<<11  2014,12/ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  01>>
つらつらと・・・1228
おはようございます~~
ってまだ『おはようございます』でいいのでしょうか??

今日はお仕事休みで、朝遅くまで寝てました。
また明日から3連勤なのですが。
そしてまだ大掃除・・・・・換気扇と窓掃除が終わってないのです。

旦那が昨日から一人で実家に帰っているので、あまり乗り気でないんですよね~~
ちなみに旦那の実家は広島ですので、お土産は例にもれずもみじまんじゅうを頼んでますが。


突然ですが、年末って何かと物入りですよね・・・・・・・。
それが・・・・ここ4日程前から、玄関の鍵の調子が突如悪くなりまして。
2つある内、1つが外からの施錠時に10回の内8回ほど出来なくて・・・・引っかかったような感じになるんです。

よぉ~~しとクレ55〇をしてみたんですが、全く改善の気配なし。
う~~~ん、どうするべきか???
取りあえず、中からの施錠は出来るし、一つは施錠出来るから放置でもいいか??とも思いましたが
年末は物騒ですから・・・気になって。
鍵屋に来て貰いました。
鍵屋さん曰く、これは鍵穴にゴミが溜まっているのだろう・・・と。
それで分解してもらってごみを取り除いてもらいました。
そうすることですんなりまた施錠出来るようになりました。

そして云われたこと・・・・『奥さん、油分スプレーはしないでくださいね、ゴミが粘着して更に状態悪化になりますよ』と。
私がしたとこはいけない事だったようです。

でもそうする人が多くて、同じ事情で騙し騙し使い続けて、最後には鍵が折れた方もいたそうです。
そうなると、もう鍵は交換しないといけなくなるそうで・・・・。
私は良かったみたいです。
でも多分私も年末でなかったら、放置していたかもしれませんが・・・・・・。

そして金額は、出張代込みで『8640円』でした。
高かったのか??そうでなかったのか??それは分かりませんが、
兎に角、年末に要らない出費となったことには変わりません。

でも最悪、鍵交換となっていたら、3~4万円はかかったそうで、
それを思えば安く済んで良かったと思わざるおえません。


まぁ、そんな感じで・・・・・・・年末ドタバタが続いてます。
少し息抜きにお話を書きたいのですが、ままなりませんね~~~~
はぁ~~~まずは洗濯物干して、クリスマスの飾りを片付けて正月飾りをすることにしますか・・・・。
それで時間があれば、またPCに向います。




瓔悠。
スポンサーサイト
つらつらと・・・1224
こんばんわ~~

ゲスト様、メリークリスマスっっ!!!!
どのようなクリスマスをお過ごしですか???


ウチは昨日の内にクリスマスをしてしまいました。
子どもたちへのプレゼントは明日の朝ですが・・・・。

昨日は大掃除をしていたため、『ディナーは手作りで~~』とはいきませんでしたが
ケーキの飾りつけだけ子どもたちにさせました。
後は、フライドポテトを揚げたくらいです(苦笑)

DSC_0338 - コピー

DSC_0335.jpg DSC_0337.jpg
子どもたちに好きにさせていたら、凄い事になってましたが・・・・まぁ、それはそれで味があっていいなぁ~~と。




そして毎年、クリスマスには風船を沢山膨らませて遊ばせるのですが。
今年もしてあげたら、エライ喜んでました。
(息子はもう小5なんですがね・・・・いつまでもお子様です)

DSC_0330.jpg DSC_0324.jpg
二人で寝るまで遊んでました。
そして現在は子供部屋で散らかってます・・・。



さぁ、今日は終業式。
明日からは、冬休み・・・・・。
私は仕事だから、しっかりと宿題をしててもらわないと。


さぁ、今日はサンタ役の私は子どもたちに手紙も書かないと。
いつまでウチにサンタさんが来るのかしらね・・・・・・お二人さん。





ゲスト様も素敵なクリスマスを~~~




瓔悠。
つらつらと・・・1223
こんばんわ・・・そして随分とお久し振りでございます。

1週間ほどのご無沙汰でしょうか・・・・・。
ここの所、忙しくて。
此処までたどり着きませんでした。


先週の火曜日は、息子の出産入院の時からの友人が久々に遊びに来ていて、
水曜日から金曜日まで娘が具合が悪くて・・・・・インフルでは無かったため、実家にお願いしつつ仕事に行ったりしてました。

そして週末は、昼間は実家の法事事などで出かけ、夜は私自身の忘年会。
このところの憂さが溜まりまくっていたので、夜遊びし過ぎて夜中の1時帰宅。
日曜日もドタバタ。

そしてまた1週間が始まった月曜日。
もう私の疲れは限界点。
仕事から帰宅後は、死んだように寝てました。

そして今日は、大掃除。
まだ全部は終わってないけれど・・・・・・。


まぁ、どれだけ忙しいのよっっ!!!
私はもうそこまで若くはないの・・・・だから、のんびりしていたいのに。


そしてこれから、年末まで仕事も忙しくなるので
また更新もままならないと思います。


それで・・・・・・『遥か悠遠の朱空へ』のほうのブログはお休みさせました。
身体がついてきてくれないので、2つも運営するのがしんどくて。

なので、こちらもノロノロ更新だとは思いますが、
もしよろしければ、宜しくお願いいたします。



瓔悠。




追伸。

明日は、お休みですので・・・・・・クリスマスの事でもつらつら書きたいと思います。



それではおやすみなさいませ。
【そして一つの可能性・11】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り









後宮の寝室へと黎翔の手で運ばれた夕鈴は直ちに侍医によって手厚い治療が施され、
今のところは恐らく命の危険性は無いだろうと云うことだった。
但し、一つの懸念は残されており、その懸念が表に出て来たのは後になってからではあるが。
そして更に云えば未だに意識は戻ってはおらず、このまま昏睡状態が続くとなれば衰弱していき命すら危ぶまれるとのことであり、まだ手放しでの安心はできないのであった。

侍医も侍女も下がって、寝室には二人きりとなった。
そこでようやく落ち着いた黎翔は身に纏う雰囲気が少しだけ和らいだようで、
寝台の傍にある椅子に腰かけ静かに眠る夕鈴の茶色の髪をゆっくりと梳きながらそっと語りかける・・・・。

「夕鈴・・・・早く、目を覚まして僕を見てよ。いつもの快活な君が見たいんだ・・・。」

髪を梳く手を止め身を乗り出して優しく前髪を掻き分けると、露わになったおでこに口付けを落としてみた。
いつもなら直ぐに目を覚まし真っ赤な顔をして黎翔をたしなめる所だが、今は・・・・・・全く微動だにしない。
それが黎翔にはとても辛くて、苦しくて、やるせなくて・・・・・このまま目を覚まさないのでは?と悪い方向に考えが向かってしまう。

『ガタンッ』

この苛立ちと焦りをどうする事も出来ずに、傍のあった椅子を蹴倒してみた。
それでも、夕鈴は目を覚ます事はない。

「如何なされましたか?」

隣に控えている侍女が、恐る恐る声を掛けてくる。

「大事ない。」

短く答え寝室から出て来た黎翔は侍女に『後を頼む』と云い置き、そのまま振り返らず部屋を出て行った。



そう静かに立ち去ったのは、賊の後始末をする為である。
しかし本当のところ、これ以上目を覚まさない夕鈴の傍にいる事が辛くなったからだった。
黎翔の辛さとは、あの時自分が薙ぎ払った手刀が方向を変え、
夕鈴の方へと飛んでしまったことが今の状況を引き起こしている事への罪悪感。

でもいくら自分を責めても夕鈴が癒される訳はないと解ってはいる。
だから今は兎に角、夕鈴が目を覚ましてくれるのを静かに待つしかない。
でもそれを傍で待つのも耐えられそうになかった。
ならば元凶の賊どもの処理でもしていた方が、落ち着いて待つ事が出来ると判断したのだった。

「さぁ、如何してやろうか・・・・。」

昏い笑みを口元に乗せ、賊を押し込めた地下牢へと歩み始めた。


暗い地下牢には、中庭と回廊で捉えた賊が10人ほど鎖に繋がれていた。
その中には夕鈴に怪我を負わせた男も含まれていたが、どの面もふてぶてしく反省の欠片もないように見える。

「おいっ!!誰からの命令なのか、シッカリと吐いてもらおうか。」

黎翔は着くなり、その者たちに詰問する。
これらは所詮実行犯でしかなく、裏には大きな人物が必ずいるであろうと踏んだ上での言葉。

「はぁ??知らねえよ。それよりも、あの女はもうくたばったか?」

黎翔の神経を酷く逆なでる事を云っているのは、あの手刀を投げつけていた主犯格の男である。

「残念ながら助かって回復傾向にあるが・・・・ふん、お前共の思い通りにはならなかったな。」

黎翔は夕鈴が未だ昏睡状態にある事はおくびにも出さずに飄々と答えたのだが、
直ぐにでもこの男を惨殺したい気持ちを自分の奥底に必死に押し込めているのは、
黎翔自身しか知りようがなかった。

「もう一度問うが、誰が黒幕だ!!
答えないとなると、私もお前たちに対して遇し方が判らなくなるのだが。」

暗に、答えないと酷い事になると云っていた。
その紅い瞳は、今から存分に奴らを痛めつけられると愉悦に浸っているのだ。

さすがに賊たちも黎翔の剣呑な雰囲気を読み取り下っ端の者たちに至っては、
やはり自分達の命は惜しいと思っているようで我先にと話そうとして牢の扉付近に集まってくる。
ところが主犯格に近い男たちが阻止しようと、後ろから近づき殴りつけた上で更に口を塞いだのだ。
それがまた黎翔の勘に触ったらしく牢を管理している官吏に申しつけ鍵を開けさせた上で、
そのまま主犯格の男を引きずり出させて羽交い絞めにした。

「何処のどいつが黒幕は判らんが、よっぽど美味しい思いをさせてもらったのだろうな!!見上げた忠誠心だな。」

黎翔は目の前の男を見据えると静かに剣を抜き、喉先に剣先をあてがいスゥーと軽く横に引いてみた。
一本の線状の傷が出来て、その傷からは赤い血が滲んでいる。

「これ以上、私を怒らせるなよ。私とて、これ以上の侮辱は許せそうにないから、この次はこれくらいでは済まないからな。次は首が胴から離れることになろうぞ。」

深紅に光る瞳には黎翔の本気がハッキリと見えていた。
間近で見せつけられている主犯格の男はガタガタと震え始め、そのまま失神してしまった。

「チッ。」

黎翔は軽く舌打ちすると、急に興が削がれたと剣を鞘に納めたのだった。
そこにまるで計ったかのように李順が現れ、黎翔に静かに近づくと何やら耳打ちをした。

「陛下・・・ここは私任せて下さい。必ず黒幕を明らかにさせましょう。
それよりも浩大が連れて来た者の尋問は陛下ご自身がした方がいいのでは?
浩大の話に寄りますと、どうも夕鈴殿と浅からぬ関係がある者だと云う事ですし。」
「そうだな・・・・あやつは私自身が事情を聴く必要があるな。では、ここは頼んだぞ。」

黎翔はその場を李順に任せることとし、踵を返したまま振り返り地下牢の賊たちを一瞥した。

あやつら、李順相手だとは気の毒にな・・・・さぁ、どれくらいもつのか。

意地の悪い笑みを浮かべながら暗い地下牢を後にし、秀偉の拘束されている部屋へと急ぎ足で向う。
愛しい夕鈴は未だ目覚めたとの報告は一向になく、黎翔の心は晴れないままであった。


『カチャ』

扉の先には、目的の男が浩大によって後ろ手を縛られ椅子に拘束されていた。

「陛下~~~この男、如何すんのさ。この男のせいだよ、お妃ちゃんがあんな目にあったのは。
それに未だに目を覚まさないし、このままじゃあ命だって・・・・」
「浩大!!」
「えっ?夕鈴ちゃんの命がどうしたって云うのかい!!!」

黎翔は浩大を睨みつけ、嘆息を吐く。
『余計な事を教えるな!!』と。

「夕鈴ちゃんは、回復するんだよね。そうだと云ってくれ!!」

自分が拘束されていることを忘れ、秀偉は座らせられた椅子から立ち上がろうとする勢いで身を乗り出し、夕鈴の容体を尋ねてくる。
それを片手を上げて制止しつつ、黎翔が苦々しい顔つきで短く夕鈴の容体を説明してやった。
そう、『今はまだ何とも云えない』のだと。
それを聞くと秀偉はいたたまれない面持ちで項垂れていた。

恐らく自分を責めているのだろう・・・・自分の様に。
でも、秀偉を安心させてやる程の気持ちの余裕はない。
黎翔も夕鈴に対して申し訳ない気持ちに苛まされているのだから。
その後悔の念は今は置いといて秀偉と二人きりで話をするべく、浩大を下げる事にした。

「浩大!!此処は私だけでいいから、お前は夕鈴の傍で護衛でもしていろ!
意識が戻れば直ぐに報告に来い。」
「へいへい!!オレもこれ以上こいつを見ていたら何かしそうだし、その方がいいかもね。」

浩大は、秀偉の傍から離れ、そのまま窓枠に足を掛けヒラリと姿を消してしまった。
その様子に秀偉は驚いた様子で目をパチパチしながら、消えていった窓を凝視していた。
普段隠密なんてモノと接触することなどないのだろうから、まぁムリもない事であるが・・・・・。

「おい、そろそろ話をしたいのだが。」

黎翔が声を掛けなければ、そのまま秀偉は窓をずっと眺めていた事だろう。
その声かけにハッと我に返り、秀偉は首を動かして黎翔の方を見る。

黎翔は何処からか椅子を持ち出し、秀偉から少し離れた斜め向かいに足を組み上げて王者の風格を纏い座っていた。

「ようやく二人きりとなれた様だから、色々と尋問させてもらうぞ。」
「はい・・・・。」
「まずは、まだ私はお前の処分については決めていない・・・・まぁ地下牢の輩については、李順の尋問後にこの世の住人たるかは判らんがな。」

深紅に染まる瞳は激しい怒りの炎が宿っている様にも見え、秀偉は思わずブルンと身体を震わせた。
これは、恐らく知っている事を包み隠さず話せということなのだろうな。
秀偉は黎翔が云わんとする事を瞬時に理解して、ゴクリと唾を飲み込むと話し始めた。

「まず・・・夕鈴ちゃんとのお見合いについては、何の他意も御座いません。あれは親父たちがした古い昔からの約束でしたので。まぁ久し振りに逢っても昔のままのいい子だったから、求婚はしましたがね。今となっては、承知してくれなくて良かったと思います。」

そこで天井を見上げて、一つ大きく息をつく。

「そして、自分が何故あのような輩の謀略に加担したかですが・・・・私はつい最近まで、親父の任地である西方の州にいました。そこで地方役人として地方の人々の為に少しでも豊かに暮らせるように、力を尽くしておりました。地方役人はその地方にて採用と為りますから、そのままその地で生涯地方役人としてその地に貢献し骨を埋めてもいいと思っておりました、ところが・・・・・・」

そこまで話して秀偉は急に眉をひそめ、斜め向かいにいる黎翔を見詰めた。

「ある日、中央から左遷されてきた官吏がおりまして・・・・其れからめちゃくちゃになったのです。
それで何もかもがイヤになった時に、丁度親父がまた中央へと異動になったので、私も王都に帰って来たんですよ。」
「そのやって来た官吏とは?」

そこで初めて黎翔は口を挟んだ。
これは地方に飛ばした自分の人事が、一人の男の人生を大きく狂わせる結果となったからだ。

「それは、江(ごう)官吏ですよ。覚えておいでですか?」
「あやつは、確か政敵に陥れられ地方に飛ばされたと聞いているが、目立った働きもなく裏で何かを企んでいる風には見受けられなかったのだが。」

黎翔も一応覚えているくらいの小者であり、自分とも大した関わりもなかったので『確かそうだったはず』としか云い様がない。

「それで・・・その者がどの様な事をしたと云うのだ。」
「江はまず自分が連れて来た親類を勝手に役人に取り立て、古くから貢献してきた優秀な役人を罷免したんです。それは中央、そう王宮からのお達しだとの事で・・・・そして次は税率の無理な引き上げ・・・・これも中央からの命令だと豪語して。」
「何だと!!私はそんな命令は出してはいない!!」

黎翔は秀偉のあまりな云い様に、腹が立ってきて語尾が強くなる。

「はい、後でそれはこの王都に帰って来て判りました。そのような命令は出されていなかったという事が・・・それは、江の懐を温める為だったんです。でも地方は中央が、そう陛下がそんな無理難題を押しつけて来たと思っているんですよ、今もね・・・・。」
「はぁ~~~、地方にもキチンと目を向けているつもりであったがな・・・・それは、任命された官吏次第だということなのか。」

黎翔も自分が最終的に判断した人事であるために、強くは出れない。

「それで、江は人の良い振りをして領民に陛下は酷い王だという認識を植え付けていったんですよ。でも自分はある時聞いてしまったんです。」
「何をだ?」
「江が近親者に『これは手始めだ、もっと中央を悪く云えば美味しい汁が吸える』と・・・でも、その後はいつも通りの人の良さげな態度で皆に接していて、自分が見たのは何だったのか?幻覚なのか?と思いましたよ。でも何か納得がいかなくて・・・・。」
「そして如何したのか。」
「その後、江は『今の王は王たる資格はない』と事あるごとに、周りに吹聴していきまし。そして中央をよく知らない領民たちは、段々と江の云う事が正しいと思うようになっていったんです。」
「それは何のために・・・・。」

黎翔は腕を組み、深く考え込んで一つの結論に達したのである。

「ああ、それは・・・・いずれ中央からの監査などが派遣されて来ても、『その者の云う事は間違っている』『騙されるな』と云う訳か・・・・狡猾な奴だな。」

黎翔は江に対しての憎々しげな表情を見せ、秀偉に話の続きを急かした。

「そして、ついに江は決断したんです。」
「何をだ。」
「王を・・・陛下を弑逆する事を!!そして、地方で陛下に恨みがある者達を集めて、密かに少しずつ王都に送ってその数をゆっくりと増やしていったんです巧妙に。」
「一度に怪しいヤツを送ると、直ぐに嗅ぎつけられると云う訳か・・・。」
「そうです、だから時間が掛かったみたいですよ。」

「自分は地方での江のやり方が納得がいかなくて・・・徐々に優秀な者が辞めさせられていくのに疑念も持ちましたし、それよりも民たちから笑顔が無くなったんです。それでやるせなくなって、自分から辞めてやったんです。」

秀偉は此処まで話すと、一息ついたようにホッとした顔を見せる。
そして更に続けて話し始めた。

「そうして王都に戻り調べて見ると・・・・この王都で聞こえてくるのは、王は確かに狼陛下と呼ばれ恐ろしい方だけれど、執政に関しては前の王様に比べいい方に向かっていると。オカシイと思いましたよ、江の云っている事とは全然違うのだから。そこでこの計画に乗ったふりをして、何処かで止められればいいと思いまして、ここまで来たのですが、あの様な事になるとは・・・・・。」
「そうだったのだな。」
「はい。」

苦しい胸の内を話せて、秀偉は安堵の表情が見てとれた。
そこに浩大が慌てて窓から飛び込んできた。

「陛下~~~~」
「夕鈴が目覚めたのか?」
「違う!!早く行って!!」

浩大がハッキリと云わない処をみると、余りいい事ではない様である。

「わかった、直ぐに行く。この者はこのままで、あと縄は解いておけ。」

それだけ云うと、黎翔は部屋から慌てて出て行こうとする。
その背に秀偉は一つだけ質問を投げかけた。

「陛下・・・あの娘(こ)は、一体??」
「あれは私の妃だ!!そしていずれこの国の母と為るべきモノだ。
だからこんなところで決して死なせはしない!!」

それを聞くと、秀偉は満足気に口元に笑みを浮かべたのだった。
黎翔が慌てて出て行き、残されたのは秀偉と浩大であった。

「ほら、後ろを見せてよ。」

いつになく不機嫌な浩大はぶっきらぼうに云い放つ。
それに少々ビクつきながら秀偉は背を見せた。
頑丈に結ばれた縄は、多少もがいたぐらいでは解けない様にされているため切って貰うことにしたのだ。
浩大の短剣がスパッと縄を切ると、秀偉は自由になった両手の手頸を交互に擦る。
随分強く縛られていた様で縄で皮膚は赤く擦れているようだ。

そしてひと心地ついたのか、秀偉は気になっている事を浩大に徐に聞いてみた。

「あの・・・・・夕鈴ちゃんは、今どうなっているのだろうか?」
「はぁ?お妃ちゃん??アンタが聞いてどうするんだよ。」
「いや、怪我の原因は自分に大いに有るから・・・・。」
「そうだったな!!さっきオレが陛下を呼びに来たと云う事は、大体分かるだろうが!!
容体が急変して危険な状態なんだよっ!!」

浩大は何も出来ない自分にイラつき、吐き捨てるように秀偉に答えた。
それを聞くと、秀偉は唇を噛んで悔しさを滲ませ俯いたのだった。

そうして、二人は同時に深い・・・果てしなく深い溜息を吐いたのだった。





続。
つらつらと・・・1215
こんばんわ~

今日は1週間ぶりに仕事に行きましたので、帰宅後何だか疲れて・・・・PCの前でウトウトしてました。
いやぁ~~~こんなに疲れるもんかね・・・と不思議でした。


さて土日はドタバタしてました。
土曜日は予防接種を受けに連れて行き、弟宅に赤ちゃんを見せてもらいに行きました。
生後2か月・・・・まぁ、可愛いもんです。
抱かせてもらいましたが、妙に懐かしく感じましたね~~
ウチの娘は7歳。
もうあれから8年近くたつんだなぁ~と。

そして夕方からは、幼稚園時代の役員仲間4人と飲み会でした。
子どもたちは祖父母宅に泊りに行ってましたので、ゆっくりでした。
旦那は一人寂しくお留守番です。
たまにはいいもんですね~~
6時半から4時間!たっぷり話してました。

行ったお店がアジアン料理が出てくるお店で、とっても美味しかったです。
お酒も結構美味しくて・・・・7杯?8杯??それくらい飲んだのですが、結局殆ど酔えませんでした。

DSC_0311.jpg DSC_0313.jpg
棒々鶏サラダにチヂミ・・・・ビール片手にモグモグ。

DSC_0312.jpg  DSC_0314.jpg
タコスライスにカキフライ・・・お腹一杯になりました。

次の飲み会は恐らく、夏。
今度はどんな美味しい料理のあるところかなぁ~と今から楽しみです。



そして日曜日は、町内の餅つき大会でした。
祖父母宅から帰ってきた子どもたちを連れて参加。
旦那は仕事でしたので、行けませんでしたが・・・・・。

子どもたちは寒い中、段ボール遊びに夢中でした。
(子供会も一緒に参加してましたから)
DSC_0321.jpg  DSC_0318.jpg
息子は職人のように段ボール迷路??を作ってました。
娘は段ボールで作ったロボットスーツをきてはしゃいでました。

そして私は公民館で、ご近所のママさんたちと雑煮・ぜんざい・きな粉餅など食べまくってました。



ドタバタながら、有意義な土日でした。
しかし来週あたりから大掃除しないと、もう年の瀬なんだよなぁ~と思う日々です。




瓔悠。
つらつらと・・・1213
こんばんは(≧∇≦)b


ただ今、ママ友4人と飲んでます~~
結構な量のお酒飲んでますが、
全く酔えず!

色々な話しながら楽しんでます!

今週息子のお世話をしていたので、私へのご褒美です~
つらつらと・・・1212
こんばんわ!!

長かった5日間。
これで明日からは普通の生活に戻れます。

息子のウィルスに対抗するために、除菌アルコール片手に息子の触ったドアノブなど消毒して回ってました。
それに手洗いも日に何度するの??っていうくらい・・・・。
おかげさまで、手が荒れ放題です。

寝る時には、ハンドクリームを塗り塗りして・・・
朝には一応カサカサが治るんですが、
日中の手洗いにまけてしまうんですよ。
はぁ~~~~~~もう疲れました。


今日は、きちんと原稿進めました。
彩くんのお話を手直ししてました。
まだ全部は終わってませんが・・・・・。
そして手直ししていて思ったこと。
『私、ホントにやりたい放題だなぁ~~~~』と・・・・・。
だって彩くんなんて捏造の塊なんですよ!!
それが主人公張ってるってどういうこと????とね~~~
でもそれでも、欲しい!って仰ってくださった方もいるので、頑張って仕上げようと思ってます。


さて、明日はインフルエンザの予防接種に行ってきます。
今更感、満載かも知れませんが。
息子はまだ出来ないので、娘は2回目・・・・旦那は初回。
それにしても、今年は例年に比べて流行が早すぎて、
あああああああ~~って感じになりましたので、
来年は10月には初回を打っておこうと思います。


それでは、この週末も寒くなるようですので、
ゲストの皆様、風邪など召されないようにお気を付け下さいませ。




瓔悠。
【そして一つの可能性・10】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り












「・・・・・・秀・・・・おにい・・・・・・」

ハッと我に返り、云い掛けたのを自分の手を口元に当てて云い止めた。

嘘だ、そんな事ある筈が無い!!
・・・・・なんでこんなところにいるのよ。
どうして??

暗闇から出て来た人物がまさか自分の知人であろう筈がない・・・夕鈴は必死で打ち消そうとしていた。
でも頭の片隅では、危険信号がチカチカしている。
ここにいるのは、不当に王宮に入り込んだ賊の仲間なのだと。
そして目の前まで来た第3の人物も、目を丸くして夕鈴をジッと見据えていた。

「夕鈴ちゃん?なの???」

自分の瞳に映っている人は、自分が知っている可愛い幼馴染であろうはずがないと。

「「どうして??」」

疑問に思う二人の言が一つに重なった。
静かな沈黙が、その場の空気に溶け込んで流れていく。
それを打ち破ったのは、最初に夕鈴が対峙していた賊の一人であった。

「早く連れて行かないと、酷い目に遭わされますよ。何しろあの人は気が短いのだから。」
「いや、いい・・・ここは自分がどうにかするから、脇で見張っていてくれ。
女人に手を上げるのは、いささか気が進まないからな。」
「そうすか・・・じゃあ、任せましたよ。」

そう云うと、もう一人の男と共に脇にある柱の影に移動した。
そして、対峙した夕鈴にゆっくりと話しかけてきた。

「どうして夕鈴ちゃんが綺麗な服を着て、後宮にいるの??」

バレた???私が仮だけど陛下の妃である事が。
何か云わないと、不信に思われるよね。

「あの、これは・・・。」
「わかったよ!!これは陛下からか、本物のお妃からの命令かい?
ただの掃除婦の夕鈴ちゃんを囮に、身代わりにしようと・・・酷過ぎるよ。」

いえ、これは違うんです!!!
身代わりではなく、私が狼陛下の唯一の妃(仮)なんです!!

こんな風にハッキリ云えればどんなにスッキリとしただろう。
でも秘密をワザワザ教える必要は何処にもない。

「いや・・・・・・それよりも何故?秀お兄ちゃんが此処にいるの?」
「何故って???そんなのは決っているよ。
珀 黎翔陛下を弑逆するんだよ。」
「えっ????何て云ったの?」
「だから、陛下を暗殺するんだよ・・・・。」
「どうして??」
「それは・・・・・・・・話せば長くなるから。
夕鈴ちゃん、ここは危ないから早く身代わりなんて辞めて逃げなよ。
もうすぐきっと陛下も来るだろうから。」

夕鈴はもう何が何だか判らなくなってきた。

一体陛下が何をしたって言うの?
どうして暗殺なんてしないといけないの?
どうして優しい秀お兄ちゃんがこんな恐ろしい事に加担しているの?
そしてあの先日逢った時の優しい笑顔は嘘だったの??

夕鈴の疑問は大きく膨れ上がり、今にも破裂してそのまま溢れかえりそうになっていた。
へたり込んだまま、もう身動き出来ない夕鈴に秀偉が手を差し伸べようとしたその時。

「私の妃をどうしようと云うのだ。」

明らかに怒気を露わにした黎翔が、二人の視線の先に現れたのであった。

「陛下・・・・・・・・。」

夕鈴は秀偉の手を振り払って傍に近寄ろうとした矢先、
脇に控えていた男二人が駆け寄り腕を掴まれ阻止されてしまった。

「おっと、いけないよ。勝手をしちゃあならないよ。」
「アンタは大事な人質になるんだからさ。」

腕を掴まれ自由を失った夕鈴はそれでも足で相手を蹴り上げて逃げようと応戦する。
だが自分よりも背の高い男性二人が相手なのだから、太刀打ち出来るはずもない。

「もう離して!!あなた達の人質なんてなりたくないわよ。
いい加減にしなさいよ!!」

夕鈴は身体の自由は奪われていてもまだ戦意は衰えておらず、今度は口で応戦する。

「あ~~うるさい女だな。」

男は夕鈴の腕を更に締めあげようとする。
それをジワリジワリと距離を縮めてきている黎翔が、男たちに警告する。

「いい加減に離してもらおうか、お前たちの様な薄汚い手で触れていい筈はないだろうが!その腕を切り離してもいいのか!!」

瞳がいつもよりも深紅に血走っており、このまま行くと此処にいる者はどうなるのか判ったものではない。
でも黎翔は自分が下手に動けば、夕鈴が傷つけられるだろうと予想ができ動く事が出来ないでいた。

「陛下、私は大丈夫ですから。」

一応夕鈴はこれ以上黎翔を刺激しないように、やんわりと宥めてみた。

「大丈夫???そんな筈はなかろう。」

もう黎翔は相手を切りつける事を確定としているらしく、夕鈴の取りなしも聞き入れられそうになかった。
その三者のやり取りを静かに見ていた秀偉は灯篭の明かりに映し出された黎翔の顔が、先日下町に現れた夕鈴の上司だとようやく気が付いたのあった。

「あの時の男が陛下だって??だったら夕鈴ちゃんは・・・」

秀偉は驚きを隠せずに、夕鈴にフラフラと近づくと男2人に腕を離すように促した。
そして夕鈴の目の前に立った。
夕鈴に事情を聞こうとしたその瞬間、回廊の外から低い中年の男の怒鳴り声が届く。

「おい、何をもたもたしているんだ。早く陛下に目にモノを見せてやるんだ。」

そのまま柱の陰から手刀が次々と黎翔目がけて飛んできた。

「先程の者か!」

黎翔は持っていた剣で次々と払い落す。
しかしいくら払い落しても手刀は次々に飛んでくる。

その内、相手も疲れてきたのかコントロールが定まらなくなってきた様で、四方八方に飛んでくるようになっていた。

「おい、隠れてないで姿を表わせ!!私を倒すのが目的なのだろう。」

黎翔はまだ余裕があるのか、応戦しながら相手をおびき寄せようと挑発していた。
夕鈴は秀偉によって身を屈まされ、手刀が飛んで来ない位置に静かに移動していた。

そして_________黎翔が剣で払って飛ばされた手刀が、
運悪く秀偉と夕鈴の所に飛んできた。

秀偉が除け損ねてその手刀に心臓を貫かれようとした時、
夕鈴は咄嗟に背中を向け秀偉を押しのけた。


グサッ!!!!

鈍い音がした瞬間、飛んできた手刀が夕鈴の背中を貫いた。
それはスローモーションのようであった・・・・背中に手刀を受けた夕鈴の身体がぐらりと倒れ伏したのは。

「夕鈴!!」
「夕鈴ちゃん!!」

逼迫した二つの叫びが回廊中を包み込む。

黎翔は直ぐにでも夕鈴の傍に行きたいのだが、未だ賊と交戦中であり思う様に近づけない。
その間、夕鈴の傍にいるのは賊の仲間だ。

そんな輩に夕鈴を渡せない。
渡せるものか。

黎翔の想いは熾烈な剣捌きとなって賊を凌駕していき、
次第に相手が投げてくる手刀は数と勢いが衰えていく。

「うぐっ、離せーーーーー。」

手刀の猛攻が無くなると、直ぐに男の低いうめき声が柱の物陰から聞こえてきた。
浩大によって、後ろ手を締めあげられた主犯格とみられる男が回廊に引きずり出されてきた。
そして他も隠密も駆け付け、そこに座り込んでいる賊の下っ端二人を縛り上げた。

黎翔はそれを確認すると、もう終ったのだと剣を素早く鞘に納め夕鈴の元に走り込む。
倒れ込んだ夕鈴の傍には秀偉が付いていたがそれが秀偉だとは気付く余裕もなく、
強引に夕鈴を奪い取りそっと抱き締めた。

「夕鈴!!シッカリしろ!!夕鈴。」

夕鈴の背に刺さった手刀の周りからは血が流れだしている。
深手ではありそうだが、致命傷ではない様だ。
ホッと一息ついたが早く手当てしないと、下手をすると取り返しのつかないことになる。

直ぐに判断した黎翔は、その辺りにいるであろう隠密に命令を飛ばす。

「早く侍医を!!!」

その命で一人の隠密が素早く従い、飛ぶように消え去った。

「夕鈴・・・・夕鈴・・・お願いだから目を開けて。」

悲痛な声が木魂する。
その声を受けて、浩大に拘束されている賊が大声で笑い出した。

「あはははは~~狼陛下と言えども、ざぁまねぇな!!!
女一人に心を奪われているのか?」

夕鈴を静かに横たえると、ゆらりと立ち上がり鞘から剣をすばやく抜き賊にかざす。
紅き瞳に明確な殺意を込めて、言葉を発した賊を見据える。

「お前は、今ここで私が直々に始末してやろう。」

静かに宣言すると、相手に向かって走り込もうとした矢先―――か細い声が黎翔の耳にハッキリと聞こえた。

「へい・・・・か・・・・・ダメ・・・・・で・・・・・す。ころして・・・・・・は・・・だめ・・・・・です。」

それは、微かに目を開けた夕鈴の懇願する声であった。

「夕鈴っっ!!こいつは君を傷つけた元凶なんだぞ!!」
「それ・・・・でも・・・・・・・ダメ・・・・・・で・・・す・・・。」

擦れた声で必死に止める夕鈴に抗って、目の前でこの賊を惨殺する訳にはいかなかった。

後で、ゆっくりと・・・・・・だな。

ギリッと奥歯を噛み締めて、黎翔はシブシブ剣を鞘に納めた。
しかしこの男達をこれ以上見ている忍耐力は持ち合わせておらず、
浩大に目で合図しそのまま地下牢へと引っ立てて行かせたのだった。

そして回廊に残ったのは、横たわった夕鈴と黎翔・・・・・・・そして、夕鈴を心配そうに見詰める秀偉だった。


黎翔は肩で息をしている夕鈴の傍で両膝をつき、夕鈴の頭を膝上にそっと乗せた。
それ以上為す術のない黎翔は、ただ茶色の髪を優しく撫でて語りかけるだけだった。

「夕鈴、もう少しの辛抱だから・・・直ぐに侍医が来るからそれまで頑張ってくれ。」

夕鈴はうつらうつらし始め、そのまま黎翔の膝の上で意識を手放そうとしている。

「夕鈴!!夕鈴!!!目を閉じないでくれ。」
「は・・・・・・・い。」

黎翔は必死に呼びかけ、夕鈴の意識を保たせようとする。
しかし、夕鈴も疲れ切ったのか・・・・・・呼びかけに返事はしたものの、そのまま目を閉じてしまった。

「夕鈴!!!ゆうりん!夕鈴・・・・・」

意識を失った夕鈴に危機感を覚え、黎翔は尚も呼び続けていた。
そこに侍医がハァハァ息を切らしながら、駆け付けたのであった。

「陛下・・・・・・・お妃様が負傷なされたとのことで・・・・・・直ぐに診ましょう。」
「ああ、直ぐに頼む。」

侍医の見立てでは、今の処は命には別条はないだろうという見解だった。
正し、意識が戻ればという条件付きではあったが。

直ぐにでも部屋に連れていきたいが夕鈴の背中の手刀はまだ刺さったままであり、
まずはそれを抜いてからということになり、黎翔が夕鈴の身体をシッカリと抱きとめて侍医に合図した。

「失礼いたします。」

侍医は小刀の柄をシッカリと握り、ジワジワと抜いていった。
抜き取られた傷跡から鮮血が、夕鈴の衣裳を赤く染めていく。
夕鈴の身体が大きく震え、かなりの痛覚が刺激された様だった。
一瞬意識が戻った様にも見え黎翔が優しく呼びかけてみたが、ハッキリと意識が戻る事は無くまた黎翔の腕の中でクタリとしてしまった。

傷口辺りの衣裳を切り裂きガーゼをあてがい取り敢えずの応急手当てを施すと、
あとは後宮に運ぶとなり黎翔が静かに抱き上げたのだった。

そこで初めて、侍医の他に秀偉が控えていた事に気が付いたのだった。
黎翔に恭順の意を表す為に秀偉は頭を下げたまま、膝を折って跪いていたのだった。

「お前はたしか・・・・・・・董 秀偉だったな。どうしてお前が此処にいるのだ。
いや、此処にいたのは賊だったはず!!
ではお前は・・・・まぁ今は夕鈴が先だ、浩大!!」

もう戻って来て様子を窺っているだろう隠密の名を呼ぶ。
空気が震え何処からとなく現れた浩大は頭を垂れ静かに黎翔の前に跪く。
今の状況ではいつもの軽口も叩けないでいた。

「浩大!この男を拘束しておけ。後でゆっくりと聞きたい事があるからな。」
「了解!」

短く返事をすると秀偉の腕を掴んで、連れて行ったのだった。
秀偉も抗う事無く、浩大にその身を預けたのであった。

浩大に連れて行かれながらも、秀偉は後ろ髪を引かれるように振り返って夕鈴の様子を見る。

「夕鈴ちゃん、死なないで・・・。」

自分が何か出来るわけではないことは重々承知しており、ただただ小さく呟いたのであった。





続。
【傍迷惑な歓迎・7】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り ・ 原作外設定有り








入国検問所も難なく通り抜け、門をくぐるとそこは黄陵国内だった。
とは云っても、まだここは国境地帯・・・・特に栄えている町と云うわけでもない。

なのに、何故か街道沿いには路から溢れるほどの人だかり。
この状況に夕鈴は馬上から周りを見渡し、驚きのあまり目をパチパチさせる。

「陛下!!!人が沢山います。」
「そうだね、僕たちを歓迎してくれているんだね。」

路の両端に両国の国旗の旗を持って振っている黄陵国の民。
皆、笑顔で旗を振っており、歓迎ムード一色だ。
この事に夕鈴も黎翔も素直に喜び、馬上から群衆に向かってニコヤカに手を振る。
その群衆の中に、白陽国国王・王妃にただならぬ視線を向けている人物がいたことは、
夕鈴はおろか黎翔さえも気付くことは無かった。


「陛下、王都までどれくらいですか??」
「王都まで??」
「はいっっ!!!もう悠様に逢えるのが楽しみで、待ちきれないんです!!!」
「ふうん、そうなの。」

黎翔は気の無い返事をする。
しかし、ウキウキしている夕鈴は黎翔のそんな態度にも気付くはずは無い。

全く、夕鈴は・・・・・・僕の背中でそんな事云ってくれて。
夫の前で、他の男の話をするとは・・・いい度胸だよね。
これは、後でお仕置きが必要だな。

正面を見据える黎翔の表情が、何かを企むモノへと変貌する。
そんな事はお構いなしに、夕鈴はホクホク顔で群衆の歓呼に応えている。
この鈍感ニブチン兎は、大いに後悔することになるのは後々の話である。

さて群衆に紛れた鋭い視線の持ち主は、大きな群衆の歓呼の声に紛れて呟く。

「さて、国王陛下・・・・・ようこそ、我が黄陵国へ。
どうか、楽しみにしててくださいね。
僕の目は誤魔化せませんから、素敵な素敵なおもてなしをして差し上げますよ。」

この呟きは誰のものか・・・・それは黄陵国国王、悠鐸である。
隠密の知らせを受けて、わざわざ王都から馬を飛ばしてここまでやって来たのである。
それは勿論、妹姫である夕鈴に早く逢いたいが為。
そして、黎翔との関係をしっかりと観察する為である。

「悠、もういいだろう。早く王宮に戻らないと。」
「ああ、朔・・・・・先に戻ってていいよ。」
「はぁ??オレに全部させるつもりなのか??」
「勿論っっ!!!!」

幼馴染兼側近の朔弦に向って、ニッコリと満面の笑みを見せる悠。
こういう表情をした悠鐸に誰が逆らえよう・・・・・どだい無理な話である。

「と、云うわけで・・・・・国王夫妻の出迎えは任せたからね~。」

そう云い放つと、悠は街道の傍に待たせていた愛馬に跨り
何処へ行くとも告げずに走り出したのであった。
残された朔は、空を見上げて大きなため息一つ零していた。


波乱の予感しかしない悠の行動。
ただ一人を除いて、誰もまだ分からない悠の思惑。

「愉しんでいらっしゃるようだな。」

苦笑いをしつつも、自身も愉しんでいるかのように見える朔であった。




続。
つらつらと・・・1211
こんにちわ!!

息子の熱もすっかりと下がりまして、午前中の1時間ほど私は出掛けてきました。
役所に手続きに行かないといけない用事があり、ついでに銀行・食材の買い出しに行ってきました。

昨日も一昨日も全く出ていないわけではありませんでしたが・・・
(旦那、娘の送迎・・・ちょっとした買い出しで)
それでも、1時間少し・・・自由時間を満喫(?)しました。
役所では選挙の期日前投票があってまして、結構人がいました。
それに、出口調査の人もいて・・・・・私も聞かれましたが
「スミマセン・・・私、違う用事で来たんで。」と丁寧にお断りしました。

今、家にいますけど・・・・・選挙カー、あまり通りませんね。
やはり国政選挙ということもあり、選挙区が広いのでしょうから度々はこないんでしょうね。
これが市議選、市長選などになると・・・・どれだけ来るんだ~~というくらい夜の8時まで引っ切り無しなんですけどね。



食材の買い出しにも行ったので、今晩はまともな夕食が作れそう。
此処の所、雑炊・うどん等など・・・簡単なモノが多くて。
こんなでいいのか???と思ってましたから。

今日は何にしようかしら~~
お好み焼き・グラタン・コロッケ・オムレツ・・・・。
煮物も最近食べてないから、煮物に味噌汁に焼き魚でもいいなぁ~~

う~~ん、何にしようかな??
迷ってしまう~~~~




さてさて、今から少し連載の続き書いて、家事戦士に変身するとしましょうか!!!
【そして一つの可能性・9】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り










それは、二人にとって忘れられない重大な日。

「へいか~~~調べて来たよ。」

明るい調子で窓から声を掛けてくるのは、彼の信頼のおける隠密。

全く仕事の早い事だな、相変わらず・・・。

黎翔は、感心して浩大の報告を待つ。

「それがさぁ~~その花火の出処は、なんとまぁ下町の几商店のものだよ。
で、買い上げたのは、提案してきた大臣ではないよ~~~若い男だってさ。
几商店の跡取り息子から直接買ったらしいよ。
それが、どういう経路かはまだ解んないけど、あの大臣の手に渡ったみたい。」
「では、その大臣と若い男が通じているのか?」
「いや、それは違うと思う・・・だってさ大臣が手に入れたのは、歳のいった男性からだったらしいしさ。」
「そうか、杞憂だったのか・・・。」

「陛下?杞憂とはどういう事ですか?」

今まで黙って聞いていた李順が書簡の精査をしていた手を止め、口を挟んでくる。

「いや・・・・やはり季節外れの花火とは、いささか気になったものだからな。
何かあっては・・・と思って浩大に調査させたんだ。」
「そうですか。」
「では、その件に関しては調査終了だ。」
「りょ~~かい!!じゃあ、お妃ちゃんの所に戻るね~。」

何処までいっても底なしの明るさに黎翔は拍子抜けしながら、
浩大の立ち去った窓辺でボンヤリと外を眺めていた。

その視線の先には、忙しそうに花火の準備をしている花火師とその助手たちが立ち働いていた。
その中には黎翔と夕鈴が先日逢った秀偉の姿があったのだが、
丁度死角の位置に居たため黎翔の目には映らなかった。

その秀偉はと言うと3、4人ほどの男性と合図を送りながら、
花火師の手伝いと並行してコソコソと何かを庭先に設置していた。


「陛下・・・いい加減仕事を再開されませんと、夕刻までに終わりませんよ。
終わってもいませんのに陛下を花火見物に出すとお思いですか?
私はそれほど甘くはありませんよ。」

ずり落ちた眼鏡をそっと人差し指で押し上げながら、窓辺で佇む黎翔に力を込めて云い述べる。
それは困ると、黎翔は慌てて卓上の書簡制覇に向けて邁進するのであった。





その頃、後宮では今日の花火見物を侍女達と共に心待ちにしている夕鈴は、優雅にお茶を愉しんでいた。
そこに天井裏から「カタッ」と物音がしたのを夕鈴は素早く察知して人払いをすると、
天井を見上げてそこにいるであろう浩大に声を掛ける。

「そこにいるんでしょう??浩大?」
「当たりだよ~~最近お妃ちゃんも鋭くなった??」
「そんな事無いわよ、浩大がわざと音を立てて知らせてくれたから解ったのよ。
何かあったんでしょ!」
「やっぱ~~鋭いよ~~~。いや、大したことじゃないんだけどね。
陛下は花火見物、張り切っているみたいだよって伝えたくてさ。」
「そうなんだ、でも本当にそれだけ?」
「・・・・・・・・ねぇ、お妃ちゃん。一つだけ言っておくけど、陛下の傍は離れないでくれよ。」
「えっ?どうして?」
「いや・・・タダの杞憂で済むといいけど、あの人の勘ってイヤな時ほど当たるんだよね。だからだよ。」
「ふうん、解ったわよ。陛下の傍から離れなきゃいいんでしょ。」
「じゃあ、よろしく~~~~。」

天井裏越しの会話はそこで途切れどうやら浩大も離れていったらしく、
シ~~ンとなり元の静けさに戻っていた。





そして日が西の彼方に傾き辺りがうす暗くなってきた頃。
後宮の一室では、侍女達により普段より少し着飾らされた夕鈴が、陛下の迎えを心待ちにしていた。

そこへ陛下の訪問を静かに伝える侍女。
静かに立ち上がり、戸口まで迎えに行くと夕鈴の姿に満足気に微笑みながら佇む黎翔がいた。

「今宵の妃の姿は、いつもより艶やかであるな。これでは夜空に咲く大輪の華も霞んでしまうというもの。」
「そんな事はございません。花火の方がきっとすばらしいに違いありませんですわ。
陛下のお越しを心待ちにしておりました。」

頬を染め上げ潤んだ瞳で見つめる姿は侍女達が思わず見とれてしまうほどであり、
更にお妃様の美しさを引き立たせる自分達の仕事の素晴らしさを感じていたのであった。
彼女たちの逸品であるお妃は、そのまま陛下の手に誘われ回廊をゆっくりと歩いていったのである。

「夕鈴・・・・今日は今年夏祭りに行けなかった分、存分に見ようね。」
「そうですね、とっても楽しみです。」


後宮と王宮とを結ぶ回廊の途中には大きな庭園に続くところがあり、
今日の花火の会場はそこになっていた。
もう気の早い官吏は庭園の脇で待機しており、今か今かと空を見上げている。
丁度会場に二人が着いたのを見計らった様に日が完全に沈み暗くなった夜空に、
まずは赤と黄の大輪の華が二重にかさなるように咲いた。

「わぁ~~~~綺麗。」

到着するなりの綺麗な花火の歓迎に夕鈴は思わず大きな声を出してしまい、顔を赤らめて下を向いた。

「俯いていたら、折角の花火を見逃してしまうではないか。」

黎翔の形のいい指先が夕鈴の顎を持ち上げ、瞳を合わせると二ヤリと微笑んだ。

「左様でございますね。」

それだけ云うと、夕鈴は自分の跳ねあがった気持ちを抑え込むように夜空に咲く花火を見上げた。


その時。
後ろの暗闇から忍び寄る足音が、二人に徐々に近づいて来ていた。
でもまだ夕鈴と黎翔は花火の音に周囲の物音も掻き消されていた為か、
気付く事はなかったのあった。


『ひゅるるるるる~~~~どん』

花火は連発で上がっており、空のキャンバスを赤や青や緑、黄で染め上げ大輪の花を幾つも咲かせていた。
庭に集まった誰もが空を見上げ、歓喜の声を上げている。
夕鈴と黎翔も例外ではなく二人並んで空を見上げ、
時折顔を見合わせて瞳で会話しつつニコヤカに笑みを浮かべていた。

この花火見物は盛況のうちに終わるだろうと、きっと誰もが思っていたはずで。
まさかあの様な凶事が起ころうとは、誰もが・・・そう、黎翔でさえ思わなかったのである。


「お前が、狼陛下唯一の妃だな!!!」

背後の暗闇の中から、夕鈴めがけて言が飛ぶ。

「えっっ??誰?」

そう云って夕鈴は律儀にも振り返った。
その刹那・・・・・・相手からの返事ではなく、シュッと空(くう)を切り裂き音を立てながら手刀が飛んできた。

「危ない!!」

黎翔は素早く剣を取り出すと、手刀が夕鈴へと届く前に瞬時に地面に叩き落とした。

「夕鈴!!走れ。」

それが合図だった。
夕鈴は瞬間的に危険を察知して、明るいところに向かって走り出した。
瞬間的に後宮の回廊の方へ・・・・・・・これが運命の分かれ道であったとは、
夕鈴はこの時は全く判らず取り敢えず慣れた回廊へと走って行った。

その間も黎翔は賊に対峙しており、夕鈴が逃げ込んだのが後宮であったのか王宮であったのかまでは確認しようがなかった。
見物に来ていた官吏の多くは若い文官であったため、黎翔の邪魔にこそなれ加勢にはならない様で。
逃げまどうもの、大声を上げるだけもの、庭の植え込みに隠れるもの・・・・・誰も彼も使いものにはならない。

仕方なく黎翔は賊と対峙したまま、官吏たちに命令を出す。

「おい、そこにいる者ども!!王宮に赴き、兵を呼び寄せろ!!!」

それだけ怒鳴りつけると、黎翔は手の中の剣を煌めかせ相手の出した剣とを絡み合わせ、相手を倒そうと剣をふるった。

「陛下!大丈夫?」

背後から浩大がやって来て、黎翔と背中合わせになって賊に向き合った。

「おい、浩大!夕鈴はどうした?」
「お妃ちゃん?来なかったよ。」
「なんだと!おまえは此処を頼んだ。私は夕鈴を捜しに行く。」

黎翔はいやな予感を覚えつつも、それを頭から消し去り剣を携えたまま回廊へと走り出した。
誰に教えられるでもなく、自らの勘が教えている後宮の回廊へと・・・・・・・・。

夕鈴は、後宮奥へと続く回廊をこれ以上ない程必死に走っていた。
もう息も切れ切れである・・・こんなに真剣に走ったのは多分久々だ。
賊と対峙していた黎翔の事は勿論心配でないと云ったらウソになるが、
今はその事を考えるよりも逃げる方が先だった。
もし自分が賊の仲間に捕まったりでもしたら、陛下に多大な迷惑が掛かると理解しているから。

「走れ」と陛下の激昂した声に背中を押されて後宮の方へと走り出してしまったけれど、
良かったのかしらと今更ながら思う。
かなり中庭から離れたからと足を止め、元来た道を振り返ってみた。

誰も追って来ていない様だわ・・・・もう大丈夫みたいよね。

夕鈴は肩で息をしながらもまた走り始めたが、
走る速度は徐々に緩くなり早足へと・・・そして次第に歩き始めてしまっていた。
それでも歩く足は止めない。
まだ陛下の顔を見るまでは安心出来ないのだから・・・。

ヒタヒタ歩く回廊は、まだ両脇の灯篭が所々しか灯されていないためか辺りは薄暗い。
その為、視界はあまりよくなくて・・・・それがこの後の事態を引き起こしたのだ。

夕鈴は暗い回廊の柱の陰から人が出てきたことに、気が付くのに遅れてしまったのである。

「おい、身なりのいい女だな。お前が狼陛下の女だな。」
「捕まえたらどうなるかね~~あの狼も。」

回廊中に響き渡る声で2人の男だと言う事が判る。
その男は両手を広げ夕鈴が進もうとする先に仁王立ちのまま立ちふさがっており、
手には煌めく剣が握られていた。

「おい!なんとか云ったらどうなんだ。」
「そうだ!!返答次第によっては、俺たちの手で慰みモノにしてやるよ。」

男たちが口々にわめきたてる。
夕鈴は大きく息を吸い込み、激しく鼓動する心臓を鎮め静かに語りかける。

「此処をどこだと思っていますか?後宮ですのよ。」
「ああん?何か云ったか?」
「いいや、聞こえねえよ!!」

バカにしきった男たちの声に、次第に夕鈴は腹が立ってきていた。

「黙りなさい!!再度云いますが、ここはあなた方の様な方が入れる場所ではありません。立ち去りなさい。」

夕鈴は威厳を持って答えていた。
これには男たちも一瞬怯んだ様子で一瞬押し黙るが、
女に黙らせられたとなるのも癪だと感じたのかまた話し始める。

「怖え、女だな。さすがに狼陛下の女ってとこか。」
「そうだな。これは連れて行くのも一苦労しそうだな。」

男たちは面倒くさいと思ったのか、夕鈴を無理やり拘束しようとはしなかった。
それは夕鈴にとっても、好都合だった。

陛下は必ず来てくれる。
だからそれまでは時間稼ぎをしないと。

「ねぇ、あなた達は、何がしたいの?」

男たちと距離を取りつつ、夕鈴は話しかけてみた。

「おれたちか??さぁな~~~だっておれたちは下っ端だから知らねえよ。
ここにいて、来たやつを捕まえろって云われただけだしな。」
「そうだな~~~だから、お前は俺たちに大人しく捕まれば良いんだよ。」


男たちが、夕鈴ににじり寄ってくる。
その分夕鈴は1歩、2歩と少しずつ距離を保つように、後ろに下がる。

「おまえら、何やっているんだ!!」

また暗闇から、男性の声が響いてきた。

もう駄目かも・・・・・・逃げられない??
夕鈴はさっきの威勢はどこへやら、その場にへたり込んでしまっていた。


そして暗闇から現れたのは・・・・・・・・・・・・夕鈴は声が出なくなるほど、意外な人だったのである。




続。
つらつらと・・・1210
こんばんわ~~

子どもたちが夕ご飯中ですので、やってきました。

閉じこもり生活3日目。
今日は何だか疲れていて、お昼寝三昧でした。
撮ってあるTV番組を見つつ、炬燵でウトウト。
ハッとして巻き戻して見ていて、またウトウトの繰り返し。
もう仕方ない!と思い、本格的にお昼寝しました。

こんなにぐうたらな生活でいいのか??
日頃平日の午前中はパートに出ているので、何だか変な感じでした。



平熱に戻った息子君は、退屈虫が暴れ出して・・・・・・・
『退屈~~~』と叫んでます。
ゲームもDVDも本も、もう飽きた!!!!と云っております。
なら勉強でもすればいいのに~と思うのですが、それは嫌みたいです。

でもまだインフルウィルスを保持しているから、まだまだ隔離状態です。
金曜日まであと2日。
退屈虫が疼くだろうし、持つのかな~~~と少し心配です。


外では、また雨が降り始めました。
天気は2日間ほどしか続かず、また今から寒さが舞い戻ってくるみたいです。
皆様もどうぞ、お身体大切になさってくださいませ。
それでは。






瓔悠。
【花の終り】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り 

【注意事項】

かなり、切な系仕様です。
どうしてこうなったのか??今、自問自答してます。
閉じこもり生活のせいかもしれません。













心に雫が落ちる。
冷たく、凍り付くような温度の雫。

「もう、終わりにしよう。」

そう云って陛下は、私の唇にそっと口づけた。
そして無言のまま、背を向けた。

ドウシテ キスナンテ スルノ?
ホオッテオイテ クレレバ イイノニ。

私は何も考えられなくなって目の前が暗くなったかと思うと、そのまま倒れ伏した。

モウ、ワタシハ ヘイカノ ヤクニハ タテナイ。
ソバニハ イラレナイ・・・・・。

これだけは理解した。
あの夢のような時間は終わったことを。


***********





どれだけ経ったのか?

私の意識が浮上して辺りを見渡すと、もう真っ暗で私は寝台の上に寝かされていた。
もう要らない人間だったら、そのまま捨てておけばいいのに。
あの方の優しさが痛い。

いつか終わるってことくらい、重々分かっていた。
そんなことくらい、分かりきっていた。
なのに・・・・・・あの方に惹かれていく自分をいつしか止められなくなっていた。
心に蓋をしても、その上に重石を乗せても・・・・溢れてきた。
打ち消しても消えなかった。

だから、いつしか消すことを辞めた。
これが『恋』だということを知った。

「それでも・・・・・好きなんです。
この気持ちだけは、ずっと持っていてもいいですか?」

独りごちてみた。
返事なんていらない。
だって、これは私の決意みたいなものだから。

「さぁ、帰ろうか・・・・・・・私の本来の場所へ。」

寝台から降りて、大きく伸びをする。
私は思い切りがいい方だ。
前向きなのが、私の長所のはず。

なのに、どうして頬が濡れていくの?
どうして視界がぼやけるの?

「はは・・・・・かっこわるい。」

溢れ出す涙を止めたくて、見上げる。
豪奢な飾りのついた電灯の灯りが目に痛いほど眩しい。
暫くそのまま涙が落ちなくなるまで、ジッとしていた。
我慢するより、流してしまった方が諦めが付くから。

ようやく涙が止まった時、不意に愛しい弟の顔が浮かんできた。

「青慎に逢いたい・・・。」

そう呟くと、即座に大きな袋に荷物を突っ込んだ。
でも持ってきたものなんてそんなに無いから、準備なんてすぐに終わった。
後は、今着ている衣装を変えるだけ。
帯を解いて、ヒラヒラした豪華な衣装をスルリと脱ぐ。
下着姿の自分が姿見に映る。

「いつしか、この綺麗な衣装にも慣れていたんだわ。
始めは着慣れなくて、肩が凝ったっけ・・・。」

脱いだ衣装を綺麗に畳んで、寝台の上に置く。
そして、ここに上がってきた時の衣装を身に纏う。

これで、下町娘の汀 夕鈴の出来上がり。
これが本来の私。

「こんな夢のような時間をありがとうございました。」

李順さんから習った丁寧なお辞儀をして、大股で部屋を出て行く。
そして部屋から一歩出た私は、そのまま全速力で後宮の裏門まで駆けて行った。

もうここには未練はない。
ならば、さっさと立ち去るのみ。

「見えた!!!!」

目の前には、下町へと続く大きな門。
ここから、何度帰省しただろう。
そして何度、あちらからこの夢のような此処へ戻ってきたのだろう。
でも今ここから出たら、あちらからもうくぐることは無い。

もう一度だけ見ておこう・・・・もう見ることも無いから、見納めに。
そう思うと、後宮そしてそびえ立つ王宮のある方へ身体ごと振り返った。
そして自然と体をまげて拝礼していた。
クルリと振り返って門を見据えると、私は自分に発破をかけた。

「では、出るとしますか!急げば、夕餉には間に合うしね。」

門に取り付けられた取っ手を掴んで、力の限り押そうとした時。
背後に人の気配がした。

「誰????」

私は振り向かずに、叫んだ。
誰であっても、もう振り向かないつもりだった。
だって未練がましいから。

「夕鈴。」
「・・・・・・・・。」

この声は・・・・・・・・・耳に聴き馴染んだ、大好きな重低音の声。
私の恋した人の声。

嬉しかった。
最後に聴くことが出来て。
でも、もう私は振り返らない。

「有難うございました。」

背を向けたまま、御礼の言葉だけ返した。
早く、門を開けて出て行かないと・・・・・そう自分の心が警鐘を鳴らす。

「ねぇ、夕鈴。」

私は陛下の声を振り切って、取っ手にかけた手に力を込める。
手には汗がジットリと張り付き、自分の体温が上昇しているのが分かる。

早く、早く。
出て行こうよ。
もう終わったのだから。

心ではそう思っているのに、身体は動いてくれない。
足は地に縫い付けられたように、一歩も動けない。

そうしていると、背後で枯れ葉を踏みしめる音がした。
これは陛下が近づいてきている足音。

「僕は、やっぱり諦められない。」

そう聞えた瞬間、自分とは違う体温を背中で感じた。

「離して下さい!!」
「イヤだ。」
「もう私は貴方の妃ではないんです、ただの下町娘です。」

ジタバタともがいてもあがいても、放してくれない。
私の身体は、力強い腕の中にすっぽりと包み込まれている。

「李順は君を下町に返した方がいいと云った。始めは私もその方がいいと了承して君に解雇を告げた。
でも私は君がいないことに耐えられそうにない。私の傍にいると危険かもしれない、でも絶対に私が君を護るから・・・・だから、僕の傍にいてほしい。」

抱きしめられたまま、私は陛下の必死な声に耳を傾けていた。

陛下は、私のためを思って・・・・・・クビにしたんだ。
私は陛下の想いを理解した。

「私はどんなことがあっても、雑草のようにしぶといから大丈夫ですよ。」
「そうだね。」
「私、もう陛下にとって要らないんだと思ったんです。」
「要らないなんて!!そんなことは断じて無い!!!
だから・・・・・・・・私の傍にいてほしい。
本物の妃として。」
「本物の妃ですか?」
「そう・・・・・・駄目かな。」
「・・・・・・・・・・・・・いいえ、私でいいのですか?」
「君じゃないと駄目なんだ。」

フッと緩められた身体を、ゆっくりと陛下の方へ向ける。
裏門の取っ手を握っていた手も離して、大好きな人の腕の中に抱きついた。

「陛下、ずっと傍に置いてくださいね。
もう離れませんから。」

そう云って見上げた先に見えたものは、優しく揺れる紅い双眸だった。
私はゆっくりと微笑むと、少しだけ背伸びして陛下の形の良い唇に自分の唇をそっと重ねた。


西の空は紅く、残照が二人を優しく照らしていた。
この光景を私はきっと忘れない、恐らく一生。



終。
【そして一つの可能性・8】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り










黎翔は王宮に戻って夕鈴を部屋まで送り届けると、直ぐに李順がいるであろう執務室へと向かった。
そしていきなり入るなり、目の前の李順に抗議し始めた。

「大体どういう根拠から、夕鈴の見合いの話を黙っていたんだ!」

執務室に怒号が響き渡る。

「そうは仰いましても・・・じゃあ、お教えしたとして素直に夕鈴殿を帰省させましたか?」
「うっ。」

李順の云う事も尤もなことで、黎翔は一言も反論が出来なかった。

「それにどうせ間にあって阻止なさったんでしょう・・・だったら、めでたく治まったと云う事ではありませんか。」

そう云い放つと、卓上に山の様に積まれた書簡に手を伸ばし続きに取り掛かろうとする。

李順は『終わりよければすべてよし』としたいようだな。

この付き合いの長い有能な側近はいささか合理主義的なところ持ち合わせているので、
『暖簾に腕押し』でもう何を云っても通じはしない。

「まぁいいよ、夕鈴はまたこの後宮に戻って来たのだから。」
「でも陛下、一つ申し上げておきますが、夕鈴殿はいずれ下町に帰られるのですから、
陛下が阻止してもまたこんな話は実家からもたらされると思いますよ。
その度に、ぶち壊しに行くのは控えて下さいよ。夕鈴殿もそろそろいい歳なのですから、
行き遅れになるのは困るでしょうし。」

視線は書簡にくぎ付けなので黎翔がどの様な表情なのかは李順は解らなかったが、
恐らく水月辺りが見てしまったのなら、途端に具合が悪くなったと早退しかねない程の形相であろう。

それを知ってか知らずしてか・・・李順は無視を決め込んで、熱心に書簡の精査をしていた。

黎翔もこれ以上李順と話していてもきっと平行線をたどるのだろうし、
自分の気持ちは固まっているのだからその時が来たらまた行動を起こせばイイだけだ・・・・とそれ以上は答えなかった。
その代わりに、黎翔は話題を変えてきた。

「そう云えば、李順。件の官吏はどうなった?」
「まずその事を先に聞いて欲しかったですね、夕鈴殿の事よりも・・・。
キチンと方淵殿が王宮まで連行してきましたので、王宮地下に拘留しております。
陛下がお帰りではなかったので指示も出せず、そのままですがね。」

李順はよほど黙って下町へ行ったことが気に食わないらしく、いちいち嫌味を云ってくる。
それを黎翔はサラリと聞き流して、李順にその者への処遇を云い渡す。

「取り敢えず、どれくらい横領して売りさばいていたのかをキチンと洗いざらい吐かせろ。
そして・・・・・まずは領地没収、中央官吏の位も勿論剥奪。そして地方の僻地にでも送っておけ。
まぁ役人の資格だけは残しておいてやるから、地方で下っ端役人としてキビキビ働いてもらおう家族共々な・・・。」
「珍しく、温情のある処分ですね。」
「煩い!!あっ、云い忘れたが、横領したブツでせしめた金額分はキッカリ返してもらうこと!!
一生掛かっても返させるんだ、いいな。」
「畏まりました。」

黎翔はあの領館を去り際、官吏の娘と交わした言葉が忘れられずにこの様な処分としたのだった。

「では、私は夕鈴の元に行ってくる。」
「陛下・・・・この二日程の書簡が溜まっておりますので、今日はムリですよ。
さぁさっさと始めて下さい、イイデスネ。」

結局この晩は夜更け過ぎまで拘束され、只管書簡と格闘する羽目になった。

夕鈴はと云うと・・・面倒なお見合いも何とか終ったし、
これで平穏無事な日常に戻ったと安堵して、
後宮で侍女たちとお茶を呑気に愉しんでいたのであった。



**********




「おい、人数は揃ったのか?」
「いや、まだ足りない様だ。」
「そして、あそこに詳しい者の手配は?」
「それなら大丈夫だ、任せておけ。」
「ではいつに???」
「まぁ慌てるな、風はいつも同じ場所に穏やかに吹くものではないから、
此方に有利な風が吹くまで待っているものさ。」
「そうだな。」

下町のある飲み屋の片隅・・・・・・・男性、それも若い男性5・6人が頭を突き合わせて密談していた。
その光景自体は下町では余り珍しいものではなく、大概は目を付けた女性の口説き方等の話しや、
どこそこの娘は器量よし等の噂話であるが、この団体はそんな話ではない様だった。

それに気付いた者は店の者も他の客も誰もいなかったのだが、
その中には夕鈴の知人も交じっていた・・・・・・・・・・。


夕鈴がお見合いをして、それを黎翔が横から掻っ攫って王宮へを連れ帰ってから三日・・・・・王宮では平和に時が流れていた。
黎翔はいつも通り李順にせっつかれながら政務に励み、夕鈴はお妃を演じながら優雅に後宮で過ごしていた。


そして下町では、几商店に珍しいお客が几鍔を訪ねてきていた。

「お前・・・・・帰って来ていたんだな。帰って来ていたんならまずオレの所に来いよ。
何であんな奴から聞かなきゃならないんだよ。」

几鍔はやっと本人がお出ましだと、面と向かってブツブツ文句を云い放つ。

「御免よ。それにしても自分が帰って来てた事、夕鈴ちゃんが云っていたのかい?」
「違うんだよ、お前も逢ったんだろ!あの身なりのいいお貴族様に!!」
「ああ・・・・・・あの人ね・・・・夕鈴ちゃんの上司だという・・・。」
「ヤツはなんだか胡散臭いんだよ。アイツが騙されているんじゃないかと、オレも目を光らせているんだけどな。」
「ふうん・・・(でも、夕鈴ちゃんが想っている相手だから大丈夫だとは思うけどね)」

几鍔は、なんだか私情が入っている様な気がする秀偉であった。

「ところで何か用かよ。オレに挨拶に来ただけか?」
「あっ、そうだった。実は几商店で取り扱っているものの中で、今から云うものがあるかなぁと思ってね。」
「おまえなぁ・・・・・ここは嘘でも『ただお前に会いに来た』とでも云えよ。」
「あはは~~相変わらず、面白いよね・・・・鍔は・・・本当にイイ奴だよな。」

昔なじみとはたとえ時間が経っていても、直ぐに打ち解ける事が出来るものである。
秀偉は、几鍔の気性が昔とちっとも変っていないことに安堵していた。
そして自分を顧みて・・・・はぁ~と几鍔には気が付かれないように小さく嘆息した。

自分は何をやっているんだろうか。
これで本当にいいのだろうか?
自分は正しいのだろうか?

「おいっ!!いるモノはなんだよ!!」

商売っ気を出した几鍔の張り切った声で、秀偉は現実に引き戻されハッとした。

「あっ、すまない・・・・では花火はあるだろうか?」
「花火??この寒い時期に何処で上げるんだよ?」
「自分も頼まれたから、そこまでは解らないんだけどね。
ただ色々扱っている商店を知っていると言ったら、頼まれたんだよ。」
「そうか、まぁ確か倉庫に今年の在庫があったと思うが・・・今日必要なのか?」
「いや・・・・・・一週間後に必要だから、その前までに揃えてくれればいいんだけど。」
「いいぜ!!任せときな!!」
「じゃあ、後日取りに来るから___また。」
「ああ、またな。」

手を大きく振り、店の前で几鍔と別れた秀偉の表情は何とも云えないモノだった。
几鍔は立派に家を継ぐためにシッカリとしている。
なのに自分はどうしたいのか?
将来が鮮明に見えずに停滞している事に苛立ちがこみ上げてきた。

やろうとしている事が例え成功したとして、その後に何が待っているのか?
その時自分は何処へと向かうのか?

先の見えない迷路の奥へと進んでいる自分をあざ笑うかの様に、
遠くそびえたつ王宮を仰ぎ見て、一週間先の事を思い再度大きく嘆息した。



「夕鈴・・・今日は外が寒いようだが、どの様に過ごしていたのだ。」
「今日は、陛下よりのお召しも御座いませんでしたから・・・老師の元で後宮についての講義を受けておりましたわ。(掃除をしてましたよ)」
「そうか・・・・。(掃除だったんだね)」

夜も更け、政務からやっと解放され黎翔はホクホク顔で愛しい妃の部屋に訪れていた。
一方の夕鈴も、トロケそうに甘い顔を敬愛する陛下に捧げていた。
かなりの努力を必要としながらであったが・・・・・。

そのいつもの変わり無い仲睦ましい姿に満足をして、侍女が気を利かしたように音も立てずにさぁ~~と下がって行った。
優雅な妃スマイルを必死に貼り付けていた夕鈴は侍女が居なくなったのを確認すると、
大きく深呼吸して普段の自分らしい表情に戻して黎翔にニッコリと笑いかける。

「陛下・・・お仕事お疲れさまでした。直ぐにお茶を入れますね。」
「有難う。」

いつも通りに黎翔も長椅子に腰かけ、夕鈴のお茶の用意をボンヤリと見ながら話しかける。

「ねぇ、夕鈴。明日は何して過ごすの?」

お茶を入れる手をひとまず止めて、夕鈴は首を傾げて考えこむ。

「え~と、特になかったと思いますが・・・それがどうかしましたか?」
「それが、大臣の一人が今日進言してきてね。『季節外れですが、王宮の庭で花火見物を是非とも許可して欲しい』とね。だから一緒にどうかなと。」
「そうですか、でも花火って暗くならないと駄目なんじゃ?」
「まぁね・・・ただ最近は日の入りも早くなってきたから、夕刻の日が沈んだ直ぐ後ではどうかと。」
「はい、大丈夫ですよ。楽しみです。」

話はついたようだとお茶の用意を再開し、こぼさないようにゆっくり運んで黎翔に手渡す。

「陛下・・・・先程のお話ですが、何故今頃花火なんですか?
あっ、政務の事で差しさわりがあるのなら、お答え頂かなくてもイイですけど。」

お茶を一口飲んで、さっきから疑問に思っている事を口に出す。

「ああ、それ僕も思ったんで聞いてみたらね・・・どうやら夏に大量に在庫を抱えてしまった商店から安く買い取ったんだって。だから是非王宮で皆で楽しみたいからという事らしいんだ。」
「そうなんですね!!!では明日を楽しみにしていますねっ!!」

夕鈴は語尾が上がるほど早く明日が来て欲しいとワクワクウキウキ愉しい様で、
ほころんだ表情に黎翔まで心が躍る。

「私も君と鑑賞できる事を楽しみにしつつ、政務に励むこととしよう。」

薄い茶色の髪を一房取り指で弄びながら狼の表情を醸し出すと、
夕鈴の恥ずかしげに俯く顔を下からそっと覗きこんだ。

「陛下・・・・今は誰も居ませんから、演技は要りませんよ。」
「そうだったね・・・・・あんまり夕鈴が嬉しそうにするから、つい、ねっ!」

黎翔は悪戯を見咎められた童の様に、舌を出して笑っていた。
そうして二人きりの夜は穏やかに過ぎ去っていった。





続。
【そして一つの可能性・7】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り 












夕鈴が先に歩いて行く黎翔に追いついたのは、程なくであった。

「ねぇ・・・・李翔さん。視察は滞りなく終わったんですか?」

夕鈴は、取り敢えず当たり障りのないことを話し始めた。

「ああ、面倒くさいものだったから、さっさと終わらせたよ。」
「そうですか・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

そして会話が途切れる。
でも夕鈴はこの沈黙がどうも居心地が悪くて、どんな会話でもいいから何か話していたかった。
さっきの事を蒸し返したくはなかったから。

「あの・・・・・。」

夕鈴が別の話題を持ち出そうとしたその時、
黎翔が急に立ち止って後ろからついて来る夕鈴に歩み寄ると肩を掴んだ。

「ど、どうしたんですか???」

訳が解らずに目を白黒させて焦る夕鈴に向って、艶然と微笑んだ。


「夕鈴、誰ともまだ結婚はしないって云ったよね。」
「ええ・・・・云いましたけど、それが?」
「それじゃあ、僕の妃でいてくれるんだよね、ずっと!!」
「はい、まだ借金も返していませんからね。」
「じゃなくて・・・・・。」
「えっ?どういう事ですか?」
「ふっ・・・・・もういいよ。じゃあ、早く帰ろうよ。」
「そうですね。」

黎翔は殊更に『ずっと!!』と強調して言ったのに、全く此方の意図など夕鈴には通じていなかった。
まぁらしいと云えば、らしいのだが。
二人は並んで下町の喧騒の中を歩いていく。
知らない人から見れば、きっとお似合いの二人なのだろう。
道行く人が、黎翔と夕鈴を微笑ましく見ているのだから・・・。

どんな風に見られているなどと解らないのは夕鈴ぐらいで、黎翔は周りから注がれる視線の意味は理解していた。
それが妙に嬉しくて上機嫌になってきたのだ。
夕鈴もその黎翔の様子に気が付き、安堵の表情を浮かべた。
取り敢えず、お見合いする事を黙っていた件に関しては大丈夫みたいだと。

やっぱり、こうして下町に陛下が来るのだったら、初めからキチンと話しておけばよかったのよ。
そうしたらややこしい事に為らずに済んだのよね。一応バイトの雇い主なのだし、
仮初めではあるけれど陛下は夫なのだから、隠し事されるのはきっといい気持ちはしないよね。
うんうん・・・。

なんだか違う方向に想像を巡らしている夕鈴なのであった。
黎翔が怒っていたのは、自分に隠したまま勝手に見合いをした事なのだと
トンチンカンな解釈になっていたのだ。
この二人の想いが交差して繋がる事はあるのだろうか???


「じゃ、李翔さん。青慎に挨拶して荷物持って来ますので、ここで待っていて下さいますか?」
「ああ、いいよ。行っておいで。」

黎翔の返事と共に玄関に入った夕鈴を見送ると、青い空を見上げて大きく溜息をついた。

「なんだか、お疲れみたいっすね。」
「浩大か・・・おまえ、まさかとは思うが、夕鈴が見合いをすることを知っていたんじゃないのか?」
「・・・・・・・」

浩大は返事はしなかった。
嘘を云っても、陛下相手じゃ直ぐにバレて後で報復されそうだし、
正直に云ったら直ぐに報復がきそうだからだ。
どっちにしても同じなのだ。

「ふん、知っていたのか!!どうせ李順が私には云うなとか云っていたのだろうが・・・。」
「まぁね~」
「それで止められたの?」
「当り前だろうが!!」
「ふうん・・・これでまたお妃ちゃんの婚期が遅くなるね。」
「関係ないさ。」

人の気配がしたのか、浩大は屋根の上から巧妙に移動し姿も気配すらも無くなった。


「カサッ」

背後で落ち葉を踏みしめる音がして、黎翔は殺気ではないが余りイイ感じのしない気配を感じた。
この嫌な気配はよく知っているもので、大体誰かの見当をつけた上で振り返った。
そこには『ゲッ、やな奴に逢った』とでも云いたげな表情の、几鍔が立ち塞がっていた。

「やぁ、金貸し君。相変わらず元気だけはありそうだね。」
「煩い!!大きなお世話だ。それよりやっぱりテメーかよ、ふうん・・・。」
「やっぱりって??」
「あいつが男と町をブラついていたとか何とか、子分どもが騒いでいたからよ。」
「う~~~ん、それは当たっている様な、いない様な。」

「どういう事だよ!!!」

几鍔は当てが外れたことで、夕鈴が黎翔以外の男にも弄ばれているのでは?という危機感でつい大声になっていた。

「そんなに大きな声で云わなくても・・・・君も知っているのかな?確か夕鈴は『秀お兄ちゃん』と呼んでいた様な。」
「秀お兄ちゃんだと!!」
「そうだけど。」
「アイツ・・・いつ帰って来たんだよ。オレに挨拶一つもしねぇで。」
「えっ?知ってるの?」

丁度いいところに先程の男性の素性を知る人物に出逢えた。
・・・こんな好機見逃す筈はない。
夕鈴も云わなかったし、相手の男もそう云えば名乗らなかった。
思い出したくもないが二人で親しげに歩いている時に、
風に乗って聞こえてきたのが夕鈴が呼ぶ『秀お兄ちゃん』という声だったと云うだけ。

「ヤツはな・・・・俺とアイツにとって幼馴染だよ。名前は董 秀偉(とう しゅうい)で親父は役人だったような。それで親父さんが地方赴任になって、此処を離れて行ったんだよ。それだけだよ・・・・それがなんでアイツと歩いているんだよ。俺の所にまず来いよ、全く。」
「ふうん。」

几鍔は自分よりも夕鈴に先に逢っていたことがどうも気に食わないらしく、ブツブツ文句を垂れている。
しかし黎翔にとっては几鍔の思いなどどうでもよいことで、こんな危険な恋敵がうじゃうじゃいる下町から早く王宮に連れて帰りたかった。
あそこなら『仮』かもしれないが夫婦であり、誰も邪魔立てしようと思う恋敵なんていやしないのだ。

「そういや、テメーはまたアイツについて来たのかよ。酔狂なやつだよな。」
「今回はついて来たのではないよ、迎えには来たんだけどね。それに夕鈴はお見合いだったって事だし。」

黎翔は、またここで几鍔にとって爆弾と十分為りうる発言をする。

「お見合いだと?誰が?あっ、アイツがか?」
「そうらしいよ。その君たちの幼馴染君とやらとね。」
「それでどうなったんだよ。」

几鍔にとって二人は幼馴染で知己であることからか?
はたまた別の理由なのからか?
どうやら気になるらしいのだ。

「どうなったも何も・・・・何故僕に聞くのかな?直接夕鈴にでも聞けばいいじゃないのかい?」
「アイツが大人しくしゃべると思うか?」
「思わないな。」
「だろうが!!だからテメーに聞いているんだよ。」

几鍔は中々話さない黎翔に苛立ちを覚え、足を地面に何度も踏んでは上げてを繰り返しバタバタ音を出していた。
これ以上は厄介だし夕鈴が今出てきたらまたひと悶着ありそうだから、
さっさとこの場から離れてもらおうと話してやることにした。

「ああ、夕鈴は断わったよ『今は誰とも結婚する気はない』とね。」
「そうなのか。」

几鍔は黎翔に見られないように隠れて溜息を一つ吐いていた。
その溜息の意味はどういうものであったのか。

「兄貴~~~~~あっちで喧嘩らしいっす。」

子分の一人が慌てて几鍔を呼びに来たことから、話は此処で終わることになった。
別れ際、几鍔は黎翔に釘を差していた。

「おい!!アイツは弄ばれることには鈍感で気が付かないのだから、
アイツが泣いてこの下町に帰って来た時には承知しないんだからな。
それは肝に銘じておけよ。」
「そんな事云われなくても、弄んでいるつもりなんて全く無いよ。」
「なら、いいよ。じゃあな。」

几鍔は呼びにきた子分と共に、下町の平和維持のために風の様に駆けて行った。
そして程なくして夕鈴は玄関から現れた。

「お待たせしました。誰かと話していませんでした?」
「いや・・・・・・誰とも話してないよ。」

几鍔と話していた事は、夕鈴には伝えなかった。
これ以上、夕鈴に自分以外の男性の事を考えて欲しくは無かったから。

「夕鈴・・・・お父上は?」
「いつも通り、出掛けたままで居ませんでしたよ。
だから、結果だけは青慎に伝えてってお願してきました。では帰りましょうか。」
「そうだね。」

二人はまるで恋人同士の様に並んで歩き、王宮を目指した。




続。
つらつらと・・・1209
こんばんわ


今日はもっと更新したかったのに、あっちの中編だけでした。
結構一日PCの前にいたんですが・・・・・。

横道に逸れることが多いのが原因でしょうね。
まぁ、明日もあるからいいか・・・・・。

そう云っていると『あれ??もう金曜日??』なんてことになっていたり?!
少し、恐怖です。




さて、昨日の話ですが・・・・・
珍しく旦那が早く帰宅して、慌てて夕ご飯の支度に取り掛かろうとしてガスコンロの火を点けようとしたら、
何と、点かなくて!!!!
「あれ??あれ??なんで??」と一人ジタバタ!!
色々してみても点かないので、これマズイ!!とガス会社に電話してみると
「奥さん、電池は大丈夫ですか??」と聞かれました。
うん??電池???でも電池が切れた時、エラー番号なんて出てこないよ~とは思いつつ
「はい、換えてみます」
と素直に新しい電池と交換すると。。。。。。。何なく点きました。

は、は、はずかしい~~~~
もう穴があったら入りたい気分。
旦那もリビングで呆れ顔。
もう電話先のガス会社の人に『スミマセン、ご迷惑をお掛けして!!』と平謝りしました。

うん・・・・・・・・・・・・・もっと落ち着かないと駄目だよね~~と思いました。

さぁ、今日はもう大丈夫だから、夕ご飯の支度に取り掛かりますか。





そしてインフルの息子君。
熱も37度台になりまして、少し安心です。
ご心配下さったゲスト様、本当に有難うございます!!!!
【そして一つの可能性・6】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り 












黎翔が夕鈴に逢いたさ一心で、愛馬の背に跨りこの下町に駆けつけている頃・・・夕鈴は見合い相手の秀偉と共に、下町を散策していた。

「夕鈴ちゃん、いつもこんなに賑わっているの?」

繁華街に来てからというもの、秀お兄ちゃんはキョロキョロを辺りを見回しては驚いてばかりだ。

「え~~と今日は月初めの一日(ついたち)ですから、一の市が立っていていつもよりは賑やかなんですよ。」
「フウン~~~でも昔はなかったよね。いつからなの?」
「そうですね・・・・・これは現在の王様に代替わりをしてから、始められたので結構最近ですよ。」
「ふうん、今の王様がね・・・・。」

秀偉は少し不機嫌そうな声音で返事をしたのち、これ以上は何も聞かずにまた露店に視線を移した。

私、何かイケナイコト、言ったの??

自分の中に疑問は生まれるものの秀お兄ちゃんはもう完全に忘れていて、
他のものに目移りしてしまっていたので、そのままにしておいた。

そして、また2人並んで目的地もないままにそぞろ歩く

「あら、夕鈴ちゃんじゃないのかい?」

後ろから声を掛けてきたのは、いつもお世話になっていた肉屋のおかみさんだ。

「こんにちは。」
「今日は休暇かい?最近は買い物に来てくれないから寂しいよ。
なんだって、あんな王宮なんかに勤めに出てるんだよ。あの恐い狼陛下の所になんざ。」
「いやだわ、おばさん。いつも言ってますけど狼陛下って言ったって、
全く逢いもしないのだから大丈夫だってば!!それに色々な改革も行っていて立派な王様だと思うわよ!!
(あの人は決して怖いだけのヒトではないし、優しいところも寂しがりなところも持っているのよ)」

最後の言葉は心の中だけに押し留めていたが、夕鈴は一生懸命に黎翔への誤解を解こうとしていた。

「そうなんだね・・・まぁ大丈夫ならいいんだけだね。ところでイイ男を連れて・・・これかい?」

親指を立ててニヤニヤ笑うおかみさんに、夕鈴は首を目一杯振りながら『違う』と否定する。

「違うわよ、おばさん・・・・幼馴染の董 秀偉さん。几鍔と同じ歳の・・・・。」
「あ~~~~思い出したよ。董さん家の秀君かい。まぁ立派になったじゃないか!」
「はい、有難うございます。」

秀お兄ちゃんは礼をして、おかみさんに優しく微笑んだ。

「でも、夕鈴ちゃんと二人で何か買い物かい??」
「いえ、親同士の決めたお見合いをしていたんですよ。」
「ちっ、ちょっと、秀お兄ちゃん!!!。」

夕鈴は真っ赤になって、秀偉の背中をポンポンたたく。

「いや~~~いいね。夕鈴ちゃんはいい奥さんに為るだろうから、お買い得だよ。」

おかみさんは片目を瞑って、秀お兄ちゃんを煽るような事を云う。

「ええ、私は求婚したんですが、色良い返事が頂けなくて保留って所なんですよ。」

ニッコリと笑って秀お兄ちゃんまでもが、おかみさんの話に乗ってこんな事を云い出した。

「そうかい・・・・夕鈴ちゃん、女は望まれて結婚するのが一番の幸せだよ。このヒトに決めちゃいなよ。」

全く無責任な事を、おかみさんはポンポン云う。
これには夕鈴も閉口して、もう苦笑いと大きな溜息しか出てこない。


そのとき、真後ろからどす黒いオーラみたいなものがサァ~~~と通り抜けた感じがした後、
誰かの腕が自分の腰に巻きつきそのまま後ろに引きずられて抱きすくめられた。

「誰?」

夕鈴は、咄嗟に叫んだ。

「僕だよ、夕鈴。僕が預かり知らないところで一体誰と歩いているんだろうね。」

なんで、陛下なのよ!!
『夕刻までは此処には来させない』って浩大云っていたじゃないの~~~~。
浩大の嘘つき~~~~~!!!

耳元で囁かれる言葉は、明らかに不機嫌なモノであり自分を責めていると云う事ぐらいはニブチンの夕鈴でも解った。
でもいくらなんでもこんな往来で抱きすくめられているのは、人目もありハッキリ云って勘弁して欲しい。

離してもらおうとジタバタしてみるものの、一向に腕を緩めてくれそうにない。
それどころか絡めた腕は更にきつくなる。

これは明らかに秀偉に対する牽制である。
そこに秀偉が大きな溜息を一つ吐き、呆れ顔で黎翔に対しモノ申す。

「アナタが夕鈴ちゃんのどういった関係の方かは存じませんが、離してあげてもいいのでは?夕鈴ちゃんから聞きましたが、彼女にはイイ人はいないとのこと・・・となると、夕鈴ちゃんを自分の所有物みたいに扱うのはどうかと思いますがね。」

秀お兄ちゃん・・・・この方・・・・国王陛下なんです。
そして私のバイトの・・・・直接ではないけれど、雇い主なんです。

なんてことは云えるはずもなく、夕鈴は固唾を飲んで二人の成り行きをジッと見守る。

「ほう~~~夕鈴がそんな事を云っていたのか・・・。
(これは後でたっぷりとお仕置きが必要だな!)
それならば、君は一体夕鈴のどういう関係だというのだろうね。」

黎翔は眉毛をピクピクさせながら、秀偉に対してまで不機嫌を露わにする。

「う~~ん、自分は幼馴染兼求婚者ですよ。」
「求婚者だと?」

怒りに震えながらも静かに問い返す黎翔と、得意気に答える秀偉。

「ええ、今日は彼女とのお見合いだったんですよ。
親同士が知り合いでして・・・親父達の昔からの約束でしてね。」

秀偉は殊更に自分と夕鈴は深い関係だと強調する。
そのモノ云いが黎翔の癇に障り、怒りは頂点に達しようとしていた。
更に、黎翔から夕鈴を実力行使で引き離そうとしているものだから、一触即発の状態である。

「あのっっ!!皆が見てますけど!!」

夕鈴は、この場に流れる不穏な空気を察知し声を掛けた。

「では、まだ話も終わっていない事だし・・・まずは通りから離れるとしようか。
まだ聞きたい事も沢山あるし。」

黎翔は秀偉に渡さない為に夕鈴の腕は離さないまま、通りから1本入った裏路地を抜け適当な空き地を見つけ、そこで再び対時することになった。
夕鈴はもうどうしていいのか解らず、ただただオロオロするのみ。


空き地に着くと黎翔は絡めた腕をようやく緩めてくれ解放してくれたが、
そのまま隣に置いておいたのは云うまでもない。
そして夕鈴が落ち着かなくしているのをよそに、男性二人は対峙したまま一言も話さない。
どうやら、お互いに相手が話すのをジッと待っている様である。

「あの・・・・・・・。」

この沈黙をぶち壊すかの様に、夕鈴が堪らず声を掛けた。
どちらに向けたものかは判断が付かなかったのだが。

「どうしたの?夕鈴ちゃん」
「夕鈴。どうした?」

同時に返事をして夕鈴にニッコリと微笑む。

この二人の微笑み・・・・何だか怖い。
この状況に夕鈴の頬はピクピク引き攣ってくる。

「いえ・・・・・何でもないです。」

夕鈴は自分は関わらない方がいいみたいだと察知して口を噤んだ。
それが合図となったようで、秀偉が徐に話し始めた。

「先程、自分の事を聞いていたが、まずはご自分のことを話してから相手のことを聞くべきではないのでしょうか?」

秀お兄ちゃん、知らないでしょうがこの方は国王陛下です。
下手したら、不敬罪として処罰されてしまいます・・・・・・・云えないけど、云えないんだけど!!

夕鈴は、冷や汗が背中をツゥーと流れていくのを感じていた。

「確かにそれはそうであるかも。では、僕が一方的に話してもなんだから、何を聞きたいか云って欲しい。」
「そうですね・・・・やはり自分に聞いてきたことと同じことでも。」

紅と黒・・・・・・・・・・対照的な二人の瞳は真剣なモノで、お互いをジッと見据えていた。
夕鈴はこの異様な雰囲気に目が離せなくなり、ただ固唾を飲んで成り行きを見ていた。

「じゃあ、夕鈴との関係は、仕事の上司かな。(今は取り敢えずそうだけど!!まぁその内・・・)」
「ワザワザ、王宮のおエライさんはただの掃除婦が帰省しているのを監視しに来るんですかね。」
「監視ではない!!!迎えに来たんだ。」
「なんのために!」
「君には関係ないと思うが。」
「関係なくはないと思うよ。なぜなら、自分は夕鈴ちゃんと下町散策を楽しんでいた所を邪魔されたのだからね。」
「・・・・・・・・・。」

確かに割り込んだのは自分なのだ・・・・これ以上は何も云えない。
でも、夕鈴が別の男と親しげに歩いてたのが気に入らなかった。
だから思わず奪い取る様な事をしてしまったのだ。

黎翔の後悔と自責の念が、身体中を駆け巡る――――。

奥歯をグッと噛み締め、力いっぱい握りしめた掌には爪が食い込み少し血が滲んでいた。

「夕鈴・・・ごめん。」

黎翔は一言告げると、そのまま踵を返しその場を立ち去ろうとした。
夕鈴はこのまま帰してはイケナイという危機感が旋律の様に頭を駆け抜け、
気が付けば立ち去る黎翔の腕を無意識に掴んでいた。

「あの・・・・・・一人で帰らないでください。」

聞こえるか聞こえないかの囁く様な優しい声で、夕鈴は引き留めていた。
黎翔は無言のまま何も答えてはくれない。
夕鈴は再度自分の想いを伝えてみた。

「私を迎えにワザワザ来て下さったんでしょう?だったら一人で帰らないで・・・・。」

夕鈴の声は涙声になっていた。
そう自分はいくら秀お兄ちゃんがいい人であろうと自分を熱望してくれたとしても、
自分の気持ちは誰に向っているのかハッキリしている以上、受ける事なんて出来ないのだ。

そして後ろを振り返り、自分を求めてくれた優しい秀お兄ちゃんに向き合った。

「ごめんなさい・・・・・私はまだ誰とも結婚する気はありません。
(この恋は実る事は無いので、この先ずっと)だから、ごめんなさい。」

夕鈴は申し訳ないと云う気持ちを体現するかのように、深々と頭を下げたまま一向に上げようとはしなかった。

「もういいよ。頭を上げてよ、夕鈴ちゃん・・・・・・そんなに謝らなくてもいいんだよ。
奥さんは無理でも幼馴染ではいてくれるんでしょう?」
「はい、勿論です。」
「ありがとう。夕鈴ちゃん、ちょっと此処においで。」

秀偉は、夕鈴を呼び寄せ二人にしか聞こえないように内緒話をした。

「夕鈴ちゃん・・・あの人が好きなんだね。
ムリかも!!って思っても、決して諦めたりしちゃ駄目だよ。」
「そうですね・・・・・・・。」

夕鈴は曖昧な返事をして、もう一度礼をすると先に歩いている黎翔を追いかけるベく小走りで駆けて行った。

「時は残酷だな・・・・・・・昔は元気がいいだけの可愛い女の子だったのに、
恋をしてあんな艶っぽい表情を見せるんだもんな。もう女の子ではないんだね、
もう女性と云うべきなんだろうな。まぁ・・・・・いいか、あの事に関わらせないで済むから。」

一人取り残された秀偉は溜息を吐き、時が経つのも忘れすっと青い空を見上げていた。






続。
つらつらと・・・1208
こんばんわ~~~


今日は久々にSNSへ日記をUPしてみました。
もう、ドキドキしてしまいました。
最近はあちらにはトンとUPしていなかったので・・・・。
でもあんまり良くなかったかも・・・と今頃思っていたり?!
やはり、こうして自宅と呼べるブログを持っている以上、遠慮すべきだったのかな~と思えてきて。
う~~む、難しい。

その点、自分のブログだったら一日何回もUPしても大丈夫だし・・・・・
それに何をUPしてもOKだから。
この気軽さがいいのかもしれない。





さてさて、ウチの息子君インフルエンザに罹ってしまいました。
昨晩から恐らく熱があったと思います。
だけど、頑なに検温を拒んで・・・・・・・・でも今朝も熱っぽいから測らせたら、38度。
きついはずなのに、きつくない振りまでして病院行きを拒んでくれました。
それと云うのも、インフル検査で鼻の粘膜を取られるのがスンゴク痛くて涙が出るから
嫌なんだそうで・・・・・・。
でも結局、行く羽目になりましたがね。

そして、見事にインフルエンザAでした。
これで今週一週間は学校へは行けません。
なので、それに伴い私も仕事を休まなければならなくなりました。
はぁ~~~~~~。

そして今週に限って用事がてんこ盛りっっ!!
火、水、土、日・・・・・・・・・。
まずは火、水はキャンセル。
土日は様子を見てから。

早く熱が下がってくれればいいけど・・・・・。
でもどうして子どもって、大人が忙しい時に限って病気になってくれるんだか。


そして夕方、娘が持ち帰ったお手紙には、四年六年は学年閉鎖・五年の一クラスは学級閉鎖のお報せが・・・・。
今年はホントに流行のはじまりが早いです。
兎に角、他の家族が罹患しないようにしないと・・・・。


まぁ、そんな感じで・・・・・思いがけず、自分時間が取れそうでして。
ブログ更新、原稿カキカキと有意義に使いたいと思ってます。



瓔悠。
【そして一つの可能性・5】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り 








夕鈴が気の進まない見合い話の為に実家に帰省して、父に事の成り行きの説明をさせていた丁度その頃・・・・黎翔は気の進まない粛清劇へと向かっている最中であった。

「まだ、着かないのか?」

隊列の最後尾についている黎翔は、傍にいるであろう浩大に向かって言葉を投げる。

「陛下、もしかしてへばったの?もうすぐだとは思うけどね~~」

姿は見せないものの浩大は、殊更に『軟弱モノ!』と云わんばかりの軽い口調で黎翔に返す。

「バカ言え!疲れてなぞいない。ただ、早く済ませて夕鈴を迎えに行きたいだけだ。」
「ふうん。」

ただ、あんまり早く迎えに行かれても困るんだよ、お妃ちゃんは!! 
だからオレっちも苦労しそうなんだよね。

兎に角李順さんから頼まれたのは、最低でも明日の昼過ぎまでは陛下をこの粛清劇に掛かりっきりしておくことだった。
でも、この陛下が一緒だから結構難しいんだよね~~。

「あ~~陛下、見えてきたよ。先発隊はついている様だね。」

先発隊は基本的にオレの存在は知られていないから、姿を見せる訳にはいかない。
さてと、おっぱじめる前に下調べと行こうかな。

気配が消え失せ、浩大が此処を離れたことを黎翔は瞬時に感知した。

浩大は、下調べに行ったようだな・・・・。
相変わらず仕事の早いヤツだ。

黎翔は、愛馬の腹を蹴って早駆けし先発隊と合流した。

「陛下、お着きですか。まずは下見隊として4,5人を先行させておりますが・・・。」
「方淵、御苦労。下見が戻り次第、会議をするとしよう。それまではそのまま待機。」
「はっ。」

そこは、かの官吏の治める先祖代々の領地が見える小高い丘の上。
黎翔は愛馬から降り立ち、その領地を食い入るように見つめていた。
紅い瞳は愉悦に光り、そして昏い笑みを浮かべながら・・・。

さぁ、始めようか・・・私をたばかった罪をその身で思い知るがいい。


「陛下、下見隊が戻りました。」
「そうか、では会議を始めようか。」

そうして始まったその会議での決定事項は、周りを固める為に敢えて今日は決行せず明日の早朝まで待つ事と、問題の官吏以外には手を出さない事だった。
黎翔としては逸る気持ちが溢れ出そうだったが戦略的に早朝の方が成果に期待できる事もあり、ジッと耐えることにした。

そして今晩はこのまま、この丘にて野営することとなった。

夜も更け、風も吹きつける中。
天幕から抜け出て野営地を一人そぞろ歩く黎翔は孤高の王の気質が醸し出されており、
他の天幕からちらりと覗く兵士たちの畏怖の対象であった。
そして、明日押し入る予定の領地が良く見える丘で足を止め、
その領地を二つの紅玉が全てを見透かすように鋭い光彩を放つ・・・・眼下の光景すべてを覆い尽くすように。

黎翔がこんな夜更けに出歩いているのも、些末な粛清の為に大切な妃を帰省させた事に対して腹を立てており、歩き回ることにより自身の怒気を少しでも抑えようとしているのである。
でなければ、今からでも押し入ってしまいそうだから。

夕鈴・・・今頃何をしているのであろうか?
弟君の夜食でも作っているのだろうか・・・早く逢いたいものだな。

考える事といえば明日決行の手順等でなく、あくまで愛しい彼女の事のみ。

そんな一人の女性への想いが心のほとんどを占めている事が可笑しくもあり、
少し前までの自分ではありえない事で自嘲気味に笑ってみる。
黎翔の乾いた笑いが風に飛ばされる中、その笑いは闇から眺めていた一人の男のからかう声によって掻き消された。

「陛下~~~~~何、黄昏てんのさ。」

背後に広がる闇の中から聴こえて来た声は、黎翔が全幅の信頼を寄せている隠密のモノである。

「煩いぞ、それで何か解ったのか?」
「まぁ、二つほどね。まず一つが、あの官吏だけどさぁ居館の一番奥に引き籠っているよ。
あれは、こうして粛清に来られる事を想定してじゃないかな?
二つ目は、あの狸じじぃ・・・・この地ではかなり領民に対しては寛容な領主らしくてね。
どうも、昔の奉公制度が残っている感じでさぁ。」

浩大は云い出しにくいのか、切れの悪い云い方で報告する。

「何が云いたいんだ、浩大。ハッキリと報告しろ!!。」

黎翔のかなりの不機嫌さに浩大も、一瞬ピリッと身体に電気が走る。

うわぁ~~~これはかなりの機嫌の悪さだな。
これは、オレの力を以てしてでも昼過ぎまで足止めするのはムリだよ。
ゴメンね~~~お妃ちゃん、せめて見合いが終わった後で陛下と逢えればいいけど・・・・もし最中だったら、血の雨が降るかも?!
あんま考えたくもねぇけどな~~~~~。


「浩大・・・・・何が云いたいのかと聞いているのだが。」
「ヘイヘイ。あのさ・・・・奉公制度って、領民に自分の領地を無償で与える代わりに領主に何か有る時、全員で領主を守るってもんだろ・・・・それがここには根強く残ってんのさ。
だから、恐らくこの地の領民が邪魔をしてくるぜ、きっと!!」
「そうか、面白いものだな。だからこの地に逃げ込んだと言う訳か・・・・全くもって下らん奴だ。」

領地を直視する黎翔は、そんな事はどうでもいいと云わんばかりに鼻で笑っている。
そんな光景を間の当たりにした浩大は、やっぱりこの人は『狼陛下』なのだと再認識する。

「ふんっ、勝手にするがいいさ。どちらにしろ、ヤツの行きつく先はもうすでに決まっている。
それを領民に邪魔立てはさせるものか!こちらとしても、キッチリ対処させてもらおう。
浩大・・・・お前もキリキリ働けよ。」
「どうせ、こき使うつもりなんだろっっ、解っているよ。それよりも陛下、月がもう東空から見えているよ。」
「そうだな、今宵は下弦の月だな。南空に沈みゆく前に一眠りとしようか。」
「じゃあね~。」

浩大は一迅の風と共に姿を消し、その辺りの闇は深く濃くなるばかり。
黎翔は空を仰ぎ見て、瞬く星と白くぼんやりと浮かぶ月に彼の人への想いを重ね、一瞬昏く微笑んでみた。


そして、夜が明ける。
東の空に、真っ赤に燃えいずる太陽が昇り始めた。

兵士たちの前に堂々と立った黎翔は、威厳を持って兵士たちに豪語する。

「いよいよだな。報告では、領民がゆく手を阻んでくると予想されているが、
あくまで目的は件の官吏のみ!!くれぐれも領民には手を出すな、いいな!!」
「承知いたしました。」

兵士たちの先頭に立った方淵が、直ぐに呼応する。
その返事に満足したのか黎翔はくるりと領地に身体を向けて剣を高々と上げ、『開始』を無言で合図した。

その合図と同時に方淵達は静かに丘を下って行く。
その列の最後尾に付け馬を走らす黎翔は、近くに浩大の気配に気付き即座に止る。

「如何した・・・。」

気配がする方向に低い声を飛ばした。

「さすがだね~~オレっちのいるところが解るなんてね。え~~と報告!!
官吏の居場所だけど領館の奥って報告してたけど、それが奥の奥・・・隠し部屋にいるみたいだよ。
気をつけてよ~~~仕掛けが有るらしいから。」
「仕掛け??ワザワザ私が来るのを恐れて作ったのか?」
「いや・・・さすがにそれはないよ。どうやら昔からあるものらしい。」
「ふうん、そうか。」

一言呟き、ジッと前を見据える黎翔の紅い瞳は愉悦で揺らめいており、
その瞳は見たものを「生きた心地がしない」 と思わせるものであった。
愛馬の腹を一蹴りし列に追いついた黎翔は方淵を呼び寄せ、
先程浩大がもたらした情報を伝え一応注意喚起をして置いた。

案の定、領館へと続く門の所には鍬を持った若い男性4人が立ち塞がっていた。

「そこをどいてもらおうか。さもなければ、我々は強硬突破するしか無くなるのだが。」

方淵が一応警告する。

「此処を退くと、領主様が取り押さえられてしまうから出来ないんだ。」
「見逃してくれ。」
「ここの領主様は優しいお方だ。何をしたって云うんだ。」

その男たちは口々に領主を守ろうと、王の御前だというのに云いたい放題な事を大声で喚き立てている。
彼らが、王自らやって来ているのを全く知らないから出来るのだろうが。

「聞けっっ!お前たちの領主は不正を働いて、ここに逃げ込んでいるのだ。
さっさと引き渡して、法の前に粛々と裁かれなければならないのだ。
それが我らの陛下が御望みである。」

方淵は此方が手が出せない事に苛立ちを覚えながら相対する。
領民を苦々しく睨みつつも、それでも説得を試みていた。

「そんな事を言っても、我々にとってはお優しい領主様なんだよ。」
「そうだそうだ・・・・それに引き渡してしまったら、それこそ恐ろしい狼陛下にその場で切り殺されてしまうに決っている。」
「本当に恐ろしい方だ。」

領民たちは、一歩も引く様子が見えない。
それどころか、応戦しようと鍬を高々と上げて臨戦態勢に入っていた。
仕方がないと方淵は最後尾の黎翔の元に馳せ参じ、この状況を打破する一つの方法の許可を取りに行く。

「方淵・・・・くれぐれも領民には手荒な事はするなよ。」
「はい、承知いたしております。」

素早く隊に引き戻ると6人ほどの者に他の入り口に回らせ、残った者には素早く指示を出し領民の目の前に立たせた。
その場を立ち去っていくほかの兵に気を取られ領民たちが一瞬鍬を下げた隙を狙って、
鍬の持ち手を剣で叩き落とし戦意を喪失させたのである。
そしてそのまま剣を眼前に突きつけ、殊更に『そこをどけ』と威嚇する。
此方は傷つける気は更々ないのだが、切りつける様に見せかけ諦めさせるのである。

騙すのはハッキリ云って本意ではないのだが、この領民は梃でも動かないことからこの様な方策を取るしかないと判断したのである。
そうすることで、領民たちはさすがに命は惜しいと道を開けてくれたのであった。

「では、入るぞ。」

方淵は兵に鋭い声で指示して、自らを先頭に門をくぐっていく。
そして黎翔は後ろから方淵の手並みを黙って見詰めると深く頷いて、そのまま兵たちに続いて門をくぐったのであった。


門から玄関までの道のりは大した距離ではなくその間は誰もおらず直ぐに玄関に辿りついたのだが、
今度は女性が数人佇んでいた。
これには方淵もさずがに剣を突き付けるのは得策ではないと判断して、大きな溜息を醸したあと静かに話しかけた。

「そこの女人(にょにん)、私たちはここの領主に用があって参った。そこを開けてはくれまいか。
私たちとて、女人に手荒な事をしようとは思わないのだが。」

方淵の言葉に女性達はザワザワと話し合いを始め、その中の一番落ち着き払った女性が代表となり怖々と回答する。

「あの・・・・・領主様は何をなさったのでしょうか?本当にここの領主様はとても慈悲深くて、私たちによくして下さいます。だから王宮の兵士に追われる様な事をなさったとはとても思えないんです。」
「深くは語れないのだが、そこの奥にいる領主は法に触れる事をした。だから御縄に掛けるためにこうしてやってきたのだ。」
「何かの間違いじゃ・・・・。」
「いや、キチンと調べた結果だ。」
「でもでも・・・。」

女人達はそれでも認めたくはないとかぶりを振る。
こうしていても埒が明かない。
・・・でも策が見当たらない。
その時頭上から声が降ってきた。

「危ない!!避けて~~~~~」

その掛け声と共に女人達が集まっている場所へ、大小色々な大きさの籠が幾つ幾つも落ちてきたというより降ってきた。

「キャ~~~~~~。」

悲鳴が幾重にも重なり、蜘蛛の子を散らすように女人達は散り散りに逃げていく。
その後には玄関から人はm人っ子一人いなくなってしまっていた。

方淵はこの出来事を不思議に思いつつも、この期を逃すまいと突入の指示を出し自分も続いたのであった。

全ての兵が領館に入ったのを確認すると、黎翔は苦笑いをしつつ木の上を見上げた。
そこには有能な隠密・浩大がニヤリと口角をあげ『してやったり』と得意顔で笑っていた。

「おい、やり過ぎなのではないか?」
「でも、女性に剣を向けたりはしたくなかったんでしょう。」
「まぁな。」
「じゃ、オレっちに感謝してよね。じゃあ、他の入口を見てくるよ。」

ヒラリと隣の木に飛び移り、更にその隣の木に・・・・・そうして直ぐに姿が見えなくなっていった。
一人になった黎翔も方淵に続くべく、愛馬から降り玄関へと入って行った。


玄関に入ると報告通り奥へと続いているのであろう長い廊下があり、
そのままヒタヒタと歩いていくと一つの大きな部屋についた。
ここまで人に逢わなかったのか・・・・いや廊下には如何にも人相の悪い男共が気絶されられ、
端に転がっていた。
どの男も刺し傷・切り傷一つなくすべて刀背打ち(みねうち)でやられており、
これは兵たちの技量が男たちよりも数段上だった事を物語っていた。
黎翔は、その男たちを一瞥するとそのまま捨ておいた。


そして奥の部屋では方淵たち兵士が揃っており、皆で頑丈な扉の前で押したり引いたり試行錯誤していた。
それというのもこの扉の奥に件の官吏が引き籠っているらしく、家族の者がこの扉の前で守っていたのであったからだ。
ところが方淵が「この場には陛下もおいでになっている。」と伝えると、家族は陛下の御威光にこれ以上は逆らえないと観念して、扉の前からさぁ~と退いたのであった。

ただ扉の解除法は教える事は出来ないと頑なに口を閉ざしているため、
方淵は成りゆきを部屋の隅から見ていることしかできないでいた。
そんな状況下に黎翔が現れたのだった。


しかし黎翔が現れてから半刻経てども、扉が開く気配は一向にない。
それでも兵士たちは色々な方法を試している。
剣を隙間にはめ込んでみたり、何処から出してきたのか鉄鎚で扉を叩いてみたり・・・・考えられる策は全て試していた。
それを見ている黎翔も我慢の限界が訪れようとしており、内包から溢れだしそうな怒気を必死で鎮めようとしていた。

黎翔はチラリと家族の方を見てみると、皆小刻みに震えながらただただ見ているだけだった。
そんな家族の行為に苛立ちが更に加速し、ついには行動を起こすことにした。

ツカツカと妻の前に進み出た黎翔は、妻を一睨みすると一言云い放った。

「扉の解除法は、如何に?」
「云えません。」

妻は気丈にも、黎翔が国王陛下であると解っていながら拒否した。
ただ、恐ろしさにへたり込んではいたが。

「ほう・・・云えぬと申すのか。」
「はい。」

妻は座り込んだまま、小声で返す。

「私はやると云えば必ずやり遂げる事を旨としている。どういう手段を使おうとこの扉は開ける。
これ以上そち達が云わぬとなれば、その後そちの夫がどうなるのか?想像してみる事だ。」

鋭く光る瞳は普段よりも激しい光彩で妻を見降ろしていた。

この様な私を夕鈴には到底見せられるものではないな。
こんな状況下でも思うのは、ただ唯一の妃(仮ではあるが)の事だけ。

先程の黎翔の非情な言葉に、官吏の母親が震えながら黎翔の前に進み出た。
そして妻の背中を擦りながら、涙声になりつつも妻を諭す。

「もう、これ以上は息子の為にもならない様だから・・・・開けようではないかの。」

義母の言葉を聞いた途端、妻は堰を切ったかのように泣き崩れた。
そしてその泣き声は部屋中を覆う様に響き、それに呼応するかの様に娘たちもすすり泣きを始めたのであった。

方淵たち兵士も一旦手を止め、陛下と家族とのやり取りを息を殺して見ていた――――。


「解りました・・・・・解除いたします。ただ畏れ多くも、陛下にお願いの儀が有ります。」
「願いとは?」
「どうかどうか・・・・・・・夫の・・・・・夫の命だけはお助け下さいませ。」

小声から段々大きくハッキリと夫の命乞いをしてのける妻の瞳は先程の様な弱弱しく怯えたものではなく、凛としたものが感じ取れた。

その真摯な瞳に黎翔も何故か夕鈴を彷彿とさせ、意外な言葉を発していた。

「わかった・・・・・犯した罪にはそれ相応の罰を与えねばならぬが、命だけは保障しよう。」

王者の風格を醸し出しながら、ハッキリと云い述べた黎翔を、家族たちは拝むように床に額を擦りつけ口々に
「有難うございます。」と繰り返していた。
そして妻と義母・・・跡取りであるらしき息子が進み出て、扉に掘ってある窪みに3人同時に右手をはめ込んだ。

『ゴ~~~~』

音が鳴り響き、先程から何をしてもウンともスンとも云わず閉ざされていた扉が嘘の様に呆気なく開いた。

「突入~~~官吏を確保しろ。」

方淵の声に、兵士数人が扉の奥へと進んで行った。
遅れながら入った方淵と黎翔は、奥の部屋の隅で震えながら眼を閉じ耳を両手で塞いでいる官吏の姿を眼にする。

「引っ立てよ。」

方淵はその官吏の情けない姿をこれ以上見たくはなく、その場にいた兵士に命じて外に連れ出させた。
それは黎翔とて同じことで、黎翔の眼を盗み横領という大それたことまでやってのけた官吏の末路が、暗い部屋で震えているのみだとは何んとも情けなくお粗末な結果に、官吏を一瞥もする事無くただ昏い笑みを浮かべるだけだった。

こうして件の官吏は確保され方淵は兵士と共に外へと出て行き、
残されたのは家族と黎翔のみでなんとも気まずい空気が漂っている。
しかし静寂を壊したのは官吏の娘で、黎翔の前におずおずと進み寄り質問した。

「あの・・・・・・・陛下、父上とはもう逢えないのでしょうか?」

年のころは10歳くらい・・・・まだ父親が恋しい年頃なのだろう。
どうしても父親の今後が気に為るらしい。

「いや、二度と逢えぬ事はない。ただそれは父親次第だ。」
「有難うございます。」

ニコヤカに母親の元に駆け寄り、そこでまた黎翔にお辞儀をした。
家族肩を寄せ合い喜んでいる光景が家族を持たぬ黎翔には余りにも眩しく見え、
なんとも云えない感情が胸の奥で疼き、無言のまま部屋を後にした。

玄関先では官吏に縄をかけ粛々と連れて行かれる様を、領民たちは息を飲みつつ見守っているだけで、
「領主さま。我々一同はお帰りをお待ちしています。」
時折大きな声が聞こえてくるのみ。

方淵の兵士に指示を出している事務的な声が、対照的に聞こえてくる。
そんな最中黎翔はこれで全てが終わったと確信し、方淵・兵士そして少し離れた所にいるであろう浩大に声を掛ける。

「私はこれより王都へ先に戻る事にする。あとは柳方淵に全て任せるゆえ、頼むぞ。
戻り次第、李順に引き渡し指示を仰ぐように。」

それだけを云い付けると、愛馬に風の様に飛び乗り単騎駆けて行った。

「あ~~~あ、行っちまった・・・ゴメン、まだ昼前だよ。オレの力不足かなぁ~~。お妃ちゃん、幸運を祈るよ。」

浩大はそれだけを呟くと、風の中に気配を溶かしそのまま静かに消えていった。


夕鈴はお見合いの真っ最中・・・・・・黎翔とばったり会うことになるのだろうか??
それは運命の赤い糸を司る神ともいうべき存在の思い一つであった。





続。
【約束は。】
【設定】

臨時妃設定 ・ 原作寄り  








贈られたものは、簪だった。
紅いザクロ石の装飾のついた・・・・・。

「陛下・・・これは??」
「夕鈴にあげるよ。」
「私にですか??」
「そうだよ。」

事もなげに、陛下は私の髪に差してくれる。
その行為は手馴れていて、私は戸惑いが隠せない。

だから訊けなかった。
どうしてこんな高価なものを私にくれるんですか?とは。




********





「李順、私はそんな事は、したくはない!!!」
「そんな事とは?」
「とぼけるつもりか?夕鈴にこんなものを渡してどうするつもりなんだ!!」
「それは、夕鈴殿に一役買ってもらうためですよ。」

李順は飄々として言い放つ。

「だって、彼女は囮役の妃なんですから・・・。」

表情を変えることなく、李順は更に続ける。

そんな事は認められない。
認めたくはない・・・・・だから、僕は反論する。
掌の中の煌めく簪を握りしめながら。

「夕鈴を囮役にする??私は、そんな事をさせるつもりは毛頭ない。
私にとっての夕鈴の存在は、かけがえのない・・・・・。」
「かけがえのない・・・・その後に続く言葉は、何ですか??」
「・・・・・・・・・。」
「云えないのでしょう、今この段階では。」
「・・・・・・そうだな。」

あのキラキラした瞳を持つ少女を幸せに出来るとは、今は云えない。
約束・・・・・・・出来ない。


いつか。
何年か先には。
未来にはきっと。

気持ちはあっても、恐らく今は駄目なんだ。


「夕鈴、ゴメンね。」

いつの間にか、李順もいなくなった部屋でポツリと呟く。

「こんな僕を許して。」

王らしからぬ謝罪。
臣下など、使える駒であればいいはず。
ましてやただのバイト妃も、替えの利くただの一駒であるはず。


でも・・・・・・・駒を駒でいさせるには
知り過ぎた。
関わり過ぎた。

笑って、怒って、悲しんで・・・・・沢山の表情を見せてくれる等身大の夕鈴。
僕にはないモノを沢山、沢山持っている。
だから惹かれた。
だから愛しいと感じた。


でも私は王であるから。
一個人の珀 黎翔ではないから。
心ならずとも、せざる負えない時もある。



「夕鈴・・・・・・お願いがあるんだ。」

簪がどうも気になるらしい夕鈴は、掌で簪を優しく触っていた。
窓越しから差し込む陽の光が、簪のザクロ石を更に赤く紅く煌めかせている。

「お願いですか??」
「うん。」
「いいですよ。」
「いいって・・・・・まだ僕は何も云ってないよ。」
「だって、私はそのために此処にいるんですよ。」

優しく、そして儚げに微笑んでいる夕鈴。
僕は心がひび割れる音を聞いた気がした。


「夕鈴!!!!」

夕鈴の腰を引き寄せ、強く・・・・・力の限り抱きしめた。

「へ、へいかっっ!!!!あの、その・・・。」
「ごめ・・・・じゃない、ありがとう。」
「はい、任せてください。」
「必ず、この国を平和に・・・そして豊かにするから。
待っててほしい。」
「待つですか?」
「そうだよ、僕の隣でそれを感じてほしい。
これを最後にさせるから。」

夕鈴・・・・君を正妃にするから。
そんな確かな約束はまだ君には伝えられないけれど、必ず叶えてみせるから。


「愛してる。」


耳元にそっと囁いて、僕はその柔らかな唇に約束の印を刻み付けた。





終。
【そして一つの可能性・4】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り 











一通り疑問に思っていた事は解決したことで、夕鈴は満足気に微笑む。
しかし思い出していない事に変わりはないのだが・・・。

ひと息つく為に、出されてある茶菓子を摘まんで口に運んだ。
一口大の饅頭は口の中で程良い甘さが広がり、生地のもっちりとした感が食べ応えがありとても美味しい。

この菓子はどうやって作られているのかしら?
真似出来ないかしらね・・・・これなら陛下も喜んでくれそう。

夕鈴は何気にここには居ない陛下の事を思い出し、フフッと微笑んだ。
その笑みを秀偉は見逃しはしなかった。

夕鈴ちゃんってあんなに可愛く笑うんだな、何を想って笑っているのやら・・・・。
あの笑顔を僕だけのものにしたい。


秀偉の欲望が目覚め始める――――それにはまずは自分を知って貰わないと。


「夕鈴ちゃん、もう自分への質問は大丈夫かい?」
「ゴメンナサイ、私ばかり質問していましたね。
はい、大丈夫です。」
「じゃあ、今度は自分の番でいいのかな。」

いたずらっぽく笑う目の前の男性が誰かと重なって見えたのは、目の錯覚なのだろうか?
誰か・・・・・そう、いつも孤独の中にいる強いけれど、弱さも合わせ持った仮初めの夫。
夕鈴は此処に居ない筈の男性の影を追いかけており、遠い眼をする。
そんな夕鈴の注意を自分に向けたくて、秀偉は質問を畳みこんだ。

「夕鈴ちゃん、恋人はいるの?王宮にいい人がいたりしないよね?
そして王宮で何しているの?そして鍔とはどうなっているの?」

矢継ぎ早に質問されるので夕鈴も何処から答えていいのかわからなくなり、
先程からチラチラと脳裏に浮かんでいた陛下の影は、後片もなく消え失せていた。

「そんなにいっぺんに質問されても、答えようがありませんよ。」
「あはは、そうだね。ごめんごめん・・・。一つづつ答えてくれればいいよ。」
「では・・・・まず、恋人がいたら?でしたっけ。いたら此処には来ていませんよ。」
「そうだよね。」

秀偉は安堵した。
恋人が居ないのなら、十分自分にもチャンスはあるというもの。

「あと、なんでしたっけ?几鍔の事ですよね。
アイツとはどうにもなってませんし、この先もどうもなりません。
大体私は金貸しは信用しない事にしているんですから・・・・。」

夕鈴はハッキリと言い切った後も、金貸しとだなんて全くもってあり得ないと繰り返す。

「え~~と後は・・・・。う~~んとなんでしたか?
余りにも一度に沢山質問されたので、あと忘れちゃいましたよ。」
「あははは~~~~そうだよね、あははは、夕鈴ちゃん可愛い。」

小さく声を立てて笑う顔を見ていると、夕鈴は幼いころの記憶の断片が甦ってきた。

あの眩しく笑うのは・・・・3つ年上の小さな子達の面倒みがよくて、
曲がった事が嫌いで意地悪な年上にも勇猛果敢に挑んでいた、秀お兄ちゃん・・・・・。


「あの、もしかして・・・・・秀お兄ちゃん、だったり?」
「正解。そうだよ、夕鈴ちゃん。」

夕鈴は心のつかえが取れた気がした。
思い出せなくて、もどかしくて、申し訳なくて・・・・そんな感情が今、雲ひとつない晴れ渡った空の様に変わっていく。

いつも間にか夕鈴は、微笑んでいた・・・・・・・・・・艶然で優美な微笑みで。
秀偉はハッとして、息を飲んだ。

目の前に居るのは一体誰だろうか?先程までの夕鈴ちゃんとはまるで違う雰囲気。
そして何処かの令嬢のような仕草。

秀偉は知りもしなかった・・・・夕鈴が狼陛下と呼ばれる珀 黎翔の唯一のお妃である事を。
そして夕鈴はお見合いの相手が幼馴染の秀お兄ちゃんであったことから、
始めの頃の様な警戒心は消え失せていた。

「じゃあ、夕鈴ちゃん質問の続き・・・・答えてくれるかな?」
「エッ?何でしたっけ?」
「え~~とね、夕鈴ちゃんは王宮でなんの仕事をしてるの?そしてそれって王宮の陛下の近くだったりする?」

先程の質問と少し違っている様な気がする。
まぁ、いいけど・・・ただバイトで狼陛下の妃をやってます。だなんて言えないけどね!!

「王宮では掃除婦をしていますよ・・・家事はお手のものですからね。でも王宮ではなくて、後宮の隅っこをですが。」
「へぇ~~~後宮なんだ。それじゃあ噂に高い、陛下ご執心のお妃様に会った事があるんじゃないの?」

夕鈴は思わず、口に含んだお茶を噴き出しそうになった。

え~~~噂は地方まで届いていると云うの???もうなんなのよ!!

「後宮と云っても使ってない部屋の掃除だから、そんな高貴の方とは逢うことないんてナイナイ!!」

殊更に否定するように、目の前で大きく手をブンブン振る。

「そうなんだね・・・・ふうん。」

秀お兄ちゃんは、一人納得したそうに頷いてもうそれ以上の事は聞かなかった。
そしてそのままお茶を飲み干して、秀お兄ちゃんは背中をまっすぐして居ず舞いを正した。
その様子をみた夕鈴は、何事かと自分も居ず舞いをキチンと正してみた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

何も云わずに、ただ夕鈴を見詰めている秀偉に居たたまれなくなって、
夕鈴は首を傾げおずおずと訊いてみる。

「あの・・・・・どうかしたんですか?」

この言葉に秀偉も緊張の糸が切れたみたいに、ふんわりと笑った。
そして・・・・・・・・・・決定的な一言を口にした。

「夕鈴ちゃん、僕と一生を共に過ごして欲しい。」
「???????」

夕鈴は一体何を言われたのか解らずに目をまん丸にしてキョトンとなった。
・・・・・・これを鳩が豆鉄砲をくらうと云うのであろう。

「あの・・・・・・・・私たち、久し振りに逢って・・・・そうなると初対面にも近いと思うのですが。」
「そんな事はないよ。だって僕は幼い頃の夕鈴ちゃんをよく知っている。
そして今此処で話していて感じたんだ。君は全く変わってなんかないと。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ここで自分には心に思う人がいると言えばいいのだろう。
でも決してあの人とは結ばれる事なんて、例え天地が逆さに為ったとしてもあり得ない。
だったら・・・・此処まで望んでくれるのなら。

段々、秀偉の言葉に傾いていく自分が心の隅に生まれている事を何となく感じていた。

この男性(ヒト)は優しい・・・きっと自分を大切にしてくれるだろう。
このヒトと一緒になったら平凡だけど穏やかな生活は出来る。
でも、でも、あの人はこれからも誰にも理解されずに孤独に生きていくの?
私はあの人の味方に為るって云ったのに?

夕鈴はどうしてよいのか解らずに、悶々と黙って考え込んでいた。
その様子に秀偉が助け船を出してくれた。

「夕鈴ちゃん・・・・今すぐに答えを出す事なんてないよ。僕はもうこの下町に帰って来ているのだから、逢おうと思えば明日も明後日も逢えるんだからさ。自分はいつまでも待つつもりはあるんだからね。」

ニッコリと微笑んでいる秀偉に、夕鈴は心底助かったと思った。
『是』とも『否』とも云わない夕鈴に対して無理やり聞き出す事はしない秀偉の大人の行動に、夕鈴は取り敢えず甘えることにしてその件は保留とさせて貰った。

「じゃあ、そろそろ店を出ることにしようか・・・久し振りに下町をブラブラしたいし。夕鈴ちゃん付き合ってくれるかな?」
「はい、いいですよ。私も久し振りに帰省したので下町をゆっくり歩きたいと思っていたので。」

二人はその店を後にして下町の喧騒の中に消えていった。






続。
つらつらと・・・1207
こんにちわっっ!!!!


今日は、寒い中バドの試合に行ってきました。
結果は、う~~~んでしたけど。

中々上手くいかないもんです。
でも今日の試合は、自分なりにいい経験になりましたし、
どのような練習をしていけばいいのかというのも見えましたから、実り多い試合だったと思います。


そして、今日・・・・・私一つ歳をとりました。
もうあまり嬉しいことではないのですが・・・・それでも色々な人に
『おめでとう』と云ってもらえるのは、とってもウキウキしてきますね。

今日は旦那さんが昼からお仕事ですので、パーティは出来ませんから昨日のウチにケーキを買ってもらいました。
ついでに結婚記念日も今日ですから、ワインも買っていただきました。

中々美味しかった・・・です。

DSC_0306.jpg   DSC_0309.jpg
やっぱり私は、ボジョレよりもドイツワインが好きなんですよね~~


さて、昨日は娘の習い事の発表会でした。
発表だけでなく、私たちも参加できるプログラムもありましたので
私も積極的に参加しました。
その時に思ったこと・・・・・・・・・・・・・身体が随分と固くなっている~~ということでした。
運動不足が否めません。
はぁ~~~いつまでも若くいたいのに・・・身体は正直なようですぅ。

娘のダンスは久々に見ましたが、以前よりも上手になってて、ビックリしました。
ホント、子どもの成長って凄いですよね。


私も成長しないとなぁ~~~
色々な意味で・・・・・・。




それでは。



最近こちらのお話の更新が無くて、スミマセン。
来週あたりから、また頑張ろう~と思ってます。
お見捨てなきよう、宜しくお願いいたします・・・・・ペコリンっっ!!!


瓔悠。
つらつらと・・・1205
こんばんわ!

ここ2日ほど、こちらには来てませんでした。
風邪を引いたとかではないのですが、どうも疲れが取れなくて・・・・きつくてですね
帰宅後も炬燵でお昼寝などいたしておりました。

気力が湧かなくて、家事も進まないから寝るのも自然に12時を過ぎる。
そうすると朝起きるときにシャキンと起きれない。
仕事に行って疲れる⇒帰宅後お昼寝。
の繰り返しでした。

どうしてか??
不思議で・・・・・・。
でも今日訳が分かりました。
どうやら、月のモノのせいだったようです。
それと、身体が冬仕様になっているようですね~~
そう、所謂冬眠のようなもんです。
兎に角眠いんです。
炬燵のせいでもあるんでしょうが。


まったり行くとしましょう。
師走ですから、ただでさえも忙しいので・・・・・。



さて、今日やっと本誌を購入してよみました~~
まぁ~~今回はご登場の人数の多い事!多い事!!!
スンゴク美味しかったです。
沢山書きたくなるネタがあるぅ~~でした。

まぁ、その内にでも書きたいですね~~




それでは~~~
夕ご飯作らないと!!
ただ、寒くてお買い物に行ってないから、あるもので作らないと・・・・・
何が出来るかなぁ~~~
【そして一つの可能性・3】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り 











通りを抜け角を曲がると、もうすぐ下町。
いつもの賑わいと匂いで帰って来たんだ~~と認識出来る。

王宮での暮らしも慣れてお妃として過ごす毎日も当たり前になってきていて、時折下町の事も忘れてしまう程だ。
それだけバイト期間が長くなっているということの表れなのだが・・・。

でも私の本来の居場所はこの煩いくらい賑わう喧騒の下町・・・活気に溢れた此処なのだ。
久々にそう実感して、家路へと急ぐ。

今回は陛下が付いてくる事は絶対にあり得ないので、ホントに心おきなく帰省を満喫できそうだ。
但し、『お見合い』なんぞという厄介事付きでは有るが・・・・。

まずは父さんを締めあげないと・・・・大体何で見合いなのよ。
断われなかったんだとか云ってくるんだろうけど、冗談じゃない!!
見合いするのは父さんじゃないのに、全くもうっっ。

『早く家に戻らないと』と、歩く速度が段々とあがっていく。
最後には速足と言うより駆け足に近くなっていた。

家が近づくにつれて、夕鈴の頭に中から王宮や後宮の事そして陛下の事は抜けてきており、お妃であった(偽だけど・・・)自分から本来の自分・・・そう下町で一庶民として暮らす汀 夕鈴に戻ってきていた。


中に入る前に、もう待ちきれないと玄関先で声を掛ける。

「ただいま~~青慎、いる?」
「あ、姉さんだね。」

夕鈴の声に反応して、居間から愛すべき弟がワザワザ出迎えてくれた。

「青慎、ただいま!!ゴメンね・・・手紙もらって直ぐにでも帰りたかったんだけど、中々休暇が貰えなくて・・・心配したでしょ。それよりも、父さんはもう出掛けた?」

帰宅するなり捲し立てる姉に少々驚きながらも、青慎は姉が聞きたい事をキチンと答える。

「うん、出掛けたみたいだけど、今日はお昼には戻るって云っていたよ。」
「あ、そう・・・お昼には帰るのね。まだ時間はありそうだから、晩ご飯の食材でも買いに行ってくるわ。」

今、戻ってきたというのに、もう直ぐに働きだす姉。
きっと王宮でもキビキビ働いているんだろうなぁ。

ボンヤリと想像する青慎にとっては、自慢の姉。
まぁ、少々女らしさは欠けるかもしれないけれど、働き者で人情深くて、いつも元気でホントに太陽の様な姉。

早く自分だけの幸せを掴んで欲しい・・・・そう思う。
だから今回の見合いも姉さんにとってみれば余計な御世話で面倒なだけかもしれないけど、僕はこれも一つのキッカケだとも思う。
いつも僕のことばかり優先する姉さんを誰かが・・・いや、姉さんを一番大切にしてくれる人が現れてくれればいいと願うばかりだ。
以前、何度か上司だという・・・確か名前は李翔さん云っていたっけ、役人さんを連れて来た時、僕は恋人なのかなと思った。
だけど姉さんは思いっきり否定してた。
僕はお似合いだと思ったんだけど・・・・・でもあれから来ないし、姉さんの手紙にも出てきた事が無いし、違っていたみたいだ。
だから僕はこの見合いもありかな?!って思うんだ。

家に残った青慎がこんな事を想っていたとは、元気に八百屋で得意の値切り術をご披露していた夕鈴は思いも寄らなかった。


夕鈴が買い物から戻ってみるとまだお昼にはならないのに父である汀 岩圭はすでに帰宅していた。
その父は、呑気に居間の長椅子でうたた寝している。
夕鈴は云いたい事は山程あるがグッと堪えて、まずは買い物してきた食料を片付けることにした。
折角安く仕入れてきたのが台無しになってしまうのを防ぐためである・・・・何処までいっても主婦な夕鈴なのであった。

そうして一通り片付けて居間に行くと、まだ呑気に寝ている父の姿が。
これにはさすがに夕鈴もイラついてきて、大声で起こすことにした。

「父さーーーーん、起きてよ!!!私、ワザワザ休暇をいただいて帰って来たんですけどっ!!!!」
「ふにゃ?むにゃ・・・・・ゆ・・うりん?・・・・・・・・すーすー。」

事もあろうか、また寝始めた・・・・これには夕鈴の怒りも頂点に達する。

「もう父さん!!!!いい加減に起きてよ~~~!!私は父さんのせいで、帰って来てるのに!!!」

耳の傍で殊更に大声を出してみた。
父さんはビックリしたらしく、一気に眠気もぶっ飛んで跳ね起きた。

「ああ、なんだ!夕鈴か・・・あれ、帰って来てたんだな。」
「ええ、父さんが頼みもしない見合い話なんかを持って帰って来てくれたお陰でね。休暇を取らざるおえなくなったんでしょ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・そうそう、そうだった!夕鈴、明日は頼んだぞ。」

父さんはまだ寝ぼけていたらしく、私が帰って来た目的をスッカリ忘れていたらしい。
全くどうなっているのよ、父さんは!!まずは、如何してこうなっているのかの説明が先でしょうよ。
夕鈴は怒りはとうに通り越し、あきれ果てていた。

「父さん、見合いだなんて。一体どうして??」

夕鈴はいい加減にして欲しいと云わんばかりに、嘆息をつく。

「いやな・・・・・父さんの古い友人との約束でな。お互いの子供たちがいい歳になって相手がいなかったら、お見合いさせようとなっていてな。
ソイツ、最近まで地方勤務だったんだが、この度の異動で中央へ戻ってきたんだ。
それで連絡が来て・・・・息子もまだ嫁さんを貰ってないらしいんだ。
そこで・・・・・となってな。はっはっはっ~。」

何が可笑しんだか、最後は父さんの誤魔化し笑いで話は終わった。

「はぁ???そこに私や相手の息子さんの意思ってもんは無いの?」
「いや、アイツの息子は乗り気らしいぞ。」
「乗り気ですって???」
「だ、そうだ・・・・夕鈴、頑張れよ!!」
「頑張れって・・・私、まだ結婚なんてするつもりは更々ないの。」
「でも、父さんの顔は立ててくれるんだよなぁ~~~明日は行ってくれるんだよなぁ~~~。」

いい歳した大人が、娘に懇願して甘え声になっているのなんて見たくもない!!

「仕方ないから、取り敢えず行くだけは行くわ。ただ相手の方がどういう方であれ、私は全く!更々!全然!結婚するつもりが無い事だけは覚えておいて!!青慎だって学門所に通っていて何かとお金が入り様だから、まだバイトを辞める訳にはいかないんだからね。」

兎に角、父さんには結婚の意思が無い事だけはキチンと伝えておいた。
・・・・あれだけ結婚を否定していれば大丈夫でしょ。
夕鈴はこれで明日を無事に迎える事が出来そうだとひと安心して台所へと向かい、
手早く昼ご飯の支度に取り掛かった。

昼餉の後からは何をしたらよいのか・・・特にする事もなくホントに退屈で、久し振りに家中を磨きあげることにした。
普段から後宮立ち入り禁止区域で丹精込めて掃除をしているだけあって、手際良くドンドンキレイになっていく。
男二人だけの生活だけあって、家の隅々には埃がたまっていた。
確かにそこまでは手が回らないのだろう。
まぁ、当然なことと云えるのだが・・・。
夕鈴は嬉々として、一心不乱に丁寧に拭きあげていった。
そうしていつしか日は暮れており、夜には疲れも出た様でぐっすりと眠り込んだのだった。


そして問題の見合いの朝、夕鈴はいつもよりも早く目が覚めた。
後宮の寝台でなかったのが良かったのか、いつもよりぐっすりと眠れたような気がする。
あの寝台は、どうにも寝心地が悪い・・・・・贅沢過ぎるし、ふかふか過ぎるから。

ホントに根っからの庶民よね・・・少し堅いくらいの寝台の方がよく眠れるなんてね。

自嘲気味に笑うと、直ぐさま朝ご飯の支度の為に台所へと向かう。
途中にある青慎の部屋を覗くと、机に突っ伏して寝ている弟の姿が見えた。

昨晩も遅くまで頑張っていたんだわ。
青慎が官吏になるまでは、私が支えてやらないと・・・・結婚なんてしている場合じゃない!!

夕鈴は決意を新たにして静かに部屋へと入り毛布をそっと掛け、そして頭を軽く撫でたのであった。


朝餉の席にて、父さんに今日の場所を聞こうとすると・・・。

「あ~~その事だけど今日は相手の父親も来るんで、オレも一緒に行こうと思ってるんだ。
だからオレについて来ればいいよ。」

え~~~相手の父親も同席するの???これじゃあ本格的な見合いじゃないの!!
私はその気はないって云ってんのに、何考えているのよ!!

ついて来ると云うものを断固として断わる訳にもいかず結局一緒に行くこととなり、父さんには支度が済むまで待ってもらうことにした。

さぁてと、支度ねぇ・・・相手の父親が来るとなると、普段着ってわけにはいかないわね。
だけど、あまりめかし込んで行くのもどうかと思うのよね。

中々適当な服が思い当たらず、気が付けば寝台の上にはこんもりと服の山が出来あがっていた。
そしてどうにか決めて着込んだ服は上下色の違う襦裙で、襦は橙色で華やかに、裙と腰帯は薄桃色で清楚に・・・・そして腰裙は薄黄色の布地に小さな紅色の牡丹が描かれており余り、派手でもなくそして何より普段着ではないのもを選んだのである。

これで相手に失礼は無いはず。

姿見の中の自分は、思ったよりも大人びて見えて気恥ずかしい。
そんな気恥しさを払拭するために、最後に少しだけ高価な簪を髪に差した。
そのまま背筋を伸ばしてみると、気持ちがシャンとして気合いが入ってくる。

よし!では、行きますか。
最後に、ふぅ~~~と大きく深呼吸して部屋を後にした。



久し振りに父さんと町を歩いているのだけれど、会話が何故か続かない。
いつも私がお小言ばかり云っているからか、どうも父さんの方がかなり委縮してしまっているようだ。

「父さん、相手の方の年齢は?」
「確か今年、20歳だったと思うが」
「ふ~ん、じゃあ几鍔と同じなのね。」
「・・・・・・・・」  「・・・・・・・・・」

沈黙が訪れる。
そうこうしているうちに、茶館が見えてきた・・・・どうやら、待ち合わせは此処らしい。

『カラン~~』

表に下げている鈴の音を立てながら戸を開けると、
『いらっしゃいませ』と爽やかな声と共にお店の従業員が近寄って来た。
さほど広くはないが品の良い卓と椅子が整然と並べられており、
そこそこ上品な人が通っているような 瀟洒(しょうしゃ)な店の様である。
夕鈴はこの独特な雰囲気に圧倒されそうになり、足が慄いて立ち止ってしまった。

「こちらで、お連れの方がお待ちです。」

店員さんの声に後押しされて何とかぎこちなくではあるが、歩き出せた。
丁寧な接客で通されたのは、店の一番奥の卓だった。

そして向かいに座っていたのは、何処かで見た事が有るような無い様な・・・目元がきりっとしていて、それでいて温かい印象の男性だった。

「あの・・・・遅れまして・・・申し訳ありません。」

まずは挨拶をと・・・・・礼儀正しくしようとしていたその時。

「いや~~~~桂ちゃん、久し振りだね~~~~。」

父さんの緊張感も欠片もない声に邪魔されてしまった。
そして、先程の男性の隣に座っていた父親もすかさず声を上げる。

「岩ちゃん、ちょっと見ない間に老けたんじゃないかい。」

此方も全く場の雰囲気を台無しにするような声で父に応じていた。
そして更にその父親は続ける。

「ああ、夕鈴ちゃんだね~~~まぁ大きくなって、そしてベッピンさんになったじゃないかい。」

うん??大きくなったって???
このヒト、私を知ってるの??

「あの・・・・私を知っているんですか?」
「知ってるも何も・・・・・」

話が終わらないうちに、父さんが話に割り込む。

「桂ちゃん・・・ここは二人に任せて、再会の祝杯をあげに行こうじゃないかい。」
「そうだね、岩ちゃん。それじゃ、秀・・・後は好きにしろ。」

そう言い置いて、二人は連れ立ち茶館を後にした。
そして残されたのは、優雅に椅子に腰かけている男性と・・・何が何だか?と今の流れが全く理解できない夕鈴のみであった。


「あっ、邪魔な親父様方は居なくなった事だし、夕鈴ちゃん椅子へどうぞ。」

立ち上がり夕鈴の前に来た男性は、慣れた手つきで椅子を引いてくれ夕鈴に座る様にと勧めてくれた。
夕鈴は頭をちょこんと下げて、勧められた椅子へと腰かけた。

「あの・・・・私、汀 夕鈴と申します。」
「知ってるよ・・・・覚えてないのかい?僕は、董 秀偉(とう しゅうい)だよ。」

そう云って寂しく笑う男性は、陛下とは違う雰囲気を醸し出していた。
目の前でお茶を飲んでいる董 秀偉という男性は、夕鈴を知っているのだと云うのだが・・・・当の本人は、どうもトンと覚えがない。

「ゴメンナサイ・・・・」

夕鈴は寂しそうな顔をさせてしまった事の罪悪感に、ただ謝る事しか出来なかった。

「いいんだよ、気にしないで。それに幼い頃の事だしね、自分は大丈夫だから・・・・。
覚えていないのだったら、今から自分を知っていってくれればいいのだし。」

優しく諭すように呟く様は、夕鈴に悪い印象は持たせなかった。

「それはそうと、鍔は元気かい?」
「ああ、アイツは元気過ぎるほど元気ですが・・・。」
「そう・・・・それで鍔にはもう奥さんがいたりするの?」
「いえ、いませんよ。」
「そうなんだ・・・・・・ふ~~ん、アイツもなんだ。」

最後の方は口の中で呟いた位の小声だったので何と云ったのかよくは聞き取れなかったが、
目の前の彼はもう几鍔の事を聞いてくる事はなかった。
それにしても、夕鈴の中で一つ、二つ、三つとこの秀偉さんに関する小さな疑問が生まれてきている。

聞いてもいいのかしら?

一瞬躊躇したものの、聞かねばこの先 話もしづらい。
夕鈴は出されているお茶を一口飲んで、話を切り出すタイミングを計っていた。

「あのっっ、聞いても宜しいですか?」

おずおずと話を切りだすと、目の前の彼はふっと微笑んだ。
その笑顔に夕鈴はドキッとする。

「どうぞ、何でも聞いていいよ。なんなら自分のスリ―サイズでも教えてあげようか?」

優しく、そして夕鈴の緊張を解きほどくような冗談めいた事を云ってくれた。
それで夕鈴も少し落ち着いた様で、一つづつ疑問を明かしてもらうことにした。

「では、まず・・・なぜ几鍔の事を知っているのですか?確か同じ年でしたよね。」
「ああ、鍔とは、遊びと云うか喧嘩友達だったんだ。まぁ原因はいつも同じだったけど・・・恐らく今も会ったとしても喧嘩が始まるだろうけどね。原因が此処に居るんだから・・・」
「此処?」
「あっ、こっちの話。気にしないで。」

夕鈴は目をまん丸にして彼を見たのだが、特に説明はしてはくれなかった。
なのでそのまま質問を続けることとした。

「それじゃあ、董 秀偉さんのお父さまは、父の友人だそうですが、どういった知り合いですか?」
「秀偉でいいよ。」
「いえ、年上の方なのですから・・・。」
「じゃあ、好きに呼んでいいよ。自分の父との関係は、二人は同期拝命なんだよ。」
「ああ、そうなんですね。だからあんなに意気投合していたんですね。」

先程の仲良く肩を並べて、嬉しそうに出ていく父の姿が瞼に浮かんできた。
あの喜びようだったら、きっと今宵は帰っては来ないだろう・・・・。

「では最後に・・・・秀偉さんは何故私を知っていたのですか?」

これが一番聞きたかった事である。
相手の黒い瞳をジッと食い入るように見つめ、答えを待つ。

「あ~~やっぱり思い出せないみたいだね・・・・自分は、夕鈴ちゃんとよく遊んでいたんだよ。
だってはす向かいに住んでいたのだから、11年前に・・・。」
「11年前?」
「そうだよ、自分の父の地方勤務で引っ越したんだけどね。
よく鍔や近所の子たちと草野原で走り回ったの、覚えてないのかな?」
「そう云われれば、いろんな子達と遊んでいたような・・・・・。」
「でしょう。地方へ行く日に夕鈴ちゃん、見送りに出て来てくれたよね。」
「そうでしたっけ・・・でもあの頃の記憶は、実は曖昧なんです。
母が亡くなった頃で・・・・泣いて泣いて過ごしていた記憶が強烈で、
他の事は・・・・・ホントにゴメンナサイ・・・・。」
「そんなに謝らなくて大丈夫だよ。さっきも云ったけど、
今からまた知ってくれればいいのだから・・・・ねっ。」

夕鈴が負担にならない様に、宥めるように優しく云ってくれる言葉に夕鈴の心は段々と落ち着いていく。

何だかこのヒトは心地いい。ゆっくりと思いだしてみよう。

夕鈴は少しずつ目の前に悠然と座って見詰めているこの秀偉さんという男性を、受け入れ始めていた。






続。
【傍迷惑な歓迎・6】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り ・ 原作外設定有り










豪奢な椅子に腰かけ肘掛けの上で左掌に顎を乗せ、右手に持った書状を見て微笑む男性がいた。
薄茶の瞳を子どものように輝かせ、窓の外を眺める。

「楽しみだなぁ~。」
「何か仰いましたか?我が王。」
「いいや、こっちの事。」
「左様で・・・・。」
「あっ、準備は整っているだろうね。」
「はい、それは勿論でございます。」
「それは、ご苦労様!後はいいよ、下がって。」
「畏まりました。」

玉座の間に集まった老高官達を退出させると、もう一度手の中の書状を眺め見る。
その書状の差出人は黄陵国の優秀な隠密からで、受取人は黄陵国の国王宛だった。
・・・・現在の王は若き王で、名を悠鐸と云う。

『白陽国、国王並びに王妃におかれましては、本日昼には我が国に入国されたし』

書状の内容に、笑みが零れてくる悠鐸。

「夕鈴さんは元気かなぁ~いや、夕鈴さんではおかしいよね。
だって僕の妹姫だからね・・・じゃあ、何て呼べばいいのかな~」
「それでは、夕姫でよいのでは??」
「朔っっ!!!!僕の考えていることがわかるの??」
「そりゃ、声に出して云えば、私でもわかりますよ。」

隣りで苦笑いしているのは、国王付き側近の朔弦(さくげん)だった。
この朔は側近でありながら悠の幼馴染でもあることから、
国王である悠に対しても容赦なく突っ込みを入れてくるのだ。

「夕姫ね~~それもいいかもしれないけどさ、夕鈴さんは僕が兄だなんて知らないんだよ。
だったら、姫はマズいよ~~。」
「そうでしたね・・・・・・でも、本当は名乗りをあげたいのでは?!」
「僕だって、そうしたいけどさ・・・・・夕鈴さんを育ててくれた岩圭さんに悪いから。」
「悠らしいよなぁ~~。」
「僕らしいって何だよ!!他人事だと思って。」
「まっ、お頑張りなさいませ!!」

そう云うと朔弦は静かに拝礼をし、玉座の間を後にした。

「全く・・・・・・・・朔はああやって楽しげに、僕を焚きつけるんだから。」

ブツブツ云いながらも悠は、嬉しさを隠すことは出来ずに自然に笑みを零していた。






その頃宿屋を後にした白陽国国王ご一行は、黄陵国への街道を馬で駆けていた。
斥候の馬が4頭ほど先行し、その後ろには方淵と水月が馬を走らせていた。

そして少し遅れて、黎翔の愛馬が走っていた。
その背には、夕鈴を乗せて。

「夕鈴、大丈夫?怖くない??」
「はい、大丈夫です!!!それよりも遠くの景色が良く見れて、馬車よりも楽しいです。」
「そう、それは良かった。」

黎翔が考えたラブラブ夫婦作戦の通り、入国する際に民に夫婦の親密さを見せつける為に夕鈴を一緒に乗馬させていた。
こんな機会はあまりない事から黎翔は始終上機嫌で、落ちないようにと夕鈴にしっかりと自分の腰に腕を回させ、自身の身体に密着させていた。
夕鈴の体温を、そして鼓動を感じ・・・・・黎翔はこの上なく、喜びを感じていたのである。


「夕鈴っっ!!!見えたよ、ほら相手国との国境地帯だよ。」
「あの大きな門ですか?」
「うん、あそこで入国手続きをするんだ。まぁ、それは先行している方淵たちの仕事だけどね。」
「ああ、だから方淵殿が先に走っていたんですね。で、そういえば私、陛下にお聞きして無かったことが・・・。」
「何だい??」
「貿易交渉国って、何処ですか??」
「相手国??」
「はい。」
「行ってなかったっけ。」

黎翔は、素知らぬ顔でとぼけてみせた。
夕鈴はウンウンと頷いて、聞いてないことを主張する。
もうここまで来たからには教えないといけないだろうと観念した黎翔は、夕鈴の薄茶の瞳をじっと見据える。
相手国の国王と同じ色の瞳を。

「黄陵国だよ。」
「え~~~~~~~~それって悠様のお国じゃあないですか!!!」
「そうだね。」
「陛下、どうして教えて下さらなかったんですか??私、また悠様にお逢いしたかったんです。」
「そう・・・・・・・(だから、教えたくなかったんだけどね)」

黎翔は、苦笑いして後の言葉を飲み込んだ。
それとは対照的にウキウキ顔の夕鈴だった。


さぁ、黄陵国。
待ち構える悠の歓迎とは如何なるものか・・・・・・・。
それは、まだ今は黎翔には全くわからない。




続。
つらつらと・・・1202
こんにちわ!!!

独り言のタイトル変えました!(←どうでもいいですよね~~すいません)
いいタイトルないかなぁ~と探してみたけど、どうもしっくりこなくて。
まぁ、私がつらつらどうでもいいことを書き殴っているから、
『つらつら』でいいかぁ~と落ち着きました。


さて、今日は寒いですね~~
今日は先程みぞれが降りました。
今シーズン初!!!
黒いカーデガンに白い物体がっっ!!!!!
いやぁ~~~やっと冬が来たって感じです。
なのに、私は仕事場では半袖で働いてました。
周りの人から『寒々しい~』と云われ、店長からは『季節感の無い人!』と云われ・・・・。
どうしてここまで暑がりなのか??私も不思議なんです。
帰宅すると、キチンと重ね着して炬燵でまったり。。。。
更に今は遠赤外線ヒーターであったまりながらカキカキしてます。
(ウチはデスクトップですので、炬燵では出来ないんですよ~~これは結構イタイところ・・・)
では、私は更年期症状なのか??でもそこまでの歳ではないはず!!!
(まぁ、来週一つ年は取りますがね・・・)
でも若年性の更年期障害もあるらしいから、それなのでしょうか?
う~~ん、不思議です。


それでは!!!
【そして一つの可能性・2】
【設定】

臨時妃 ・ 原作寄り ・ オリキャラ有り 











明日は出立という前の晩――――黎翔は後宮の夕鈴の部屋に居た。


「ゴメンね・・・迷惑かけちゃって。王宮よりも下町の方が安全だなんて思いたくは無いんだけど、
僕がいない間に狸共が何をやらかすかが判らないんだよ。視察なんて直ぐにでも済ますからね。」

夕鈴にどんな風に思われてしまうのか分からない以上、
粛清に行くとは云えず曖昧に視察という名目にしてしまっていた。

離れがたいと言う様に、黎翔は嘆息を吐き出す。
しきりと『一刻も早く片付けて、迎えに行くからね!!』と何度も何度も繰り返す。

夕鈴としては実際の所願ったり叶ったりで、こんなに申し訳なさそうにしている黎翔を見ると、
帰省する此方の事情も話さないといけないような気さえしてくる。
ただ全てを話してしまって付いて来られても拙いし、視察に行くという重要なお仕事に支障が出ても困る。

二人でお茶を頂きながらも、夕鈴、黎翔共に心此処にあらずといった感じであった。
互いに嘘をついての外出がヘンに気が重くなってのしかかり、呑気にお茶を頂くという気分にはなれないでいたのである。

二人の間に沈黙が流れる・・・・・・・ただ聞こえてくるのは、窓の外からの虫たちの奏でる合奏曲のみ。
その音色にしばらく聴き入っていたのだが不意に黎翔は立ち上がると、
隣に座っている夕鈴の目の前に立ち、茶色い瞳をジッと見据えた。
それを受けて夕鈴は黎翔の突然の行動に驚き目をまん丸にする。
そんな夕鈴に黎翔は艶然と微笑みかけ懇願した。

「ねぇ、夕鈴・・・僕にお守りをくれる?視察に行く僕の為に・・・そう君の唇で。」

その言葉の意味を理解するのまで数十秒・・・・周りの音も消え失せ、静寂が二人を包む。
キチンと理解した夕鈴は、真っ赤になって俯くしか出来なかった。
でも、珍しく黎翔からの真剣な願い・・・これは従わざるおえない?!
勇気を振り絞って上を見上げると視線の少し上には、キレイな深紅の眼差しが自分に注がれている。

「あの・・・目を閉じて下さい。」

黎翔が小さく頷くと、夕鈴は閉じられた瞳の上に軽く口づけを落とした。
夕鈴は恥ずかしさが最高潮まで達し、そのまま部屋を後にして回廊に飛び出た。
見上げる空には、満月に程近い白い月が浮かび上がっている。

部屋に一人残された黎翔は、瞳を閉じたままその幸せの余韻に浸っていた。

自分の頬が熱いのは自分自身がよく解っている。
夕鈴は大胆過ぎる行動に少し躊躇い、自室に戻れないでいた。

いくら陛下にお願いされたからって、真に受けてあんな事するんじゃなかった。
もしかしたら、冗談だったかも知れないのに・・・。
挙句の果ては、逃げてくるだなんて。
陛下はどんな風に思われているかしら。

見上げる月は、白く優しい光りに満ちている。
その光りに癒され、段々と身体の熱も下がってきた。

さて、どうしようかしら・・・陛下はまだ部屋にいらっしゃるわよね。
今は顔を合わせづらいから、少し散歩でもしようかな。

庭園に降り立った夕鈴は気付かなかった・・・・人知れず、足音も立てずに黎翔が近寄っていた事を。

「夕鈴、ありがとう・・・。」

後ろから腰に回された逞しい腕が誰のモノだなんて直ぐに判る。

「えっ、あ、あの・・・陛下、離して下さい。」
「離せないよ。」
「えっっ??」

力強い声に流され、夕鈴は為されるがまま身動き一つできなくなった。
そして・・・・更に引き寄せられた。

これは、月の光りが魅せるただの錯覚。
陛下もただの戯れなのよ。
こんな事を心の底から喜んじゃダメなのよ。

シッカリシナサイ、汀夕鈴!!!!

抗えない喜びと自分の理性との狭間で、喜びに幾らか傾いている自分を必死に叱咤していた。
黎翔はそんな夕鈴の想いなんて、気が付くはずもなかった・・・・・なぜなら、今もまだ瞼に温かい感触が残っているのだから。

そう、夕鈴のお守りは思いもかけないことで、ほんのり心が温かく為る程の嬉しさだった。
その喜びをどうしても伝えたくて、回廊に夕鈴を迎えに来た。

しかし、いざ見つけた寵妃は月を見上げ物憂げに思い耽っており、
そんな姿が堪らなく愛しく想え、後ろから抱き締めずにはいられなかった。

例え『拒絶』されたとしてでも・・・それでもそうせずにはいられなかった。
でも言葉で断っても、夕鈴の身体は僕を受け入れてくれた。


時間にしてみれば、天空を駆け落ちる流星が過ぎ去るくらいの短い時間だったのかもしれないが、
夕鈴の顔を自分に向け、その柔らかい頬にお返しの口付けをした。

「おやすみ、夕鈴。」

そう一言だけ呟いて黎翔は夕鈴の身体から離れ、振り返らずに後宮を後にした。
残された夕鈴は茫然と頬に手を当てていた。

これは何なのよ!!このまま、眠れる訳がないじゃない~~~~。

心の中で絶叫を発しても、誰も聞く者はいなかった。
夕鈴は仕方なく、トボトボ自室に戻っていった。
足どりは重いものであったが。




その時、夕鈴は全く気付くことは無かったが、一瞬輝いた月と星だけがこれからの二人の行く末を知っていた。
今から起こる出来事を・・・・・・・・・。





何とか自室に戻った夕鈴は、そのまま寝室に直行して布団に潜り込んだ。
そして、ドキドキする鼓動を全身で感じながらも、どうにかこうにか眠りについた。
しかし寝付いたのもつかの間。

「お妃様・・・・あの・・・・起きてらっしゃいますか?」

帳の向こうから、侍女さんが私を起こす声で目が覚めた。
窓の外はまだ夜が明け切れておらず、まだうす暗い。
この暗い中ワザワザ起こしてもらったのは、陛下が視察に出立するのを見送るためである。

急いで身支度を整え、侍女さん達を従え王宮の裏門へと急ぐ。
視察は極秘だからと、表門からではなく裏門からの出立だとの事。
そして遂行は浩大以下15名ほど・・・・この中には方淵も含まれていた。
留守を預かるのは、いつもの事であるが李順が務めることとなっている。

「それでは行ってくる。」

黎翔は李順達留守番の者に短く言い放つと、
李順の隣でお妃らしくお淑やかに佇んでいる夕鈴に近付き耳元で囁いた。

「夕鈴・・・・君から貰ったお守りが有るから安心して出掛けられる。早く済ませて下町まで迎えに行くから、待っておいで。」
「はい、お待ち致しております。」

頬を桃色に染めながらも、夕鈴は恥じらう初々しい妃を必死で演じていた。
でも頭の中では昨晩の回廊での出来事がまざまざと思い出されており、
何度も何度も映像が終わる事無く写し出されていた・・・・。

だから夕鈴は黎翔の次の行動までは、全くと言っていいほど予想できなかった。
徐に黎翔の手が夕鈴の白い手を取ってそのまま恭しく手の甲に口付ける行為に及ぶ事なんて・・・。

そうして夢見心地であった夕鈴は一気に現実へと引き戻され、
黎翔の突然の行為に目をまん丸くした上で口をパクパクさせるだけだった。
でも頭の中では、必死で冷静を保とうと『平常心、平常心』と唱えていた。

たくさんの人が見ている前で・・・・・もう恥ずかし過ぎる・・・演技にしてもやり過ぎよ!!
でもここはお妃らしく微笑むのよ、さぁ早く!

夕鈴は『私は、陛下唯一のお妃』と呪文の様に唱え、今出来る精一杯の笑顔を陛下に向けた。
その笑顔に黎翔は満足して、踵を返して堂々と出立したのだった。

そうして残された夕鈴は、自室に戻ると侍女達には数日陛下がこの王宮にいらっしゃらないので里帰りを許された旨を伝えた。
そうして侍女さん達にも休暇に入ってもらう事にして下がらせ、下町へと戻る準備を慌ただしく始めたのであった。
準備が全て整い後は着替えだけになった時点で李順の所に出向きキチンと挨拶してから、
いつもの掃除婦更衣室にて着替え、後宮裏門から慣れ親しんだ下町へと歩き出した。






続。
何となく・・・1201
こんにちわ!!
ついに今日から師走です。
寒くなりますね~~。
今日は特に気温もあまり上がらず、強風も吹いてます。

さて、『遥か悠遠の朱空へ』のブログから遥々お越しくださった皆様、有難うございます。
スミマセン・・・・こんな辺境までお呼び立てしまして。
まぁ、愉しんでいただければ嬉しいのですが・・・・・。


そして、昨日はこの呟きを書いた後、少しして旦那が帰宅してしまって
楽しいネット時間も終了せざるおえなくなりました。
くすん~~~~~続き書こうと思っていたのに・・・。


そして夜は、『そして一つの可能性』を1話のみUPしました。
これもそのままUPしようと思いましたが、気になって少し手を加えてます。
この話、手を加えるのは何度目かしら・・・・・。
最初はSNSで書いてて、次にピクにUPしたんでその時に手直し。
更に自分のブログにUPする際にも手直ししたんで、今回で3回目。
う~~ん、何度しても手直しって出てきますよね。

近く、ばぁ~~~~とすべてUPしておきます。



今日は仕事でしたが、他の店への応援で・・・・・・気疲れしました。
している仕事は一緒なんですが・・・レジしてても、モノの在処がわからない。
お客さんに『スプーン下さい』と云われても、何処にしまってあるのかが分からない。
途中から何か変な汗かいて・・・気が付けば半袖で働いてました・・・・。
たった4時間だったのに、帰ると身体のあちこちが凝ってました。
やっぱ、慣れている自分の働いている店がいいですね~~
帰り際、仲の良い社員さんに『ずっとこっちで働けばいいのに~~』と云われましたが、『遠慮しときまぁ~~す!!』と逃げてきました。
確かに、家から車で2,3分ですけどね・・・・。




そんな感じで、もう月曜日からお疲れモード全開です。




瓔悠。
プロフィール

瓔悠

Author:瓔悠

リンク
最新記事
最新コメント
カテゴリ
いらっしゃいませ。
ごゆっくりどうぞ。
現在の閲覧者数:
カレンダー
11 | 2014/12 | 01
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる