鼻の奥がジーンと熱くなるんです。
桜の儚さと生命力を感じるからでしょうか。

DSC_0463.jpg
まだほとんど咲いてません。
満開は来週の半ば頃かな~

DSC_0466.jpg
ホントに1本に付、5輪程度。
でも春が来たと実感できます。


さぁて、今日はお休みを取りました。
娘の定期通院の日でして・・・・採血があるので娘は嫌がってますが
ご褒美に『おやつ』を買ってあげるね~と約束しました。
まだおやつごときで釣れる娘が助かります。

昨日は旦那が結構早く帰宅しましたので、
早目に就寝しました。
と言うよりも、睡魔に襲われて起きていられませんでした。

でもいつもよりも1時間半も早く寝られたので
朝はスッキリでした・・・・
でも子どもたちが勉強している時に、1時間ほど朝寝しましたが。

春はホントに眠気をもよおしますね~~
どうしてなのか??
今日TVで言ってましたが、身体が冬眠から活動期の身体に変わるかららしいです。
(ザックリ言うとそうらしく・・・もっと色々説明してましたが)
なるほど!!!これは普通のことなんだ!と納得しました。


さて、昨日から『奇跡の欠片』後編書き始めてます。
中々納得いかなくて筆が進んでないのですが・・・・
出来れば病院から帰宅したら、書き上げたいですね~~

更に言うなら、書きかけのSSSも、書き上げてUPしたい!!

早く燃え尽き症候群から抜けたいもんです。




では、そろそろ行く支度をしなければ~~
行く前に、お昼ご飯を外で食べる約束をさせられたんで・・・・・・


それでは帰宅後に~~~


こんばんわ!!!

今日は特に内容の無い、『つらつらと・・・』なので、
(いつも内容が無い癖に・・・何言っての?って突っ込まれそうですが)
スルーしていただいても大丈夫です。








開店に際して心温まるコメント頂き、誠に有難うございます。
まだ返信していなくてスミマセン・・・・・

言い訳をするならば、昨晩は主婦としてあり得ないくらいの寝落ちをしてしまいました。

帰宅の遅い旦那を駅まで迎えに行きました。
もうその時からスンゴク眠くて・・・・・帰りの運転も出来ないほどで。
疲れている旦那に運転してもらいました。
そして旦那がお風呂中・・・・・・炬燵で居眠り。
フライパンのジュージューいう音で飛び起きました。
旦那が一人寂しくおかずを温めてました。
『ごめん!!!』と言って直ぐに代わりましたが・・・でも、旦那がご飯中はまた炬燵でねてしまい。
『ほら、もう寝るよ』と起こされたときには、50分くらい経過後で。
夕ご飯の茶碗の片づけは旦那がした後でした。

もう『ごめ~~~~ん!!』とスライディング謝り!でした。

いやぁ~~~こうして好きな事をしている以上、
”最低限度の主婦業はしないといけない!”と常々思っているので、
この失態はあり得ないことであり・・・・・・結構ショックでした。

しかし、此処まで旦那が一人で何でもする人だとは思いませんでした。
いつもはこちらからお願いするまで、動かない人なんで。

まぁ、そんな感じで返信できず。


今日から子どもたちが春休み!
初日の今日は、私も一緒に友人宅に朝も早くから遊びに行ってました。

やっぱり子どもたちが休みになると、子どもたち優先の生活になりますね。
早く終わればいいのに・・・・・・(いや、今日が初日だよ!)



そして驚いたことが!!!

このブログの昨日の訪問者が、思ったよりも多かったこと・・・です。
『遥か~』のブログと並行していた時には、そんなに多くない訪問者様だったのに、
多くて正直ビックリしました。

これは、頑張って色々書かないと申し訳ないよね。
とか、想いだけは膨らんでます。
(書けるのか?どうかは別として・・・)



まぁ、そんな感じで開店してから・・・・・・・・・有り難いことばっかで
ホクホクしてます。




それでは、意味も無く呟きましたが・・・・・
まずはコメント返信から始めるとします。


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【注意事項】

LaLa4月号のネタバレ気味(?)かも知れません。
コミックス派の方は、閲覧ご注意ください。
大したネタバレではないのですが。
(あるセリフがネタバレのセリフなんです)













「側にいてほしい、自分の手で君を守りたい」

嘘・・・・・・・
きっと、まだ私寝ぼけているんだわ。

だって、こんな事なんてある筈もないから。
陛下の端正な顔が、私の目の前にあって真剣な表情で私を見詰めている。

ナイ!ない!
私まだ寝ているんだわ。
これは夢。

「君が足りない」

そう言った。
陛下は、確かにそう言った。

聞き間違い?

「はい?」

私は聞こえてない振りで返した。
だって、聞き違いだったら恥ずかしいから。

「夕鈴・・・・・君って罪作りだよね」

今日の陛下はおかしい。
演技だとしても、普段はこうも立て続けに理解不能な言葉を紡ぐものだろうか。

「陛下?」

やっぱり聞こえない振りをしよう。
それが一番いい。

「やっぱり、夕鈴は後宮の悪女だよ」
「どうして私が悪女になるんですか?」
「聞こえているんじゃないか」
「今のは聞こえたんです」

感動的な告白を聞いたとしても、
信じられる・・・・訳が無い。

この恋は隠し通すもので。
私の心の奥で秘める想いで。
だから。
絶対に。
そんな言葉を陛下から聞いては駄目。

期待するから。
勘違いしてしまうから。
ホントは演技かもしれないのだから。

そんな熱い瞳を向けないでください。
狼と小犬が混じった表情をしないでください。

どうしていいのか、分からなくなってしまいますから。


夢なら、夢の中でなら・・・・・どんな言葉でも信じます。
だってそれは、私の願望が作り上げたものだから。


夢であるように。
私はそう願う。



今重ねられた唇の感覚が、リアルだったとしても。





終。




****************


やっぱり、燃え尽き症候群です。
思ったようなものが書けない。

はぁ~~~ダメですね。


こんなモノをUPした上で、開けてもいいのでしょうか?


でも、『待っている人がいる』と言ってくれた友人の言葉を信じてみます。
ダメだったら、その時に考える事にします。



お待たせしました、新装開店です!!!



瓔悠。


本屋に、19日発売の白泉社コミックスを買いに行って
本誌までゲットしてきました!!!!!!


な、な、な、なぁぁぁぁぁぁぁぁんと!!
今日本誌が発売されていたんです。


こんな事って!こんな事って!!!
今までほぼ無かった。
私の記憶では、私が買い始めて恐らく過去1度だけ。

なんて幸せで甘美な出来事なのでしょうか??

そしてコミックスを3冊ほど読んだ後、
(全部で4冊購入・・・・・・散財しました。
つい先日『暁のヨナ』を一気に大人買いしたばかりですのに・・・)
本誌を読みました。

買って来たその日に読むのは、私にしては珍しい事で。

読み終わって・・・・・・・マジでもう二次を書かなくてもいい!!
来月号発売まで、本誌と他の人が書くネタバレSSをエンドレスで読んでいればいい!
とか思いました。

いいっすよ!!!
マジでいいっすよ!!!!!

よかった~~~~
次の13巻は、2冊購入した方がいいんじゃないの??
とか思えますね。


で、こちらのブログはいつ開けるのか?と言われてます!
と言うよりも、ある場所で脅しを掛けられてます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・このまま開けない訳にもいかない。

分かっちゃいます。
が!
折角開けるのに、新作の1本も無いのは寂しい。

だから、何か書けたら・・・・開けようと思うんだけどね。
それが中々。

燃え尽き症候群に・・・・・本誌萌え萌え病。
この病は厄介ですよ。

いやぁ~~参りました。





瓔悠。


まだ開けてないから
一人ぼっちで、このブログ内を回遊してますが。


正直、開けるのが怖い。
もう一つのブログを閉めた時に、こちらも閉めましたから
私の中で、達成感・終了感が満載で・・・・。

工事も中々進まない。
更にあちらから移してくる段階でいじくり過ぎて、
お話が何処に行ったか分からなくなったモノもあったり。


どうしよう・・・・このままフェイドアウトしても
もう忘れられてるかも知れないから、しちゃっても大丈夫な気も。
それに今は春コミイベントの薄い本が沢山ある方も多くて、
こんな辺境まで来れないかも知れないから、そうしちゃおうか。
だって私も沢山の戦利品を並べてホクホクしてますし~。
まだ全部読んでないから~~このまま読み専になっても
なんら影響もないし・・・・・。
それに私の大好きなブログさま方が存続してくださったので、
素敵な二次読み専生活は満喫できるし。


うう・・・・・グルグルと考えが纏まらない。

いやぁ~~
睡眠不足はいけませんね。
(4時間しか寝てない)
至らんことばっか、思い浮かぶ。



もうすぐ隣の公園の桜も咲くのに・・・・な。


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この恋は、私の初めての恋。
そして叶えたい恋。

私だって、お年頃なんだもん。
公主だってことは忘れて・・・ね。
恋する乙女は最強なんだから。

「嘩鈴公主様~~~~どちらですの_??」
「嘩鈴を探しているのかい??」
「これは、公子様」

回廊を静かに歩いている遥翔から声を掛けられ、侍女たちが慌てて拱手する。
今日も忙しそうに、大量の書簡を手にしている遥翔。

「嘩鈴なら、多分後宮にはいないよ」
「いらっしゃらない??それでは、王宮ですか??」
「そこにもいないと思うよ。朝からウキウキして出かける用意をしていたからね」
「えっ??それは困りましたわ。失礼いたします」

侍女たちは『困ったわ、どうしましょう~』と相談しながら立ち去って行った。


全く、嘩鈴は。
こんな事が父上の耳に入ったら、何を言われるか分かっての行動なのだろうか?
いや、嘩鈴の事だからそんな事まで考えている筈はない。
『思いついたら、即!行動!!』が信条だからな。

「そういうとこは、母上譲りか・・・」

遥翔は人知れず溜息を吐く。
そして腕に荷重の掛かってくる書簡を抱え直して、執務室へと向かって行った。


そんな兄の様子も分かる筈もない嘩鈴は・・・生き生きと下町にいた。
恋しい彼に逢うために、足取りも軽やかに。
付け加えるならば、足早に。
露店街を抜けた小高い丘が見え始めると、そこには一人の青年の姿が。


「几詠(きえい)!!!」
「嘩音(かのん)」

嘩鈴は最後のダッシュとばかりに、一気に全力で走り出す。
そして、そのまま彼の腕の中に飛び込んだ。

「久しぶりだね」
「ええ、やっと抜け出せたの」

几詠は、腕の中の嘩鈴の頭の上へと優しく手を置く。

「それは、淑女になるための勉学からなのかい??」
「ふふふ、そんなとこかしら」
「もう、嘩音は立派な淑女だと思うけどね」
「ありがと。でもまだまだよ~~姉さま程じゃないからね」
「それは奏茗(しんめい)が出来過ぎなんだよ」
「でも本当に姉さまは凄いのよ」

二人は柔らかい草の上に腰かけて、会話を交わす。
そして几詠の手には、嘩鈴が作った饅頭が握られている。

「それにしても、嘩音の家は上流お貴族様なんだね。
昔からだけど、未だに行儀作法をみっちりと躾けられているなんてさ」
「そ、そうね・・・・」

実は、まだ言えてない。
私が公主であること。
そして本当の名も『嘩音』では無くて『嘩鈴』であることを。
もう知り合って随分と経つというのに。

言ってしまうと、離れていってしまうんじゃないかという不安から言い出せない。
だって、母様が正妃である事もこの下町では全く知られてない。
知っているのは、青慎おじ様家族と岩圭おじい様くらい。
それだからこそ、言えない・・・言ってはいけないと思えるのだ。

でもこのままじゃ、ダメだということくらいは分かる。
几詠と将来を共に・・・ということになれば、隠し通せることじゃなくなるもの。

この恋は・・・・手放したくない。
几詠が好き。
昔からだけど・・・今抱く想いは、憧れとか友愛とかじゃない。
これは、愛情の『好き』なのだ。
だからこそ、慎重にもならざるおえない。

今は隙を見つけては、こうして会いに来るだけ。
それだけも嬉しかった。
ただ、いつもこうして二人並んで座って、
ポツポツと取り留めの無い話をするだけだけど。


そして会話が途切れた時、ふいに嘩鈴が切り出した。

「ねぇ、几詠・・・」
「何だい??」
「私の母様は知っているわよね」
「そりゃ、ウチの父さんと幼馴染で、何度もウチの店に来た事もあるし」
「じゃあ、父様は??」
「知ってるさ、だって嘩音の母さんが来る時には、いつも引っ付いて来るだろ」
「そうね」
「それがどうしたんだよ」
「・・・・・もし、あの二人が・・・国・・いや、いい!!」
「国(こく)????」
「いや、なんでもない!!!」

やっぱり言えない。
はぁ~~~このままじゃダメなのに。

意気地のない自分に嫌気がさして、嘩鈴は俯いた。
そんな嘩鈴を几詠は心配げな瞳で見つめる。

「どうしたんだよ、嘩音」
「几詠~~~~ごめんなさい!!今はダメだけど、ちゃんと言うから!!
必ず言うから!!」
「何が??」
「私の事・・・とか。だから、待っててね」


「何を待っててもらうというのかな??」

二人の会話に入り込む、第3者の声。

「兄様っっ!!!」
「遥慎じゃないか!!!」
「嘩音、迎えに来たよ。探してたんだけど・・・」
「どうして??」
「忘れていたのかい??今日は・・・・」
「あ~~~~~~~~~~~~~~~忘れてました」
「じゃあ、帰ろうね・・・」

まだ帰りたくはないような素振りを見せる嘩鈴に向けられる、深い深い紅の鋭い瞳。


「はい・・・帰ります」
「だね、それが賢明な事だと思うよ」

うなだれる嘩鈴と勝ち誇った遥翔。
そして、呆気にとられる几詠。

嘩鈴へ先に丘を降りるように促した遥翔は、几詠に耳打ちした。

「もし、嘩音が欲しいのなら・・・まずは僕を納得させるような男にならないとな。
でないと・・・多分、父上の方が手ごわいと思うからね」

遥翔は、父親譲りの端正な顔立ちが冴える微笑みを几詠に向ける。
それに一瞬竦み上がった几詠は、息を飲む。
しかし、几詠はキリっと引き締まった表情を目の前の遥翔に見せた。

「わかった!!!オレは受けて立つよ!!!」
「ふんっ、愉しみにしているからな」



嘩鈴は知らない。
二人の間に交わされた宣戦布告などは。

恋する乙女は、夢見る乙女。
いつの日かと・・・夢を膨らませる。
だけど恋を成就させるには、いつの時だって困難はつきもの。
だからこそ、恋が実った喜びは一塩なのである。


嘩鈴の恋路は、まだまだ厳しく険しい様である。
でも、恋する乙女は奇跡の力をも持ち、自身の力で道を切り開くものである。




終。




2014.05.03 初出


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「ねぇちゃま~~まってください」
「遥翔、早くっっ」

小さな弟は歩幅も小さくて、それを誘導して連れていくのは大変。
でもこの時を逃しちゃうと見れないから。

「ここよ」
「ここでちゅか?」
「そう、ここなの」

そこは両親の寝室の隣の部屋。
しかも衣装部屋の沢山の衣装が掛けられた箪笥の中。
幼い姉弟は、朝っぱらから自由気ままに動き回っていた。

「さぁ、遥翔!ここに入ったら静かにするのよ」
「どうしてでちゅか?」
「それはね・・・隠れている事がわかったら、叱られるから」
「だれに?」
「父様に」
「だれをおこるんでちゅか?」
「・・・・うーん、私たちとこれを作った老師にだろうね」
「こわいでちゅね」
「そうよ~~こわーいのよ。じゃ、行くわよ!!お口はチャックね!!」

箪笥の奥の枠を取り外して、先の空洞に入り込む。
そこには覗き穴が開いていて、中が覗ける寸法である。

覗いた先には・・・モチロン、二人の両親の姿。
誰もが認めるほどの仲睦ましい国王夫妻は、今日も二人仲が良くて・・・・というよりも仲が良すぎて。
見ていてこっちが恥ずかしくなる。

でもこれも大人になるための勉強・・・・らしい。
私が小さなころから、老師が言っている事。
だから今回は遥翔も連れてきた。

「夕鈴・・・今日は二人っきりで過ごそうよ~~」
「何を言っているんですか??陛下でないといけないお仕事もあるのですよ」
「いつも頑張っているんだから、少しくらいいいと思うんだけど」
「陛下がどれほど、民の為に尽くされているのかは、私は分かっております。」
「じゃあ、ご褒美!!ご褒美!!」

父様は少し抵抗している母様を無視して、抱き締めたうえで口付けしてる。
そうして母様は羞恥で真っ赤になってる。

またやってるわ。
これもいつものお決まりで。
いい加減、飽きてきちゃっ・・・・うっ、うん??遥翔が固まってる。

「・・・・遥・・翔??」
「ねえちゃま・・・とおちゃま、ヘンっっ」
「・・・・よね」

確かにあれを初めて見た時には、幼いながらヘンだとは思ったわ。
でもあれも父様なんだといつしか理解した。
だって母様はそれを享受してて、当たり前のように接してるし。

「遥翔・・・気持ちはわかるけど、あれも父様なのよ」
「・・・そう、なの?」
「そうよ。男の人は多分奥さんの前だとそうなるのよ」

これは、私が二人の様子を観察してきて分かった事。
だから、いつまでも仲良しなんだ。
多分ね。


「黎翔さま・・・・そろそろお放しくださいませ」
「このまま、ずっとこうしていたい」
「そういう訳には・・・いき」

『いきません』と言いかけた母様の唇を父様の唇が塞ぐ。
長く。
甘く。
そして、情熱的に。

母様のお顔は綺麗だった。
私たちに見せてくれる顔なんかじゃない。
優しいお顔だけど、いつものと何だか違うの。
でも、私はそんな母様のお顔も好き。

だから、邪魔はいけないのよね。


「遥翔・・・いこう」
「はい、ねえちゃま。」

私は遥翔の手を引いて、そっと出ていった。




その後、私はそこには入らなくなった。






そして・・・・・・・何年もした後、遥翔から聞いた話だけど、
あの秘密の小部屋は、父様の知るところになってすぐに取り壊されたらしい。

そしてやっぱり老師は父様に大目玉を食らうことになったと・・・・・・・。

私はあの時は、7つだった。
でもそれでも、少しだけ大人へと足を踏み出し始めたのかも知れない。

今は、想う方もいる。
そうしてその方の前でだけ、私は公主の顔ではないはず。
母様のように一人の女性だと思う。
ただの珀 奏鈴だと。




終。





2014.02.08 初出


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だぁれも知らなくていい。
わたしだけが知っている。

それは何??

それはね。
二人の・・・・・・・・・。



「公主さま、どちらにいらっしゃいますの???」
「公主さま~~~」

ふふっ、みんながわたしを探してる。
でもここにいれば見つけられっこないわ。
だって、ここは父さまと母さまの寝室の戸棚の中だもの。


「黎翔さま、いい加減お早く支度なさいませんと」
「夕鈴・・・そう言わずに」
「ダメです!!」
「そんなにつれなくしないでくれ。」

わたしが隙間から見ているのは、両親の毎朝の風景。
政務に行き渋る父さまの姿とそれを急がせる母さまの姿。


この後、始まるわ、きっと。
いつものあれが。


これを見たいがために、わたしはこんなところに隠れているのだから。


「じゃあ、いつものをしてくれないと、行けないよ~~」

急に口調が変わる父さま。
母さまにだけ見せるとうさまの・・・。

「何をですか??」
「そんなぁ~~夕鈴、分かっているくせに」
「毎朝、毎朝・・・・・全くもう!!」

母さまは頬を染め、少し俯き加減になる。

「はぁ~~」

でも溜息を吐きつつも、顔を上げて父さまに近づく母さま。

『チュッ』

まずは父さまの頬に。
次に軽く唇に。

「これがないとね~~一日が始まらないんだ」

父さまは満足気。
母さまは真っ赤に首まで染めている。

「じゃ、いつものお返し」

言い終わった父さまは、母さまの唇に熱い口づけを。
段々母さまは身体が崩れ落ちていく。

それを父さまは嬉しそうに支えている。


あらら・・・母さま、おめめ瞑っちゃった。

「夕鈴??夕鈴???」

父さまの慌てる声。

わたしはこれ以上は見てはいけない気がして、戸棚の裏側の木枠を外して出ていった。
誰にも知られないように。


えっ??どうしてこんな逃げ道があるのか???
だって、老師がこれもおべんきょうだと、作ってくれたの。

うふふ・・今日も父さまも母さまも仲良しだわ。

さてと、わたしはお腹も空いたことだし朝餉を頂くとしましょうか。




終。




2014.02.07 初出


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【注意事項】
こちらのSSSはレシピ付きのSSSとなります。

そんなSSSなんて読みたくない!!!
とお思いの方は、ここでストップして下さいね。










「ねぇ、お母様!!!教えてほしい事がありますの~」

甘え声で擦り寄ってくるのは、一番下の娘である嘩鈴。
長椅子で寛ぎながら、書物に目を落としていた夕鈴はゆっくりと目線を上にあげる。

「教えてほしい事?」
「ええ、そうっっ!!!」

ニコニコ顔の嘩鈴の手には、筆と料紙が握られている。

「あら、料紙に書いてまで知りたいことなのね。何かしら・・・」
「あのね・・・・お母様はお料理上手でしょっっ、だから私でも簡単に作れる料理を1品だけでもいいから教えて欲しいの」
「まぁ、誰に食べさせたいの??お父様かしら?それとも・・・・」

嘩鈴は頬を褒めながら、視線は宙を彷徨わせる。
そんな様子を夕鈴は、微笑ましく見詰める。

「う~~ん、そうね、嘩鈴でも作れて、少し洒落たモノね・・・」
「洒落たモノって」
「だって、私達以外の人に食べさせたいんでしょっっ」
「・・・・・・・」

どうも、当たりらしい。
嘩鈴は更に頬を真っ赤に染める。

「じゃあ、厨房を借りに行きましょうか?」
「えっ???」
「だって、言葉で云うより、実践した方が覚えるでしょ」
「イイの???」
「勿論!!だって嘩鈴のイイ人に食べてもらうのだから、頑張らないとね。」

夕鈴はニッコリ笑って片目を瞑る。

「あっ、そうだわ!この際、奏鈴にも一緒に教えましょ!嘩鈴、秦鈴を呼んで来て頂戴」
「はぁ~~~い」
「じゃ、私は先に行って材料を揃えておくからね」

二人は同時に部屋を後にする。
夕鈴は厨房に。
そして嘩鈴は、秦鈴がいるであろう裏庭の大きな樫の木の元に。



*************



そして四半刻後。

腕まくりをした夕鈴が厨房にいた。
そしてそこには、可愛らしい二人の生徒が真剣な眼差しで見詰めていた。


「じゃあ、始めるわよ~~いいわね。」
「はぁ~~~い」
「ええ、お願いしますわ」

二人の生徒はチョコンとお辞儀する。

「今日は、トマト煮込みを作るわよ。材料は、トマト・玉ねぎ・鶏肉・コンソメの素・ケチャップ!!これだけ!!!」
「「ふ~~ん、ナルホド!!」」
「まずは、トマトを湯剥きするから、鍋に水を入れて火をつけてね」
「は~~い」

嘩鈴は率先して、夕鈴の云われた通りに作業を始める。

DCIM0331.jpg
「トマトは、そこそこ大きい方がいいわね。そして、お湯が湧くまでの間に材料を切りましょっっ」

DCIM0332_201312202048210ed.jpg  DCIM0333.jpg  DCIM0334.jpg
「玉ねぎは、まず半月に切ってから、ざく切りでいいわよ」

二人は、夕鈴から云われた通りに包丁で手際よく切っていく。
公主で有りながら秦鈴も嘩鈴も、中々手付きが慣れている。
それは夕鈴が厨房で家族の為によく料理していることから、それを傍で見ていたからだ。

DCIM0335.jpg
「切った玉ねぎは、ほぐしておくと後から手間が省けるわよ~」

夕鈴が、二人が切った端から、ボールに玉ねぎをほぐして入れていく。
さすがに手際が鮮やかである。
本当に手馴れている。
これが一国の正妃なのか・・・・と。

「ではトマトも湯剥き出来たから、今度はトマトを切るのよ~。トマトは切った時に出る汁も取っておきたいから、まな板の下にお盆でも敷いておきましょうか」
「「は~~い!!」」

DCIM0336.jpg DCIM0337_20131220205738dbe.jpg
「ヘタを取ってから、一口大に切ってね。それが済んだら、鶏肉も切っておいたほうがいいわね」

DCIM0338.jpg
「これも一口大にしてね」


一通り、材料は切って準備万端になった。
そうして夕鈴は煮込み用の鍋を持ってくる。

「材料を鍋に入れるわよ!!でもここはキチンと入れる順番が有るから、見てて!!」

DCIM0339.jpg
「まずは、玉ねぎを敷きつめるの」

DCIM0340_20131220205746047.jpg
「その上に、鶏肉」

DCIM0341_201312202059072e2.jpg
「更にその上にトマト」

「そして、またその上に玉ねぎを敷きつめて、更に鶏肉、そしてトマトの順よ。
それを、何回かに分けて入れてね。そして最後に、お盆に残ったトマト汁も入れて頂戴!!」

DCIM0342.jpg
「この鍋の場合は、3回に分けて入れたわ」

二人の目線は夕鈴の手元。
真剣なまなざしである。

DCIM0343.jpg
「その上に、コンソメの素を入れるわよ!!!ここにあったのは固形が一個だったから、砕いていれたの。
後は蓋をして火に掛けるわよ!!」


「お母様~~水は入れないの??」
「水は入れないわ。だって玉ねぎからだって、トマトからだって水分は出てくるから」
「ふうん・・・」

DCIM0345.jpg
「見てっっ、少し水分が出てきたわよ」

DCIM0346.jpg
「ほらっ、更に~~~」

「ここまできたら、もう完成は近いわよ」
「大分水分も出てきて、玉ねぎもクタクタになってきてるものね~」
「後は味の調節で、ケチャップを入れるだけよ。味見をしながらなの~~~。
それと、もし水分が余り出て無ければ、トマト缶を入れるのもいいと思うわ」

DCIM0347_201312202059489b0.jpg
「さぁ、完成よ!!!お皿に盛りつけて、さぁどうぞ!!!」


「結構、簡単だわ~~これなら嘩鈴一人でも作れるわ」
「そうね・・・但し、誰に作るのかしらね!!」
「・・・・うふふ、それは、勿論・・・」
「勿論???」
「な・い・し・ょ!!!」
「あらまぁ~~~」
「では、秦鈴は誰に作ってあげたいの??」
「私は・・・・・・・・」
「???」
「私も、秘密ですわ!!」

3人は顔を見合わせて、吹き出していた。
いつまでも、厨房の中では笑い声が響いていた。


こんな穏やかな日常。
それこそが、夕鈴が望んだ家族の姿。
ここは王宮であっても、作れる家族団らん。


黎翔がいて、夕鈴がいて・・・・
そして、秦鈴、遥翔、嘩鈴という3人の宝物達。
一つの家族の幸せな姿がここにあった。




終。





さてさて、レシピ付きSSS。
如何だったでしょうか???

このレシピは、トマトの旬である夏の方がお薦めです。
トマトが大きい方が、水分が出やすいので。

このレシピは、結構御存じの方がいるかも知れませんが、
我が家のある日の夕ご飯の一品として登場致しましたので~~カキカキしてみました。


また機会が有れば・・・そして皆さんが望んでくださるのでしたら、
レシピ写真付きSSSを書いてみようと思います。

それでは、ここまで読んでくださって、有難うございました。


2013.12.20 初出



 
 


【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り






誰も知らない・・・私の想いなんて。
だったら、このまま隠し通そう。
それが、恐らく一番いい。


「秦鈴様?どちらへ??」
「少し散歩にでも・・・供は必要ありませんので」

それでも付いて来ようとする侍女を制止して、一人きりになれる隠れ場所に向かう。

隠れ場所は、誰も知らないから隠れ場所。
だから一人きりにしてほしい。


回廊から外れ、庭園に降り立つ秦鈴。
そのまま奥へと入っていく。
そしてその回廊の端から歩いてくるのは、書簡を持った遥翔。
二人は出逢うこと無く、それぞれの場所に向かう。

そこに礼を取りつつ話しかけてくるのは、ある大臣の子息。

「公子さま、今日は、秦鈴公主さまはいずこに?」
「姉上ですか?さぁ、私は知りませんが」

またか・・・さっきも違うやつに聞かれたが、勘弁してくれ。
最近所謂『いいとこのおぼっちゃま』という、上級貴族の子弟が小煩い。
色々と、僕に姉上の事を聞いてくる。

姉上の趣味。
姉上の好きな物。
姉上の居所。

僕は姉上のお守役ではないのだから、全くもっていい加減にして欲しいものだ。

姉上は、そろそろお年頃。
何処の誰に嫁ぐのかが目下若い連中の気になる事らしく・・・・。
他国の皇太子にか?
それとも臣下に降嫁されるのか?

父上が何も言わないモノだから、周りが煩い。
何も決まっていないのなら自分も候補に入りたいと、僕の周りをうろついて来る輩が増えた。

これは一言、書簡を片付けた後にでも姉上に進言しておこう。


***********


「ああ、いい気持ち~~雲が流れて行くのを眺めているだけでも、心が落ち着くのよね」
「それはそれは、いい事ですね」
「遥翔っっ!!!」

誰も来ないと思ったから少しお行儀悪いとは知りつつも、
この大きな銀杏の木の元に座り寄りかかって空を眺めていた。
ここは庭園の奥まったところだから、誰も知らないと思っていた。
だから、遥翔が来た事に少し驚いた。

この所の気候の変化で、少しづつ葉が黄色に変わり行く様を見るのが日課だった。
誰も来ないし、考え事をするにも静かで丁度良いから。

「どうして此処が???」
「姉上は御存じないのですね。ここは元々、僕のお気に入りの場所なのですよ」
「あら、まぁそうだったの・・・」

遥翔は秦鈴の隣りに腰かけ、同じように空を見上げる。
空は青く、雲が風に乗り流れていく。
しばし日常を忘れられ、自然に溶け込む様な感覚を味わえる。

隣の秦鈴も同じように感じているのか、空を見上げ深呼吸している。

「姉上・・・・一つ宜しいですか?」
「なぁに?」
「如何されるんですか?」
「何を??」

二人空を見上げたまま、話を続ける。

「輿入れのことですよ。最近、大臣達の子息達が小煩いんですよ」
「まぁ、遥翔の所に押し掛けてるの?」
「本当に、迷惑なんですよ。姉上はどう考えられているのですか?」
「・・・・・言わないとダメかしら」
「お考えの一端くらいは、お聞きしたいものですね」

秦鈴は観念した様に、深いため息を吐く。

「大臣の子息・・・・・まぁ、若い官吏には興味はないわ。それに他国にいくつもりもないし」
「では、どうするおつもりですか?」
「・・・・・・・・・そうね、どうしようかしら」
「もしかして、姉上・・・心に想う方がいらっしゃるとか」
「・・・・・まぁね」

遥翔にも、覚えがある想い。
自分も心に想う人がいる。
でも、中々自分の立場上、軽々しくは言えない。
だから、理解出来る。

「そうですか・・・父上には?」
「言って無いわ・・だって、父上のお考えがわからないのですもの」

そう言うと、秦鈴はスクリと立ち上がる。
風が吹いて、薄茶の髪がなびく。
それを細い手で押さえ、柔らかい微笑みを向けた。

「遥翔・・・私もだけど、貴方も大変ね」
「えっ??」
「でも・・・・諦めたら、終わりよ」

自分に言い聞かすように呟いた。


二人の関係は、確かに姉弟。
だけど、恋の相談役って言うのも・・・・・・素敵な関係なのかもしれない。

秦鈴は、遥翔に優しく微笑みかけた。



終。






2013.10.28 初出


【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り








僕の名前は、珀 遥翔。

父上はこの国の王で、民からは『狼陛下』と恐れられた存在であり、
そして母上は・・・・ここだけの話、父上が切望して迎えた庶民出身の正妃。

僕はその二人の間に生まれた第二子で、この白陽国の次期王たる公子だったりする。


だけど・・・・今日は、ただの下町の男の子。
そう、お忍びで。
父上、母上には黙って出て来たんだ!!


「おう、そこの坊主、迷子か?」
「いえ、大丈夫です。母はその辺りにいると」
「そうかい!!」

余りにも下町の活気が珍しくてキョロキョロしていたので、露店の店主に迷子と間違えられた様だ。

まぁ、仕方ないか・・・・・7歳のガキが一人で、ブラブラと当ても無く歩いているんだもんな。
今日、下町に出てきたのには訳がある!!

僕は、あの二人に抗議したいんだ!!!
あの二人????
それは・・・・・・・僕の両親。

いつでもどこでも、子どもたちがいたとしても父上は母上を離そうとしない。
最近では、政務室にも必ず連れていき・・・・僕たちと過ごす時間を奪っていくんだ。

四つ上の姉上はもう諦めたのか、その事については抗議も何もしない。
つまり、抗議したいのは僕だけの様だ。

「まぁ、僕がいないとなると・・・・さすがにあの二人も慌てるだろう。ただし・・・・・」

独り言を呟いて、傍の民家の屋根上を見上げる。

いた!!!僕の警護としてついて来た隠密の姿がそこにはあった。
捲かないとな。

僕は民家の軒下に入り、屋根上からの死角と為る所を殊更通り素早くその場を離れる。

―――これで、大丈夫!!!上手に捲けたみたいだな。

先程の場所からはかなり離れたので、もう付いて来てくれていた隠密も僕の行き先は掴めなくなったと思う。


「さてと、何処に行こうかな~」

ブラブラするのも悪くない。
お金もたんまり持って出て来たから、不自由する事も無い。

さぁ、自由散策満喫だ!!!

『グぅ~~』

あ~~、お腹空いた。
考えたら、昼餉の前に出て来たからお腹も丁度空く頃だ。

そんなことをボンヤリと考えながら、懐から財布を取り出した。

『ヒュン!!』

僕の回りを風が吹き抜けて・・・僕の手の中から財布が無くなっていた。

―――スリだ!!ヤバい!!

「おいっっ、返せ!!!」

前を駆け抜けていく年若いスリであろうアンちゃんに、声を張り上げて制止する。
でも止まる筈なんて無い!!!

それでも諦めてなるものかと、僕は走って追いかける。

スリのアンちゃんは角を曲がった。
それでは僕も!!!

『ドンッッ』

誰かにぶつかって、僕の走りは止まった。

「坊主、大丈夫か??」

見上げると、そこには陽に焼けた精悍な顔立ちの青年が。
少し強面に見える青年・・・・それは右目の眼帯のせいだろうか。
そして手には、すられた筈の財布。

「あ~~~~、それ僕の!!」
「お前のものか、子供のくせに随分と大金を持っているんだな。ほらよ!!」

そう言うと、直ぐに僕の手に渡してくれた。

「ありがとう・・・・ございます」
「お前、一人か?母ちゃんは?父ちゃんは?」
「・・・・・・・・・・・」

『僕は家出中で、父上、母上は王宮です』なんて言える筈はない。
返答に困った僕は、だんまりを決めることにした。

「家出じゃねぇだろうな・・・ここいらは結構治安も悪いんだから、ガキの一人歩きは危ねぇんだよ!」

頭を掻きながら、困った感じの青年。
僕は何となく、この人は信じられると確信した。

「あの・・・・・僕の名前は汀 遥慎です・・・・実は、家出だったり」
「汀??」
「えっ?僕の名前、ヘンですか?」

僕は咄嗟に考えた偽名が、マズイのかと冷や汗が出てくる。

「いや・・・・・」

眼帯の青年はいぶかしげに、僕を見ている。
そして、思いついたようにポンッと両手を合わせた。

「ああ、おめえの母ちゃんは汀 夕鈴だろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・お兄さん、誰?」

僕は身構えた。
母さんのことを知っている。
もしかして・・・・刺客???

「おい、何構えてるんだよ!!何もしやしねぇよ。オレは几鍔って言って、おめえの母ちゃんとは昔なじみなんだよ」

僕は安心して、ふぅ~~と息を吐く。

「その紅い瞳は父ちゃん譲りだな。アイツは元気かよ」
「父上ですか?母上ですか?」
「どっちもだよ」
「元気ですよ・・・・しかも仲良し過ぎてこっちが見ていられないくらい」
「どうせ、父ちゃんが、母ちゃんを追いかけてんだろ!それを見てるのが嫌で家出でもして来たのか?」
「ど、ど、ど、どうしてわかるんですか??」

几鍔とかいう青年に見透かされ、僕は顔を真っ赤に染める。

この人なら僕の話を聞いてくれそうだ。
何故かそんな気になって僕の不満をぶちまけることにした。

「じゃあ、聞いてくれますか・・・僕の両親の話」
「おう、坊主がそれで気が済むなら、とことん聞いてやるよ」

まずは路上で聞いてもらうのも何だからと茶館か飯店でもと誘ったが、
几鍔さんは近くだからと自分の家に招待してくれた。
そこは、商家で・・・店先には一体いくつなのかと思うほどの、すっごいオババがいた。
僕を見ると、ニヤニヤしてきて思わず食べられるかも・・・と少しびくついてしまった。

そして通された居間に入ると、几鍔さんはお茶と茶菓子でもてなしてくれた。
僕をいっぱしの客と認めてくれているようだ。

「さぁ、話聞くぞ」
「・・・・・・几鍔さん、ウチの両親の事は知っているんですよね」

再度、確認をする。
知り合いなのかを確認しておかないと、滅多なことも言えない。

「ああ、母ちゃんの実家は章安区にあって、弟は汀 青慎。そして青慎は今、王宮の官吏様だよな。下町きっての期待の星だよ。そして父ちゃんは李翔・・・役職なんかはわかんねぇが、王宮の官吏様でお貴族様だな」
「はい・・・そうです」

大丈夫そうだ。
この人は本当に父上と母上の下町での知り合いだ。
安心しきった僕はツトツト話し始めた。


「・・・・僕の両親はそれは仲がイイです。それは子どもにとって、いいことだろうとは僕だってわかります。仲違いしている両親に育てられるほど、子どもにとって不条理はありませんからね。ただ、それも程度モノです。仲がイイにも程ってもんがあるんです!!!あの二人ときたら、朝から子どもの目の前で口付けはするは、父上は母上に構い過ぎて仕事をしなくて、側近・・・いや、部下にたしなめられる始末。僕はあんな堕落はしたくはありませんね!!」

一気に捲し立てる僕に几鍔さんはお茶を勧めてくれる。
僕は一口飲んで、続ける。

「更に・・・・僕たちはまだ母上が恋しいんです。なのに、もうお前たちには十分母上は貸し出したから、返してもらうことにすると僕たちの前で父上は断言するんです!!!こんな事はあってイイことでしょうか!!」

胸につかえていたものを吐き出せたからか、僕はかなりスッキリしていた。
そして、目の前で聞いてくれていた几鍔さんを見てみると・・・・・顔を真っ赤にしていた。

「あいつら・・・・・・子どもの前で何やってんだ」

小さく呟いている。

―――マズい・・・暴露し過ぎた??

「あの~~~几鍔さん。大丈夫ですか???僕はもうスッキリしたので帰ります」
「はぁ?帰るのか?お前、両親に抗議するんじゃねぇのか??」
「なんかもう、どうでも良くなりました。なんか話していたら、僕がいくら家出しても、父上はきっと変わらないでしょうし、そんな父上を母上はいくら怒っても許してしまうんですよ。だから子どもは賢く生きていくべきだと、何となく悟りました。几鍔さん、有難うございました」

僕は丁寧にお辞儀をして、几家を後にした。
後に残れされた几鍔さんがどう思ったのか・・・僕にはわからない。

でも、後々・・・・筆頭隠密である浩大が興味深い話をしてくれた。
父上と母上が二人して下町へお忍びでお出掛けした際、
几家の現当主・・・つまりは几鍔さんにこっぴどく言われたらしい。
『もっと子どもと過ごす時間を作れ』と。

僕の家出も悪いもんじゃないらしい。
それからは・・・殊更、父上と母上は僕たちにも構う様になったのだから。

僕はいずれこの国の王になる。
その時には・・・どんな正妃がいいのだろうと、今から遠い未来に思いを馳せる。


終。











2013.10.02 SNS初載


【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り






黎翔はいつになくご満悦であった。
そしてサクサク進む処理に満足していたのは、言うまでもなく李順だった。
ここで一番の被害をこうむっているのは、先程から膝に乗せられ身動き一つ出来ない夕鈴であろう。
そしてその様子を見せつけられている若い独身官吏達もきっと被害者である。

「あの・・・・陛下・・・そろそろ降ろして下さいませ」
「何故だ?」
「どうも落ちつかないのですが・・・・」
「私はこの方がいいのだが・・それに誰も気にすまい」

そんな訳はないでしょ!!!
さっきから官吏の皆さんの視線が気になっているんですが。


「それに、私がここにいては政務のお邪魔でしょうし」
「そんなことはない!!現に書簡の山も確実に減っているが」


李順に助けを乞おうと視線を移してみるも、『耐えて下さい』と無言でプレッシャーを掛けるのみで。

「陛下・・子ども達も気になりますから」

夕鈴は最後の手段で子ども達を引き合いに出してみた。

「子ども達?好きにやっているさ!!たまには放っておいた方がよい」

黎翔は知っていた。
優秀な隠密からの報告で、公主二人はここぞとばかりに町に繰り出している事を。
そして、更に言うならば・・・公子までも町に出掛けたと事も。

「夕鈴・・・・ほら、私の為に、更にこの国の為に」

甘い声で囁かれれば、もう為されるがまま・・・・しかない。
夕鈴は仕方無いとばかり、短く嘆息を吐き出した。



********


「おんやまぁ、久し振りじゃな、嬢ちゃんたち」
「おばば様、お久し振り~」
「ご機嫌如何ですか?おばば様」
「元気じゃよ、ヒャヒャヒャ~~それよりお前さんたち、ウチの几詠の嫁御にならんかの~~」
「またぁ~おばば様は・・・・冗談ばっかり!!相変わらずだね~~」

二人の目の前に立つのは、小柄で元気なおばば様。
実質的な几商店の実力者。

現在は若旦那と呼ばれる几詠の父が当主で有るが、其れは表向き。
この大棚の老舗商店を取り仕切っているのは、このおばば様。

「元気じゃなぁ、嘩音(かのん)は。そう言うところがいいじゃがね。そういや、嬢らのかかさんは元気かの?」
「母さま?元気よ」
「そうか・・・・あの娘っ子が欲しかったのじゃがな~ウチの嫁御に。
あの時、あの御仁が邪魔立てせねばな・・・」

未だにおばば様は夕鈴が几鍔の嫁にならなかった事を残念に思っているらしく、
嘩鈴達が来るたびに愚痴をこぼす。

それを黙って聞くのが嘩鈴達の常であった。

「ほら、嘩音!行くよ・・・ひいばぁ、その話はそのくらいにしなよ」

嘩鈴の手を引っ張って奥に連れていこうとする几詠。
その後ろでゴニョゴニョ言っているおばば様は無視したまま。

「まぁ・・・いいさの。詠には絶対二人のうちのどちらかを貰うんだからね!!」
「そうはいきませんよ、おばば様」

後ろから声がかかり振り返ると、あの時の黎翔が・・・・・・いや、黎翔によく似た面差しの遥翔が立っていた。

「おばば様、二人は几詠にあげるつもりは有りませんよ。僕がシッカリと吟味してからでないと!!」
「あいかわらずじゃの~お前さんは」

二人のニヤリと笑い合う姿は、けっこう不気味なもので・・・影から覗き見している几鍔は怪しきには近寄らずの態度だった。

「なんなら、坊のかかさんでもいいぞ~鍔の後添えに。鍔の嫁御が亡くなってもう何年もなるしの」
「それも遠慮しておきます・・・さらっと危険な事、言わないで下さい(そんなことしたら、この国が滅ぶよ)」
「そうか???結構似合いじゃったぞ!!鍔と坊のかかさんは」
「・・・・・それを、公言しないで下さいよ。こわ~~い御仁が出てきますからね」
「ほんに・・・最近、坊はあん時のととさんに似てきてるのぉ~」

「ばぁさん、それくらいにしておけよ。遥慎も困っているだろ」
「几鍔さん!!!」

遥翔の顔がぱぁ~と明るくなり、傍に駆け寄っていく。
その様子を見て、はぁ~~~~と大袈裟に溜め息を吐き出す。
そしてもう何も言えないなと、おばば様は奥へと引っ込んだ。

「几鍔さん、お久し振りです!最近の商売は如何ですか?」
「相変わらず、子供らしくない口ぶりだな、遥慎は。
「やはり机で抗議を聞くより、実際に町の声を聞いたほうが役に立ちますから・・・」
「???」
「いいえ、此方の話です」

几鍔は遥翔に捕まり、最近の商売の事や下町の治安なんかの話をさせられていた。
そしてその間に三人は裏戸から抜け出し、町に出ていた。

「表からじゃ、恐らく遥慎に捕まるだろうからな」
「にい様、来てたみたいね」

三人連れ立っていると、周りの視線が集まってくる。

「おや、珍しい取り合わせだね。今日は何か買っていくかい?」

馴染みになったお店のおかみさんが、声を掛けてくる。

「じゃ、三個くれよ!!」

几詠が先頭立って、注文する。
こういう所がオトコらしくて、嘩鈴が好きな所だ。

「几詠、優しいね~~大好き!!!」

何気なく、満面の笑みをこぼしながら言う嘩鈴に几詠が、
照れ隠しで乱暴に買ったお菓子を差し出す。

「ほらよっ、食べろよ!!」
「うん!」

ニコニコ顔の嘩鈴を横から優しく見詰める秦鈴。

全く・・・・・周りの人がどうこう言おうが、二人は少しづつ距離が縮んでいるのよ。
お父様や遥翔はどうするのかしらね。

三人は買ったお菓子を頬張りながらフラフラ下町を散策し、下町の外れで別れる。

「じゃあ、几詠またね~~~~今度は私がお菓子作って来るから、楽しみにね~~~」
「おうっ!楽しみにしてるからな!!」

背の後ろでは沈みかけた太陽からの影が大きく伸びる。
下町へと帰って行く几詠を、大きく手を振りながら見送る嘩鈴と秦鈴。

「さぁ、私達も帰りましょう」
「それより、ねぇさま・・・」
「なぁに?」
「几詠って、オトコらしくていいわよね」
「まぁ、いいヒトでは有るわね」
「いつかホントの事言えるかしら?」
「そうね・・・・・それは、嘩鈴仕第よ」

二人は顔を見合わせ、ニッコリ微笑む。

「それよりも、この事は二人の内緒事にしてね、ねぇ様」
「ええ、そうね」

王宮までの道のり。
長くて短い道のり。

それは二人のこれからの道を示している様で。
沈みゆく最後の輝かしい陽の光りが眩く照り付け、素敵なこれからを指し示している様だった。



終。





2013.08.02 初出


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未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り









いつまで経っても仲睦ましい、白陽国国王夫妻。
その夫妻には、次期王たる公子を始め、子供は3人。

第一子は、父と同じ紅き瞳が印象的な淑やか公主。
そして次が、父王同様切れ者公子であり・・・末っ子第三子は、黎翔が待ち望んだ夕鈴に瓜二つのお転婆公主。

今日も後宮では賑やかな声が響き、笑い声が絶えない。


***********




「ねぇ、浩大!!!母さまは?」

庭でひとしきり跳ねまわっていた末公主が空を見上げ、
屋根の上から警護しているであろう隠密に声を掛ける。

「チビ公主は、いつまで経っても『母さま、母さま』だね~~~」

ヒラリと音もなく降りて来た隠密はからかいの色を瞳に浮かべている。

「いいのっっ!!私はこのままでいいって父さまは言ってるから~~~~ところで母さまは?」
「ああ、お妃ちゃんだったら、陛下に呼ばれて政務室だよ」
「ふぅん・・・・・・それじゃ、夕方までは戻らないわね」
「まぁ、多分ね。きっと陛下が離さないだろうしさ~~多分今頃は」

「「父さまの(陛下の)膝の上!!!!」」

ニコニコ顔の公主と隠密の声が重なる。
いつまでも仲の良い国王夫妻。
仲の良さは、国中に広まり・・・・・・今では、どの結婚式でもスピーチには必ず引き合いに出されるほど。

まぁ、両親が仲の良い事に越した事はない。
・・・・が、これがまた良過ぎるのが子ども達にとっての悩みの種。

特に父の母に対する態度は年々トッロトロになるくらいの甘さが増し、
それを恥ずかしげに顔を赤らめているいつまでも初々しい母。
全くもって傍から見てても、こっちが赤面してくる。

今日は、夕刻・・・下手したら、夜まで母さまはお戻りにはならないわね!!
これは好都合だわ!!!

「姉さま~~」

少し離れた所にいる姉公主を手招きして、自分の所に呼び寄せた嘩鈴。
その母と同じ薄茶の瞳は、キラキラ輝いている。

チビ公主はまたなんか、イタズラでも思いついたのかね~~。

浩大はニヤリと口元を綻ばす。
あの瞳をした後は、いつも騒動が巻き起こる。
そして大概、側近の李順に大目玉をくらうのである。

退屈しないよな~~~あのチビ公主ちゃんは。

どうやらその通りらしく・・・公主二人はコソコソ話で盛り上がっている。
そして二人は後宮の立ち入り禁止区域へ駆け込む。
・・そうここは、夕鈴が未だに密かに掃除婦として掃除に勤しんでいる場所。
二人は前もって隠して置いた下町風の衣裳を身に纏うと、密かに裏門から出て行った。

「こうしちゃ、いられない・・・・オレが後を追わないと、だな。

屋根の上から傍観していた浩大は、公主二人を追うべく・・・・町へと繰り出した。



********




「ねぇ、最近出て来れなかったけど、ここら辺は少し変わっているわね」
「そうだね~~~(もぐもぐ)」

既に嘩鈴の手には、手軽に歩きながら食せる饅頭が握られている。

「嘩鈴・・・・・少しお行儀が悪いですわよ」
「姉さま、この格好の時にしか出来ない事を満喫しているだけですわ。そんな堅い事は言いっこなしで!!」

片目を瞑って笑う嘩鈴。
それを小さな溜め息と共に見ている奏鈴。

二人はアチコチの店を巡っては商品を眺めて愉しみ、商品を吟味していた。
気に入ったモノでもよく吟味してから買い求める所は夕鈴譲りで、
公主という立場なれど無駄買いなんてしない中々の買い物上手だった。

王宮から出てきて、既に一刻。
二人はこの下町の喧騒にスッカリと溶け込んでいた。


「おっ、そこにいるのは嘩音(かのん)じゃないのか?」
「あ~~~~~、几詠(きえい)!!!」

後ろから掛けられた声に呼応して振り向いた嘩鈴の目に入って来たのは、
日焼けして野生の逞しさが目立つ少年。
この少年、ひょんなことから知り合った下町での友人で、
誰もが知っている下町でも大棚の商店の息子である。
特に嘩鈴と几詠は馬が合うらしく結構打ち解けて接しているが、
公主なのは秘密だから偽名の『嘩音(かのん)』と『奏茗(しんめい)』で通していた。


「ひっさしぶりだな~~何やっていたんだよ!!!
最近は皆見てないって言っていたからさ」
「う、うん、、、まぁね~~(王宮に缶詰めで勉強させられてたなんて言えない!!)」
「まっ、いいか・・それより、オレん家に来いよ!!
ひいばぁがお前に逢ったら、連れてこいって言われてるんだよ」


姉妹は顔を見合わせて、『如何する??』と無言の相談。
そして嘩鈴のにっこりと微笑む表情で全てが決る。

「いいわよ!!!但し、今日は早く帰らないといけないから、夕ご飯はご辞退させてもらうからね。」
「了解!」


直ぐに決り、三人は連れ立って歩いていく。
その後ろから、密かに付いていくのは護衛役である浩大。

「はぁ、公主ちゃんたち・・・あの家に行くって事は、あの御仁と逢うんだよなぁ。
これを陛下が知ったらどう思うやら・・・」

浩大は口もとに意地の悪い笑みを乗せながら、この成り行きを愉しんでいた。




続。



2013.07.25 初出


【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り







「あ~、お母様だ!!」

素早くタ鈴を見つけ、大きく手を振る嘩鈴。

「嘩鈴・・・こんなところに居たのね。秦鈴と遥翔が探していたのよ」

夕鈴は振り返って、後ろから歩いてくる二人に優しく手招きする。

「あら、姉さま兄さま。遅かったですわね!!!父様と春を堪能してましたわよ」

当の嘩鈴はと言うと、ニコニコ顔で黎翔と手を繋いでノンビリと近付いてくる。
どうやら自分の使命はすっかりと忘れて、本当にタダの散策になっていたらしい。
そんな様子を見て、ただただ嘆息を吐く上の姉兄二人。

「まぁ、嘩鈴のやる事ですから」
「そうですわね、私達の出番を残してくれていたと思うことにしましょ!!」

そこで二人は行動を起こす事とした。
目配せをして静かに夕鈴の後ろに回り込むと、
黎翔に近付く事も出来ずにただ突っ立っている夕鈴の背中を軽く押した。
突然の行動に、予期してない夕鈴の身体が前のめりに倒れそうに為った。

「あっ!!!」

小さく声を出して必死に体勢を立て直そうとしてみるが、
上手く出来ずにそのままよろけて・・・気がつけば、夫の腕の中だった。
そのまま逞しい腕に囚われて、夕鈴は頬を真っ赤に染め上げ一言『有難うございます』とだけ囁いた。
黎翔はそんな夕鈴が愛しいのか自分の腕の中で抱き締めた。

両親の睦ましい様子を確認すると『作戦完了』とでも言う様に、
三人の子ども達は黎翔に目配せしてスッとその場を離れて行く。
その際、嘩鈴は片目を瞑って親指を立て無言で父親にエールを贈った。

そこで黎翔も子ども達の作戦が何であったのかを理解して、
三人に狼の紅い瞳を光らせ自信有り気な表情を見せた。

離れて行く三人が完全に視界から見えなくなって、
ようやく夕鈴を自身の腕の中から解放して囁きかける。

「全く、君のそう言うところは変らないな」

フッと蕩けそうな頬笑みで黎翔は夕鈴を見詰める。
その眼差しを避ける様に夕鈴はそっぽを向いた。
そして辺りを見回して見ると、何時のまにやら子ども達の姿が影も形もない。

笑い声が風に乗って聞こえてくるから、そこまで遠くに行ったのではないようだが。
どうやら、二人っきりにされたらしいことくらいは分かる。
でも夕鈴はそのまま俯き、夫である黎翔の顔を見ようとはしなかった。
それを不満に感じた黎翔がすかさず目の前の夕鈴の顎を形の良い人差し指でクイッと上げ、目線を合わせようとする。

「子どもたちなら心配はないよ、浩大も張り付いているだろうから。
私としては、もっと君の顔を見たいのだが・・・そろそろこちらを向いてくれないか?」
「・・・・・・・」
「一体、昨日から何を拗ねているんだ」
「・・・・・・・」
「言ってくれないと分からないよ」
「・・・・・・・・な陛下は、嫌いです」
「うん???前が聞こえないんだけど???」
「浮気な陛下はだいっきらいです!!!!」

夕鈴は辺りでさえずっていた鳥たちが驚き、羽音を立て飛び去って行くほどの大声で叫んでいた。
それには何事にも動じない黎翔と言えど、目をパチクリ開いて驚きの表情だった。

「浮気って・・・・・なんのことだ?」
「いいんです!!!私は何の取り絵も後ろ盾もない、貴方の役には立てない妃なんですから!!」
「だから、心あたりが無いのだが」

頭を捻り、何のことだろうと考える黎翔に苛立ちを増したのか、
夕鈴はクルリと廻れ右して立ち去ろうとする。
ここで逃げられたらヤバい事になると、野性的直感で慌てて夕鈴の腕を掴んだ。


「僕は、君以外、誰も何も要らない!!」

黎翔はそう反射的に叫ぶと、荒々しく抱きしめ柔らかい梅色した紅い唇を奪った。

「あぁ~~」

艶っぽい声音を口元に乗せながらその口付けを受け入れた夕鈴は、
身体の強張りが解けそのまま砕け落ちそうになる。
そして全て・・・・そう先程感じていた怒りも遥か彼方へと追いやって、
口付けで以て己を蹂躙(じゅうりん)している夫を茶色の潤んだ瞳で見詰めていた。

「れい・・・しょう様」
「何?」
「私だけですよね」
「勿論だよ。夕鈴以外誰がいると言うのだ?」
「・・・・・・」

細い腕を黎翔の首に回し、そのまま甘える様な瞳で囁く。

「私は何も持ってはいません。でも、黎翔さまを愛する気持だけは誰にも負けないと自負しています。だから・・・・」
「生涯、君だけだよ。だから安心して」

黎翔が耳元で囁いた言葉は、夕鈴が一番欲しかったモノだった。
夕鈴は安心した表情と共に、気恥しさで頬を周りの梅の木に負けないくらい紅く染め上げ、
ニッコリと微笑んだ。



「夕鈴・・・折角、梅の花が見事に咲き誇っているのだから、このまま散策しようよ。
どうせ子ども達もこちらを窺っていたのだろうから、安心させてやらないとな」
「・・・はい」

夕鈴は差し出された黎翔の手を瞳で了承して、そっと自身の掌を乗せる。
二人は周囲の全てのモノに見せつけるように、仲睦ましく歩き出した。


梅の別名は・・・春告草。

二人に訪れし暗雲をその馥郁(ふくいく)たる薫りで以て吹き飛ばしてくれた。
そして優しく清々しい春を呼び込んでくれている様で、春の訪れを全身で感じられる。

さえずる鳥の声に。
そよぐ風に。
流れいく雲に。

そして花の精如き夕鈴の花簪から薫る匂いに教えられているのだから。





終。



2013.04.16 初出


【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り





夕鈴は立ち止まって考え込む風もなく、更に言うなら当てども無く探しているとは思えない足取りだった。
先ずは嘩鈴の部屋から近い庭園、次に花が咲き乱れている花壇。
そして鳥たちのさえずりが聞こえてくる四阿・・・室内に戻る事もなく、
後宮の主だった庭園などを廻っていた。

その夕鈴の後を、ひそひそとお互いだけに聞こえるように会話しながら付いて行く二人の姉弟。

「母上は、さすがと言うべきですね。嘩鈴の行きそうな場所は把握されています」
「まぁ、嘩鈴がこんなに天気が良い日に部屋に閉じこもって、
書物なんて読んでいる筈なんてない!!と分かっていらっしゃるのよ」
「確かにそうですね・・・・誰も室内にいるだなんて思わないか」
「それにしても、嘩鈴はお父様を何処まで連れだしているのでしょうね。
お母様でも分からない所って言うのが気になりますわね」

そこで二人のヒソヒソ会話は途切れた。
・・・と言うのも、夕鈴が急に振り返り付いて来る二人に疑問を投げかけたからだ。

「ねぇ、二人とも・・・まさかと思うけど嘩鈴の居場所、分かっているんじゃないの?」
「いえ、解りませんよ(これは、ほんとです!!)」
「わたくしも存じませんわ!!(嘩鈴の行動範囲は広すぎて、特定できませんわ!!)」
「そうなの?でも、ヘンだわ!!嘩鈴はきっと一人ではない筈よ!!
もしかして陛下と一緒なのではないかしら?」
「何故、そう思うのですか?母上」

これは母親の勘なのか?それとも夫婦愛なのか???
お母様って、何故なのか分からないけれど、ヘンに鋭い時が有るのよね。

二人はかなり焦っていた。
ここで嘩鈴を探すのをやめてしまったら・・・全ては水泡に帰すから。

「母上・・・・私達では、あの嘩鈴を探すのは無理でしょうから、頑張って下さらないと」
「ええ!!!あのお転婆公主は、お母様でないと見つける事は出来ませんわ」

秦鈴は後ろから夕鈴の腕に自分の腕を絡ませ、ニッコリと微笑むとそのまま引っ張って行く。
普段は人前でそう言う事をしない秦鈴の意外な行動に驚きながらも、
夕鈴は何だか嬉しくなってきてフフッと声を立てて笑った。

「じゃあ、秦鈴!遥翔!!二人とも協力して頂戴ね」
「「はい!!」」

三人は連れ立って歩きだした。
しかし大体見当をつけた所は一通り廻ってみたが見つからない事もあり、
正直あとは何処を探すべきかが分からなくなっていた。

其の時。
頬を撫でる風が目の前の丘の上から、サァ~~と吹き下りてきた。
その風に乗ってやってきたのは、馥郁(ふくいく)とした花の薫りだった。

「この香りは・・・・・梅の花ね」
「そうですわね、お母様。行ってみませんか?」
「ええ、行きましょう~~」

女性二人は、弾かれた様に丘を駆けあがって行く。
其れをゆっくりと眺めながら歩く遥翔。
頂上に着いて見降ろすと、其処には捜していた嘩鈴の姿があった。
それも黎翔と共に・・・・・・。

其れを目ざとく見つけた夕鈴は、尻込みして元来た道を帰ろうとしていた。
ところが其れは叶わなかった。
二人の子ども達が後ろに立ち、帰らせまいとしていたからだ。

「お母様、参りましょう。梅の花は春告草とも言いますから、一緒に春を感じましょう」
「そうですよ。ここで引き返すのは勿体無いと言うものですよ」
「・・・・・・・・そうね」

夕鈴はしぶしぶ二人に連れられ、梅の咲き誇る庭園までゆっくりと降りて行った。




続。




2013.04.08 初出


【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り






嘩鈴(かりん)が黎翔を上手く誘い出したその頃、
上の二人はというと王宮の回廊で有能な隠密である浩大を呼び出していた。

「浩大!!お母様はどちらかしら?」
「勿論、正妃の居場所くらい把握している筈・・・・。ですよね、浩大」

ホントにこの二人は容赦ない!!マジで陛下そっくりの策略家だよ。
ここで把握してないとでも言おうもんなら、どんな事を言われるやら・・・。

「公子達は、何をしようとしているのやら・・・お妃ちゃんなら、確か侍女たちを従えて散策中だよ。」
「そうですか・・・・これは好都合ですね。恐らく嘩鈴は上手く父上を連れだしているだろうから、
後は母上を上手く誘導するだけだね。」
「浩大・・・お願いが有るのだけど聞いて下さる?」

奏鈴(しんりん)の薄紅の瞳が光る。
この瞳に誰が逆らえるというのだろう・・・『狼陛下』と同じくする瞳の持ち主に。

「へいへい!!何でも聞きますよ!!何すればいい??
お妃ちゃんを陛下の元に差し出すの??」
「いきなりそれはちょっとまずいでしょうね。お母様に逃げられそうですもの。
だから、先ずはお母様の居場所を正確に調べて教えて下さる?」
「りょ~~~~かい!!」

浩大はこの公子達が何をしようとしているのかを何となく察知し、
協力すべく直ぐさまその場を離れた。
それは、夕鈴を捜す為に・・・ひいては自分の安寧の為に。

一流の隠密である事を自負している事もあり、更に何年も正妃付きで有ることから
四半刻もせぬうちに夕鈴を見つけ出す事が出来た。
すばやく公子達に報告して後は高みの見物としゃれこんで、
浩大はそのまま音も無く姿を消したのだった。

「さぁ、これで舞台は整いましたわ」
「では、始めますか!!」

二人は顔を見合わせ頷いた。
さぁ、腕の見せ所!!!


連れ立って赴いた先は・・・・自分達の母親が寛ぐ『清き陽の四阿』と呼ばれる正妃専用の四阿。

「母上、ここにおいででしたか?」
「ええ、天気もいいモノだから散策してましたのよ。
それにしても・・・二人揃ってとは珍しいですね」

夕鈴はそう答えると二人の子どもたちに手招きし、四阿内の作り付けの石作りの長椅子に腰かけさせる。
そして自らお茶を手早く淹れると、奏鈴と遥翔に勧める。
受取って一口飲むと、秦鈴が作戦開始と言わんばかりに唐突に夕鈴に尋ねてみた。

「お母様・・・嘩鈴はどちらに居るか御存じですか?」
「嘩鈴??いいえ、知らないわ」

頭(かぶり)を振って、かなり前から姿を見てないと否定した。
そして何か有ったのかと心配げな表情を見せる。

「そうですか・・・母上も御存じないのですか??それは困ったことになりました。
嘩鈴、何処に行ったのでしょうね。何も無いとイイのだけど・・・」

遥翔が更に追い打ちを掛ける。
その様翔の言葉を受け、夕鈴はスクッと立ちあがると侍女達に片付けを頼む。
そしてヒラリと衣裳の裾を翻し速足で四阿を出て行った。

残された二人の策略家は顔を見合わせ、ニヤリと微笑んだ。

「さぁ、女優・俳優は揃って舞台上に上がりましてよ」
「そうだね、僕たちは観客として成り行きを見守りますか」

そして事もなげに夕鈴の後を優雅に付いて行くのだった。




続。



2013.04.05 初出


【設定】

未来家族設定 ・  オリキャラ有り ・ 原作外設定有り








随分冬の厳しさも和らいできた頃、後宮の一角のある一室の中で重要秘密会議が行われていた。
出席者は男女混合の三人・・・・言わずと知れたこの白陽国の王位継承者である三人、
夕鈴と黎翔の宝物である子ども達であった。

三人は仲良く頭を突き合わせ、真剣な表情で会談しているようである。

「大体、如何いたしますの?何とか手を打たないと」
「姉上は、頭が固すぎます。そんなのは成り行きに任せるのが一番良いのです!!」
「では、放っておくというの?」
「そうは言っておりませんよ」
「嘩鈴は良く分かんないから、姉さまと兄さまの協力するから早く~~~」

これだけでは、一体公子達が何を話し合っているのかよく分からない。
・・・・窓の外から護衛しつつ、聞き耳を立てている浩大の所見であり。

確かにこれだけでは分からない。
それには、もう少し話を聞く必要がある。

浩大は周りの気配、特に鼠どもが徘徊してないかを探りながらも
耳だけは室内に飛んでいた。

「成り行き・・・って言って待っていても、事態はきっと好転しませんわよ。
そしてこのままではお母様が里帰りしてしまう事だって有りうるのですよ。
そうなれば、その後この王宮がどんなモノになるかくらい容易に想像がつきますでしょ!!」
「そうですね、確かに母上が里帰りされた時の父上の状態は酷い有り様ですから、
犠牲者はどれくらい出るのか想像もつかないですね」
「いっちばんのギセイシャは・・・李順だよね~~~」
「ほら、嘩鈴(かりん)ですら分かっていましてよ」

一番年長である秦鈴(しんりん)が弟の遥翔(ようしょう)に窘めるように言う。
そして遥翔は何か良い手がないか、腕を組み真剣に考える・・・その父親譲りの深紅の瞳で一点を見詰めながら。

「では、態とらしくではなく二人きりの状態を自然に作りだすのであれば、どうです??」
「先ずは其処が手始めですわよね。何しろお母様は徹底してお父様を避けておいでだから」
「まぁ、父上と一緒におられれば、その内うやむやにさせられますからね」

末っ子の嘩鈴は上の姉兄の話を引き締まった表情で聞いていた。
自分もチャンと加わっているのだと主張するかのように・・・。
そして、上の二人に提案してみる。

「じゃあ、嘩鈴がやるの~~」

二人は待ってましたと言わんばかりでニヤリと微笑み、瞳が輝き出す。

「では、嘩鈴!!頑張って戴きましょう!!」
「出来るかな~~?」
「できるもん!!」

末っ子の夕鈴譲りの負けん気の強さは姉兄妹(きょうだい)ではピカイチで、
どう言えばその負けん気を引きだす事が出来るのかを知っている上の二人は、
上手に嘩鈴を誘導する。

「では、方法は嘩鈴に任せてもいいのですか?」
「うん!!!」

大きく胸を張って返事する嘩鈴の頭を遥翔はくちゃくちゃと撫でまわし、
頑張れ!と無言の声援を送る。
それを合図に立ち上がると、嘩鈴は勢いよく戸を開け広げ出て行った。


「ねぇ、あれで良かったのかしら?」
「??・・・嘩鈴に任せた事ですか?」
「ええ」
「大丈夫ですよ!!ああみえて、嘩鈴はちゃんと『狼陛下』と呼ばれる父上の血を引いているのですから。二人の仲直り作戦くらい上手く立てられますよ」
「まぁ!!よく言いますわよね・・・遥翔が一番父上の気質を受け継いでいる癖に、全く人の悪い。」
「そんな事はありませんよ!!現に嘩鈴は自分から言い出したではありませんか!!」
「・・・・・・・・」

二人がこんな会話をしていた事は嘩鈴には到底思いも寄らず、
真っ直ぐに夕鈴がいるであろう国王夫婦の部屋へと駆けて行く。

そして外では、中での密談を聞いていた浩大が『これは面白そうな事が起きるな!!』と予想し、
ニヤニヤしながら嘩鈴の後を追うべく移動したのであった。


「お母さま~~~~~」

戸をかなりの勢いで開け、中にズンズン入り夕鈴を呼ぶ。
でもどこからも返事一つも聞えず、誰もいない事が窺い知れた。

「あれ?いないんだ~~仕方無いからお父さまの所にいこ~~~とっ!!」

独りごちて、颯爽と回廊を駆け抜け執務室へと向かった。
そして着いた執務室の戸の前で、大きく深呼吸して呼吸を整える。
そうしないと、李順に走って来た事がバレるからだ。
バレると、『公主としてあるまじき行動です!!』と説教され兼ねないから。
ある意味黎翔よりも怖い存在であったのだ、李順は。

身だしなみを確認し・・・走って来たから金茶の髪が乱れており、
それを手櫛で丁寧に綺麗にしてから、戸を叩いた。

「誰だ!!」

中から聞こえてくるのは、不機嫌そうに返事をする黎翔の声。

「父さま・・・・私です・・・嘩鈴です」

ゴクリと息を呑み込み、戸の向こうの黎翔に声を掛けた。
すると直ぐに戸は開き、家族にだけ見せる穏やかな笑みを漏らす父の姿。

「どうしたんだい??そんなに慌てて」
「慌てて来たって、どうして解るの?」
「だって、少し息が上がっているよ」

洞察力の鋭い父には敵わない。
幼い子どもの誤魔化しなんて全く通用しない。
だったら、すぐに用件に入るに限る。

「だって!!父さまとご一緒に春を見つけに行きたくて、慌てて来たんですもの!!」
「春をかい!!」
「はい!!・・・・ダメですか??」

嘩鈴は少し俯き加減に、小さな声で呟く。
その様子を愛おしそうに見つめる黎翔は、直ぐに娘の提案に乗ることにした。

「そうだね・・実は今、丁度李順がいないから脱け出しちゃおう」

黎翔は小さな手を取り、ニッコリ微笑むと二人並んで回廊から庭園へと歩き出したのだった。




続。





2013.02.22 初出


おはようございます~~


今日はいよいよプチオンリーの日です!!
私はお伺いできませんが~~会場にお越しの皆様
お楽しみくださいね。

『私も行きたかっった~~~』
と朝から掃除・洗濯しながらウルウルしております。

さぁ、どうなるのかな??
とお家でドキドキして待つことにします。





さて、通販をお申し込み下さいました皆様!
今日あたりから届き始めるはずです!!

一応、届く日にちを日曜日に設定して
其処から逆算して送り出しを木曜日・金曜日をに致しましたので・・・

火曜日くらいになっても、届かない!!!
と言うことでありましたら、通販の受付しましたメールの方へ
ご連絡くださいませ!!
こちらから、なんらしかの対処を取らせていただきますので。
どうぞ、宜しくお願いいたします!!


此処でお知らせです。

実は『未来は何処に』は・・・・もっと書き込みたかった。
でも時間等も足りず、随分と駆け足になったような気がしてます。
出来上がって、何度書き直したい~~このままもう通販は辞めようか。
と何度思ったことか。

で、で!!!!!
それならば、何処かで補完的幕間話!や後日談的なお話をUPしよう!!
と思いまして~~~

それならば何処に???

今は閉鎖した『水晶の森、奥深く』ですればOKじゃん!!!
と言うことになりまして。
書きあがったら、随時UPしておきます。

そして、読みたい方だけにパスワードをメールにて配信させていただきたく
考えています。
折角購入いただきましたので、特典を付けたいと思います。


それでは、また詳細が決まりましたら
こちらのブログにてお知らせいたします。




では~~~宜しくお願いいたします。


こんにちわ~~


今日、私が制作しました本をお嫁に出してきました。
仕事の帰りにクロネコさんの営業所へ。

我が家に有った段ボールいっぱいの本たちが、注文下さったお宅へと
巣立ちました。

会場へは先週の金曜日に送りだしましたので
今自宅には少ししか残ってません。
会場分は、出戻りにならなければいいなぁと思いますが。


DSC_0422.jpg
(今からお嫁に行きます~)
DSC_0424.jpg
(こんな感じで中に入ってます)


感無量です。
お手に取って頂いた方に、可愛がって頂けるといいなぁ~と思ってます。


さて次の本を作り始めますか~~
いま決まっているのは、短編集。
あと出来れば、連載物を纏めて本にしてしまおう_!と考えてます。
私がいつ書くのを辞めてしまっても手元に残るように・・・・と。

何かハマってしまったんですよ・・・本作り。
表紙をデザインするのも楽しくて~
出来上がって送られてきた時、怖かったけど・・・ドキドキワクワクしたんですよね。

それに今回紹介して頂いた印刷所さんが結構割安で少数から作れるんですよ。
ですから、自分用に10冊くらいで記念に残してもいいなぁ~とか思うんです。


まぁ、それは置いといて。
『遥か悠遠の朱空へ』のブログ・・・・・昨日の訪問者様が久々に100人超えてました。
有難うございます~~

嬉しくて・・・・・・
また今日もUPしよう!と意欲が湧きました。

本当に有難うございます。



それでは、こちらでのお話のUPは少しお待ちくださいね。




瓔悠。


こんばんわ~~

日曜日は、お遊び的な試合が有りました。
2ペアでチームを組み、途中で交代して40点マッチで決着がつくという。
中々楽しいものでした。
3勝1敗!
中々の成績で、おまけに参加賞までもらえるという美味しい試合でした。


それもあり昨日は疲れてヘロヘロでした。
しかも旦那様の勤務の関係で、昨日から30分早く起床しないといけなくなりまして・・・・
寝る時間は変わらないから、睡眠時間が少なくなりました。
6時間は寝ないといけない体質なので、5時間半弱は結構キツイものがあります。


え~~と、昨日から『遥か悠遠の朱空へ』のブログにて
『カウントダウン企画!』といたしまして、毎日SSSをUPしてます。

最後の一花!
どうぞ、ご訪問くださいませ



瓔悠。


【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ 恋人設定







いつの間にかに、雨が上がっていたみたい。
気付きもしなかった。
だって。


******



夕刻過ぎから降り出した冷たい雨・・・遅くなった今も降り続いている。
特に何もすることが無くて、窓辺でボンヤリと眺めていた。
静かに闇夜をしっとりと濡らしていく。
音も無く・・・ただ、静かに。

「夕鈴」

返事をしようとする前に、後ろから抱きしめられた。
ふんわりと香る陛下の衣の香り。

「陛下、お帰りなさいませ」
「ただいま、夕鈴。何を見ているんだい?」
「雨を見ていました」
「雨?」
「はい、静かに降る雨も風情があっていいな・・・って」
「そう?」
「はい・・・・・・それよりも、そろそろ離して欲しいのですが」
「ダメ!だってさ、夕鈴が足りないから」
「ダメ!は無いでしょう~」
「仕方ないな」

小犬の表情から、狼のモノにクルリと変貌を遂げる。

「キャッ」

急に抱きかかえられて、小さな悲鳴が零れた。

「へっ、へいか!下ろしてください」
「ダメ!」
「だから、さっきから・・・ダメは無いでしょ・・・・」

言い終わる前に、陛下の唇で遮られた。
始めは軽く・・・・・次第に熱を帯びたモノに変わっていく。

自分の身体中の熱が高まっていくのが分かる。
次第に・・・・陛下への想いも高まる。

「さぁ、僕の恋人さん・・・今宵は如何してあげようか?」
「・・・・・・」
「僕好みでいいんだね」
「・・・・・・」

返事なんて出来ない。
陛下の熱情を感じているから。

私は返事の代わりに、陛下の首に腕を回した。

シトシト振る冷たい雨の夜も大丈夫。
お互いの熱で、寒さなんて感じないのだから。

「陛下」
「なぁに?」
「離さないでくださいね」
「もちろん」

締められた帳の向こうでは、幸せな恋人の熱い夜が。
お互いの想いを確かめあうように。
熱を感じて。

冷たい雨も感じないように。




終。







~~~~~~~~~~~~~

短くて、スミマセン。
ボンヤリと思いついたので・・・・
う~~ん、やっぱりRは書けないみたいです。(笑)
まぁ、朝っぱら・・ですからね。


それでは、お仕事行ってきます!!!



そして帰りに会場への荷物を出しに行きます!!!
さぁ、イベントももうすぐ~~~
売り切れればいいのだけど・・・・・・・・・。


こんばんわ!!


もうすぐ日付が変わろうとしてます。
が!ここで叫ばせて下さい!!!

イベント・通販準備、ほぼ終了しました~~~~

イベントの方は、段ボールに詰めてガムテープで貼って閉じました。
後は、クロネコさんに持ち込むばかり。
金曜日の仕事帰りにでも行こうと思ってます。


そして通販の方は、予約いただいている分の袋詰めと
封筒の私の住所のシール貼りまで終わりました。
宛先のシール作りも、今現在ご入金くださっている方の分まで終わってます。

後は最終チェックして、宛先シールを貼って封筒に入れるばかり。


いやぁ~~~~
何とか終わって、良かったです。


さぁ、やっとお話も書ける!!!
わぁ~~~~い。


でも今日はまだ、洗濯物を干したり・・・家事が終わってませんので
これにて失礼いたします。


兎に角、終わったことを叫びたかっただけなんです。
スミマセン。。。いつもながらのしょうもない呟きで。

でも嬉しかったんですよ。



それでは。




瓔悠。


こんばんわ!!

通販の本申し込み・・・有難うございます。
予約して下っていた方々が、続々と申し込み下さり
すごく嬉しいです。

しかし『予約したけど・・・やっぱり止めておく』と思われている方は、
ご連絡ください。
予約の取り消しを致しますので・・・・・。

そして今日は18時半に通帳記帳に行ってきました。
振り込み頂きました方には、こちらから振込完了確認メールを送信させていただいてます。
毎日通帳記帳には行ってますので、振り込みをしたのに完了確認メールが来ていない方はご連絡ください。
私の方で確認をしてご連絡させていただきます。
宜しくお願いいたします。



さて、『未来は何処に』の奥付訂正など、作業もボチボチしてます。
今日は訂正の様子などを、UPしてみたいと思います。
まぁ、制作日記とでもいう感じでしょうか。
宜しければ、どうぞ~~



DSC_0413.jpg
このシートは私が作りました。
これからはじめま~す。

DSC_0412.jpg
一つ一つカッターで切り取ります。
これが結構目が疲れる作業です。

DSC_0414.jpg
さぁ、本を取り出しました!!

DSC_0416.jpg 

DSC_0420.jpg
修正テープを張り付けます。

DSC_0419.jpg
切り取った訂正シールを上から貼ります!!
これで完成です~~~~

こんな感じで作業してます。
あと50冊強、頑張ります!!!!



それでは!!
失礼いたしました~~~


瓔悠。


瓔悠

Author:瓔悠

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