通販について
2019 / 05 / 30 ( Thu )
久々にオフ本を作りました。
これが最後かなぁ~と思いつつ。
(でもまだ出したいモノはあるんですが・・・・
最終回が近いこともあり、もうダメかなぁ~と)

今回出した本は、5月のイベントに委託させて頂いた1冊と
通販のみの1冊でした。

イベント委託分につきましたはお陰様で完売となりましたが、
通販のみの分につきましては、若干の在庫があります。

下記のショッピングカートにて
絶賛頒布中ですので
ご興味のあるゲスト様は、どうぞ覗いてみてくださいませ。

今回イベント委託をして下さった『この世の春』あさ様の素敵御本も
一緒に委託頒布しております。
是非ともお願い致します。



月昇り、空満ちる


【タイトル】 月昇り、空満ちる
【発行人・発行日】 瓔悠(サークル名「遥か悠遠の朱空へ」)
            2018.06.01 発刊

【概要】 本文モノクロ60P・小説・A5版
【本文】 旧ブログからの再録4編 書き下し2編 全年齢対象 
                    
      「満月の夜に」 「決心~月に誓う」
      「月明かりの道標」 「月に酔う」
      「月は、夜桜を抱く」 「すべて、月はみていた」 6編

月に纏わる話を6編(臨時妃3編、本物夫婦3編)
短編、長編あり。

「すべて、月がみていた」
・・・スーパームーンがもたらした不思議な事象を月の満ち欠けと共に追いかけていきます。
黎翔、夕鈴の二人の愛の絆を垣間見れる作品となっております。




それでは、私とあさ様の新刊の通販をお考えの方は
下記バナーをクリック下さいませ。

サークル名 バナー





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21 : 12 : 28 | オフ活動関係 | コメント(8) | page top↑
最後に・・・(通販案内)
2018 / 06 / 23 ( Sat )
おはようございます。
今日の午前0時より
サークル誌最終号の通販予約が始まりました。

最後って、なんか感慨深いモノです。
ホント寂しくなります。

で、私の方も
ある方に感化されて、最後にまたオフ本を出すことにしました。
やっぱり途中まで作りかけているのは気持ち悪いなぁ~と。

それで、
サークル誌と一緒の通販にさせていただきました。



未来は何処に・完成


【タイトル】 未来は何処に
【発行人・発行日】 瓔悠(サークル名「遥か悠遠の朱空へ」)
            2015.03.15 初版
            2018.08.15 再販
【概要】 本文モノクロ50P・小説・A5版
【内容】 夕鈴が王宮から消えた。
      それはある理由からの事だった。
      二人の未来は、何処に行くのか? そしてその未来は正しいものなのか?
      臨時妃時代の、切ない恋の物語です。

2015年3月 春コミ プチオンリーの際のイベントで
委託販売したモノを今回予約販売限定で
再販致します。

400円

【サンプル】

私なりのけりのつけ方がしたかった。だから誰にも邪魔なんてさせない。
例え、それが……私が唯一愛した人であっても。

「お世話になりました、さようなら」
 夕鈴は零れてきた一滴の涙を見られない様に、深々と頭を垂れて一礼を施した。
これで…私が私でいられるのに、どうして滴が頬を伝うの?まだ未練があるの?
自問自答しても答えなんて出るはずもなく、夕鈴は『これでいい』と無理矢理思い込むことにした。
「夕鈴…僕を置いていくの?」
 切なげに揺れる紅い瞳が、夕鈴を凝視している。
「はい、陛下」
「どうして?」
「もう借金も全て返済しましたから…それに、偽のお妃様を演じるのに疲れてしまったんです」
「じゃあ、本物の妃に…僕の花嫁に「陛下…私は、陛下に相応しくないから、駄目ですよ」」
「夕鈴、それは僕が決める事であって君が決める事ではないんだよ、だから…」
 そう言って、そっと夕鈴の腕に手を伸ばしてきた。でも夕鈴は自分の身体を傾けて、その手から綺麗にすり抜けた。黎翔の手が宙を彷徨うが、夕鈴は黎翔の手を取る事は出来無いと頑なに拒む。
陛下……私は陛下を心から愛しています。だからもう此処にはいられないんです。好きにならずにいられたのなら、まだ貴方のお傍にいられたのかもしれません…。でも私は陛下への想いを後悔なんてしたくないから、このままで去らせて下さい。綺麗な思い出を胸に抱いて、ただの庶民の暮らしを送るだけです。
「本当に今まで有難うございました。私、此処での事は忘れません」
夕鈴を見詰める黎翔の切なげな瞳に一瞬、決心がグラッと揺れたが夕鈴は決心が鈍らない様に一礼して荷物を小脇に抱えて走り去った。
背中に夕鈴の名を呼ぶ黎翔の声が追いかけて来たけれど、振り返る事すらしなかった。
この選択は間違えてはいない…だから許してね。私が大切にするし必ず護ってあげるから。私の奥に芽生えた小さくて大切な……命。
このまま此処にいると、否応なく政争に巻き込まれるかもしれない。そして、もしかしたら……昔の後宮の妃達の様に、宿った命が秘密裏に消されてしまう事だって有り得る。そんな事は嫌だから、私は此処から去るの……貴方と芽生えさせた大切な宝物を持って。     
後宮の門から外に出た夕鈴に、強い風が吹いてきたけれど正面を見据えて、まずは一歩力強く踏み出した。夕鈴は無我夢中で走りながら、これからの事を考えていた。
これからは私がしっかりしないといけない……と。
取り敢えずは、やっぱり家に帰る方がいい。それからこの先どうするのかを決めるけど、でも家に帰ったとしても今まで通りにはきっと暮らせない。だってこの子がお腹にいる以上……きっと周囲の好奇の目に晒される。父親がいない子どもとなると周りからは色々と詮索されるか、噂話の格好の餌食となるか…そんなところだろう。
でもそうなると、この子だけじゃなく青慎が官吏に登用された時も、もしかしたら色々と問題が起きるかもしれない。それだけは絶対にイヤ。青慎には迷惑は掛けられない……あんなにも頑張っている弟には。
 そうなると、やっぱり何処か遠くに行った方がいい…でもその方がいいの。陛下に逢えない事は分かっているからこれから先ずっと胸の痛みを抱いて暮らすよりも、いっそ遠くへ行って全てを忘れて新しい生活を始めた方が私にとっても、この子にとっても最善の道なのかもしれない。
道すがら先の事を真剣に考えて感慨に耽っており、そのせいで自分の後を密かに付けて来る人物がいたとは、夕鈴は全く気付きもしなかった。
 その人物は浩大であり……李順からの命で、夕鈴を護衛というか監視する為に遣わされていた。
そもそも今回後宮を辞した事は夕鈴の一存だったからで、李順が推し進めたわけではない。
それと言うのも膨大にあった借金は、とうの昔に完済していた。しかし黎翔が望み、夕鈴が了承していた事からバイトは継続されていたが、夕鈴が突然『後宮を辞したい、バイト妃の任を解いて欲しい』と申し入れた。
李順は夕鈴の真意を訝しんで、理由を問い詰めたが『辞めさせて欲しい』としか言わず何一つ分からなかった。だから事の真相を探る事が、浩大に課せられた第一の任務であった。
「はぁ~~全くお妃ちゃんは、どうして陛下から逃げちまうんだよ。やっとの事で想いが通じたのにさ」
 屋根を軽々と歩き、街路樹伝いで夕鈴を追う浩大は独り言ちる。浩大はその任務上、二人が結ばれた事を知っていた唯一の人物で、だからこそ夕鈴の行動には合点がいかないのだ。やるせない思いを抱えながら、浩大はヒョイとまた次の屋根に飛び移った。

「ただいま~~~」
 夕鈴は、元気良く自宅の門を開ける。久し振りの帰省なのだから、思い詰めていても仕方無いと自分の気持ちを奮起させた。
「ねっ、姉さん!どうしたの?急な帰省だけど」
「青慎!元気だった?」
「うん、僕は元気だけど……」
 何か、様子がおかしいよ……姉さん。だっていつも以上に元気だし…王宮で何あったのかな?
 青慎は疑問符が頭の中に浮かび、コクリと首を傾げる。
「姉…さん………何かあった…の?」
 言葉を詰まらせながら、静かに訊ねてみた。
「何もないけど……実は王宮のバイト辞めてきたの」
「えっ、えええぇぇぇぇ~」
 青慎は予想もしなかった返答を聞き、素っ頓狂な声をあげる。
 辞めたってどうして?上司の李翔さんと何かあって、それで居づらくなって辞めてきたのかな?
青慎は事実しか言わない夕鈴の言葉に青慎なりに理由を考えてみる。でもそれは本人にしか分からない事で…おずおずと目の前の夕鈴に声を掛ける。
「辞めたって……どうして?」
「う~ん、そうね…そう!水が合わなくなったって感じ…かな」
「水が合わない?」
「やっぱり私は庶民だから、王宮のバイトなんて肩が凝るって前々から思っていたけど、この度思い切って辞めたのよ」
「そうなんだ……」
 青慎は夕鈴の言葉を半信半疑で聞いていた。
あの責任感が人一倍強い姉が『水が合わない』如きで辞めたりするのだろうか?それにお金にもシビアで破格の給金が出る美味しい職を易々と手離すのはあり得ない様な気がする。
しかし、姉がそれ以上言わないのであれば、自分に問い詰める権利なんて無い。そう思った青慎はもう黙っておく事にした。
黙りこくる青慎に、夕鈴は優しく微笑んで宣言する。
「また働くから!青慎の塾の費用もキチンと稼ぐから心配しないで」
「僕の為ばっかりで……申し訳ないよ」
「いいのっ!青慎は将来の夢に向かって、頑張ればそれでいいのよ。私の事は心配しなくていいんだから」
 そう言うと、夕鈴は荷物を片付けるからと自室に行こうとした。
 その時、急な眩暈に襲われる。
「姉さんっ!」
 青慎が駆け寄って、倒れ込んでいく夕鈴の身体を支えた。
「大丈夫よ、ただの立ち眩みだから」
 そう言って、夕鈴は柔らかい微笑みを浮かべる。それこそ後宮で培われた妃の笑みだった。
「姉さん……」
青慎は、何だかその微笑みが物悲しそうに見えて何も言う事が出来ず、ただ夕鈴を部屋の寝台に運ぶだけだった。




想いを乗せて走り抜け・完成


【タイトル】 想いを乗せて、走り抜け
【発行人・発行日】 瓔悠(サークル名「遥か悠遠の朱空へ」)
            2018.08.15 発行
【概要】 本文モノクロ50P~60P・小説・A5版
【本文】 臨時妃設定
      王宮から追い出された夕鈴。
      それは黎翔が夕鈴を想っての事だった。
      王宮で巻き起こる事件。
      そして・・・追い出された夕鈴に降り掛かる事件に
      二人の想いは交差するのか?

ずっと、オフ本にしたかった作品を、今回は形にするべく頑張りました!!
こちらの作品は、通販予約限定販売です。

400円

【サンプル】

今、素直な気持ちを言の葉に乗せて、伝えるよ。
―――君の笑顔に会いたいんだ、だから。

          *       

それは、突然やってきた―――――。
青い空とゆっくりと流れいく雲とを、芝生で寝転んで眺めておくのが丁度良い様な穏やかな良く晴れた日の午後。
そんな平穏を切り裂くように、緊迫した表情で外窓から入って来た浩大。

「へーか、今回はマジでヤバい‼」
「……わかった」

黎翔は、その一言だけ発すると向かう所はただ一つ。
勿論、夕鈴のいる後宮で……。
颯爽と歩き出したその背中に、見送る李順はいつもの
言葉を発する事は無かった……『お早いお戻りを』とは。
黎翔は着く早々に侍女達を下げて、すぐに二人きりに。一言も発しない黎翔の堅くなった表情から、ただ事が起きたのではないと言う事くらいは夕鈴にも理解出来た。

「ゴメン、夕鈴…今からここはちょっと危険になると思うから、避難していて欲しんだ」
「避難?ここって後宮が、ですか?」
「いいや、後宮も……なんだ」
「も?」
「王宮が一番危ないけど、後宮も十分危ないと思うから」

黎翔は唇を噛める事で、悔しさを吐露していた。その様子を見た夕鈴は、ここで自分が足手纏いになっては申し訳無いとそそくさと後宮を離れる用意をし始めた。

「陛下、私は大丈夫です。心配しないで下さい。私は、帰るべき場所に帰るだけですから」

夕鈴は今出来る精一杯の笑顔を黎翔へと見せる。けれど自分では見えないが、それはきっとぎこちない笑顔だ。
私を王宮から出す位だから、今からきっと大変な事が起こるんだわ。
私がここにいて陛下の邪魔をする訳にはいけない…でも、陛下は大丈夫よね、怪我なんてしないわよね。
夕鈴は押し寄せる不安が胸一杯になる前に、一つだけ黎翔に尋ねた。

「また、会えますよね?」
「君がそう願ってくれるなら」
「陛下、何が起こっているのかは分かりませんが、怪我なんてしないで下さいね」
「ありがとう、大丈夫だよ」

黎翔が一瞬だけ見せた柔らかい表情に、夕鈴は少し安堵した。そして花が綻ぶ様な笑顔を黎翔に見せて、直ぐに自室から静かに出て行った。
その後ろ姿を唇を噛み締めながら見送る黎翔の背中には、怒りの炎がゆらりと立ち昇っていた。
そんな二人の様子を天井裏からこっそり見ていた浩大は身震いをしながら、これからの起こるであろう予想図を脳内に描いていた。
早くこの事態を収めないと黎翔の激情はあらぬところに被害を撒き散らしてしまうだろう……と。

夕鈴が去った室内に、黎翔はただ佇んでいた。誰もいない空虚な部屋。
こんな事になるとは…そう思う黎翔は、自分の不甲斐無さに頭を垂れる。そうしていると背後に見知った気配が現れた。黎翔は振り返り乗せずに、その人物に向けて声を発した。

「浩大、夕鈴は行ったか?」
「ちゃんと、門を出て通りに入るまでは見てたけど、特にヘンな奴はいなかったから大丈夫!」
「そうか………」

黎翔は柳眉一つも動かさず、ただそれだけを呟いた。
夕鈴が無事で有りさえすれば、今はそれだけでいい。

「では、取り掛かるぞ」
「了解っっ‼」

 黎翔は短く言葉を放つと腰に差した剣の柄を握り締め、信頼のおける隠密と共に大股で部屋を出たのだった。



こちらの再販・新刊の通販をご希望のゲスト様は
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それでは、
どうぞ宜しくお願いいたします



瓔悠









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09 : 06 : 36 | オフ活動関係 | コメント(2) | page top↑
サークル誌最終号の通販ご案内
2018 / 06 / 19 ( Tue )
この夏、
私が所属してます、狼×嫁(うさこい)倶楽部のサークル誌の
最終号(3号)が8月15日に発刊致します。

哀しいかな、本誌も最終回をもうすぐ迎える事になり
サークル活動も幕を閉じる事になりました。

それで
最後は書きたいモノを書きたいだけ!!と銘打って
サークルメンバー各々が素敵作品を書き上げてます。

私自身も28ページ!!の力作を書き上げました。

『色濃く映る、藍の空』
黎翔、夕鈴が下町の祭りに参加したら・・・。
というシチュで、王宮・下町と場面を変えながら
話は進んでいきます。
夫婦設定モノで、甘々を目指してみました。
・・・・まぁ、私が書くので、そこまで甘々では無いかも。


サンプル 『色濃く映る、藍の空』

一口に下町って言っても、実はかなり広くて―――。
王都からしてそもそも広くて、その中の下町と呼ばれる地域は、実は何か所もあるのである。その一地域に夕鈴の実家がある章安区はあった。
 その章安区で今一番熱い話題と言えば、近く開催される『夏祭り』であろう。この夏祭りは毎年王都内で大々的に催される夏の風物詩で、その年毎に企画運営を受け持つ地域が変わり、そのせいか大成功で終わる年とそこそこで終わる年の開きがあるのである。   
この成功如何で、その地域の活性化が変わってくるから、それこそ地域住民皆が躍起になって推し進めていく。だからこの祭りの企画運営を任された年は、その地域全体が自然と活気づくのである。
そして、今年は章安区が祭りの企画運営担当の年であった。

「兄貴!ようやく今年、ウチが担当になりますから、一旗揚げようじゃありませんか!」
「そうですぜ、皆をアッと言わせましょうぜ」
「そうだな!お前ら、気合いを入れていくぞっ!」
 
下町でも有名な几商店の一人息子である几鍔も、今年の祭りを待ちわびていた一人である。几鍔と仲間達は、大人達に交じって運営会実行委員会に名を連ねていた。その張り切る様は、大人の熱意よりももっと熱いモノだった。
と言うのも……地域毎に担当が順に回ってくるが、この広い王都の下町内で回されるこの祭りの担当年は、十年に一度しかない。前回はまだ子供だったから企画には参加出来無くて歯がゆい思いをしたのだが、ようやく回ってきた今年はは参加を漸く許され、仲間と共に大いに張り切っているのである。

「しかし、やるからには何処の地域も今まで企画した事が無い様な物にしたいんだが、お前ならどうする?」
「僕の案ですか?……う~ん、僕なら参加者皆が一丸となって楽しめるものがいいなぁ~と思うんですけど。例えば、大太鼓とかお囃子とかに合わせての踊りとか?」
「青慎、結構イイ事言うじゃないか」
「そうですか?でも結構、有りがちな気もするんですけどね」
「でも最近の祭りの傾向は出店の多さとか珍しさを競う感じで、儲けに重きを置いているからなぁ。だから逆に参加者向けの案外そういうモノがウケるんじゃねぇか?それに大太鼓なんて打てる奴は、早々いねぇから面白れぇじゃないか。一丁、親父達に言ってみる事にするか」
「こんな時に姉さんが居たら、誰よりも張り切るんだろうなぁ~」
「そうだな、アイツはこういう祭りにはもってこいの人材だからな。金をあんまり掛けずに盛り上げるコツが分かっているからな」
「そうですね~姉さんは、兎に角節約に関してはプロ級ですからね。その事に関してなら、何にでも通じてると言うか……」
「そうだな。確かに節約する事に関しては、アイツには誰も適わねぇからな」
「はい!僕の自慢の姉さんです」

 青慎は、口元を綻ばせニッコリと微笑む。その笑顔は、姉である夕鈴のモノとそっくりであった。
ここは章安区の外れ、夕鈴の実家…不意に現れた几鍔と青慎の何気無い会話である。二人はここに居ない夕鈴と夏祭りの話題で、ああでもないこうでもないと盛り上がっていた。

「それにしても、アイツはこの所帰って来てるのか?」
「いえ、最近は忙しいのか中々休暇がもらえないらしくて……お給金だけは、王宮からの遣いの方が持って来てくれるんですけどね」
「そうなのか」
「はい……偶には、僕的には姉さんの作ったご飯を食べたいんと思うんですけど」

 青慎は寂しそうに、呟いた。それに対して、几鍔は何と声を掛けて良いやらトンと分からなくて、特に返答はしなかった。通りの喧騒だけが遠くから聞こえてくるだけで、何とも居心地の悪さが漂っている。それを破ったのは、年長者である几鍔だった。

「おいっ、青慎。お前もこの祭りの実行委員に名を連ねてはどうか?」
「僕が、ですか?」
「おう!お前の学を貸して欲しいんだ」
「………僕で、良ければ」
「よっしゃ!これで万全だぜ。じゃあ…また寄るから、それまでに何か良い案があれば考えとけよ」
 
そう言うと、几鍔は手を振りつつ帰って行った。
残された青慎はと言うと、小さく嘆息を吐きつつ
果たして自分で良いものなのかと首を傾げるのだった。

「こんな時、姉さんだったら几鍔さんの良い相談相手になれるんだろうけど…これを機に帰って来れないのかなぁ」
「弟君、元気ぃ?」
 
ふさぎ込み始めていた青慎の気分を一気に盛り上げたのは、元気過ぎる狼陛下の優秀な隠密だった。

                                                サンプル・終

私的には、凄く気に入った作品に仕上がりました。
どうぞお手に取っていただけましたら幸いです。




狼と兎の恋綴り 第3号



8名の作家による、『狼陛下の花嫁』の二次小説ファンブック。
狼×嫁倶楽部による、会誌第3号・最終号です。
恋の物語がちりばめられています。

------
狼×嫁(うさこい)倶楽部
サークル誌「狼と兎の恋綴り」 第3号

[発行日] 2018年8月15日発行
[概要] A5判 132頁 オンデマンド印刷(表紙フルカラー、本文黒)
[内容] 全年齢向け

表紙イラスト:麻杉慎
SS11本を収録
書き手:うりうり、おりざ、さくらぱん、たつぼん、ぴいこ、みね、瓔悠、
リチア
(あいうえお順)

■発送はスマートレターで発送いたします。 ※お荷物番号の追跡なし
送料&梱包手数料:全国一律200円(1Kg、厚み2cmまで)
■決済方法はゆうちょ銀行を予定しています。
 ご予約確認後、あらためてお振込み先等をメールにてお知らせいたしますので今しばらくお待ちください。

収録(予定)作品 一覧 
作者:あいうえお順
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
1 遠く強く、高く、速く (うりうり)
2 白昼夢のヴァリアシオン(おりざ)
3 小犬ファミリーよ、永遠に (おりざ)
4 夏の夜に、恋の花咲く (さくらぱん)
5 花音 かのん (さくらぱん)
6 想いを形に (たつぼん)
7 いつまでも あなたと (ぴいこ)
8 愛の呼び名 ~廻る刻の中で その後~ (みね)
9 現世の君と既往の想人 (みね)
10 色濃く映る、藍の空 (瓔悠)
11 もしも、のはなし。 (リチア)

表紙:麻杉 慎
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *

価格 800円(送料別)

現在、予約受付準備中です。
6月23日(土) 午前0時 
に予約を開始致します。
今しばらくお待ちください。


ご興味のある方、ご予約の方は、下記のバナーをクリックしてくださいませ。
(創刊号・2号も若干の在庫があります。まだお手元に無い方はそちらもご購入出来ます)

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14 : 44 : 15 | オフ活動関係 | コメント(4) | page top↑
通販をお申し込みの皆さまへ
2018 / 05 / 24 ( Thu )
お晩です。
そしてお久しぶりです。

・・・・・・・・・・・・・・・・通販をお申し込みの皆さまへ。

大変お待たせ致しております。
本当に申し訳ございません。

私の通販のみの分が
ちょっと私生活に劇的な変化がございまして
そのおかげで中々入稿できず、
発刊日が伸び伸びになってました。
私生活も娘の運動会が明後日の土曜日にあって、
来週になれば完全に落ち着くと思われます。

そしてその原稿なのですが…ようやく先程書き上がりまして
本日入稿出来る事になりました。


本当に申し訳ございません。
後はこちらに届くまでの間を利用して、通販の準備を完全に終わらせます。

ですので、
もうしばらくお待ちくださいませ。


どうぞ宜しくお願いいたします。



瓔悠


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01 : 00 : 00 | オフ活動関係 | コメント(2) | page top↑
オフ本についてのお詫びとサンプル
2018 / 05 / 09 ( Wed )
こんにちは。
GWも気が付けばいつの間にか終わっており、
通常が戻ってきました。
まぁ、GWとは言っても、なんて何もしませんでしたが・・・。
なので有り難いことに5月病にもなっておりません。


さてさて。
通販では沢山のお申し込み、誠にありがとうございます。
正直、こちらのブログも開店休業中が続いており
申し込みも15冊位もあれば有り難いなぁ~と思ってました。
なのに、思ったよりもあった為、急遽イベント分を減らすことになってしまってました。
そんな感じでイベントではお手に出来なかった方もいらっしゃったようで
本当に申し訳ございませんでした。
それがまず一つ目のお詫びなのですが・・・・・。

更にもう一つお詫びがありまして
こうして記事の更新をしております。

それが・・・・今現在、通販のみのオフ本があるのですが、
発刊を当初5月14日にしてましたが少し不都合が生じまして
発刊が25日になります・・・・。
本当に申し訳ございません。
あさ様御本と一緒にご注文頂きました方には
大変お待たせしてしまうことになってしまい、
ご迷惑をおかけいたします。

発刊後は素早いお届けに努めますので、何卒ご了承くださいませ。
宜しくお願いいたします。


そして、今回のオフ本についてのサンプルもありませんでいたので、
少し上げておきます。
ご興味がございましたら、どうぞ。


月昇り、空満ちる

【タイトル】 月昇り、空満ちる
【本文】 旧ブログからの再録4編 書き下し2編 全年齢対象 
      「満月の夜に」 「決心~月に誓う」
      「月明かりの道標」 「月に酔う」
      「月は、夜桜を抱く」 「すべて、月はみていた」  4編




【月は、夜桜を抱く】

春の夜……心地良い風が吹き、草木を揺らす。それは、すでに満開を迎えた桜の木さえも例外無く―――。ユラユラと優しく
揺れ、時折小さな薄桃色の花弁をフワリと地に落としていく。
 窓辺から見えるその桜は、夜空に鎮座する大きな満月から降り注ぐ光を浴びて闇夜に浮かび上がり、結構遠目なのにそれはまさに夢幻とでも言う様で。

「こんなに月光に映える夜桜なんて、滅多に見られない物だから、陛下と二人きりで散策など出来れば良いのだけれど……」

窓の外を眺めながら、夕鈴はポツリと吐き出した。
侍女達は誰もがこの謙虚で控え目な妃を慕っており、どんな時もお妃様の言を聞き漏らさぬ様にしている為に、囁かれた独り言も聞き逃しはしなかったのだ。聞こえて来た微笑ましい小さな願望について、お付きの侍女達は小さな声で話し合いを始めた。

「どうすれば、お妃様の願いを叶える事が出来るのかしら?」
「どなたか、李順様に申し入れては如何でしょうか?」
「なら、嘆願書を作成してお持ちしてみようかしら」
 
皆『私達の大切なお妃様の為に何とかならないか?』を真剣に考え、提案を次々と出していた。
 自分が無意識に紡ぎだした言葉に呼応して、侍女達に因る秘め事が行われ様としているなんて思いも寄らず、夕鈴はただ窓外をぼんやりと眺めていた。
  そのぼんやりとした夕鈴の佇まいは、侍女達の目には何処か
物寂しそうに見えて侍女達に焦りが襲ってくる。

「早く、何とかしないといけませんわ」
「御覧になって!お妃様の穏やかな瞳が、いつになく曇っていらっしゃるわ」

一体、どれだけ夕鈴の事を観察していると言うのか?―――。
優秀な侍女達は、自分達の仕事をしつつも視線は夕鈴に釘付けになっている。
 そうこうしている内に、侍女達の中の何人かで李順宛ての嘆願書が出来上がっていた。
 しかし、そこで問題になる事はただ一つ…誰が持ち込むのか?
『皆、我こそが!』と意気込んでいて、中々決まらないのだ。
侍女達は夕鈴に気付かれない様に、李順の所に行く人選を囁き合っていた。

「あの皆さん…もう夜も更けて来ましたので、私はそろそろ寝所へ参ります」
 
夕鈴は、殊更にゆったりと彼女達に微笑みながら声を掛けた。それは、自分が彼女達の仕事の邪魔をしているかも知れないから、寝所へ引っ込んでしまった方が良いだろうと思っての事だった。

「早く、誰でもいいから」
「そうですわ、お妃様が寝所へ行かれる事になれば、陛下と散策なんて事はお出来になられませんわ」
「そうはおっしゃっても、やはり李順様に嘆願書をお持ちになるのは、ある程度の方でないといけませんわ」

 さっきからコソコソと話している侍女達の様子に、気付かない夕鈴では無い。何を話しているのかは全く分からないのだが、ここは兎に角早く彼女達を解放してあげるのが、きっと得策であると夕鈴は焦っていた。

―――今日は皆さん、どうされたのかしら?私がいつまでも
こうしてここで桜を眺めているから、やっぱりお仕事が捗らないとか?そうだとすると、本当に迷惑な事この上ないわね。

「皆さんも、どうぞ早く休まれて下さいね」

 ニッコリと笑いながら、夕鈴は心の中でこぶしを胸の前で力強く握り締めていた。こう言えば、大丈夫だろう……侍女達もきっと下がりやすくなった筈で。

「あっ、はい……お妃様」

 そう返事した侍女の様子は、心無し肩をガックリと落として
いる様に見える。
 ―――私、何か間違ってしまったのかしら?
 夕鈴は、少し不安になる。でももう寝所に行くと言った以上、
侍女の様子が気になったとしても、このままここに留まる訳には
いかない。後ろ髪を引かれる思いをしながら、夕鈴は寝所へと
向かった。

「お妃様がお休みになられたら、元も子もなくなりますわ」
「この際誰でも良いから、李順様にこの嘆願書をお持ちしないと」
「なら、私がお持ち致しましょう」

 夕鈴の行動から焦りを感じた侍女達は、立候補してきた少し年長の侍女に嘆願書を託した。嘆願書を託された侍女は、宝物を抱くかの様にしっかりと胸に抱き、そそくさと部屋から出て
行った。
 その侍女が出て行くと、誰が何をするのか示し合わせた訳でも無いのに夕鈴の衣装、髪飾りを分担して準備していく。
 先程の嘆願書を持って行くのに喧々囂々していたとは思えない程の手際の良さである。
 皆が、『私達の自慢のお妃様の為に!』と一致団結している行動
の故である。
 
「さぁ、準備は万端だわ。お妃様には、おでまし頂かなければ」

 寝所へ下がった夕鈴を呼び戻すべく、一人の侍女が様子を伺う為に戸口で遠慮気味に声を掛けた。

「お妃様、もうお休みになられていますでしょうか?」
「えっ?あっ、はい。まだ起きています」
「出来ましたら、おでまし頂きたいのですが」

 一体何の用事なのかしら?
夕鈴は、不思議に思っていた。普段、自分が寝所へ下がったら侍女達が呼び戻す事など無いからで…でも、わざわざ来てくれているのだから、彼女の申し出を断る理由も見つからない

「はい、分かりました。少しお待ち下さいね」

 夕鈴はゆったりとした声で返事をすると、寝台から立ち上がり
扉へ向かって歩き出した。
 扉を開けて覗いてみると、何やら居間のほうが騒がしい事に
気がついた。

「あら、皆さんどうなさ………」

 言い終わる前に呼びに来た侍女に促され、夕鈴は居間の中央まで誘われていた。

「あの、お妃様……真夜中まではまだまだありますし、少し散策なさってはいかがでしょうか?庭園の桜もきっと今宵の月に映えて綺麗でしょうから」
「まぁ、確かにそうですね。では、少し散策する事にします」

 夕鈴の言葉に侍女達はワクワク感を隠し切れずに、そそくさとお妃様を飾り立てるべく、夕鈴の周りを何人もで囲む。

「あの、ちょっ、と……何をなさるのですか?」

 侍女達の大胆な行動に恐れをなした夕鈴は、自身の身体を両腕で抱き締め、瞳を大きく見開いた。





【すべて、月が見ていた】

―――一、月齢14 満月がもたらす、最初の事象。

 上空に鎮座する、まん丸の月。それは望月と呼ばれ、欠けたる事無く吉兆とされることが多い。
 
しかし、真にそうなのだろうか――?

今宵の望月は、いつになく大きく……空全体を征服するかの様で。
何か事が起きてもおかしくない様に感じるのは気のせいであるとは言い難い。

「今宵の月は、いやに大きいな」
「そうですね……天文官からの報告では、今宵の月は特別なモノだそうですよ」
「ほぅ、特別とは?」
「なんでも、数十年に一度のモノで近点満月のなかでも一際大きな月なのだそうです」
「何か影響があったりはしないのか?」
「ええ、特には無いと聞いていますが」
「ならば良いが………」

 黎翔は一言呟くと鑑賞していた望月から目を離し、卓上の書簡に目を戻す。
折角の珍しい月なのだから、夕鈴とゆっくりと月見と洒落込みたくあった。しかし、卓上の書簡がその楽しみを良しとしなかったのだ。

「夕鈴はどうしているのだろうか?」
「お妃様ですか?報告に依りますと、侍女達と月見の宴を
ささやかに開催しているそうですよ」
「それでは、私も……」
「ダメに決まっているでしょう」

 李順の眼鏡の奥の鋭い視線に、黎翔はウッとその後の言葉を飲み込んだ。
 全く以ってこの優秀な側近は、融通が利かない事この上ない。

「ちょっとくらい良いじゃないか」
「ちょっと?今、『ちょっと』と仰いましたか?…陛下がちょっとなどで済む訳が無いでしょう?大方朝までお戻りにならないに決まっていますよ」
「こんな綺麗な月夜を、愛しい妃と共に愛でてこそだとは思わないのか?」
「はぁ……私は、全く!一つも!思いませんよ。さぁ、サクサクとその書簡達を片づけて下さい」
 
これ以上の会話は無駄だとでも言う様に李順は、視線を書簡の中の羅列された文字へと移す。

「明るい月光に照らされた夕鈴の容姿は、さぞかし艶やかなのだろうな………」

 ブツブツと独り言を呟きながら、黎翔は書簡に対峙する。

そう……黎翔の言う通り確かにこの夜の月は綺麗で、辺りを煌々と照らす月光がユラユラと揺らめいており、薄い絹織物で作られた夕鈴の衣を淡く光輝かせていた。
例えるならば、『天女』とでも言えるだろうか。侍女たちの目には、夕鈴の姿がその様に映っていたのだった。

「本当にお妃様はお綺麗で………自然に溜息が零れてしまいますわ」
「やはり、お妃様は陛下の妃に相応しいお方ですわ」

 皆、口々に夕鈴を称えその誉め言葉に夕鈴は頬を薄桃色に染めていた。

「でもお妃様が天女であらせられれば、今宵のような大きな月は天からの何かの啓示であり、迎えのお使者でも降りて来そうでございますね」
「まぁ、私が天女ですか?それは買い被りと言うものですわ。月にいらっしゃる本当の天女様がお気を悪くなさるかも知れませんから、それ位にして下さいね」
「はい」

 夕鈴は侍女達にニッコリと微笑む。その微笑みも侍女達を魅了するものだった。
 それは侍女達だけでなく………。

 月光は、映す―――――全てを。
 望月は、摩訶不思議を引き寄せる――誰も想像しなかった事象を。

                 *

―――二、月齢15 十六夜(いざよい)月が秘めた、事象の兆し。

「昨晩の月は本当に綺麗だったですね」
「はい、お妃様。私は初めてあの様に大きな月を見ましたわ」
「確かに昨晩の月は、特別な月だったそうですものね」
「あの様に月明かりが眩しいのものとは、思いませんでした」
「そうですね、昨晩は蝋燭の明かりがとても頼りなく思えた事はございませんわ」
「そうですね。私もあの様に月が大きくなると月明かりだけでも良い事が分かりましたわ」

 朝から、夕鈴と侍女達は昨晩の月について感想を述べていた。昨晩は黎翔も後宮に戻らなかったので、存分に侍女達と月見の宴を行うことが出来た。まぁ、宴と言っても普段とあまり変わらず、お茶とお菓子をつまんで女同士で話に花を咲かせていただけであったのだが………。
 しかし侍女達にとっては、お妃様とご一緒にお茶が出来る事は大変名誉な事であり恐縮してしまうのである。はっきり言ってあまりあり得ない事だ。しかし夕鈴自身、自分が妃としては地位も低く出自が一般庶民である事を重々承知しているので、侍女達には普段から気さくに接しているし、自分とお茶を共にして欲しいと頼み込む様な風変わりな妃であった。 
 そんな夕鈴の腰の低さが侍女達にはとても好ましく、誰もが夕鈴に心寄せていたのだった。

―――あら?今日の衣装は、少し大きく感じるのだけれど…。
 
夕鈴は、衣装に袖を通しながら首を傾げた。肩口がどうも大きく感じてしまうのである。そこまで撫肩で無い夕鈴は肩から衣装が刷り落ちる事など無いのである。侍女達も夕鈴の着替えを手伝いながら、確かにその様に感じると少し考え込んでいた。
昔の妃達であれば、衣装など一度袖を通したものはもう袖を通す事は一切無く侍女達に下賜されていたのもだが、夕鈴は質素倹約に努めており、その衣装は先だっても着ていたものだった。それからそんなに経っておらず急激に体形が変わるとも思えなくて、着替えを手伝っている侍女達も不信に思ったのだ。

「お妃様、少しお痩せになられたのでは?」
「そうかしら?」
「ええ、お衣装が少し合わない様なので。どこかお身体にご不調など感じられませんか」
「いえ、特には感じませんが………」
「さようでございますか…それでしたら、宜しいのですが」

 恐らく一時的なものであるのだろうと納得して、夕鈴も侍女達もそれ以上は追及する事は無かった。しかし漠然とした疑問は残り、それは喉の奥に刺さった小骨の様にその後もしっくりと来る事が無く悶々としたものを抱え込んだのだった。
 その晩の月は、十六夜。まだ月の欠けた姿をハッキリと視認する事は叶わず、真ん丸の月は優しく地上を照らす。そんな月を、夕鈴は窓辺に佇みボンヤリと見詰める。そこから何かを感じる事は無く、ただただ綺麗な月が鎮座していた。
 だからこそ、誰にも気付かれず事象は進む―――。

                 *

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