すれ違いの向こうには・5(完)
2016年05月09日 (月) | 編集 |
こんにちは!!!

この話も最終回となってしまいました。
書いている私達だけが楽しいと言う、とんでもな内容でございますが。

GWも終わってしまいました。
仕事なのですが・・・・・・・・・・・・・・・訳あって、辞められませんでした。
ホントに世の中は、ままならないことばかりです。

ならば、ここくらいは
私の思い通りにしたいもんです!!!!


では、続きいきますよ~~~



****************


【LaLa6月号第81話ネタバレSS 】
《すれ違いの向こうには 5 夕鈴》










「うそっっ」

目の前の現象に、まず漏れた一言はこれだった。
それ以外、紡ぎ出す言葉が私には思いつかなかった。
だって、ここは・・・・・・・なのだから。
いるはずのない人を見れば、誰だって言葉を失うはず。

私が大きなため息を吐き出したのは、仕方のないことだと・・・・思う。


*********


これよりも、かなり前。
今日も今日とて、親善交流!と息巻いて、朝も早くから自室を後にした。

「今日は、朱音姫に何をしてあげようかしら?
花で四阿を飾って、お茶会でもいいし、他には・・・・・。
後宮の収蔵書館は素晴らしいから、案内するのもいいわね」

兎に角、朱音姫をここでお預かりをしている以上、キチッとおもてなしはしないといけない。
姫の好みはよく分からないけれど、私で出来ることはして差し上げたい。

始めのあの敵対心と猜疑心は何処へやら。
すっかり姫に親近感を持ってしまった夕鈴のもてなしに、
木の上から警護する浩大は夕鈴のお人好しさ加減が面白くて堪らない。

「あんなに張り切っちゃってさ~~良く頑張るよ、お妃ちゃんは。
でもさ、あれがへーかの不機嫌に繋がっているなんて、
思いも寄らないんだろうなぁ~~。
まぁ・・・らしいちゃ、らしんだけどね」

浩大の脳内には、お腹を空かせた狼の姿が映し出される。
それをフフフと嗤いながら、浩大は文字通り高みの見物を楽しんでいた。


「おはようございます、朱音姫」

姫を匿っている部屋の入口で姫を呼んでみるものの、
中から返事は聞こえてこない。

いるはずの人がいないとなると、すごく心配になる。
だって、姫は自国の随行者に命を狙われているのだし。
だからこそ、ここにいてもらっているのだから。

「あの・・・・・姫、私です・・・夕鈴です。
いらっしゃいませんか?」

再度呼び掛けてはみるが、やはり部屋は静まり返ったままで返事は無い。

「入ります・・・・よ」

私はこれがあまり良いことでは無いことを知りつつも、入って行った。
部屋の中はもぬけの殻だった。
姫はおろか、侍女さんたちの姿も見当たらない。

「え、え~~~~何処に行ったの????」

私はアチコチ姫の行き先に通ずる痕跡が無いか、丁寧に探してみた。
けれど、そんなものは居間の何処にも無くて。
最後の場所・・・・・・・寝所へと足を踏み入れた。

「姫~~~~~いませんか?」

寝台の上に、きちんと畳まれた肩掛けがあった。
それは昨日、湯殿上がりに夕鈴が朱音姫に湯冷めしないように掛けたもの。
その上には、1枚の書が置いてあった。

流れるような筆跡。
恐らく朱音姫の手。

夕鈴は手に取って、流れるような文字を目で追った。

『夕鈴妃、ちょっと散歩に出てきます』

・・・・散歩?何処へ?
夕鈴は首を捻りながら、朱音姫を追うべく部屋を後にした。

もうっっ!!!
命を狙われているのに~~勝手に出歩いたりしたら、大変じゃないのっっ!!

夕鈴は朱音姫を追う―――。

花の咲き乱れる四阿。
水の流れる庭園。
静かな池。

しかし、何処へ行っても姫にはたどり着かない。
何となく痕跡はあるものの、姿を捉えることは出来なかった。


「はぁ~~~今日は中々、姫には会えないわね。
こうなったら、後は湯殿で姫と花湯でも楽しむとしましょうか。
散歩に出ているのなら、きっと湯殿をお使いになりたいでしょうから」

夕鈴は諦めて、後宮の自室へと戻って侍女に花湯の手配を頼む。
それまで特にすることも無く、手持ち無沙汰になってしまった。
気が付けば、長椅子でうつらうつらしてしまっていた。

どれくらい経ったのだろうか・・・・・。
自分を呼ぶ声で夕鈴は目を覚ました。

「お妃様、花湯のご用意が整いました。
どうぞ、湯殿へ」
「では、朱音姫をお誘いに参りますわ」
「・・・それには及びません」
「???」
「私どもが、お呼びして参ります。
どうぞ、お妃様はお早く、湯殿へ」

侍女達は、殊更に夕鈴を早急に湯殿へと誘う。
それをいぶかしみつつも、言われた通り湯殿へと足を向けた。


そして、有り得ない光景を目の当たりにする。




【夕鈴side 完】


続きは・・・・・
『この世の春』様《すれ違いの向こうには 5 黎翔》へ
















スポンサーサイト

すれ違いの向こうには・4
2016年04月30日 (土) | 編集 |
おはようございます!!

GWが始まりましたね。
とは言っても、
娘は土曜授業で一日学校。
息子は市外の陸上競技場にて部活の練習。
と通常生活です。
更に旦那様は明日明後日仕事。
中々たっぷりな休みとはいかないものです。


さて、このリレーSS。
終盤に近づいてきてます。
皆様にも楽しんでいただけてるようで、嬉しいです。

最後までお付き合い頂けましたら幸いです。

それでは続きと参ります。

************

続きの前に・・・・・
『この世の春』様のお話をどうぞ~

《すれ違いの向こうには 4 黎翔》




【LaLa6月号第81話ネタバレSS】
《すれ違いの向こうには 4 夕鈴》





木の上での親善交流。
普通なら有り得ないことで、これが李順さんにでも知られたら・・・と思うと、
さぁ~~~と背筋に汗が流れていく。
でもそんな事は言ってられない。


でも私が木の上に登って行ったことで、朱音姫は親近感を感じてくれたらしく。
内緒話を色々と聞かせてくれた。

炎波国の内情。
そして、姫の自国への愛情。
・・・・・・不退転の覚悟すらも。


多分足りないものだ、私に。


朱音姫の遠くを見すえるその瞳は力強くて。
私は姫から視線が逸らせなかった。
『カッコイイ』と。


しかし、それだけでは無った。
姫は怒っていた。
怒りのオーラが眩しいくらいに。

犯人は使節団内にいるのだと、朱音姫は言う。
私は『まさか』って思うけど。
姫の見解は『そうだ』と確信していた。

「どいつだろうと、絶対に許さない。
この私を裏切ったこと、死ぬほど後悔させてやる」


いや、姫。
それは・・・・かなり怖いです。
私が言うのもなんですけど、それは逞しすぎるってもんです。


私は姫の怒りに気圧されて、言葉すら失っていた。

「あーー、姫・・・・・そろそろ降りませんか?」
「なぜ?」
「ここは、結構見晴らしが良すぎて、危険かもしれませんし」
「そうかしら?
私を狙うって言うのなら、どうぞっっ!って感じよ。
それこそ、倍返しにしてやるんだから」
「そこで、マナがハラハラして見てますよ」
「マナは心配し過ぎなのよ。
私は放っておいてもいいから、犯人を私の前にひっ捕らえて来なさいよ。
全くもうっっ!!」


はぁ~~。
これは・・・怒りのスイッチがポチッと入っているみたいよね。
どうしたら、落ち着いてくれるかしら?

私は名案が浮かんだ。
やっぱり、ここはお気持ちを落ち着けるのに『お湯に浸かる』だわ。
これが一番!!

「姫、少しだけお待ちくださいね」

私は落ちないように、慎重に木から降りた。
そして、そこらにいるであろう浩大を呼ぶ。

「浩大??」

風がさぁ~と吹き抜けると、目の前に跪く浩大の姿が。

「何か御用でしょうか?お妃様」

朱音姫の手前、いつもの飄々とした態度では無くて、
キリッとした見たことも無い浩大が。

「申し訳ないのだけど、女官長を呼んでくださるかしら?」
「御意」

短く『是』の意志を示し、浩大はいなくなった。
そしてそこまで時間を掛けずに、女官長が来てくれた。

「お妃様、ご用向きは?」
「あの・・・今から朱音姫と湯殿を使いたいので、
用意をお願いしたいのですが・・・。
出来れば、花湯がいいのですが・・・・あっ、それとそこにあるお菓子とお茶も用意願えますか?」
「畏まりました」
「お願いいたします」

静々といなくなる、女官長。
それを見送った私は、また木に登る。

我ながら、良い考えだわ。
花湯でリラックスして、お菓子を食べる。
姫の怒気も治まって、親善交流も出来る。
これぞ、一石二鳥ってものね。

思わず笑みが浮かぶ。


ちゃぽん。
静かな湯殿で開催されている、女子会。
花湯と焼き菓子と花茶。
奇妙な取り合わせ。

それでも、姫は焼き菓子も食べてくれているし、
元気にもなってくれた。


いや、いま、怒りのオーラは見え隠れしてるけど。
それでもいい。

私は満足だった。
しっかりと役割は果たせているだろうから。



これが、あれに繋がるとは露にも思わず。
知らぬが仏。とはよく言ったものだと。

私は後に身に染みることになる。



続く。





すれ違いの向こうには・3
2016年04月27日 (水) | 編集 |
こんばんは!!


連夜のお付き合い、有り難うございますっっ!!
本日は、私が勝ちました~~
私が先行ですっっ!!

だって、書き上げたのは深夜だったんですもの~
これはいくら書くのが早いあさ様とて敵うまい!!!
エッヘン ←偉そうでスミマセン。

ホント、中々楽しい企画で、私はめっちゃ楽しんでます。
終わらなければいいのに~~なんて事まで思っていたりします。

では、続きへどうぞ




【LaLa6月号第81話ネタバレSS】
《すれ違いの向こうには 3 夕鈴》







朱音姫との女の子同士のお茶会を!を意気込んでみたのはよいものの、
肝心の朱音姫の姿が部屋には無い。

「それにしても、朱音姫は何処にいるのかしらね~」


一体、何処に行っているのか?
それは侍女さん達に訊いても、誰も行先は知らないとのことで。
夕鈴は途方にくれながら、庭園をそぞろ歩いていた。


しかし、ある程度歩いてみても朱音姫は見つからない。
段々言い知れぬ不安が、夕鈴を覆い尽くそうと忍び寄る。


もしや、また刺客に?

一瞬、考えたくも無い事態が脳内を駆け巡る。
そんな事が現実に起こっているとなったら、白陽国の信用に関わる大問題で。
後宮でお預かりしている以上、炎波国と事を構えるなんて事も大いにあり得る。

夕鈴は、少々表情を硬くして朱音姫を探し回る。

「何処?何処にいるっていうの、朱音姫・・・・・」

風がサァと吹き抜けて、夕鈴は真後ろに誰かがいることを感じた。

「誰っっ?」
「怖イ・・・・・声、オオキイ」
「ごめんなさい、少し考えたくも無い事態を考えていたものだから」
「??」

そこにいたのは、ちんまりとした朱音姫の隠密、マナ。
朱音姫と一緒に拾ったこの隠密は、かなりの信用を得ているみたいで・・・。
だから、姫の行先を聞き出すにはもってこいな人物である。
それに此処に、マナがいる以上、姫は無事だと確信した。

夕鈴はフゥと安堵の息を吐き出すと、マナに逃げられないようにと手に持った焼き菓子をチラつかせてみた。

「ねぇ、この焼き菓子なんだけど、さっき厨房で作ったばかりのホカホカなのよ。
欲しいのなら、私に朱音姫の居場所を教えて欲しいのだけれど・・・・」
「コレ クレル?」
「ええ、もちろん!!」
「ナラ 言ウヨ。
アッ、 姫サマ ハ 散歩。
デモ、歩イテ ハ イナイ。
高イ トコロ。
空 ヲ 見上ゲテル」
「高い所?空を見上げてる?」

夕鈴はマナの言葉から、何となく何処にいるのかが分かった気がした。

あの場所は。
空に近くて、風が吹き抜けて心地いい。

「ありがとうね」

マナにニッコリと笑って、焼き菓子をマナに渡した。
そして、夕鈴は裾を上手にさばいて目的の場所へと向かった。

その場所とは・・・・・。

「本当に、高い所に登るの、お好きなんですねぇ」

夕鈴は木の枝の割れ目から、ひょっこりと顔を出してそこで寛ぐ姫へと声を掛けた。
そこは、まぁまぁ高い木の上で。
誰も来ないだろうと思って登った当の本人は、夕鈴の行動に大層驚いた。
それを悟らせないために、不意に夕鈴へ悪態をつく。

「ああもう、なんなのよ!!
なんで妃が木に登ってくるのよ!!」
「こればかりは、姫に言われたくないですよ!」

朱音姫との友好関係を築けるチャ~~ンス!とばかりに、
夕鈴は不敵に笑ったのだった。

陛下の為に。
ただ、それだけを想って・・・・・。



続く。




続きは『この世の春』様にて






すれ違いの向こうには・2
2016年04月26日 (火) | 編集 |
こんばんは!!

今日も無事にお届け出来ました!!!
良かった~~~

今回もあさ様が先行ですっっ!!
負けてはいられません!
次は私が先行でいきますからね~~お覚悟あれっっ!!←誰に言ってんだか!


では、先行されたお話のURLを載せておきますね~
どうぞ、お楽しみくださいませ。

《すれ違いの向こうには 2 黎翔》








【LaLa6月号第81話ネタバレSS】
《すれ違いの向こうには 2 夕鈴》





「さぁ、今日は朱音姫と一緒にお茶でもしようかしら。
お茶をするなら、お茶菓子も必要よねっっ!!
折角だからお饅頭でも作って・・・・」

ご機嫌な様子で、夕鈴は今日の予定を独り言ちる。
昨晩の『湯殿で裸の付き合い作戦』は上々の出来だった!と自画自賛するくらいにご満悦だった。
それが黎翔にとって、不機嫌極まりない事だと全く知る由も無く・・・・。


そして数刻後。
黎翔が、李順にせっつかれながら書簡の山崩しに精を出している頃・・・・。
夕鈴は呑気に『朱音姫を元気付けよう作戦!』と銘打った作戦を実行すべく、
厨房でお菓子作りに精を出していた。

「出来上がり~~」

お皿に乗せられたのは、果物を練り込んだ焼き菓子。
焼き菓子からは、柑橘系の爽やかな香り。
今日の出来上がりは、会心の出来である。

「さぁ~~て、朱音姫をお誘いしてお茶でも飲んで、友好を深めるとしましょうか」
「お妃ちゃんは、ホントにお人好しだね~~」
「浩大っっ!!!」

厨房の窓の外の木の上から、声が飛んできた。

「お人好しって、そんなんこと無いわよ!
私が陛下の為に出来ることは、これくらいしかないし。
それに朱音姫がお元気になれば、内緒話もして頂けるかもしれないし。
だから、お人好しって事だけでしてるんじゃないわ」
「ふぅぅ~ん。
まぁ、頑張ってよっっ!!
狼の怒気に触れない程度にね~~」

サラッと怖いことを言いながら、その場から姿を消した浩大。
その言の最後、肝心なところを夕鈴は聞き逃していたのだった。



続く。





すれ違いの向こうには
2016年04月25日 (月) | 編集 |
こんばんは!!


先日、少しだけお知らせしておりました企画を始めます~~
それは、『この世の春』あさ様と
な、なんと!『リレーSS』なんです~~

あさ様が黎翔side。
私が夕鈴side。

さぁ、どうなりますことやら。
私はスンゴク、ワクワクしております。
もう楽しみ~~~

皆様も楽しんでいただけましたら幸いです。

では、始めますよ~~
あっ、言い忘れてましたが
こちらのリレーSSはLaLa6月号ネタバレSSですので、
どうぞ、お気をつけくださいね。


********


まずは、『この世の春』様にて掲載の
第1話をどうぞ~~

《すれ違いの向こうには 1 黎翔》







【設定 LaLa6月号第81話ネタバレSS】
《すれ違いの向こうには 2 夕鈴》



最初は、正直かなり私の心をかき乱した姫様だった。
だって陛下の『正妃候補』なんて、蘭瑶様が仰るから。

でも、私は仲良くしたかった。
・・・・・姫様のほうは、私の事を敵視していたけど。

私は親善交流にいらしたのだから、キチンともてなしたかった。
唯、それだけ。

それに刺客にも襲われて、きっと心細いに決まってる。
だから、私が力になってあげられればっっ!!って思うの・・・・。


なのに。
どうしてなの、陛下。


「…どうして私の妃が、炎波の姫と湯に浸かるんだ。」
「何を言ってるんですか、女同士ですよ?!」

陛下・・・・・どうして、女の子同士で湯に浸かるだけなのに、
あんなこと言うの?
何か問題でもあるのかしら?

「もうちょっと姫が心を開いてくれるといいなって!」

そうしたら、きっと白陽国の為にもなると思うの・・・・。
それは陛下のお役にも立てると。
少しでもいいから、お役に立ちたい。
だって、私に出来ることなんて殆ど無いのだから・・・・。

「夕鈴、今回は炎波国の抱える問題だ。」

そうかも知れないけど。
でも、気になるの・・・・・だって、あんなに勝気な朱音姫が落ち込んでいるんですもの。


「…はい、でも、その。」
「放っておけないか…。」
「わがまま言ってごめんなさい…。」

でも、ここは陛下に認めてもらわないと。
私の決意は固い・・・。

陛下、呆れてる?
小さく息を吐く陛下。
伏し目がちで、私を見てくれない。

「…いや、それが君だからね。」

陛下の腕が私の身体を捉えた。
何だか、ドキドキするけど。
頬も熱いけど。

今はそんな場合じゃない。
朱音姫を元気付けないと。

陛下、私・・・頑張ります!


微かに薫る陛下の優しい香を感じながら、
私はそんな事を考えていた。



続く。